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Futsal Philosophy (フットサル・フィロソフィー)

19 2月

2024/2/19 F1/F2入替戦 2024年の入替戦と2008年の全日本選手権

2024/2/19 F1/F2入替戦 第2節 エスポラーダ北海道 1-4 ヴォスクオーレ仙台(2戦合計 3-7で仙台がF1昇格)

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1戦目から見え隠れしていたが、2戦目は北海道の惰性、仙台の徹底が目立った。

象徴的だったのが前半14分の仙台の先制点の場面で、右サイドのキックインを左足シューターの森村選手がセットする。
後ろから走りこんできた小野寺選手のシュートに合わせる形で森村選手が軽く前に出すと、北海道の壁に入った水上選手が小野寺選手のシュートに備えすぎたか、ベタ立ちになったところを小野寺選手が足裏で縦に運ぶドリブルをチョイス。
深くまでフリーで運んでゴール前にシュート性のゴロを送ると、今季名を挙げた北海道のフィクソの本郷選手に対し、背後を匂わせて回り込んで前に入った浅野選手が体制十分で合わせて先制点を挙げた(公式記録は北海道のオウンゴール)。

Abemaの実況で長野しながわの入替戦で当時長野に在籍していた田村佳翔選手が『人生賭けろ!!』とチームメートに激を送っていたというエピソードが紹介されていたが、田村選手と同じ熱量で試合に入っていれば、同場面で一緒にキックインの壁に入っていた室田選手が大ベテランであろうと水上選手の胸倉を叩いただろうし、ゴール前であっさり振り切られた本郷選手を関口選手は叱責したはずだ。
強く、規律のあるチームであればここでしっかりと修正し、水上選手、本郷選手はこの後の試合、もしくは最低でも前半は出場機会がないだろうが、嵯峨監督は失点後のセット替えの後に本郷選手を、後半開始からは水上選手をピッチに送っている。

北海道出身者にこだわったチーム作りをしているのは理解できるものの、鋭いカウンターを武器にFリーグデビューを果たした2009年のリーグ戦4位、参入時からのベテランと関口選手ら第2世代が融合した2014年の全日本選手権準優勝後、それぞれの最高順位を塗り替えられないところに地域限定故の選手の質、量の限界がある。
ここ数年でチームに定着し、セットの柱として育ったのは木村優太選手のみではないだろうか。

シュート数は北海道44本、仙台が24本(前半は24本対7本)と北海道の惜しいシーンが多々あり、2-3と1点ビハインドで2戦目を迎えたものの同点勝ち抜けのアドバンテージを持つ北海道が先制すれば仙台のメンタルを大いに揺さぶれたはずだが、決まらないゴールに対し危機感よりも惜しいというリアクションが続き、目の色が変わったのがパワープレーに入るキッカケとなった仙台の3点目だったのが残念だった。


対して仙台は清水監督の勝負哲学が光った。以下4点をトピックとして挙げたい。

1.ムリなプレス回避の放棄。底でハマったらシンプルに対角に蹴る→ヘッドで中央に戻して回収 or 撤退。

2.両チーム中、最高の決定力を持つ丸山の起用を前半4分、後半5分に限定。常にフレッシュな状態で出場させて相手が焦れる後半に価値ある3点目をゲット。

3.全選手の有効活用。高校生の浅野が殊勲のゴール。ベテランの金須、渡邊、井上らの必死のディフェンスが北海道の時間を削り、仙台のオフェンスセットの体力を温存させた。

4.森村への全幅の信頼。ドリブル&左足シュート一本槍から、前後半30分近く出場するゲームコントロール型のアラフィクソに変貌

戦術的には1と2。
2はF1で戦う来シーズンは丸山の起用を我慢してゲームを進められるかが逆説的だがカギになりそうだ。
逆に1はF1全節で実践するのはチーム内から不協和音が出てきそう。
ボールを保持して仕掛ける試合が全体の3~4割はないと残留は厳しいのではと思う。
リアクションを保ちつつアクションの部分を構築できるかが開幕までの宿題になるだろう。

マネジメント的には3と4。
乾坤一擲の1戦で3のベテランの頑張りは涙腺を刺激した。特に背番号11、井上のディフェンス時の姿勢の良さ、相手の正面でひたすらフェイスオフを保つ様は神々しさすらある。
4の森村選手についてはすみだ時代によく見ていたが、正直すぎるタイミングでのシュートや、ファー詰めではなく確立の劣る直接シュートに辟易する場面が多々あり、大いにヤキモキさせられた。

仙台では唯一のワールドカップ出場者であり、その経験値は群を抜いている。
おそらく清水監督が森村選手がチームに還元できることと、役割をうまく整理し伝えているのだと思うが、個よりチームに利を成すプレーが随所にあり、プレーヤーとして非常に深みが出たと思う。
さすがに全節この時間の出場は厳しく、裏セットの指揮者役の獲得をお願いしたいが、左足の強シュートで後方から睨みを利かす仙台の王様はF1でも無視できない存在になるはずだ。

最後に清水監督だが、試合終了後のインタビューが秀逸だったので触れたい。

試合終盤の北海道のパワープレーを耐える時間に何を考えていたか、という問いに対して、
『これまでの辛かった時間(仙台のライセンス剥奪、その後の東北リーグ、F2での活動)を考えていた。
(そこからあともう少しでF1というところまで来たが)相手があって初めてフットサルは成立する。
嬉しさはありつつも対戦してくれている北海道へのリスペクトは失わないよう戦おうと考えていた』
といった趣旨のことを勝利の価値が何よりも重い戦いの後に語っていて、ちょっと次元が違うなと感じた。

Fリーグ以降の清水監督の選手時代の経歴は、浦安に在籍していた2008年の全日本選手権優勝が唯一のタイトルであり、その後は参入初年度の府中、Fリーグ最終年の花巻、再び参入初年度となる仙台と勝ち星に恵まれない戦いが続く。
浦安在籍時を入れた勝率は31.7%、浦安を除けばわずかに19.7%となるが、単純な勝ち負けでないところにフットサルの魅力や、続ける価値を感じているのだと思う。

清水誠_戦績

今季の仙台は清水監督が久々に出会った勝てる可能性があるチームだ(14勝1分1敗で勝率は88%)。

強烈なフィジカルとシュート力の丸山選手は2008年に全日本選手権を制した時の稲田祐介選手にダブるものがあるし、森村選手が新境地を開拓中の左利きでゲームをコントロールするアラフィクソといえば藤井健太選手が思い当たる。
華やかなイメージのある初期の浦安だが、屋台骨を支えたのは平塚雅史選手、小宮山友祐選手、そして清水誠自身の泥臭いディフェンスだ。

自分の原型というのは苦しい時にこそ滲み出てくるのではないだろうか。
当時名古屋と真っ向勝負を演じていたクオリティにはまだ及ばないだろうが、2024年シーズンにF1を戦う仙台に、2008年の浦安を重ねながら見てみるのも面白いのではと思う。

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23 3月

2023/3/19 全日本選手権 駒沢オリンピック公園総合運動場体育館『成長とは』

2023/3/19 全日本フットサル選手権大会 決勝 湘南ベルマーレ 1-2 フウガドールすみだ
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2021年に子供が生まれ、間もなく1歳半になる。
日に日に大きくなり、言葉らしい音が増え、こちらが思いもよらない動きをする。
このまま成長してほしいと温かく見守っているが、その裏で自分は成長しているのか、大人の成長とは何なのかを考えるようになった。

2023年の全日本選手権はこの大会を得意とするすみだが3度の準優勝を挟んだ4度目の正直でチーム創設後2度目の優勝を果たした。
これですみだの全日本選手権の成績は、

2009年優勝
2013年準優勝
2014年からFリーグ加入
2017年準優勝
2021年準優勝
2023年優勝

となる。
これまでの過去3回の準優勝を振り返ることで今回の優勝が味わい深いものになると思うので、簡単にだが各年の準優勝を振り返りたい。

◆2013年
『(町田、府中(現立川)がいわゆるF1に在籍していた中)東京に3チーム目のFリーグのチームは不要では?』という謎理論でF加入を遮る勢力がF事務局内にいると言われる中で、1次リーグを2勝1分(引き分けは大阪)で勝ち上がるも、決勝はFの絶対王者である名古屋にPK戦で敗戦。
延長後半残り4秒でのクイックリスタートでゴールに雪崩込んで同点に追いついた太見選手のゴール、PKを外した諸江選手にすみだの選手が歩み寄り温かく輪を作る光景は涙無しには見れなかった。
10年後の今、2013年の涙を知る選手は諸江選手と宮崎選手だけになり、宮崎選手は今期で引退することを発表している。

◆2017年
名古屋のFリーグ10連覇を阻んだ大阪相手にハイテンションなの前プレを活かし試合開始3分で2-0とリードするも、ここで現日本代表監督である大阪木暮監督がタイムアウトを取り、文字通り仕切り直した大阪が我に返る。
前プレでボールを追う当時20歳のすみだの清水和也選手がレフリーの笛の基準を把握した大阪ブラジルトリオ(チアゴ、ヴィニシウス、アルトゥール)の誘いに不要なファウルを連発したこともあり、
前プレで攻撃力のある大阪を相手陣地に押し込んで勝負するゲームプランが崩壊して、大阪が前半で2-3と逆転に成功。
後半は33試合のリーグ戦で186得点(1試合平均5.64!!)を奪った大阪攻撃陣が2-7まで引き離して一蹴した。
1年後の2018年から2022年まで清水選手はスペインに移籍している。


◆2021年
頼みのピボのガリンシャが負傷で出場時間とプレーエリアを限定され、フィクソの渡井も出場しないコマ不足の中、後半残り3分に1-1に追いつくも、久々に表舞台に登場した岡山監督率いる機動力抜群のしながわのアラ、フィクソの質量に押され延長戦で4失点と決壊した。
この時のメンバー+清水和也、清水誠也選手のピボ2枚がフィールドプレーヤーのベースとなっているが、ゴレイロの大黒選手、石黒選手はいずれも引退し、今大会のゴールを守った岸選手はメンバー外だった。


~2023年に戻る~


2023年の決勝戦で1-1での延長突入から1-2と勝ち越しになる決勝点を挙げた清水和也選手だが、準決勝では上背のある横浜の高橋選手のガブリに、決勝では経験豊富なベテランの内村選手のインサイドワークにしぶとく抑えられ、好機を得ても強烈なシュートは呪われたようにバーを叩いた。
ようやく訪れた決勝点の場面では、前に強く、反応も抜群のフィウーザ選手を相手に正直に強シュートを打つのではなく、横に舐めて動かして相手のバランスを崩してから右足インサイドで抜く落ち着きで緊張を歓喜に変えてみせた。

3年間のスペインでの経験がここぞという場面で『剛』ではなく『柔』のチョイスを引き出したのではと思うが、このゴールシーン以上に清水和也選手の成長を感じた場面がある。
勝ち越した後にハーフラインを超えたあたりでボールを取られ、湘南のショートカウンターを浴びそうなトランジションの際で、清水和也選手は手で相手にチャージしファウルを使ってピンチの芽を未然に防いだ。
ここまでのチームファウルは3つ。
延長戦は第2ピリオドのファウル数も持ち越していることを考えると、焦れる展開を耐え、ファウルカウントを見て冷静にゲームを進めていたということであり、自身のファウルトラブルで試合を難しくしてしまった2017年からの『心』の成長を決勝点の『技』以上に感じた。

もう一人成長を感じた選手が162cmの身長ながら、決勝戦までの5試合を6失点で乗り切り、優勝に貢献したゴレイロの岸選手だ。
最近のゴレイロのトレンドとしてポゼッション時の攻撃参加がある。
それには高い足技でボールを運ぶことと、シューターとして相手のマークを引き付ける強烈なシュート力を持っていることが要求される。
また、カウンターの起点としてピタリと足裏トラップに吸い込まれるようなシュート回転のレーザービームを投げられればなおいいだろう。
できる/できないはわからないが、岸選手がそれらのテクニックを試合中に見せることはまずない。

相手選手の立ち位置に惑わされずにボールとゴールの直線距離にポジションを取り、適切な型でシュートセーブに入り、リバウンドに備えて0.001秒でも早くポジションを取り直す。
そんな愚直なゴレイロのイロハを準決勝、決勝と2試合連続延長戦となった中で切れることなくやり続ける。
当たり前といえばそれまでだが、それらは体格やセンス、地肩といった先天的に備える才能ではなく、後天的で気の遠くなるような努力の積み重ねでしか獲得できない技術だろう。

やや苦労を感じる風貌で勘違いしてしまうが、若干26歳でFリーグの試合出場が増えたのは長くチームを支えた大黒選手の存在が薄まった2021年から。
全日本が最大5試合のトーナメント形式のフォーマットになった2019年以降の優勝チームの失点数は、

2019年 名古屋 8失点
2020年 中止
2021年 柏(現しながわ) 10失点
2022年 立川府中(現立川) 6失点
2023年 すみだ 6失点

となっており、全日本での成績をベンチマークとした場合、失点が100%ゴレイロの質で決まるわけではないとはいえ岸選手のパフォーマンスは十分なものだ。

タイプ的に名古屋の篠田選手に似ており、伸びしろは十二分にあるが、前述したゴレイロのトレンドから離れた岸選手がトレンドを実現できる選手を招集している日本代表に入る見込みは低いと思っている。
ただ、トレンドはあくまでトレンドで、ゴレイロの根幹は『失点を防ぐ』ことでありこの根幹が変わることは絶対にない。

実質2シーズンでの全日本優勝は大いに誇れるものであり、地道な積み重ねの対価として最高だろう。
残りの対価もそんな『積み重ね』がもたらす成長の先に絶対にあるはずだ。


成長は自分の過ちや弱さを認識するところから始まり、工夫や努力を続けることでしか獲得できない。
3度の準優勝を越え、4度目の正直を掴んだすみだの優勝は、それぞれが掴んだ確かな成長にあったのではと思う。

22 2月

2023/2/1 U-23日本代表 VS U-23フランス代表(2戦目)→今後の日本代表の考察

◆マッチレビュー
2023/2/1 U-23日本代表 VS U-23フランス代表(2戦目) 6-1(前半3-1/後半3-0)

●招集メンバー

●試合結果

●試合動画

●出場選手一覧
日本フランス02

1戦目を見終えた後の感想は
『点差こそ競ったものになったが、フランスはDF時にボールラインまで撤退できない選手がいたり、逆アラへのパスを容易に通されるなどフットサルのリテラシーに乏しく実力的には日本が2段階上。
1対1、セットプレーなど、フランスがフットサル外の質で上回れる局面をキッチリ抑えれば点差を話して日本が圧倒できそう』

だったが、2選目は文字通りこの展開となり、効果的に追加点を挙げた日本が6-1で勝利した。
1戦目とは細かくセットを入れ替えているが、2戦のクオリティを見ても原田、山田、金澤、毛利が頭ひとつ抜けているのは明らかで以降はハッキリとフル代表と兼任になるだろう。

◆セット(1戦目)
ゴレイロ:中澤
1st:宮川、山中、毛利、金澤
2nd:大澤、山田、原田、中島
オプション:
前プレ→橋本、倉科
クアトロ→大島
ドリブル→靏谷

◆セット(2戦目)
ゴレイロ:井戸
1st:山田、毛利、金澤、原田
2nd:大澤、宮川、山中、中島
3rd:橋本、倉科、靏谷、大島(前半に1回登場。以後は各自オプション)

2022年に優勝したAFC、今回のU23の親善試合で木暮監督が目指すフットサルの輪郭が見えてきた。
3月にタイで6カ国国際親善大会が行われることと、出場するメンバーが発表されたこともあり、6-1で快勝した2戦目については賛辞しかないので、以下は木暮戦術を踏まえた上で各ポジションの今後の展望を述べたい。

●2021年 ワールドカップ招集メンバー(参考)

●2022年 AFC招集メンバー

●2023年 6カ国国際親善大会招集メンバー


◆ゴレイロ
フットサルの基本は1vs1でここをどう突破するかがすべての技術や戦術の根幹だと思う。
手より不自由な足を使うことからフットサルの前プレはプレスする側が他競技と比べて成功率が高いはずで、この局面に勝つこと、さらに前を向いてスピードアップした状態で勝つことがゲームの支配に直結する。

ゴレイロを使ったプレス回避は1vs1から2vs1のゲームにフットサルを変えてくれる。
AFC、U23ともゴレイロを使ったプレス回避の場面が多かったが、マイボール時の攻撃回数、ボール保持時間を増やすことや、FPの疲労度の軽減に繋がるこのチョイスは今後も継続するだろう。
クロス、シャンク、ダブルニーといったゴレイロの基本的な精度はあって当たり前。
一見簡単に見えるが底でボールを扱うことのプレッシャーに耐え、ゴレイロを使ったプレス回避のアルゴリズムを実現できる足技を持っていることが代表入りへの必須条件になりそうだ。

◆フィクソ
後ろでドッシリ構えて守備に睨みをきかせ、ミドルシュートでゴールを狙うというのがクラシカルなフィクソのイメージだが、Fリーグを見ても現代のフィクソはオフェンス時はサイドに開いてドリブルやワンツーで仕掛ける、といったどちらからというとアラの資質にも優れたタイプが大半を占めるのではないだろうか。
今回のU23でガッチリとセットを確保した山田、原田、大澤、宮川にしても、見る人によっては『アラ』『フィクソ』どちらの選手かの議論が起こるだろう。
逆説的だがアラとフィクソのポジション的な垣根はごくごく薄く、もはや監督の好みやチームのバランス、相手に合わせたゲームプランによって、アラ役とフィクソ役を指名するレベルのくくりでしかなさそうだ。

象徴的なのが自陣深くで相手のフリーキックになった場合は常にディフェンスのための選手交代をしており、ここでは固定的なメンバーでフリーキックの守備を行っている。
当たり前だが試合に出ている選手は今その局面で必要な能力を持った選手たちであり、専守が必要な場合は適した選手に変えればいいだけなので、安定してボールを保持してゲームを進めるプランであればアラ的な能力が高い選手を多くピッチに立たせるのは理に適っている。

2021年のワールドカップのスペイン戦ではサイズとパワーのあるピボのソラーノ番として星龍太がピッチに入りマンツーマンでマッチアップしていたが、いわゆる肉体派のクラシカルなフィクソの枠は1枠あるかどうかで、基本的にはアラと兼任できるポリバレントなタレントが重宝されそうだ。

◆アラ
目立つのはドリブラータイプのアラで、U23では金澤、山中、霧谷、AFCでは金澤、ワールドカップでは室田、加藤未とAFCを除くと各チームとも2~3枠ある。
ドリブラーといってもスピード、キレ、足技、利き足と勝負のカードにはそれぞれに個性があり、この差異が相手を惑わすチームの強みだ。
AFCでは仕掛けのアラの枚数がやや乏しく、アジア全体のレベルアップももちろんあるがこのコマ不足が初戦にサウジアラビアに敗れるなどの思わぬ苦戦に繋がったのではないだろうか。
他は規律のアラが大枠を占め、代表格は長く活躍した吉川、西谷らだろう。こことドリブラーのアラの質が日本の推進力になる。

◆ピボ
ピボは1~3枠程度になるだろうが、現状は清水和、平田をアラも兼任できそうな毛利が追う展開だろう。
注目株は若干18歳、浦安の柴山で、サイズと年齢に似合わず周りを使うのも上手く、今後の早く国際大会で見たい才能だ。

◆日本が不足している点
2024年にはワールドカップの出場権を賭けたAFCとワールドカップがある。
攻撃、守備ともタレントは充実しており、あとは監督が描く戦術を遂行するピースを発見する、ピースの相乗効果を高めるアプローチが今年は続くはずだ。
自分は以下が日本のレベルアップに必要なピースと考えており、ここの発掘を観点に今年は日本代表、Fリーグを楽しみたい。

1.エースキラーとなるフィクソ
トータルでは重宝されなさそうだが局面で絶対に必要。AFCでは内村が務めたが次世代の適任者探しが必要だろう。
若手~中堅では北村(すみだ)、牧野(湘南)が1対1の強さで抜けているが、個人的にはスピードがありオフェンスでも光るものがある北村を見てみたい。

2.パワーシューター
プレス回避でゴレイロを上げて押し込む際に、シューターが複数いるとよりマークを分散させられて攻め手を増やせる。
アルトゥール、清水和がいるが、ポジション、利き足などのバリエーションごとにいればいるほどチームとしてはプラス。
いなければ相手のディフェンスはミス待ちでもOKなのでハーフでの守りが固い相手には逆にジリ貧。
中村(立川)、上村(立川)らもシューター枠で登用されているが、今シーズン和製ロドリゴとも言えそうな底からのアイソレーションで横浜を牽引した堤はドリブルと強シュートを兼ね揃えており、ゴレイロを上げる戦術との相性も含め、アラとしての期待値は随一だろう。

3.3人のゴレイロ
疲労、アクシデントに備え、基本的なスキル+足技に優れたゴレイロが3人揃えられるか。
2人いれば実質十分そうだが、ワールドカップではゴレイロの登録が3人になるため3人体制を目指したい。
上原(北九州)はドリブルもシュート力も及第点なので、今後Fリーグで経験を詰めれば候補に食い込めそうだ。
7 2月

2023/1/31 U-23日本代表 VS U-23フランス代表(1戦目)

◆マッチレビュー
2023/1/31 U-23日本代表 VS U-23フランス代表(1戦目) 4-3(前半2-1/後半2-2)

●招集メンバー

●試合結果

●試合動画

●出場選手一覧
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◆両チームの現状
日本:2022年のAFC優勝、W杯も2012年、2021年にベスト16進出とアジアの強豪国。
フランス:2018年に欧州選手権に初出場した新興国。2022年は強後ロシア相手に2-3で粘る健闘を見せるも1勝2分3敗で予選敗退。W杯の出場経験はなし。
サッカーのイメージもありフランス>>>日本くらいの彼我戦力差をイメージしてしまうが実績は日本が上位。

◆注目選手
2018~2021頃までほとんどフットサルを見ていなかったこともあり、U23の若手は大半が初見。経歴から嫌でも目が惹かれる選手は以下。

・日本ではよくあるドリブル枠のアラからフィクソに転身しインテルのトップチームで活躍している山田
・U20AFCでMVPになったものの選出理由が自分はわからなかったエルポソBの大澤
・若干19歳でバルセロナBに移籍した原田

大澤、原田は所属チームのネームバリューに値する試合経験を詰めているか、試合勘があるのかというネガティブな面にも注目していた。

◆試合展開の予想
強さ、大きさはフランスに分がありそうなので、相手のパワーやリーチに早めにアジャストし、日本が豊富なアラの枚数で機動力を活かしたプレス、カウンターを仕掛けられるか、が勝負の分水嶺。
そもそも論として新興国のフランスがどれだけ『フットサル』をできるかというのもネガティブな意味で気になったが、先入観は一旦置いておいて試合を見る。

◆試合展開
2016年全日本制覇、2017年Fリーグ準優勝を果たした際の岡山監督時代の町田を彷彿させるような前プレ、ショートカウンター、クアトロが光った。
2点目は前プレがドハマリ。1点目は金澤の縦突破を警戒させたところでの原田→金澤→原田と大きな中ワンツーと100点のゴールが続く。

日本がフロアを縦4分割したお手本のようなクアトロで試合を支配するが、ここからフランスが2-3と逆転したのに非常に驚いた。

1点目は底から出たロングパスに長い距離を走った選手がサイズとストライドを活かしてシュートを決めたが、DFの軽さ(文字通りサイズ差もある)、GKの飛び出した際の面の型にエラー。
2点目は第2PKあたりからの強キックインにファー詰め。ここではDFが曖昧なポジショニングになりフィニッシャーをロスト。
3点目はFK。ゴレイロへのブロックで体制が乱れ、フィニッシャーがコースに大きな選択肢がある状態でシュートが可能となった。

いずれも日本のミスが絡んでいたが、3点目はFK獲得後にタイムアウトを取って決めてきたゴールで、1点目、2点目と合わせて局面での勝負はサイズ+約束事で強気で勝負してくるところに非凡な匂いを感じた。

後半残り10分で日本が1点を追う展開になったが、ここから異様な落ち着きが光る。
残り5分のタイミングで山中をゴレイロにパワープレーを開始すると、毛利、金澤、原田、中島でボールをキープ。
左隅から落ち着いて金澤が決めて同点とすると、残り1分を切ってから取得したゴール正面のFKでは、わざわざタイムアウトを取った後に毛利が正面に蹴りこんで逆転し、4-3試合を制した。

◆セット
ゴレイロ:中澤
1st:宮川、山中、毛利、金澤
2nd:大澤、山田、原田、中島
オプション:
前プレ→橋本、倉科
クアトロ→大島
ドリブル→靏谷

前半中に全選手を出場させ、経験を積ませた点は◎。
各セットでは毛利、金澤、原田が出色で、山中、山田は失点の場面で後手に回った点を修正したい。
ゴレイロ中澤は巧みな足技が光る。ゴレイロを上げてのプレス回避がチームの戦術として熟成されていて、日本は楽にプレス回避をできることで労力を前プレに集中でき、試合のアドバンテージを握るのに大きく貢献した。

◆2戦目への展望
点差こそ競ったものになったが、フランスはDF時にボールラインまで撤退できない選手がいたり、逆アラへのパスを容易に通されるなどフットサルのリテラシーに乏しく実力的には日本が2段階上。
1対1、セットプレーなど、フランスがフットサル外の質で上回れる局面をキッチリ抑えれば点差を話して日本が圧倒できそう。

~ 2戦目に続く ~


30 7月

2018/7/30(月) AFCフットサルクラブ選手権 『Youtubeでのライブ配信の見方・準備について』

今年は2年ぶりに名古屋オーシャンズが出場。
アジア各国のリーグ王者が集うAFCクラブフットサル選手権が8/1(水)からインドネシアで開催されます。

◆AFC公式

◆Wikipediaの2017年大会まとめ
(こちらの方が公式よりも情報が充実)

◆Wikipediaの各年のまとめ
(濃厚なAFCクロニクル。素晴らしいです)

例年、YoutubeのAFC公式チャンネルでライブストリーミングをしていますが、日本で有料放送をやっていて金銭的な利益を損ねることもないのに、閲覧禁止国の設定になっていて『見るにはどうしたらいいんだよー』という声が出るので見方を簡単にまとめました。

◆PCから見る場合
以下のURLから『FireFoxブラウザのアドオンを利用する方法』でPCから見るのが手軽です。
Firefoxのアドオン

手順の詳細は、
①Firefoxをインストール
②Firefoxと上記文中のプラグイン(ProxTube-Unlock YouTube)をインストール
add-on

③Firefoxを再起動。
④FirefoxでYouTubeのページ開く
⑤動画が表示されるところにメッセージが出てきますが、メッセージは『プラグインを適応しますか?』という内容なので、メッセージの選択肢のOKとかYesを押す
⑥しばらく待つと動画が再生される

です。

ライブのURLは事前に公開されないので、

A.AFC公式ページhttps://www.youtube.com/channel/UCJD_ajImG_lpeuK6WTvYI0Aをチャンネル登録
B.試合時間の2時間ほど前にYoutubeの検索で『AFC FUTSAL CLUB CHAMPIONSHIP』で検索して当日のライブのURLを確認

あたりを見つけやすくするために適宜準備しておきましょう。


◆スマホから見る場合
『Unblock YouTube』
というアプリを使います。
(端末がAndroidなのでiOS系(iPhone/iPad)は動作は不明です。おそらく大丈夫だと思います)

unblock-youtube

こちらのブラウザでAFCのサイトにアクセス(PCから見る場合の検索方法A.Bを要確認)すればOK。
何度かどのアプリを使うかを聞いてきますが、頑なにこのブラウザを選択です。

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