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Futsal Philosophy (フットサル・フィロソフィー)

21 5月

2018/5/20(日) Fリーグ2018/2019シーズン 『順位予想』

5/25(金)のオーシャンカップから2018年シーズンが開幕ということで、ざっくりとリーグ戦の順位予想をやってみました。
(予想はプレーオフによる入れ替えを加味しないリーグ戦33試合の順位)

1位:名古屋(±0)※()は昨シーズンの順位との比較。文中敬称略
何の面白味もないが1位予想は名古屋。
質量ともに十分な日本人選手に個で差を生む外国人選手が決定的な仕事を40分継続できるのはこのチームだけ。

長所:昨年5月に重傷を負ったペピータが戦線復帰し、駆け引き上手のピヴォのヴァルチーニョと、左利きのドリブル系アラのルイジーニョの当たり外国人は今季も健在。
外国人3人+篠田/関口/酒井/星龍太/安藤/星翔太/西谷/吉川/八木/齋藤/橋本ら日本代表経験者11人でメンバー入り争いできることが名古屋の競争力の源泉。

短所:引いた相手を崩すための視野や緩急、意外性に長けたラファが離脱(全治1年の大怪我)。引き分け試合が少々増えそう(昨季は27勝1分5敗)。

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昨シーズンの日本人MVPをあげたい吉川。
AFCではチームで最も長い時間ピッチに立ち、全日本では準決勝の湘南戦でロドリゴを封じたディフェンスでのステップワークが光った。
地味なミッションを遂行する仕事人だがシーズン15ゴールは欲しいところ。

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2016年にAFC、2017年に国内3冠とタイトルをすべて制したペドロ・コスタ監督。
AFCも控える今季、常勝名古屋の監督には結果と得点の取れる日本人選手の育成をお願いしたい。


2位:町田(±0)
2016年の全日本優勝、2016、2017年のFリーグ準優勝が示す通り、競争力、若手の出場時間、観客動員数、スポンサー数を着々と伸ばしてきた町田はFリーグの健康優良児。

F最高練度の美しいクアトロを誇る町田だが、ゴール後に看板を蹴る中井選手、突然プッツンするダニエルサカイ、試合中のお口が過ぎる室田選手や日根野谷選手らのオラつき具合も少々目につく。
勝って注目されることが選手の自覚も促すはずで、今季の町田は結果と合わせてピッチでの振る舞いにも注目だ。

長所:補強が的確。
左利きが2人入るのが理想とされるクアトロを採用する町田でFリーグ通算235ゴールのヴィニシウスとブラジル人助っ人のアウグストという2人の左利きの獲得は理想的。

短所:ケガが増えてきた森岡やイゴールら実力上位のベテランの出場時間のコントロール。
活きのイイ若手を活かしたハイプレスでボール奪取して先制→クアトロでゲームをコントロールという試合を多く作れるかがカギ。

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ボールへの執着心やゴレイロをギリギリまで見てシュートを打つ落ち着きなど、スピードだけでない異能のアラとして存在感を放つ中井。
メンバー争いが激しくなりそうな今季は出場時間とゴールを稼ぎ、日本代表の出場キャップを得たいところだ。


3位:湘南(±0)
ビジュアルにエッジの効いた奥村監督、監督から41歳でコーチ兼任で現役復帰を果たした横澤アナリストプレーヤー、日本代表でもシェアを伸ばした個性豊かな選手たち、熱いサポーターが繰り広げた少年マンガのような快進撃は暗い話も多かったFリーグ11年目に生まれた清涼剤。

例年調子の波が激しい印象だったが昨年は、

第1クール:8勝0分3敗(勝点24)
第2クール:7勝0分4敗(勝点21)
第3クール:8勝1分2敗(勝点25)

と安定した成績を残しており、相模湾から発生し、Fリーグのメインステージに上陸した湘南の高気圧は今季も勢力維持と見ていいだろう。

長所:個で差を生む外国人&質量ともに十分な日本人の布陣は東の名古屋。
小門、植松、佐藤ら若手の伸び代も◎。

短所:ロドリゴ、フィウーザらが欠場した際の決め手に不安あり。
ロドリゴがいないセットの練度やテーマ作りが今年と同様、次のステージへの課題か。

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わかっていても止められない初速と強烈な右足シュートで決定的な仕事をするロドリゴは、リカルジーニョ以来の組織や戦術を個で破壊する1.5倍速プレーヤー。
彼のガッツポーズの回数がそのまま湘南の勝ち点に直結する。

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日本代表に定着しそうな小門のボンキュボンとした背中→腰→尻のラインはフットサル界のグラビアキング。
腰&尻のボリュームを活かしてキープ→シュートの型稽古をガンガンやって自分のフィニッシュホールドを身に着けてほしい。


4位:大阪(+1)
昨季は2016年に猛威を振るったアルトゥールのフィジカル/メンタル両面での燃え尽き感が非常に目についた。
おそらく今季が契約最終年のはずで、チーム1の影響力をもつ彼を比嘉リカルド監督が懐柔できるかが順位に直結しそう。
若手育成、結果の両面で確かな成果を残した木暮監督からチームを引き継いだ比嘉リカルド監督は選手から露骨に比較されることになるはずで、結果が出なくなった時に監督以上の実績を持つ選手たちをどう御するかに彼の真価が問われることになりそうだ。

長所:ピヴォにチアゴ/相井/芝野、アラに加藤未/小曽戸/稲田/堀米、フィクソにアルトゥール/田村らの大駒が揃っており、ベストマッチを見つければ通算235ゴールを挙げたヴィニシウスの穴も気にならない破壊力がある。

短所:上位陣ではレベルの落ちるゴレイロ。

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大阪の暴君、アルトゥール。
パワーに目がいきがちだが、正確で超スピードのインサイドと、振りが極小の低空トゥーをシチュエーションごとに使いこなすキックの達人でもある。
ド派手なゴールシーンと合わせて、なぜこのキックを選択したのかに注目してみてほしい。


5位:すみだ(-1)
毎年走力に富んだキビキビとした若手が登場するすみだ。
F昇格4年目でそろそろタイトルが欲しいところだ。

長所:チームで利用できるすみだフットサルアリーナという箱モノが完成したことによる、夜→朝練習への転換。
1~4位に挙げたのはいずれも朝練習がメインのチームで通年の疲労度には大きな差が出る。
2016年、ワールドカップ中断前まで優勝争いを繰り広げるも失速した原因には疲労があったという声もあり、目立った補強はないものの環境の変化によるコンディションの安定は大きな武器になるだろう。

短所:トランジション攻撃以外の選択肢の少なさ。
典型的な先行逃げ切りのチームで、先行されて守備を固める相手を崩す定位置攻撃の型や精度は3年間改善できていない。

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高いテクニックで独特のアイディアを具現化する37歳のややポチャおじさまのボラが定位置攻撃の決めカード。
清水、大園らの若い強シューターを囮に、トリッキーなゴールを量産したいところだ。


6位:府中(±0)
リーグ初のホームアリーナ使用禁止という憂き目にあった府中は、新天地に駅チカ、大規模商業施設チカという好立地の立川立飛アリーナを確保。
新スポンサーに株式会社立飛ホールディングスを加えた体制面の強化は長期視点では利ありで、新たなフットサルファンの獲得に期待したい。

長所:昨年ブレイクした内田に加え、昇格の丸山、湘南から上村、北海道から酒井らが加入。人材流動性が低く、高齢化が続いていたトップチームの陣容が一気に若返り。
これまでの大型選手を揃えてサイズで競技力を担保するチームカラーは一区切りで、新スタイルへの転換を計るには十分な役者が揃った。

短所:駅から徒歩15分の昭和的なアリーナに毎試合1,000人以上集まっていた観客が立川立飛まで来てくれるか。
地域密着型の色が濃いチームとアリーナだっただけに新天地での集客営業は必須(もちろん新規取込のチャンスではある)。

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上福元、柴田らの主力が移籍し、ホームアリーナが変わっても変わらないのがエースの皆本。
左サイドでアイソレーションを作ってからの仕掛けはスコアメークの生命線。

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渡邉=ボレーシュートかごっつあんゴールのイメージを覆して昨年は得点王をゲット。
振り向き、ミドル、1vs1と多彩なゴールパターンを披露したが、一番の成長はゴレイロが動くまで見れる&待てるようになったこと。
そこから生まれた隙間に流し込む技術とセンスはピカイチ。

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全日本準々決勝の名古屋戦で、星、安藤といったフィジカル自慢相手に堂々と渡り合ったピヴォの丸山。
体とプレーのスケールが大きい選手でなぜこの選手が埋もれていたかが不思議。
来期のブレイク候補。


7位:大分(+5)
名古屋を首の皮1枚まで追い詰めた2013年シーズンを境に順位を落とし続けたチームは昨年ついに最下位へ。
絶対エースの仁部屋が離脱したが、府中、大分でチームをプレーオフに導いた熱血漢の伊藤監督が就任。選手のネームバリューに反して結果の出ない状況が続いているチームの建て直しに期待大。

長所:シンプルな戦術を遂行させるのに長け、Fでも数少ない選手をシメれる伊藤監督の就任でチームの雰囲気は一気に変わりそう。
昨シーズン目立ったピッチ上で迷子になる選手がいなくなれば躍進の目は十分で、今シーズンのジャンプアップ候補。

短所:名古屋に次ぐ資金力があると言われている割にはもう一声欲しいような補強が続いている。
今オフは名古屋のルイジーニョの獲得が噂されていた(全日本優勝後にルイジーニョが胴上げされていることから退団→移籍が濃厚だった)がその後、名古屋に残留が決定。
金銭とプラスして『大分でフットサルをしたい』と思わせるような魅力の創出を継続的に取り組みたい。

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Fリーグ初、家庭の事情で活動休止というリリースを出した日本代表のNo10、仁部屋。
ワールドカップに縁のない悲運の天才ドリブラーの復帰を静かに待ちたい。


8位:浜松(±0)
昨シーズン8位と健闘した浜松。
フィネオとジョンレノンの外国人が退団となったが貢献度はそこまで高くない、ベテランと若手のバランスの良さ、昨年7勝したことによる勝グセは今季も継続と考えてこの評価。

長所:常勝名古屋から加入した中村、前鈍内の経験により、浜松の悪癖だった悪い時間の耐え方が大きく改善。
我慢負けでフイにしていた細かい勝ち点の回収が躍進の原動力。

短所:ピヴォの不在。テクニックのあるアラが多いため、軸になるピヴォがいればよりアラが活きる相乗効果が見込める。前線でチームに時間を与えられるピヴォの獲得を急ぎたい。

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常勝名古屋から加入した前鈍内と中村は結果よりも楽しさに傾倒しがちな浜松愚連隊の模倣フットサラー。
ふたりのコンピテンシーの波及がこれまで浜松になかったフォアザチームのベースになるはずだ。


9位:浦安(-2)
中島、荒巻、星、岩本らのベテランが一気に抜け、スペイン代表としてW杯、欧州杯で優勝経験のあるリケル監督が就任した新生浦安。
20代中盤~後半の中堅組が思ったほど出場時間を伸ばせていなかったこともあり、かつての強豪チームもまずは中位確保が現実的な目標になるだろう。

長所:半強制的に若手にシフト。現時点で30歳以上のフィールドプレーヤーはディドゥダのみ。
中島、荒巻、星らが占有していた勝負際での経験に不安はあるが、チームの勝敗を任せられることになった選手たちのモチベーションは高いはず。

短所:平日の練習時間帯が夜間であること。夜練習で年間33試合、長丁場のリーグで上位に食い込むのはコンディション維持の面で難しいことはリーグの順位表が証明している。

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若手を引っ張る鬼教師役が濃厚なディドゥダ。
33節終了後の浦安スクールウォーズ最終回は生徒たちと笑顔の大団円を迎えたい。


10位:仙台(-1)
これまで不在だったチームの軸になる外国人トリオを獲得し、彼らの活躍で勝ち星を伸ばした昨シーズン。
外国人は地味アラのマルロンを残して退団となったがが今季はどうなるか。

長所:ホセ・フェルナンデス監督のニーズに応えられそうな、荒巻、関らスペインフットサルのエッセンスを知る選手の加入。
ピヴォの堀内選手の日本代表選出など、他チームではチャンスの少ない選手が出場時間を与えられることで成長する弱いチームならではの伸び代に期待。

短所:トップリーグでの競争力のあるメンバーは1.5セット分。
助っ人外国人を呼ぶ余力があるなら早めに獲得したい。

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セーフティなパスラインの確保や、ライン間での選択肢作りと府中でシブい動きを見せていた関。
出場時間が伸びそうな仙台では意外にも強力なミドルシュートでゴールを狙う機会が増えそう。


11位:Fリーグ選抜(-)
自主降格を選んだ神戸と入れ替わる形でアラ・トウー世代の有望株がF1に突如参入。
『Fリーグに出場する』から『Fリーグで活躍する』に目標が変わった14人の若者たちは33試合で確かな自信を掴めるか。

長所:体制面の充実。
オーシャンアリーナという練習環境が確保されており、定期的に名古屋トップ、サテライト、東海リーグの強豪との練習試合も多々あるはずで、監督も名古屋のバックアップを持つ高橋優介氏と他のFクラブと比べても環境はトップクラス。
1芸に秀でた選手が多く、モチベーションも高いはずで、ディフェンス戦術が整備されていないチーム相手には結構やれそう。

短所:フットサルに占めるフィジカルの要素は決して低くない。
年齢的にも線の細い選手も多く、球際の攻防で押し込まれてジリ貧という時間帯は必ず出るだろう。
チームの存在理由としてやむを得ないが、経験が最重要なゴレイロが20歳というのは大きなハンデ。

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町田らしいテクニックとインテリジェンスに溢れるアラの伊藤は2016年に日本代表としてカザフスタン、タイ、イランとの対戦経験を持つ20歳。
竹内涼真似の甘いヴィジュアルはスター性十分。

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2016年シーズン終盤、加藤未離脱後に大阪で立派に代役を果たした仁井。
昨シーズン伸び悩んだ163cmの小柄なドリブラーは同世代との切磋琢磨で復調を目指す。


12位:北海道(-2)
毎シーズン入れ替わりの激しい北海道は今季も小柄でイキの良さそうな道産子フットサラーが加入。
毎試合1~2,000人を集める優良チームとしての意地を結果で見せたい。

長所:観客動員や体制面の充実。『やりがい』という観点ではFリーグ1では。
短所:監督10年目を迎えた小野寺監督の引き出し。代名詞の3人カウンターの精度は悪くないが、変化に乏しく対戦チームとしては組しやすい相手。

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ディベルティード旭川(北海道1部)→エスポラーダ北海道という近年の道産子フットサラーのエリートコースを疾走中の木村は小柄ながら確かなテクニックを持つ好フィクソ。
フィジカルとスピードに慣れだしたシーズン終盤が非常に楽しみ。


振り返ると、

①上位の勢力図は昨季から無風
②監督交代の大分の復調
③Fリーグ選抜vs北海道の最下位争い

が総括になる。

各チームの監督、選手、関係者の努力や想いを無視したものが順位予想だが、ひとつも当たらないくらいの裏切られるリーグになってくれるのがファンとしては一番嬉しい。

シーズン開幕を楽しみにしています。
9 3月

2018/3/9~3/11 全日本選手権 駒沢オリンピック公園総合運動場体育館『5つのF』

2018/3/9~3/11 全日本選手権 駒沢オリンピック公園総合運動場体育館『5つのF』
◆準々決勝
バルドラール浦安 9 - 1 フウガドールすみだバッファローズ
フウガドールすみだ 4 - 5 湘南ベルマーレ
シュライカー大阪 3 - 2 ペスカドーラ町田
府中アスレティックFC 2 - 4 名古屋オーシャンズ
◆準決勝
バルドラール浦安 3 - 3(PK:3-4) シュライカー大阪
湘南ベルマーレ 4 - 5 名古屋オーシャンズ
◆3位決定戦
バルドラール浦安 0 - 1 湘南ベルマーレ
◆決勝
シュライカー大阪 1 - 2 名古屋オーシャンズ

Fリーグの理念をご存知だろうか?

公式サイトからリンクをたどるのも面倒だが『TOPページ』→『リーグ概要』→『日本フットサルリーグについて』とポチポチしていくと以下の画面が現れる。


なぜこれでOKを出したかは不明だがこのコンテンツでは説明が不十分で、実際には『FUTSAL』の頭文字である『F』と競技人数の『5人』から5つの英単語をかけたキャッチーなコピーが充てられており以下がその全項になる。

①FAIR PLAY→フェアで公正なリーグに
②FIGHT→日本最高峰の戦いを見せるリーグに
③FUN→フットサルの楽しさを創造するリーグに
④FRIEND→仲間と喜びを分かち合えるリーグに
⑤FUTURE→未来を作るリーグ

偶然にも全日本選手権の決勝トーナメント初日の会場にこの理念がプリントされたTシャツを着ている方が自分の前に座っていて、改めてFリーグは非常に立派なリーグで、素晴らしい理念の元に発足、運営されていることを再認識させられた(ホントかな?)。
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文中の5FのTシャツ。驚くべきことにこれを着ていたのは外国人の方。
こんな珍品をどこで買ったんですか...。


今年のFリーグでポジティブなトピックを探すなら間違いなく湘南ベルマーレの躍進だろう。

2010年の全日本選手権準優勝以外に目立った戦績はない弱小チームが奥村監督と横澤コーチという絵になる指導者の元、潜在能力が開花。
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ロドリゴとフィウーザという強固な攻守の軸が固まり、内村/植松/刈込/鍛代選手といったアラ勢が一気に成長。
フィジカルを活かしてピヴォを張るサッカーから転向1年生の小門選手には大きな可能性を感じる。

スポーツではチームの競技力と集客は必ずしもリンクしないと言われているが、リーグでは前半戦から上位争いを演じ、10/7(土)に同敷地内で行われたJリーグ湘南水戸戦後のシュライカー大阪戦では1,600人の超満員の観客の中、昨季王者にドラマチックな逆転勝ちを収め、会場は熱気に包まれた。

プレーオフでは町田に、全日本でも名古屋に敗れて3位に甘んじたが、攻守の1対1に強いデュエリストが揃ったチームに魅せられて試合ごとに数を増やしたサポーターの応援と、彼らが作り出す雰囲気は過去11年間Fリーグになかったものだろう。
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競技面ではロドリゴの出場時間が飛び抜けており、彼への戦術依存度が高いのは明白で何らかのトラブルが発生した場合は一気に瓦解する可能性もある。
ただ、そういった細かいことは抜きにして、競技力の向上と集客努力が現場の熱を生み、相乗効果としてフットサルを楽しんでくれる人たちが少しづつ集まってくれたということは心底喜ぶべきことだ。

また、湘南はFリーグと全日本でフェアプレー賞も受賞している。
今年Fリーグが掲げる5つの理念を最も体現したチームであることは疑う余地がなく、ゼヒ来年も素晴らしいシーズンを送ってほしい。
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内村/植松/刈込/鍛代ら1vs1に強い湘南のアラ勢。
鍛代選手はピヴォに入っても優秀でシーズン16ゴールをマーク。
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肩から臀部までのアーチが素晴らしい日本人離れしたナイスバディの小門選手。
フェラオ(バルセロナで活躍する大型ピヴォ/ブラジル代表)のようなゴールが度々飛び出るスケールの大きなピヴォは体を活かした型稽古をトコトンやったら一気に化けそう。


次点はフウガドールすみだのサテライトチームであるフウガドールすみだバッファローズの全日本決勝トーナメント進出を挙げたい。

残念ながら決勝トーナメントではリーグ7位の浦安のチームクオリティの前に9-1とあっさり片付けられてしまったが、予選ラウンドではリーグ最下位の大分と8位の浜松に2連勝し決勝トーナメント進出1番乗りを決め、確実に日本フットサル界のベースアップがなされていることを証明してみせた。

すみだ自体は2007年のFリーグ開幕時には参入希望の表明をしておらず、名古屋との決勝を制して優勝した2009年の全日本後からFリーグの参入を目指して活動を開始。

参入を希望するようになった理由を『僕たちが頑張る姿をひとりでも多くの人に知ってもらい、応援してほしくなった』と当時の須賀監督は語っており(記憶が曖昧なためデフォルメしたが実際は彼特有の詞的で機知に富んだ言葉で語られている)、その後、2012年にF準加盟リーグ参戦が認められ、2013年に地域リーグとして全日本選手権準優勝を遂げるなど、継続して運営力、競技力を示したことにより2014年から彼らの夢が実現することになる。

設立当初のバッファローズは育成を目的としたジュニアチームというよりも、実力的にメンバー外となる選手の試合経験の確保や、仕事や家庭などの環境面でトップチームでの活動が不可能な選手の受け皿という意味合いが強かったが、今回のチームは18歳~22歳までの選手が大半を占めており、彼らがFリーグのチームを倒したということに意味がある。

来年、2部制が施行されるFリーグだが、本気になれば9年間でこれだけの組織を構築でき、結果を出せる未来が待っているというのは、これから挑戦を控える各チームにとって勇気を貰えるマイルストーンとなるだろう。

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162cmながらキビキビとした動きとよく通る声でバッファローズの躍進を支えた岸選手。
浦安戦では1カテゴリー上のロングシュートの対応で後れを取ったが、これは先輩方の昇格初年度にも出た課題。リベンジはトップチームでか。
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試合前にサポーターの声援に応える清水誠也選手は日本代表でも活躍する和也選手の兄。
今季はFリーグでイゴールからもゴールを挙げており、183cmの大型ピヴォは虎視眈々とトップ定着を狙う。
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若干19歳ながらフィクソとして堂々のゲームメイクを見せた垂井選手。
ドリブルでボールを運べる確かな技術と戦術眼はトップの諸江選手を彷彿とさせる。
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1試合目で敗れたバッファローズの選手たちが2試合目に湘南と対戦するトップチームの応援に参戦。
すみだFamilyの一体感を感じるヒトコマ。


もちろんネガティブなニュースもある。
これには府中アスレティックのホームアリーナ使用禁止デウソン神戸の自主降格を挙げたい。

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コートサイズが縦に数メートル満たないが、将来的な改修や移転を条件として暫定的に参入を認めたという経緯があったが、コンスタントに1,000人を超す安定した動員を見せていた会場の使用を運営委員会が突然禁止するというのはファン目線では絶対にありえないだろう。


デウソン神戸の自主降格について最終的な意思決定をした上永吉GMを責めるのは簡単だ。
だが、いつまでたってもブレイクしないマイナースポーツの運営を10年続けていればイヤにもなることもあるだろうとちょっと同情してしまう。

数年前のフットサルナビでは選手にプロ意識を持たせるために少額であれサラリーを払っているという志の高い記事が出ていたが、ここ数年はホームゲームでも物販がなかったり、空調が効いていなかったり(グリーンアリーナ神戸の空調は1時間5万円の使用量が必要)ということがSNSの書き込みで散見された。

どんなに愛着を持った競技であれ『いつかビックになるから』という夢だけで身銭を切るのは限界があるし、政治的、経済的、人的な努力と資源が必要であり、それらをベースに拡大していくことをマイナースポーツであるフットサルを通して継続するのは並大抵のことではない。

熱意のある人たちの愛情や熱量で組織が維持されており、自分の気持ちを日々試されるような環境で踏ん張っているのなら張り詰めるものが切れることもあるだろうし、それを責める気にはとてもなれない。

過去の類似事例を紐解くと、2012年にはそれまでの負債と東日本大震災によりステラミーゴ花巻が脱退し、花巻と入れ替わりで参入したアグレミーナ浜松は2015年に諸事情による運営母体の変更がされており、F1、F2とも同じような苦労をするチームは確実にでてくる(あるいはすでにある)だろう。
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F2自主降格のアナウンス後におよそ15人が退団/引退を表明した神戸。
引退する選手の中にはサテライトからトップに昇格した20代前半の若手の姿もあり、チームを後継者に託してF1に存続させられなかったのかが悔やまれる。


観客数減少や自主降格(フィージビリティはともかくとして2部制を施行するだけのチームが潜在化にあったことは非常に喜ばしい)、若年齢での引退など、ネガティブなニュースばかりが大きく取り上げられるが、前述のベルマーレ湘南とフウガドールすみだバッファローズの事例は、5Fの理念が体現された素晴らしいものだ。

貧すれば窮ずを地で行くジリ貧なマイナースポーツだが、それでも会場に来てくれるファンの目線が温かいことが救いだ。
しかし、そんな温かさを尻目に若干KYな組織運営が散見されるフットサル界には個人的に5つのFの問いかけをしたい。

⑪Face to Face⇒決定事項にファン目線はあるか?
②Faith⇒ファンが信頼、信用してくれるか?
③Fuel⇒燃料に適したリーグ運営がされているか?
④Figure⇒形式にこだわりすぎていないか?
⑤Feasible⇒それらは実現可能か?

11年目が終わり間もなく12年目を迎えるFリーグだが、カリスマCEOが来る気配も大富豪が支援する気配もない。

ブレイクする可能性を探るよりも、細く長く続ける道を探す方が現実的で、そのためにどうするかを模索するのが今の成長戦略としては妥当だろう。
800~1,200人がコンスタントに来場し、グッズがそこそこ売れ、試合も盛り上がり、現状を悲観してフットサル界を離れるスタッフ、選手が出ない。

現状を鑑みるとそれすらハードルが高い気もするが、2018年はそんな成功を掴むチームが少しでも多く出てほしい。

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今シーズンでの引退を発表した42歳の岩本選手と、退団が発表された38歳の小野選手。
ふたりにとって最後の勝利となったバッファローズ戦後の似ているけど少し違う笑顔。
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同じく今シーズンで引退の佐藤選手は名古屋との決勝戦で得点後に雄叫び&チームメートと歓喜の輪。
引退にあたって今後のフットサルとの関わり方を『選手以外の立場でフットサルを盛り上げたい』と語っている。
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レギュラーシーズンでは森岡選手との縦の入れ替わりで攻守に活躍したダニエルサカイは、ベスト5候補にも選出された充実の1年を意味不明なラフプレーによる退場で終えた。
イマイチ評価の定まらない選手だが今のところ引退、退団の発表はない。
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去るものあれば来るものあり。
175cm/75kg、22歳の丸山選手は府中期待のピヴォ。
準々決勝の名古屋戦では期待値以上の活躍で前線のクサビとして時間とスペースを作った。
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今期一気に逞しさを増した名古屋のキャプテン星選手。
AFCで足りなかった肉体派フィクソの第一候補は攻撃面でもアピールを見せた。
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同じく肉体派フィクソの田村選手。
オール5フィクソのアルトゥールを目の前で見れるのは非常にいい環境。
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準決勝では鋭いプレスでフィクソからドリブルで仕掛けるロドリゴを抑え、湘南の主戦術を封じた吉川選手。
2月のAFCで最多出場時間を記録するベースになった平均点の高さと献身さはすべての日本人アラのお手本。
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日本代表の仕掛けのアラ対決。
右利きの室田選手に左利きの加藤選手が揺さぶりをかける。2020年ではこのふたりがサイドの両翼か。
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不遜なまでに自己肯定感に満ちた昨年の2冠の立役者。
今シーズン精彩を欠いたアルトゥールとチアゴは来期に向けて闘志の充電が必要そう。
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シュートのタイミングやセンスに長け、日本に帰化したヴィニシウスはAFCを狙うアジアのクラブチームからも引き合いがありそうな予感。
ピンと来ないかもしれないがまだ31歳。
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名古屋からサテライトの選手たちが応援に駆け付けた名古屋サポーター席。
お金かかっているなぁ...、というのが感想だがアリーナの盛り上げには大きく貢献。
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久々に『当たり』の外国人が3人揃った名古屋。
ブラジルトリオで一番地味だったヴァルチーニョは中央、サイドを縦横に走り回り、虚々実々の駆け引きで3冠に貢献。
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モデルのようなスタイルの良さでボールを操るルイジーニョ。
長身を活かした左利きのアラは鋭いカットインでゴールを量産。
決勝戦後にチームメイトから胴上げされており退団が濃厚。
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360度の視野でインプットした情報から最適のアイディアを選択し、それを具現化するテクニックを持つFリーグMVPのラファは、決勝戦で右膝前十字靭帯断裂/内側側副靱帯部分断裂/内側半月板損傷と右膝三重奏の全治1年の重傷を負った。

11 2月

2018/2/1~2/11 AFCフットサル選手権 台湾 新北市立新荘体育館『雪辱のAFC』

2018/2/1~2/11 AFCフットサル選手権 台湾 新北市立新荘体育館『雪辱のAFC』
◆決勝戦
日本 0 - 4 イラン
◆3位決定戦
イラク 4 - 4 (PK 1 - 2) ウズベキスタン

2018年アジアフットサル選手権。

ワールドカップ予選を兼ねた惨敗から2年が過ぎ、その後たいした代表活動もなく迎えたリベンジの舞台だったが、結果は決勝戦で世界3位のイランに敗れて準優勝という充実の結果に終わった。

◆2018年AFC結果
結果
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優勝:イラン
準優勝:日本
3位:ウズベキスタン
4位:イラク

直前に行われた世界王者のアルゼンチンとの親善試合2戦から、AFCグループリーグ⇒決勝までの6戦について各選手の出場時間を記録した。
今回は出場時間をベースに選手起用の意図と試合が進むにつれての変遷、そこから見えてきた評価と今後の課題についてまとめようと思う。

以下はアルゼンチンとの2戦の出場時間で、FPの数字は得点/ゴレイロの数字は失点/PPはパワープレー/PPDはパワープレーのディフェンスを指す。
出場時間上位3名を赤字、上位4~8名を緑字で着色しており、上位3名が複数いる場合は4~8名の範囲から重複分を減算(2戦目)、8位が複数いる場合は全員を8位(1戦目)として着色している。
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Fリーグのプレーオフから4日後&今後の連戦も考え、

・AFCのレギュレーションである14人のメンバー枠をGK2人/FP12人に振り分け、3-1でピヴォを置くシステム×3セットで負荷を分担
・軸になる吉川/逸見/森岡/西谷を引っ張りつつも万遍なく選手を起用

という考えが見て取れる。

以下はアルゼンチン戦で試行したベースを元にAFCに挑んだ6戦の変遷だ。
各試合を見るのが面倒な方は最後にある全試合のサマリだけ見てほしい。

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全試合のサマリは出場時間の赤/緑の着色と合わせて、グループリーグ3戦と決勝トーナメント3戦を比較。
UP/DOWN率列は出場時間の伸び/減少をパーセンテージで表し、20%以上の増を赤、減を青で着色している。

この数字をベースに6戦の推移をまとめるとこうなるのではないだろうか。

A.アルゼンチン戦から組み合わせを変えつつ試行していた3セットは3戦目のウズベキスタン戦で解体
B.『清水/室田/吉川/齋藤』と『森岡/逸見/西谷/滝田』の2セットへ移行
⇒理想は3セットだったろうが、アジアトップレベルと伍する3セットを組むリソースはない
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ピヴォとアラの関係で好連携を見せた清水選手&室田選手は昨年のアジアインドアゲームズから熟成が続く次世代コンビ。


C.直近のリーグ戦でのパフォーマンスと出場時間がリンク
⇒コンディショニングに問題があり、大会期間中に上がらない選手は一定数存在する(仁部屋/渡邉)。
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今シーズン、コンディション不良で出遅れてから波に乗れずに終わった仁部屋選手は今大会でも目立った活躍はできず。
Fリーグ得点王の渡邉選手はコンディションと合わせて、プレスやディフェンスを重視するチームで戦術的に活かしどころが難しかったか。


D.齋藤の出場時間減と皆本の出場時間増
⇒左利きでフィジカルのあるフィクソとして齋藤選手を抜擢したが、守備の弱さから起用は限定的。代わりに解体された3セット目から皆本選手が出場時間を伸ばした。
Cの目線だと皆本の調子は良かったが出場時間に恵まれなかった、もしくは尻上がりに調子を上げることができた。
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決勝戦で大会得点王のイランのタイエビを抑える皆本選手。
大舞台が大好きなメンタルを活かして決勝トーナメント以降はコンスタントに力を発揮。

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同じく解体セットから抜擢された星選手。
本職はピヴォだが体の強さを生かしてアラ/フィクソを兼任し、決勝戦ではピヴォとして前線で張るなど、意外なマルチロールでチームに貢献。


E.ピヴォの出場時間漸減。アラの出場時間増
⇒グループリーグと決勝トーナメントを比較し、出場時間が増えたピヴォの選手(森岡/清水/渡邊(星選手はアラとしての起用が多かった))はなし。

数字としては日本人選手のクオリティーはアラ>ピヴォの構図になるが、点の取り合いのシーソーゲームになったグループリーグでは得点を狙うためにピヴォを多く起用。
決勝トーナメント(バーレーン、イラク戦)は先制して相手を抑えるゲーム展開になったためプレスに長けたアラやフィクソを多く起用という意図が見える(森岡減/西谷、皆本、滝田増が一例)。
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出場時間は試合ごとに減った(イラン戦は5分間パワープレーがあったため実質の出場は10分程度)が、ここぞの場面での得点力はさすがの森岡選手。


F.セットの流動性
⇒完全分業制のチームなら2セット8名のみが試合に出場ということもありうる競技だが、2セットのみで戦うのがベストというわけではもちろんない。

ただ、ベースの4人+オプション数名というのが成熟したチームというのは多くの人たちの経験則から割り出せるセオリーだろう。
単純に数字だけを見るなら『選手の特性を把握できず(あるいはコンディション差が大きい)メンバーを固定できなかった』『当意即妙に自信あり』の解釈ができる。

いずれにしろフットサルでは監督が試合に介入できるのは選手交代とタイムアウトくらいだ。
AFCで見えた輪郭をしっかり磨いて2年後のAFCとワールドカップに向かってほしい。
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『とにかくプレス!!』が主戦術になったイラン戦以外は意図した選手起用が上手くいったブルーノ・ジャパン。
2セットか3セットかは今後の彼我戦力差次第になりそうだ。


今回は各ポジションの評価と今後の課題についてまとめようと思う。

①ピヴォ(森岡/星/清水/渡邊):世代交代
出場時間を管理しやすいフットサル。
年齢で選手を判断するのはナンセンスというのが自分の考えだが、エースピヴォ森岡選手の後継者探しに着手する必要は間違いなくあるだろう。

彼に関するインタビューで印象的だったのが『(帰化前は森岡選手も外国人扱いでメンバー入り3人/同時出場2人の外国人枠の対象)毎年ヤバい外国人とのメンバー争いをする中で、盗めるものはとにかく盗んでいった』という趣旨のものだ。

フィジカルとテンションで日本を追い詰めた韓国を相手に挙げた4得点は圧巻で、使いドコロを絞れば日本最高の爆発力をまだ持っているのは間違いなく、名古屋には彼と同タイプのピヴォがいなかった(残念だが現所属の町田にもいない)ことを考えると、日本代表合宿で森岡選手から諸々の武器を盗める後継者候補をドンドン招集するべきだろう。

トップコンテンダーは今回のAFCにも出場し、コンスタントにシーズン20ゴールを挙げている21歳の清水(すみだ)になるが、
左利き&サッカーで鳴らしたフィジカルを持つ小門選手(湘南)や、130kmの右シュートだけでなく柔の感性も備える大園選手(すみだ)、下位に沈む仙台で印象的なゴールを挙げている堀内選手(仙台)をゼヒ試してみてほしい。
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小門選手と堀内選手のマッチアップ。
清水選手の裏セットで番を張れる次世代ピヴォの育成は急務だ。


②アラ(室田/吉川/逸見/仁部屋/西谷):献身的な働きは◎/ゴールの少なさは△
吉川選手(122分)/逸見選手(117分)/西谷選手(105分)とAFCでの出場時間トップ3を占めたプレスも仕掛けもゲームコントロールもできる日本のアラ勢だが、彼らの得点は西谷選手の2得点が最高で室田/仁部屋選手が1得点を上げたのみ。

基本的には3-1でピヴォを置き、ハーフライン以上からのプレスのシステムを採用しており、ピヴォ当て後のシュートやショートカウンターでの数的優位を活かしたゴールの少なさに物足りなさが残った。
室田選手や逸見選手の仕掛けは攻め手として有効なカードだったし、吉川選手の献身的なプレスは感動的ですらあったが、才人が集まったポジションなだけに数字として試合を決めるプレーをアラには求めたい。

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吉川/逸見/西谷選手のアラ3傑。
出場時間、出場中のクオリティともチームの原動力になる活躍は素晴らしかったが、素晴らしいからこそもっと期待したい。

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ラインギリギリのボールにチャレンジしてゴールに繋げる猟犬のようなプレーが出色な中井選手(町田)。
海外勢相手のガッツキを見てみたい。

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AFCの登録メンバーからは漏れ、アルゼンチン戦でも僅か1分の出場に終わったが、プレーオフで名手イゴールの逆を突くミドルシュートを決めた抜け目のない加藤選手(大阪)にはゼヒチャンスをあげてほしい。


③フィクソ(齋藤/皆本/滝田):求むガテン系
昨年のアジアインドアゲームズ以降、本来攻撃的なポジションを主戦場にする齋藤選手が左利き&フィジカルを利点としてフィクソにコンバートして起用されている。
ディフェンスのみで務まるポジションではないが、中央アジア、中東の分厚い体を持つ面々に対して守備に不安があったのは出場時間を見ても明らかだろう。

齋藤選手に限った話ではないが、フットサルとしてレベルは低いもののジャイアントキリングの熱意を持ち、フィジカルとテンション任せの肉弾戦に思わぬ苦戦を喫したタジキスタン戦、韓国戦では、ショルダーチャージ一発で相手を黙らせられる選手の不在に非常にやきもきした。

フットサルIQの高いのウズベキスタンや、決勝トーナメントで対戦したイラク、イランなどフットサルの体を成す相手ならゲームメーカータイプのフィクソも力を発揮しやすいだろうが、玉石混合のアジア、ひいては世界との戦では丸太を担いで城門にブチ当たるようなガテン系フィクソも大いに戦力になる。

2016年にAFCを制する原動力になった星龍太選手、安藤選手(両名古屋。攻撃力も○)、2017年にAFCに出場した田村選手(大阪。ちなみに左利きのため利き足の利点を補完可能)あたりの武闘派フィクソをゼヒ試してみてほしい。
3選手ともディフェンスだけを求められるチームでプレーしているわけではないので、ガルシア監督のメガネに適う活躍はできるだろう。

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押せや掴めやのゴール前で必死に相手ピヴォを抑えるフィクソの滝田選手。
相手を黙らせたい局面では汚れ仕事を引き受けられる選手を常に1人は出しておきたい。


④ゴレイロ(関口/イゴール):川原選手引退以降の本命不在
2014年AFC決勝でイラン相手のPK戦ストップで優勝の立役者になった関口選手が代表の正ゴレイロの座を引き寄せたかに見えたが、イゴール選手の帰化、クラブでの篠田選手との併用もあり守護神レースは混戦模様。

ミゲル・ロドリゴ元日本代表監督や、各国の助っ人外国人がハイレベルと評する日本のゴレイロだが、10年近く日本の正守護神を務めた川原選手引退以降続く本命不在は『ハイレベル』よりも『どんぐりの背比べ』と考えたほうが適当かもしれない。
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今大会では韓国戦の後半以外を37歳のイゴール選手が守ったが、今大会は試合序盤のミスが目立ち、また年々ケガやコンディション不良が増えている。
決勝戦では彼の相手陣角を狙ったスローで好リズムを演出。
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韓国戦後半のみの出場だったが、驚異のテンションで食い下がる相手のシュートを冷静に捌いた。
2014年以降に関口選手の経験を積む場面が少なかったのも大きな誤算。
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個人的にはサイズと柔軟性を武器に前に出る判断が抜群の矢澤選手(すみだ)を推すが、どの大会を目指して誰に期待するのかを逆算し、数少ない代表戦の経験値の振り分けを熟考すべきだろう。


⑤監督・コーチングスタッフ:満点に近い準優勝と木暮ビデオ担当
極小の準備期間で地味強ウズベキスタンと同組のグループリーグを首位通過し、決勝戦でイランに敗れての準優勝は破格の結果は満点に近い90点をあげたい。

一時は小森通訳がゴールキーパーコーチを兼任する極貧体制もあったが、

監督:ブルーノ ガルシア
コーチ:鈴木 隆二/木暮賢一郎
GKコーチ:内山 慶太郎
フィジカルコーチ:下地 達朗

と超充実の陣容になった。

残念だったのが日本フットサル界のアイコンともいえる木暮コーチが、大会中ベンチ入りをせず観客席から試合のビデオ撮影をしていた点で、当意即妙に長けた智嚢をスタンドに置いていたのは非常に残念だった。
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GKコーチに木暮氏と同じくスペインで活躍した経験のある内山氏、大阪監督時に一緒に仕事をした下地氏がフィジカルコーチに入ったことから、木暮氏の次期日本代表監督の線は濃厚だろう。
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ゴレイロの項でも述べたがここ数年の活動実績を見ると経験値を得る機会は非常に少ないはずなので、1戦1戦を無駄にしてほしくない。
コーチ1年生として目で見て勉強などではなく、大阪時代と同様、オラついて指示を出す勝負師の風を吹かしてほしい。

フル代表での大会の出場は前回のAFC以来2年ぶりで、結果はイランに敗れての準優勝に終わったが、各選手とも表情には悔しさと充実感があり、世界3位に達したライバルとの距離感から自分の立ち位置を再認識できたのではないだろうか。

2014年以降の活動回数激減の状況を見ると難しいかもしれないが、ガラパコス化しがちな日本フットサル界の実力を確認する場を多く作ってほしいものだ。
28 1月

2018/1/25(木)、1/28(日)国際親善試合 大田区総合体育館、富山市総合体育館『世界王者との差』

2018/1/25(木)、1/28(日)国際親善試合 大田区総合体育館、富山市総合体育館『世界王者との差』
日本代表 2 - 4 アルゼンチン代表
日本代表 1 - 4 アルゼンチン代表

AFC初戦を7日後に控え1年9ヵ月ぶりに行われた国内親善試合は2016年ワールドカップ王者のアルゼンチンに2-4、1-4で敗れ、点差はそこまで離れなかったものの試合の急所を抑えることに長けたアルゼンチンの完勝という印象だった。


2戦目 ダイジェスト
のちほどUP

2016年10月のワールドカップ終了後に就任したブルーノ・ガルシア日本代表監督だが、肩書きとは裏腹に日本代表を率いて試合をした回数は非常に少なく、残っている映像もダイジェストが中心でどういったフットサルを志向しているのかをこれまで確認できなかった。

結果だけを見るならブルーノジャパンは以下の7勝4分2敗で、評価できるのは25歳以下の選手に国際経験を積ませるという触れ込みで挑んだアジアインドアゲームズでの3位入賞だろう。

ハンガリー
1戦目 1-1
2戦目 3-0

スロベニア
1戦目 2-5
2戦目 2-2
3戦目 0-3

グループリーグ
 レバノン 5-2
 タイ 6-4
準々決勝
 ヨルダン 4-1 
準決勝
 ウズベキスタン 3-3(PK負)
3位決定戦
 アフガニスタン 1-1(PK勝)

モンゴル 5-1
マカオ 11-0
チャイニーズ・タイペイ 8-1

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ここからは1/25、1/28に行われたアルゼンチンとの2戦を簡単にまとめる。

①セット構成
日本、アルゼンチンともピボォを置く3-1の布陣を基本形とし、日本は3rdセット時に状況に応じ4-0でのクアトロを併用。

◆1戦目(2-4敗戦)
1st:清水/室田/吉川/齋藤
2nd:渡邉/仁部屋/星/皆本
3rd:森岡/逸見/西谷/滝田
※ポジションはピボォ/アラ/アラ/フィクソの順

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◆2戦目(1-4敗戦)
1st:清水/星/吉川/齋藤
2nd:渡邉/仁部屋/西谷/皆本
3rd:森岡/逸見/室田/滝田
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後半残り5分からは録画ができていなかったので割愛(パワープレーの模様)

表は各セットでの出場タイミング。
強豪アルゼンチンを相手に90秒~180秒でセットチェンジしてプレーの強度を落とさないことが目的か。

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1戦目はカッチリした4枚替えだったが、2戦目は森岡選手/吉川選手/逸見選手らのタレントを引っ張りながらの機用が目立った。

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膝に巻かれたテーピングがなかなか解けない森岡選手。
町田ではフィクソのダニエル・サカイとの入れ替わりが負担軽減&マークの分散に効果があった。
日本代表でもいい相棒を見つけたい。


②基本戦術
3-1として非常にオーソドックスな戦術で、オフェンス時はピボォで深さを作ってのサイド勝負orピボォ当てで攻め込み、ディフェンスでは前からのプレスで相手を封じ、ボールホルダーからの奪取や、パスラインを限定してのパスカットを狙う。

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最年少の20歳ながら強靭なフィジカルで前線の起点になった清水選手。
物怖じしないメンタルは国際舞台向きで、フル代表でのアジア初参戦になるAFCではゴールラッシュを期待したい。


③セットプレー
1戦目では情報戦を意識してかCKやFKでブロックプレーはなく、チョンドンや逆サイドへ浮き球のパスを出してボレーシュートを狙うなど工夫のないもののみを使用。
(この日はベトナム代表と同代表監督のミゲル・ロドリゴも観戦)

両チームともセットプレーからのゴールが生まれたが、2016年のワールドカップでも目立った速いボールを中央に入れるCKや、強烈なシュート力を活かしてこぼれ玉に詰めるシンプルな形でのチャンス&ゴールが目立った。

活動時間の短い代表でも練習しやすいのがセットプレーなので、AFC本戦では齋藤/清水/森岡らの左右のハードパンチャーのシュートと合わせてブロックを入れた形も採用してくるだろう。
2戦目はブロックも交えたいくつかバリエーションも見せたが、決勝トーナメントまでは極力温存したいところだろう。

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フィジカル/左利き/若さでフィクソに抜擢された齋藤選手。
ロングボールで裏を抜かれる、1vs1のドリブル勝負でやられるなどDFでは踏んだり蹴ったりもFKでは強烈シュートで得点に絡む。
ストロングポイントのハッキリしている選手なので、ヒーローになるのも戦犯になるのも起用方法次第。


④試合内容
Fリーグで名古屋と対戦し2-4や1-4で敗れたチームから『そこまでの差は感じなかった。次回は今回の反省を踏まえて頑張りたい』というコメントを目にしたことがある人は多いだろうが、個人で作った差からチームとしてのアドバンテージを作れるのが強いチームのクオリティであり、なぜ差が生まれたかにこそ成長のヒントがある。

お互いが似た戦術を採用していたが、

・体の厚みを活かしてボールを取られない場所に置く
・自陣コーナー付近に選手を配置し、安全なパスラインを確保してのボトムからの組み立て
・キープが無理と判断したらロングボールで簡単に前に預ける

など要所要所で自分たちの得意なスタイルと、状況に合わせた現実的な判断を組み合わせたアルゼンチンのフットサルの巧さが光ったし、単純に攻守の1対1の強さやフィニッシュワークの的確さにしてもアルゼンチンと日本の大きな差だったと思う。

華麗なヒールリフトなんてやりそうにない無骨な髭面のブランディにボールが入り、足裏で軽く動かした位置にずんぐりむっくりとしたボルートが走り込んでシュートを打つ。

スペインやブラジルから生まれた各種ジョガーダをありがたがって追いかけがちだが、BOOKOFFの100円コーナーに置いてありそうな古臭いフットサル教則本通りのピボォ当てが最も即効性があり、クラシカルな戦術をトコトン利かせてきたアルゼンチンとの差は非常に大きかったのではないだろうか。

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分厚い体を活かして前線で起点を作るNo11ブランディと、的確なフィニッシュが光ったNo10ボルート。
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168cmの体でゴールを守る2016年ワールドカップ最優秀ゴレイロのサルミエントは局面に合わせたクロス/フェンス/ダブルニーのゴレイロ3型のチョイスに迷いなし。


⑤AFC展望
1/21までプレーオフを戦っており、決勝まで進めば最大6試合を11日間で詰め込むAFCのハードスケジュールを考えると、今回の2戦と同じく3セット廻しで全体のコンディションを管理しようとするのは間違いない。

準備期間が皆無だったことを考えればアルゼンチン戦でやったベースの戦術+セットプレー(パワープレー含む)で勝負するしかないので、3セットがベストアベレージを発揮できる組み合わせを考えることが監督の直近の仕事になるはずだ。

ちなみに今回の2連戦でも1戦目、2戦目で以下のセット変更がなされている。

◆1戦目(2-4敗戦)
1st:清水/室田/吉川/齋藤
2nd:渡邉/仁部屋/星/皆本
3rd:森岡/逸見/西谷/滝田

◆2戦目(1-4敗戦)
1st:清水/星/吉川/齋藤
2nd:渡邉/仁部屋/西谷/皆本
3rd:森岡/逸見/室田/滝田
※ポジションはピボォ/アラ/アラ/フィクソの順

順を追ってセット変えの意図を考えると、

1.アジアインドアで抜群の相性を見せた清水/室田
2.クアトロを併用したい時にイメージの共有が容易な町田所属の森岡/室田/滝田
→クアトロを優先。
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昨年9月のアジアインドアで大覚醒の室田選手。
2016年AFCは何もできずに終わったが、今回はピヴォ、クアトロどちらのセットに入っても主役を演じられそうだ。

3.左利きのフィクソとしてコンバートしたもののDFの脆さを露呈した齊藤
4.アルゼンチン相手にボールカットを連発し好調をアピールした星
→不安のあった齊藤のセットにDFの良かった星を併用。清水とのダブルピヴォも魅力
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体の強さと出足の良さを活かしてアルゼンチンの縦パスを前に出てカットする場面が目立った星選手。
オフェンスの駒だが純フィクソが足りないこのグループならフィクソ兼任も十分ありで、勝ち進んでの負傷やカードトラブル時のジョーカーになる可能性大。

5.誰と合わせても高相性の吉川
6.誰と合わせるのがベストなのかが不明確でコントロールが難しそうな逸見
→2戦目でのセットを多少崩した引っ張りで相性を調査。吉川は火消し役で逸見はギャンブル枠か。
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状態の良さが目立った吉川選手。誰と組ませても好相性なチームのキーマン。
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仕掛けが武器にもなり、カウンターの呼び水にもなりうる逸見選手は取扱注意の諸刃の剣。
彼が活きるセットとシチュエーションを作ってあげたい。


完全に主観だがそんなところに意図にありそうで、各試合のセット構成は監督やチームのPDCAが垣間見れる要素なのでAFC本戦でもゼヒ注目してほしい。

グループリーグでは最終戦で対戦する実力拮抗のウズベキスタンがライバルだが、前の2戦(タジキスタン、韓国)でベースとなりうる最適解を出せているかが大会全体で結果を出すための絶対条件になるはずで、個人的には以下の形を見てみたい。

1st:清水/西谷/吉川/星
→前に強いDFを活かしたフィクソ星は浦安でも経験があり、攻撃時は清水とダブルピヴォを形成できるのも魅力。
同一チームでの所属経験のある清水/西谷/吉川は連携も◎
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同じウニベルサールの吉川選手ほどの活躍がなかった西谷選手。
1、2戦目とも馴染みのないセットに組み込まれたが、気心の知れた選手が揃うこのセットならなんでもやってくれるだろう。

2nd:渡邉/仁部屋/齋藤/皆本
→齊藤のフィクソはキッパリ諦めてアラへ再コンバート。仁部屋のドリブル、齋藤の強シュートによる仕掛けと、皆本→渡邉の府中ホットラインでシンプルに攻める
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府中所属の皆本選手と渡邉選手は目立った活躍はなし。
連戦を戦いながらリーグ後半に失速した調子を上げられるか。

3rd:森岡/逸見/室田/滝田
→F屈指の町田クアトロ+逸見。短時間で逸見の融合を目指すならクアトロで作った1vs1勝負役が手っ取り早い。
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町田クアトロで守備と舵取りを担当する滝田選手。
サイドでの勝負、ワンツー、中パラを使い分けて相手を押し込みたい。

2016年のリベンジという想いが強いだろうが、仕事の合間に練習&試合をこなす、続けるだけでも大変なマイナースポーツでの最大のモチベーションは『誰よりも上手く、強く、速くなりたい』というシンプルなものなはずだ。

トッププレイヤーの使命感というのももちろんわかるが、活動回数の少ない日本代表でアジアの競合達と鎬を削る喜びを感じてきてもらいたい。

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満を持して日本代表スタッフに入閣した木暮『コーチ』。
大阪所属の下地フィジカルコーチに、同じくスペインでの選手経験を共有できる内山ゴレイロコーチ。
統括的なポジションを兼ねる小森通訳とは選手時代に関わりあり。
2戦目の小出しの選手起用はシュライカーでの木暮采配の色を感じさせるもので、勝手知ったる体制の中でのコーチ1年生はまずは見て勉強なんて気はサラサラなさそう。

22 1月

2018/1/22 2018AFCフットサル選手権 『観戦のしおり』

2/1(木)~2/11(日)までAFCフットサル選手権が始まる。

◆AFCフットサル選手権とは?
アジアNo1のフットサルチームを決める国際大会。
これまではイランが11回、日本が3回の優勝(準優勝は同1回/5回)を果たしており、この2カ国がアジア2強と言われる論拠となっていた。

5位までが出場権を得るワールドカップアジア予選を兼ねた前回の2016年大会では、ベスト8でベトナム、敗者復活戦でキルギスタンに敗れ日本は過去最低の惨敗を喫しており、今回は雪辱を期す舞台になる。

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なお、以下文中で登場するAFCクラブ選手権はアジアNo1のフットサルクラブチームを決めるAFCフットサルクラブ選手権を指し、AFCフットサル選手権は『AFC』とのみ表記する。

※各運営団体のポータルサイトはこちら。Wikipediaが一番見やすいというマイナースポーツあるある。






◆優勝国・各大会結果
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2000年代はイランに日本が挑む構図で、2010年代は2012/2014と日本が2連覇を果たしてアジアの盟主の座を奪うと見られたが2016年に惨敗を喫した。
2016年に躍進したベトナム、タイをはじめ、今大会は2020年以降に予想されるアジア群雄割拠時代の幕開けの第一歩になるはずだ。

◆個人賞
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2014年までは2強のイラン、日本のエースたちがMVP&得点王をジャック。
2016年はタイのエースピヴォのスパウットが得点王に輝いており、黄金期を迎えているタイの優勝&個人賞総取りも大いにありそう。

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AFCクラブ選手権では個人賞3回(MVP1回/得点王2回)の森岡選手(2012年のAFC終了後に帰化が認められたため今回が3回目の出場)は代表大会での個人賞も期待したいところだ。


◆日程
グループリーグ:2018/2/1(木)~2018/2/6(火)
準々決勝:2018/2/8(木)
準決勝:2018/2/9(金)
決勝/3決:2018/2/11(日)
※決勝戦の翌日が日本では休日(建国記念日の振替)になるため現地観戦にはもってこい

TM

◆放送

また、AFCの公式YouTubeチャンネルで配信されるはず。
視聴方法は以下の過去エントリーを参考。

ちなみに2014年はテレ朝がGet Sports内でハイライト&決勝戦を録画放送している。
ここもウォッチしていると試合以外の映像も見れるかもしれない。

◆グループリーグ展望
国名[評価(上位からA~D):主な戦績]

・グループA
チャイニーズ・タイペイ[D]
ベトナム[B:2016年AFC4位/2016年W杯ベスト16]
マレーシア[C]
バーレーン[C]

グループの本命、2016年のワールドカップ決勝トーナメント進出したベトナムは当たると止められない小柄なゴレイロのフイを中心に、重い腰を活かして前向きにボールを奪取してからのカウンターが主体のチーム。
格上には強いが固めた相手に打てる手は少ないので全チームにチャンスあり。

チャイニーズ・タイペイは開催国枠のポッド1位を活かして好位置をゲット。
日本でも指揮をとった太鼓腹のアジウ(2008年~2013年に名古屋を指揮)を監督に、山田マルコス(選手として名古屋/府中で活躍し、府中のGKコーチ、サテライト監督を歴任)をGKコーチに迎え躍進を期す。
新興国のマレーシア、バーレーンを相手に勝ち点を上げられれば予選突破の目が見えてくるはずだ。

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日本代表監督時代に果たした数々の『奇跡のレッスン』で有名なミゲル・ロドリゴはタイ代表で2016年ワールドカップに出場(ベスト16)し、その後は現日本代表監督のブルーノ・ガルシアと入れ替わる形でベトナム代表監督に就任(同国のクラブチームのタイソンナムの指揮も兼任)。
ブルーノ時代に達成したワールドカップベスト16以降、ベトナム代表は大きなインパクトを残せていないこともあり今回はミゲルの腕の見せ場。

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小柄ながら抜群の反応でシュートストップを連発するベトナムのゴレイロのフイ(NGUYEN VAN HUY)は2016年のAFCで日本を破った立役者。
左手に印象的なイレズミがあるゴレイロが出てきたらロースコアゲームを覚悟したほうがいい。
日本、ベトナムとも決勝トーナメントに進出すれば最短でベスト8に再戦が実現する。


・グループB
ウズベキスタン[B:2016年AFC準優勝/2017年アジアインドア4位]
日本[B:2012年・2014年AFC優勝//2017年アジアインドア3位]
タジキスタン[C]
韓国[D]

地元開催になった2016年のAFCで準優勝に輝いたポッド1、地味強ウズベキスタンに元アジア王者の日本が挑む。

腰回りと背中の分厚さに特徴のある中央アジアのタジキスタンをパスアンドムーブで翻弄し、明確にランクの劣る韓国相手に得失点を稼ぐ。
最終戦に控えるウズベキスタンとの直近の戦績は芳しくなく日本の2分1敗(2014年AFC2-1●/2016年親善試合3-3△/2017年アジアインドア3-3△(PK負))。
ここまでに突破のメドをつけられているかで疲労度やカードトラブルなど、短期決戦を戦うチームマネジメントの難易度が一気に変わってくるだろう。

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若手主体で挑んだ2017年のアジアインドアゲームズで3位という確かな結果を出したブルーノ・ガルシア日本代表監督。
極小の活動回数ながら各国フル代表を相手に結果を出せたのは日本のポテンシャルがまだアジアトップクラスであること、ブルーノに確かな監督としての才があることを証明している。

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冷静にゴレイロを見る/外すゴールも増えれば次代のエースの座は揺るぎない。
強靭な体躯と強烈なシュートですっかり代表に定着した清水和也。

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2017年1月の負傷から2017年12月に復帰した加藤未渚実。
独特なドリブルと正確なキックを持つ貴重な左利きのアラは2018年1月のセントラル→プレーオフで好プレーを連発し、ブランク明け後のモチベーション&コンディションの高さを見せつけた。
メンバー入りは微妙だが、パワープレー/セットプレーなどのデザインプレーで発揮する彼の魅力は招集選手の中でも群を抜いている。

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川原引退後、いまいち決め手に欠くゴレイロ陣。
総合力でNo1のイゴールは37歳。
彼の背中を2014年のAFC、2016年のAFCクラブ選手権でイランキラーっぷりを見せつけた反応に優れる関口(26歳)と、前に出る判断が光る今シーズン急成長の矢澤(23歳)が追いかける。
2枠のメンバー入りの権利を掴むのは誰か?

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1990年後半から始まったフットサル日本史のメインストーリーを駆け抜けた木暮賢一郎。
2018年1月一杯で3年間指揮を執った大阪の監督から退任し日本代表のコーチに就任。
ブルーノの任期はおそらく2年か4年のどちらかのはずなので、次回の日本代表監督レースに向けて台湾がスタートの場所になる。


・グループC
イラン[A:2016年AFC優勝/2016年W杯3位/2017年アジアインドア優勝]
イラク[B]
中国[D]
ミャンマー[C]

2016年ワールドカップ3位の世界的強豪イランの1位通過は揺るがず、ここ最近力をつけてきた中東地区のNo2イラク(2017年AFC U20準優勝)に東南アジアの新興国ミャンマーがチャレンジ。
サッカーでは資金力を背景にクラブレベルで力をつけてきた中国だが、サッカー、フットサルとも代表レベルではまだまだ差あり。

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2014年に得点王に輝いたタイエビ(Hossein Tayyebi)はイランには珍しい細身なテクニシャン。
柳に風な身のこなしや、ゴレイロのタイミングを絶妙にずらしたフィニッシュで剛だけではないイランの懐の深さを体現する。
2016年ワールドカップ後はカイラト(カザフスタン。2013、2015年にフットサル版の欧州CLを優勝)や、タイソンナム(ベトナム。ベトナム代表の9割が在籍する唯一のプロチーム)を渡り歩き活躍の場を広げた。


・グループD
タイ[A:2016年AFC3位/2016年W杯ベスト16/2017年アジアインドア準優勝]
キルギスタン[C]
レバノン[C]
ヨルダン[C]

華麗なドリブル、流麗なパスアンドムーブ、GKを翻弄するフィニッシュ・・・。
ファンがイメージする『フットサルらしさ』をこれでもかとばかりに体現するアジアのアーティスト集団、AFC初優勝を狙うタイがグループをリード。
2013年、2017年とAFCクラブ選手権ではいずれもイランのパサンとの決勝戦を制しており、中東3国の包囲網は逆にやりやすいだろう。

ワールドカップ出場権がかかった2016年のAFCで日本に引導を渡したキルギスタン、2017年のAFCクラブ選手権で同国のチームが決勝トーナメントに進出したレバノン、新興国のヨルダンは横一線。
グループCを1位突破するであろうイランとの中東下剋上決戦のチケットを争う。

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2016年得点王。タイの絶対エース、ピヴォのスパウット(Suphawut Thueanklang)。
ムービースターのようなルックス&スタイル抜群の長身ピヴォは多彩なシュートテクニックでゴールを決める。

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タイ代表とチョンブリの監督を兼任。
チョンブリを2013年にAFCクラブ選手権で優勝に導き、タイのフットサルの強化に多大な貢献を果たしたプルピスが2度目の代表監督就任。
人気スポーツになったがゆえに発生した試合数過多による選手のコンディション不良を回復できれば悲願のAFC制覇も見えてくるだろう。
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