kuma45c

Futsal Philosophy (フットサル・フィロソフィー)

7 12月

2014/12/7(日) Fリーグ 第24節 墨田区総合体育館 『想いの寿命』

2014/12/7(日) Fリーグ 第24節 墨田区総合体育館
フウガドールすみだ 1 - 1 エスポラーダ北海道

毎年印象的な若手を次々とFリーグにデビューさせるエスポラーダ北海道とフウガドールすみだ。

ベテランが場を盛り上げ、若手が生き生きと躍動し、勝っても負けても爽やかな余韻を残す似た物同士な両チームの対戦は、ミドルシュート、1VS1、セグンド対応と好プレーを連発した関口選手と揚石選手のゴレイロの魅せ合いもあり1-1のドローになった。

今年のAFCフットサル選手権決勝でイランを相手に素晴らしい活躍を見せ、PK戦勝利の立役者になった関口選手。
シュートストップだけでなく、前に出る判断、足元の落ち着きと現代型ゴレイロのスキルをこれでもかと披露し、最終盤のカウンター合戦ではビックセーブの度に感情を剥き出しにしたシャウトとガッツポーズを響かせた。

テレビに出ているアイドルを観ても『カワイイ』より『若さが羨ましい・・・』という『なんだかなー』な感想を持つようになってしまった、頭髪の量や、視力の衰えが気になる残念なオッサンルートにドップリ嵌りつつある私としては、23歳の若者の爽やかで溌剌としたプレーに刺激を受けつつも目の前が曇る思いだった(な、泣いてないですよ!!)。

1年にひとつ年を取るのは絶対で、どんなに強がったって衰えからは逃れられないし、引退の時は来る。
それでも好きなら諦めたくないし、目標があるなら意地でもしがみついていたい。
 
世代交代は当たり前の事だけれど、自分の衰えや、若さにコンプレックスを感じるのではなく、何もかもが新鮮だったころの自分を重ねて、自分の刺激にして、自分が好きなことに対する想いの寿命を伸ばせればいいんじゃないか。
そんな風に少しずつ考え方を変えられたら、年を取ることもきっと心地良いのだろう。

99
98

90
84
83
82
81
80



30 11月

2014/11/30(日) 関東2部 第11節 ウイング・ハット春日部 『ドヤ顔の哲学者』

2014/11/30(日) 関東2部 第11節 ウイング・ハット春日部
ミリオネア横浜 3 - 3 MORANGO栃木
FUTURO 4 - 2 府中アスレティックFCサテライト
malva ibaraki fc 4 - 5 コロナフットボールクラブ権田
アルティスタ埼玉 2 - 1 PSTCロンドリーナ
三榮不動産FC宇都宮 2 - 2 Iwatsuki Futsal Club/tzk

優勝昇格、準優勝入替戦のレギュレーションで争う関東2部も残り3節。

例年優勝には無敗~2分け、準優勝には1敗~2敗が求められる争いで、この日は6勝1敗1分の同勝ち点で2位を争うコロナとマルバが対戦。

ロングボールを蹴らずに底からボールを繋いで攻めるコロナと、堅守と前プレで押すマルバ。
前プレを破られゴレイロとの2対1を作られてマルバが先制を許し、底でのパスを奪われてコロナが同点に追いつかれる。

ここでの敗戦が昇格争いからの脱落になる最終盤でコロナはロングボールを蹴らず、マルバはプレスのラインを下げない。
短所があることも受け入れた上でお互いが自分のスタイルを信じるシーソーゲームは3-3の同点で残り16秒。
カウンターからゴレイロと2対1を作ったコロナの大場選手が、ファーへのパスを匂わせて名手石井選手を動かしニアに強烈なシュートを蹴り込んだ。

ひとつにまとめた野武士のような長髪を靡かせてサポーターに駆け寄り喝采を求める大場選手。
2010年の関東1部昇格、2012年の降格。
いい時も悪いときも選手兼監督としてメンバーの入れ替わりの激しいチームを引っ張り、周りに自分の価値観を伝え、貫き通してきたスタイルで奪った大きな1点。
両手を広げキラキラしたドヤ顔で喝采に応える姿はまるで哲学者のようで素直にお見事と思ってしまった。

強烈な個を揃え、手堅くゲームを進めるデルミリオーレ。
マイボールを大事にボールを運ぶコロナ。
フットサルムーブに拘るフトゥーロ。
堅守と前プレのマルバ。

4チームが昇格の目を残す関東2部も残り2節。
 
競技レベルや、誰かが決めたカテゴリーじゃない。
Jリーグより、Fリーグより、関東1部より、短所を埋めるのではなく長所に拘り、価値観をぶつけ合う関東2部が今は面白い。

099
試合開始前、急逝されたコロナの諏訪選手への黙祷が捧げられました。
謹んでお悔やみ申し上げます。
100
098
097
18 10月

2014/10/18(土) 関東1部 第13節 東久留米スポーツセンター 『輪』

2014/10/18(土) 関東1部 第13節 東久留米スポーツセンター
リガーレ東京 6 - 2 柏トーア’82
FCmm 3 - 8 ファイルフォックス府中
NOVO MENTE 4 - 5 ゾット早稲田
バルドラール浦安セグンド 3 - 3 カフリンガ東久留米

全試合終了後、関東リーグ前半戦のMVP発表。
受賞は11試合で14得点。2試合連続のハットトリックも達成したゾット早稲田の米谷選手。

2011年シーズンの関東リーグの企画(試合の勝ち負け引き分けを予想し、当たったら1ポイント。1節の全4試合を当てた場合は8or12ポイント。
シーズン終了時にポイント上位の3名は好きな選手のサインボールを貰えるというニッチな企画)
でサインボールを貰った私としては、応援する選手の個人タイトル獲得は非常に嬉しかった。

表彰の花束のプレゼンターとしてまさかの米谷選手の彼女が登場。
花束を受け取り、稲葉MCの米谷選手から受賞のコメントを、という絶妙のパスを受け、おもむろにスーツのポケットから指輪を取り出し突然の公開プロポーズ。
手作り感満載のストーリーを会場全体が固唾とニヤニヤ笑いを飲み込んで見つめた。

・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・。

試合では確かな技術と素晴らしい発想を武器に『そうきたかー』の歓声を連発させる米谷選手。
関東屈指のトリックスターのファインゴールに他チームの選手、サポーターを含め、会場からは『おめでとう!!』の歓声が飛んだ。

好きなものがある。
好きなものを応援してくれる人がいる。

愛のある野次を浴びせ歓喜の輪を作る友人たちと、その真ん中でくしゃくしゃの笑顔をさらにくしゃくしゃに丸める米谷選手。
青春だったり妄想だったりを絵に描いたような素晴らしい光景を前に、私もいつの間にか立ち上がって拍手と歓声を送っていた。

選手のみを厳重注意とする審判問題で物議を醸し、理由を明確にしない突然の開催地変更と、最近殊に愛を感じない日本のフットサルトップリーグであるところのFリーグ。

好きな人達が好きなことを続けていて、選手もスタッフも運営もお互いを好きなことを続ける仲間として尊敬している。
そういうものの先にトップリーグがあってほしい。

どうでもいい雑音にいまいち食傷気味だったところに目にした素晴らしい光景。
脚本、演出、監督、そして主演のおふたりに心からありがとうとおめでとうをお贈りします。

10
09
08
07
06
05

04
03
02

27 9月

2014/9/27(土) 関東2部 第10節 ウイング・ハット春日部 『カリスマの背中』

2014/09/27(土) 関東2部 第10節 ウイング・ハット春日部
フュンフシュピーラー山梨 2 - 1 ミリオネア横浜
malva ibaraki fc 6 - 5 PSTCロンドリーナ
アルティスタ埼玉 1 - 6 デルミリオーレクラウド群馬
Iwatsuki Futsal Club/tzk 10 - 5 MORANGO
コロナフットボールクラブ権田 3 - 1 FUTURO

残り4節に迫った関東2部。

優勝自動昇格。
準優勝入れ替え戦の権利はデルミリオーレ、コロナ、マルバ、フトゥーロに絞られた。

昨季1部の地元アルティスタ埼玉に先制されるも、手堅く同点、加点で突き放すデルミリオーレ。
個性の強いメンバーが揃うこのチームだが1stセットでは関口選手が、2ndではチーニョ選手がとにかく利いている。
劣勢でもボールを切らずにプレスを回避しマイボールの時間を作れる関口選手。
攻守両面で別格のダイナミックなプレーを見せるチーニョ選手。
次節、優勝のかかるマルバ戦は12月21日と、全国選抜の疲れや怪我を抜くには十分な間が空く。
どちらも攻守のバランスのいいチームなので、熱戦を期待したい。

2009年に関東2部降格から、中位をさまよう古豪フトゥーロ。
久々の昇格をかけてのサバイバル対決となったコロナとの大一番は、早々に会場入りし会場内で入念なミーティングをするほどの気合の入りっぷりだった。

試合はコロナが先手を取り、フトゥーロが追う展開。
2点ビハインドになった後半5分過ぎからは、39歳のカリスマ、上村信之介選手が終盤のパワープレーも含め出ずっぱりで得点を狙う。
ダブルタッチでのピボ当て、足首のスナップを利かせてのアウトサイドでのパスなど、外連味溢れるプレーで観客を存分に沸かせた。

かつての関東の主役がワンプレーに怒鳴り、必死に得点の糸口を探す関東2部の昇格争い。
好きなものに必死になり、意地を張り、ワンプレーに一喜一憂する。
カテゴリーがどこかなんて他人が決めるものでしかない。
39歳で現役を続けていて、巡ってきたチャンスに必死になる姿を見れるのはファンとして非常に嬉しい。

試合は落ちない前プレと洗練されたボール回しというモダンなフットサルを見せたコロナが3-1でフトゥーロを降した。

スコア以上に内容に差があった試合終了のホイッスルを憮然と聞く上村選手。
ふてぶてしく憮然としつつも、コロナ、フトゥーロの面々から離れたところでユニフォームの裾で汗を拭う。

芸術家は佇むだけで絵になる。

そんな哀愁を感じる姿がとにかくカッコよかった。 

 
100
099
098
097
096
095

15 9月

2014/9/15(月・祝)第30回全国選抜フットサル大会 きびじアリーナ 準決勝・決勝 『全盛期を決めるもの』

2014/9/15(月・祝)第30回全国選抜フットサル大会 きびじアリーナ 準決勝・決勝
◆準決勝
群馬県選抜 3 - 1 大阪府選抜
奈良県選抜 0 - 4 静岡県選抜
◆決勝
群馬県選抜 2 - 1 静岡県選抜

昨日の決勝トーナメント進出を賭けた大一番と同カードになった第30回全国選抜大会決勝戦。

デルミリオーレ勢が大半を占める群馬県選抜の中で、大会を通して安定した活躍を見せたBFC所属の八高選手からのシュートパスを志村選手がファーで詰めて群馬県選抜が先制。

リベンジを狙う静岡県選抜もゴール正面からのフリーキックを阿野選手がズバリと突き刺し同点で前半終了。
プレスとボール回しで押し込む静岡と、中央を固めてカウンターとブラインドを作ってのシュートを狙う群馬。
接触プレイ、審判の判定にピッチからもベンチからも罵声の飛ぶ荒れた展開になった昨日と変わり、自分たちの色を出し合い、ジリジリする展開にもうまくいかないことを他責に求めない好ゲームになった。

後半12分。
カウンターから右サイドでボールを受ける群馬県選抜の須崎選手。

大会を通じて何度も披露した右足裏でボールを押さえてからアウトで逆へ持ち出す足技ではなく、アウトを匂わせる一瞬の間を取ってからオーソドックスにインサイドへボールを舐めて対峙するディフェンスを寝かせ、ゴレイロを外したファーへのパスを会場全体がスローモーションのような感覚で見つめる中、ジオゴ選手が無人のゴールへ流し込んだ。
相手が自分のプレイを知っていることが利点にも弱点にもなることを熟知した、サスペンスドラマの伏線を回収するようなベテランコンビのゴールがこの3日間の大会の最後の得点になった。

初優勝に沸く群馬県選抜の平均年齢は30.9歳。

決勝点ゴールのジオゴ選手は35歳で、アシストの須崎選手は37歳だ。
全盛期を決めるのは自分自身で、夢や目標があるならいつまでだって持てばいい。
いい大人が怒鳴り、走り回り、クタクタにやり切った笑顔でカップを掲げる。
フットサル黎明期を駆け抜け、生活、競技の両立というジレンマも経験したであろう彼らの全盛期がこれまでとこれからのどこにあるかなんてもう誰にもわからない。

好きなものを追いかける気持ちに、年齢で限界の枠を作ってはめ込むのは無粋だろう。
夢や目標を持ち、挑戦し続ければいくつになっても輝けることをこの日の彼らの笑顔が雄弁に語っている。

01
02
決勝戦の群馬県選抜VS静岡県選抜。
2面のコートを1面に早替えした運営の手際の良さがお見事でした。
03
04
05

アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ