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Futsal Philosophy (フットサル・フィロソフィー)

4 1月

2016/11/22(火) 国際親善試合 MFP味の素スタジアム 『トルクメニスタンという国をご存知だろうか』

2016/11/22(火) 国際親善試合 MFP味の素スタジアム
リガーレ東京 1-2 トルクメニスタン代表

トルクメニスタンという国をご存知だろうか。


中央アジア南西部に位置する共和制国家。
カラクム砂漠が国土の85%を占めており、国民のほとんどは南部の山沿いの都市に住んでいて、豊富な石油や天然ガスを埋蔵する。
西側でカスピ海に面し、アフガニスタン、イラン、ウズベキスタン、カザフスタンと国境を接する。
首都はアシガバートで、永世中立国である。20世紀の末から21世紀にかけてソ連からの独立を果たした。

とある。

日本にトルクメニスタンを知る情報はほとんどなく、60分ほどネットサーフィンをすればURLは一周する。

得た情報を整理すると、議会や政党はあるものの大統領制による独裁政治で出入国は厳しく管理されており、ガソリンや住居は国が国民に安価に提供し、都市部は整備された道路と団地のようなビル群が並ぶ。
半ば鎖国状態にありながら資源の輸出で得た外貨を背景に国民生活はそれなりの水準で、国としてもよく統制が取れている穏健な独裁国家といった少々不思議な国、それがトルクメニスタンだ。

そんな国にフットサル黎明期を駆け抜けたふたりの日本人指導者が滞在し、同国のフットサル代表チームの強化に携わっている。
ひとりはFリーグ府中のGM/監督を務めた中村恭平氏、もうひとりはペスカドーラ町田の前身であるカスカヴェウ、Fリーグの湘南等を率いた前川義信氏だ。

JFAの活動のひとつに『国際交流・アジア貢献活動』というものがある。

経済およびサッカー先進国としてアジアのサッカー後進国への支援(当然だがAFCでの議会選挙の際に各国が持つ票を日本が取りたいという政治的な目的もある)として物品提供を行っていた同活動だが、2011年から指導者の派遣も開始するリリースをAFCに提出する。
それまで物品提供にはリアクションを示さなかったトルクメニスタンだったが、このアナウンスには興味を示し指導者の派遣を要請。

ただしそれは『サッカー』ではなく『フットサル』としてだった。

協会が驚きとともに適任者を探した際に白羽の矢が立ったのが中村氏であり、2011年から2012年までコーチとして同国を指導。
(ただし国状から入国ビザが許可されないためUAE、タイ、ベラルーシなど第3国でのトレーニングキャンプや親善試合、2012年W杯予選に帯同。
当時のJFAのレポートでは本大会で16強に進出したタイ、2016年W杯予選で日本に引導を渡したキルギスを相手に健闘したとある。
氏の熱を感じられる非常に濃い内容なのでゼヒ読んでほしい)

その後、2017年9月にアジアインドアゲームズの開催が決定したトルクメニスタンがフットサルの強化の一環として再び中村氏に監督就任を打診。
トルクメニスタン代表監督就任に合わせて同氏が前川氏をコーチに推挙し、特例的な入国ビザが発行されトルクメニスタンフットサル代表に2人の日本指導者が携わることになった。

そしてそのトルクメニスタン代表が強化合宿とトレーニングマッチを行うため、2016年11月17日~11月30日までの14日間日本にやってきた。

前述の通りミステリアスな国情の彼らがスポーツを媒介として海外に渡るというのは非常に稀で(少々事例は異なるが1995年に世界的に孤立していた北朝鮮でアントニオ猪木がプロレスを開催した無茶苦茶さを思い出してしまった)親善試合は、

11/22(火):リガーレ東京(関東1部/2015・2016年同リーグ優勝)
11/23(水):フウガドールすみだ(Fリーグ/2015年同リーグ3位)
11/26(土):ファイルフォックス府中(関東1部/2016年同リーグ準優勝)
11/29(火):バルドラール浦安(Fリーグ/2015年同リーグ8位)
11/30(水):ペスカドーラ町田(Fリーグ/2015年同リーグ2位)

といった関東の強豪が堂々と待ち構えるスケジュールになっていて、トルクメニスタン代表来日について情報提供いただいたスティーブ・ハリスさん(府中アスレティックFCのFacebookでコラムを連載)と幸運にも初戦のリガーレ東京戦を一緒に観戦させていただいた。

トレーニングマッチの舞台はFC東京のホーム、味の素スタジアムの横の民間施設であるMFP味の素スタジアム。
22:00からの施設の利用開始時間に合わせ、21:30頃からナショナルカラーの緑を基調にしたジャージを着たトルクメニスタンの選手たちが登場し、施設の外でランニング&ダッシュのウォーミングアップを開始する。

日本人コーチに率いられて日本でのトレーニングマッチに挑むトルクメニスタン代表。

まったく知らない言葉を話す彼らが薄暗いアスファルトの上でテンションの高い円陣を組み、屋内の逆光を受けて施設に入る後ろ姿がミステリアスさも相まって少し神々しく見えた。

試合は前半8分前後に右サイドからのキックインを小山選手がチョンドンで決めてリガーレが先制。
その後はハーフに引いて2ラインを形成して守るトルクメニスタンがしぶとく凌ぎ、フットサルに長けたリガーレがボールを保持して押し込む展開になる。

後半は徐々にトルクメニスタンが試合に慣れ出し、胸板や臀部の分厚さが光るフィジカルと負けん気の強さで球際に激しく当たる。
トルクメニスタンの攻め手はピヴォ当てもパラレラもなく、カウンターを含めドリブル突破→シュートの一辺倒だったが、迫力のある鋭い切り返しを駆使したドリブルと堅守を誇るリガーレディフェンスとの1対1は非常に見応えがあった。

試合全体を通し大方はリガーレペースだったが、後半10分過ぎにキックインからのチョンドンでトルクメニスタンが同点に追いつくと、コーナーキックから中央で待ち受けた選手が豪快に蹴り込む連続ゴールで1-2と逆転。

フットサルとしての引き出しの多さでは圧倒的にリガーレに軍配が上がるだけのチームクオリティの差があったが、フィジカルと気持ちで球際を制し、ドリブルで好機を演出、セットプレーから丸太のような足で繰り出す強烈なシュートで得点を挙げるという、非常に小さいパズルのピースを組み合わせてトルクメニスタンが嬉しい日本初勝利をあげた。

もう亡くなってしまったが私の祖父は終戦時に満州で捕虜となり、数年間ロシアに抑留されシベリア鉄道の工夫をしていた。
戦傷なのか凍傷なのか経緯は聞けなかったが手の指が数本なく、小柄だが筋骨隆々で、愛想のいい好々爺といった風貌で大好きだった。

普通に暮らしていれば接点のないミステリアスな国であるロシアの印象を聞くと『暗いイメージのある国だが、総じて陽気で、礼儀正しく、素直で純粋だ』とのことで、捕虜になっていた際に祖父が身につけていた腕時計を羨ましそうに見ていた彼らに、彼らの食事と腕時計の交換を持ちかけたところ嬉々として交換に応じたというエピソードを顔をくしゃくしゃにして語ってくれたのを今でも覚えている。

日本に住んでいると本当かどうか実感できない話だったが、2012年のワールドカップで巨体を揺らして自国を陽気に応援する祖父と同年代のサポーターのおじさまを見て、なぜかロシアを身近に感じた。

それ以来、旧ロシア領を含めロシアはいつか行ってみたい国としてどこか心に引っかかっている。

リガーレ東京との試合前のわずかな時間に中村氏と話しをできる時間があり、祖父のロシアのエピソードを話すと同様の事を氏も祖父から聞いたことがあるとひとしきり盛り上がった。
また、当時は100名弱ほどの日本人捕虜がトルクメニスタンに工夫として派遣されていたらしく、彼らは首都アシガバートから続く幹線道路のトンネルの掘削に尽力したとのことで、現地の方は日本人に対する感謝や尊敬の念があるということをトルクメニスタンで聞かされたという。
想像すらしていなかった日本人も知らない日本人の異国での活躍になんだか胸が熱くなってしまった。

トレーニングマッチ終了後、施設の使用時間の24:00までのミニゲームが終わる。
ホテルへの移動手段が必要とのことでハリスさんの車にもトルクメニスタンの選手を3名乗せて彼らのホテルへ向かった。
資源国国家であるところの一国の代表チームが14日間過ごすということでさぞ立派なホテルではと想像していたが、目的地に着くと長期出張のサラリーマンが常宿に使うようななんてことのないウィークリーマンションで、三々五々入口前に少々興奮気味の選手たちが揃う。

黒髪を短く刈り、深い瞳の緑のジャージを着た朴訥とした青年たちがひとりづつ中村氏と健闘を称える握手をし、深夜である時間帯を気にしてか話し声も小声に行儀よくマンションに入っていく。

『フットサル』というマイナースポーツで彼らは繋がっている。

監督と選手という言葉で彼らの関係を表すことは勿論できるが、母国を離れて異国に渡り、自分たちの成長を促すために時間を使い、経験を伝えてくれる異邦人にどれだけの敬意を払っているかは彼らの振る舞いを見ればよくわかる。

『国際貢献』という言葉は定量的にお金や物品を提供することと考えられがちだが、ウィークリーマンションの前の光景には何億円よりも重い説得力があった。

深夜1時。
予定がつく11/23(水)のすみだ戦と、11/26(土)のファイル戦を見に行くことに決めた。

彼らを無性に応援したくなった。

※続きます 2016/11/23(水) 国際親善試合 郷土の森府中市立総合体育館 『外国人の視点』

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施設の外でアップをするトルクメニスタン代表
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アップ中の選手たちと見つめる中村恭平トルクメニスタン代表監督。
非常にお茶目な好々爺といったトルクメニスタンのドクターがアジアの強国、日本のフットサル選手をパシャリ。
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書かれているスペイン語がかすれたレガース。
彼らの練習の跡が伺える。
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戦術面は前川義信コーチがボードを駆使して指示。
試合前のモチベーションを中村監督が鼓舞する。
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ドリブル突破でトルクメニスタンの攻撃を牽引した10番と、得点能力の高い7番。
次に見るのはアジアインドアゲームでのトルクメニスタンの躍進のニュースと共にか。

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 トレーニングマッチ終了後は全員で握手と記念撮影。
マイナースポーツであるフットサルが果たせる国際交流を考えさせられた少し不思議な光景。 
17 12月

2016/12/17(土) Fリーグ第25節 浦安市総合体育館 『理解される選手』

2016/12/17(土) Fリーグ第25節 浦安市総合体育館
バルドラール浦安 5 - 6 シュライカー大阪

ワールドカップに3度出場し、フットサル黎明期のメインキャストの一人である浦安の小宮山選手が今シーズン限りでの引退を発表した。

シーズン中に37歳を迎えるベテランの決断にあたり、フットサル界のゆかりのある面々からメッセージが寄せられ、その中でも2012年に史上初のワールドカップ16強に進出した際に共にキャプテンを務めた現大阪監督の木暮監督のコメントが奮っていた。

気持ちを前面に出す小宮山選手のメンタルや、攻守の切り替え・戦術遂行などのコンピテンシーを称えたうえで、小宮山選手得意としているもの、苦手なものの両面で上を行っている自分が育てたタレントたちで引導を渡す、という戦友への愛に溢れた介錯宣言になんとも胸が熱くなった。

23戦して132得点(1試合平均で5.7得点)というクレイジーな攻撃力で今シーズン16連勝を記録した大阪だが、ここ数試合は10月中旬のワールドカップ中断以降の2ヵ月間で11試合のスケジュールをアルトゥール/ヴィニシウス/チアゴのブラジルトリオと加藤/田村の木暮チルドレン、ベテランの小曽戸の6人で回してきた疲労が濃く、11/13の天王山、アウェーでの名古屋との首位直接対決を2-4で制してからは徐々にピークアウトしてきた感がある。
ここ最近は相手に先行される試合展開が目につき、前節の府中戦は2点を先行されるも辛くも引き分けという試合運びで前述の連勝が16でストップという形になった。

この日の浦安は彼我戦力差を考えてハーフに引いてのカウンターと、正確なスローを持つゴレイロの藤原選手が右角にロングボールを放ってのトラップ&シュートという弱者の戦術をチョイス。

藁でも木の枝でもなくレンガで築いた浦安のディフェンスに疲労度を考慮してアップでも息上げ系のメニューを廃した大阪の狼たちが襲いかかるも、大阪のオフェンスを耐えての右角へのゴレイロスローからチェスのトラップ&シュートで開始1分で浦安が先制。
 
10分にはゴール正面で得たフリーキックのこぼれ球をケニーが蹴り込んで2-0。
12分。再び右角へのゴレイロスローを受けた野村選手がライン際からシュートを放つと、大阪の唯一のウィークポイントであるゴレイロの柿原選手がゴール中央へ弾くチョンボ。
これに介錯試合の主役である小宮山選手が飛び込んで3-0とすると場内は一気に盛り上がった。

3-0のビハインドで迎えた後半は今シーズン抜群の冴えを見せる勝負師木暮監督が前半16分ピッチに立ったアルトゥール/チアゴ/小曽戸/加藤のFリーグ最高の1stセットと、わずか4分の出場になった今井/田村/佐藤/村上の2ndセットをシャッフル。
1stセットの途中でこの日がデビュー戦となる小柄なドリブラー系のアラである18歳の仁井選手をベテランの小曽戸選手と交代させ、2ndセットの旗振りに小曽戸選手をスライド。

少々大人しかった2ndセットのディフェンスラインを高めに設定してのプレスで浦安のスタミナを奪い、23分にアルトゥール選手がミドルシュートを決めて反撃の狼煙を上げると一気に暴力的な攻撃力が爆発。
 
28分に加藤選手が粘ってチアゴ選手に繋いで最期は小曽戸選手がプッシュ、29分に再びアルトゥール選手が中央からズドンと決めて同点。
32分にチアゴ選手がゴリゴリとした突破でゴールに蹴り込んで3-4と逆転すると、続けて小曽戸選手のシュートパスを加藤選手が胸で詰めて3-5。
最期はコーナーキックからのチアゴ選手のシュートに小宮山選手がスライディングで飛び込むも及ばず一気に3-6と突き放す。
浦安も粘りを見せ4分間のパワープレーで終了19秒前までに5-6と追い上げるも最期は大阪が1点差でシャットアウトとなった。

攻守に別格のパワーを見せるアルトゥール。
引き出しは少ないが反転、馬力、シュートに特化した純ピヴォのチアゴ。
サイドからの突破とプレー選択にセンスを見せる加藤。
チームプレーに実直で総合力が高い小曽戸。

名古屋、すみだ、町田など下部組織からの登用を含め、全メンバーに試合時間の経験値を振り分けて綺麗な六角形の雪結晶を目指すチーム作りと比べ、大阪は少数精鋭で錬成した鋭利な氷柱でスキを見せた相手を貫く。
 
勝負である以上結果がすべてで、わかっていても止められないお決まりのメンツが試合を決める大阪は非常に強力で、クオリティが高いブラジルトリオを軸に据えた今シーズンはそれが最適解だろう。
ほぼ手中にある優勝と合わせて、過去最も効いている助っ人外国人のアルトゥールにはMVP、得点王も総取りしてほしいところだ。

試合後、今日の主役である小宮山選手と木暮監督が小曽戸選手を挟んで談笑する場面があった。
 
日本のフットサル界を同世代として現在進行形で歩んでいるふたりを見て、ふとフットサル選手や監督としての成功とはなんだろうということを考えてしまった。

世界を見渡してもプロチームだけで運営されているリーグはなく、日本でプロチームは名古屋だけでその最高年俸は酒井ラファエルの1,500万円と言われている。
多くの選手はチームが経営するスクールや、スポンサー企業、あるいは一般的な仕事をこなしつつ、練習をこなし試合に臨む。
隣の芝生のサッカーと比べてもJ3並みの待遇だろうし、選手やチーム、リーグを含めて正直よく続けられるなとも思う。

ただ、すべてのスポーツがスポットライトを浴びることはないだろうし、トップレベルで活躍することで生計を立てられるだけの金銭的なパイがあるかということがスポーツの価値を左右するわけではない。
『マイナースポーツ』という言葉にはどこか侘しさを感じるが、地上波で放送され、雑誌が売れ、毎回会場が満員になり、競技と周辺環境を含めてお金が分配され、黒字を計上するメジャースポーツはごくごく一握りだ。

定量的な尺度として金銭面に目が向くことを否定する気はまったくないが、今回、小宮山選手が引退するにあたってフットサル界の縁者やファンから沢山の声が集まっているのを目にして感じたのは『競技を通して自分を知ってもらう』ということがひとつのゴールであり、成功なのではないだろうかということだ。

素早い攻守の切り替え、スライディングでのシュートブロックやファー詰め、意外と上手いウンドイス(ワンツー)でのパス出し、チーラして吼える・・・。

この人はこれ、という個性を知ってもらうことは競技者としての誉れだろう。
そのひとりひとりの積み重ねがチームのカラーになり、ひいてはリーグの特性に繋がり、競技の魅力になるのだと思う。

今シーズン、Fリーグの観客動員数の落ち込みが顕著で500人を切る公式記録を度々目にするようになってきたが、危機感をもつべきはゲートフィーでも集客施策の成否でもなく、Fリーグに感心を持つ層が少なくなってきているということだ。

最も高貴な娯楽は、理解する喜びである

とは音楽、建築、数学、幾何学、解剖学、生理学、動植物学、天文学、気象学、地質学、地理学、物理学、光学、力学、土木工学と各分野で群を抜いた才能を発揮したレオナルド・ダ・ヴィンチの言葉だが、理解する喜びがファン視点としてあり、理解される喜びが演者視点としてあるという16世紀からの至言だ。

Fリーグ準優勝、15得点を挙げベストファイブを受賞し、全日本選手権を制した2008シーズンがキャリアのハイライトだが、その後は記録に残る活躍はそうない。
それでも引退を惜しまれる記憶に残るプレーが数多くある小宮山選手はリーグ屈指の『理解された』選手だろう。
それこそが彼の成功であり、10数年間トップランナーであり続けた誉れであることは疑う余地がない。

観客動員の減少や、人気、トップリーグとしての求心力の低下が顕著なFリーグだが、ギラギラした個性や暴れるような熱やこだわりを持つ、魅力的で理解しようと思える選手が数多く登場し、理解される選手として活躍することを願ってやまない。
 
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イクスピアリでランチのついでにオマエを殺りに来たぜ、とばかりにラフな出で立ちで介錯試合に臨む木暮監督と、食いつかせて裏のスペースというシンプルな秘策で待ち構える米川監督。
両チームとも前後半で明暗がくっきり出た試合で、介錯はプレーオフか全日本選手権に持ち越しか。
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特別指定選手として出場時間を延ばす石田選手。
フィジカルと強烈なシュートを活かして早く初ゴールを挙げたい。
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コンスタントに活躍を続けるチェスとケニー。
ピッチやベンチの振る舞いを見る限り性格も良さそう。
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少数精鋭での戦いが続く大阪。
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過去のFリーグを見ても最も勝利に貢献している助っ人外国人。
181cm/80kgというカタログスペック以上のフィジカルを見せる大阪の巨人、アルトゥール。
分厚い体でボールをキープし、強烈ながぶりで相手のバランスを崩してボールを奪取。
日本人を相手に半径2メートルの距離では何もさせない超々弩級の進撃を見せる。
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強烈な縦のラインを形成するチアゴ(右)。
シンプル故にやっかいなゴールゲッターは23試合で32ゴールとハイペースで得点を量産。
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今シーズン一気に若返ったプレーを見せる小曽戸選手。
万能型アラは2024年のワールドカップまで狙える雰囲気。
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木暮監督の最高傑作、得意のドリブルで作ったズレを活かしてゴール、アシストを生むサイドの振付師、加藤選手。
いまいちだった前半はこの表情も後半はアシストとゴールで勝利に貢献。
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前半2分、後半4分程度の出場ながら3回の出場機会で徐々に持ち味を出した若干18歳の仁井選手。
アルトゥールの1/4ほどのサイズながらボールをさらして相手の反応を見るおませなムーブでリズムを作った。
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この試合後に引退を表明した村上選手。
強烈なシュートとハードなマークで名勝負を演じたベテランは2012年ワールドカップで16強入りに貢献。
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大阪唯一のウィークポイントであるゴレイロの柿原選手。
1、3点目ははっきりゴレイロの責ありで、ボトムからの組み立てでサイドに開いても使わない、詰まり気味でもバックパスを出さない場面が多く、チームの信頼度が伺える。
彼が足元でボールを捌く機会が増えたら大阪にスキはなくなりそう。
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Fリーグ最高セットの一角、1-3で押すアルトゥール/チアゴ/小曽戸/加藤の1stセットと、0-4のクアトロで構成する今井/田村/佐藤/村上の2ndセット。
2失点後のタイムアウトで木暮監督が必死に修正のコマを動かす。
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今シーズンの浦安の主役、小宮山選手が3点目をゲット。
絶対的な首位のチームを相手にした大量リードに会場はやんやの歓声。
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試合中に不敵な笑みを浮かべるチアゴを浦安の屋台骨、荒巻選手と小宮山選手が必死に抑える。
万能型全盛の近代フットサルで第一選択肢がシュートという絶滅危惧種な純ピヴォは意外にも厄介。
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度々見かけるハーフタイムでの謎アイドルのパフォーマンス。
今回はpretty☆monsterが歌とダンスを披露。
彼女たち文句をつけても仕方ないのでお好きな方はフォローしてあげてください。
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劣勢の大阪は普段はポケットに手を入れてクールに決める木暮監督が審判に大抗議でチームを鼓舞。
第3審判の新妻氏になだめられてまぁしょうがないかなヒトコマ。

今シーズンは女性の第3審判、タイムキーパーの登用が目立ち、第3審判は新妻氏、タイムキーパーは齋藤氏と女性が担当。
2012年のワールドカップではブラジル人のレナート・レイテ氏が女性ながら副審を担当したこともあり、1、2シーズン後はFリーグで笛を吹く女性審判の登場に期待大。
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0-3から3-6、5-6という劇的な逆転勝利も試合後の浦安サポーター席への挨拶の場面で一悶着。
調子が落ちてきたチームは怒りや憤りといった感情でパフォーマンスを支える場面も増えてきそう。
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試合後は小曽戸選手を交えて介錯試合のメインキャストが談笑して握手。
木暮監督のイジリに小宮山選手がムッとしたところを小曽戸選手がなだめたのかなぁ、と夢想するのも楽しい戦友の邂逅にホノボノするワンシーン。
 
27 11月

2016/11/3~11/27 全日本選手権東京都大会 『ベテラン達の原点回帰』

2016/11/3(祝・木) 全日本選手権東京都大会プレーオフ Aグループ決勝 滝野川体育館
闘魂 3(2PK0)3 世田谷フットサルクラブ
 
2016/11/5(土) 全日本選手権東京都大会 1回戦 葛飾区水元スポーツセンター
闘魂 4-3 BRBタランタスFC

2016/11/27(日) 全日本選手権東京都大会 準決勝 葛飾区総合スポーツセンター
ASVペスカドーラ町田アスピランチ 1-10 闘魂

フットサル秋の風物詩になった感のある、全日本予選闘魂劇場。

民間施設を舞台にした4試合の予選を勝ち抜き、東京都予選への出場を賭けたプレーオフに進出。

プレーオフ1回戦ではカウンターから20メートルを迫力のあるドリブルで運んだ稲田選手のシュートパスを川股選手が押し込んだゴールを守り抜き美少年倶楽部(東京都1部)を0-1で退ける。

2回戦では世田谷フットサルクラブ(東京都1部)を相手に1-3と窮地に立たされるも、終盤に敢行したパワープレーの右角に入った岩田選手の好判断から得点を重ねて3-3に追いつき、PK戦では石渡選手がイランチーム相手の関口選手もかくやという神がかった活躍で2本連続でストップ。
闘魂は会田選手、岩田選手が連続して成功させ、見事東京都予選本戦に進出した。

本戦の初戦は昨年の東京都予選プレーオフで敗れたBRB(関東2部)。
こちらはBRBが先行して闘魂が追いつくシーソーゲーム。

終盤に2-3とリードを奪われるも、相手が時間を削りにきたクアトロの位置が高くなったところを北選手がいい体制でカット。
北選手のパスを稲田選手が強気のトラップで一気に前に持ち出してゴレイロとの1対1に持ち込むと、これを鬼ががかったコントロールショットで沈めて3-3の同点に追いつくと闘魂が完全にイケイケ。
勢いに乗った縦への攻めでBRBを押し込み、エリア外で手を使ってゴレイロが退場になって得たフリーキックを川股選手が豪快に決めて奇跡的な快進撃となった昨年の結果を今年はひとつ更新して見せた。

あと一勝で来年1月の関東予選出場となった町田アスピランチ(東京都1部/Fリーグ町田のサテライトチーム)戦はチームの座長の難波田選手がケガにより欠場。
大黒柱を欠いたチームは抜群の練度と機敏なステップワークを持つ町田クアトロ青年団の対応に四苦八苦することになる。

体と頭を疲れさせたところにセットプレーやマークのズレなど注意力を欠いたミスを突かれて前半を0-2で終え、後半0-4とされると10分以上を残してパワープレーにチャレンジ。

快進撃を見せたオヤジ達の実力を現役時代を知る小川監督から口を酸っぱく説かれたであろう若者たちが最後まで刀を止めずに、終わってみればパワープレー返しを連続で成功させ1-10までスコアが進む。
スコア的にも内容的にも、かつてフットサル黎明期の主役となったベテラン達が次代の主役候補達からオヤジ狩りをされた格好になったが、フットサルに未来を夢見るかつての自分たちを想起させる若者たちに介錯されるなら彼らも本望だろう。


東京都3部というカテゴリーながら破格の存在感を見せるゴレイロの石渡選手がゴールに鍵を掛け、稲田選手、川股選手らの強力なフィジカルを持つピヴォへスローで預けて前線で起点を作る。
プレス回避や4人の組織的なムーブによる押し上げというものを破棄し、後方からのロングボールを巧みなトラップで収め、落としや豪快な振り向きシュートでゴールに迫るスタイルは迫力十分で、唯一無二の決戦兵器として相手チームをヒヤヒヤさせ抜群の結果も残した。

・直近のAFCを2連覇。
アジア最高峰の『フットサル』の完成度を持ち、史上最強と謳われた日本代表がハーフからのマンツーマンとカウンターという愚直な武器に賭けたベトナム代表にノックアウトされた。
・バーモントカップでは決勝戦でロングボールを多用して優勝したセンアーノ神戸Jrの戦い方に警鐘を鳴らす声が溢れた。
・168cmの小さな大ゴレイロ、サルミエントを擁し、個の守備力と攻守の切り替えの速さ、手数をかけずにゴールへ迫る意識の高い攻めで、フットサルとしての完成度の高いロシアを撃破しフットサルワールドカップを制したアルゼンチン。

理想や各年代に適したスタイルというものは勿論あるし、日本は正しいプロセスを踏んだかというところに傾倒しがちだが、勝負の世界で最重要とすべきは結果なのではないだろうか。

闘魂を簡単に紹介するなら元日本代表、Fリーガーが休日に集まり、練習なしのブツけ本番で試合に臨むという破天荒な集団だ。
 
練習をしないチームに各競技系チームが負けることがふがいないという見方もあるが、フットサルでのゴレイロの重要さとピヴォにボールが収まることの優位性(相手がサンドに来ることでのマークのズレ/相手が後ろ向きに対応し、自チームが前向きでプレーできるようになる)など、誰もが初めに教えられるが『フットサルらしさ』を追求するうちに忘れてしまいがちなものの重要さを一番表現していたチームだろう。

1-3/0-4/2-2/1-1-2といったフォーメーションや、ピヴォ、クアトロなどのオフェンスの基本形。
その他、2人、3人の関係でのプレーにはスペイン語やポルトガル語の名称が付けられ、勿体ぶって語られるものの、本質はずっとシンプルでフットサルは5人対5人で相手のゴールにボールを入れた方が勝つという単純明快なスポーツであることを忘れてはいけない。

町田戦ではパワープレーが実らず点差が開いていく展開に業を煮やした稲田選手が相手のパワープレー返しのロングシュートを両手で払って退場になる。
現役時代は喜怒哀楽の『怒』を前面に出したフットサル界の元祖闘将である難波田選手が、その光景を見て笑顔を浮かべて稲田選手を迎えるという場面があった。

競技を知るほど数センチのズレや体の向きにこだわり、効率や正統性を証明し、表現することに重きを置きがちだが、ワンプレーに喜怒哀楽を表現できるのはプレイヤーの特権だろう。
退場の場面では(フェアプレー云々はさておき)大勢が決まった試合で日本代表として、Fリーガーとして国内外の強敵とシノギを削りつつも、半ばリタイヤしている名選手がひとまわり下の選手を相手にムキになれるということに少々感動してしまったし、おそらく難波田選手もそんな気持ちだったのではないだろうか。

・1対1の激しさ/強さ
・ゴレイロとピヴォの重要性
・個々人の喜怒哀楽を含めたチームワーク

今年のワールドカップでスペインやロシアに欠けていて、なんとなくイメージしていた『フットサル』ではなかったものの優勝したアルゼンチンに備わっていた(強烈なピヴォは不在だったが)のは上記の3つだろう。
皮肉だがAFCで敗れた日本代表を含め、競技のレベルが上がり、戦術や再現度の高い連動性で相手を崩すことに習熟した『チーム』になるにつれ薄れていってしまうものなのではとも思う。

やれることが増えたから勝てるわけでもなく、武器が少なくても結果は出せ、勝負の世界であれば結果を出した者が一番偉い。
そして結果の前ではプロセスの論争は陳腐だ。

そんな痛快で当たり前のことを教えてくれた風物詩は関東大会目前で幕となったが、一線を退いたベテランたちが示した原点回帰に心から拍手を送りたい。

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フィクソが揃って良かったぜー!!
という声が聞こえてきそうなチームのバランサー、キャプテンマークを巻く会田選手。
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180cmのサイズを活かしロングボールをことごとく胸トラップで収める驚異のピヴォとして闘魂のオフェンスを牽引。
浦安で活躍した川股選手。
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攻守に光ったいぶし銀。
損益分岐点を抑え、BRB戦でお見事な活躍を見せた北選手。
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1-3から同点に追いついた世田谷フットサル戦で光った好判断。
パワープレーでポジションを取る右奥から抜群の機転で2得点を呼び込んだ岩田選手。 
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貴重なドリブラーのアラ、Fリーグで活躍した橋本選手。
吸いつくようなドリブルと食いついてから一瞬で相手と入れ替わるダブルタッチは健在。 
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動けないチームなだけに各自の意思疎通が大事とばかりに、ハーフタイム、タイムアウト、出番を待つ間にボードを手にコミュニケーション。
省エネが勝利の必須要件のベテランチームの生命線。
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パワープレーの場面ではゴレイロを石渡選手から坂口選手へチェンジ。
難波田選手もゴレイロユニフォームに着替えてのスリーショット。
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PK職人石渡選手を中心に歓喜の舞い。
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左右両足を起用に使い、高いフットサルIQと意表を突くプレーで闘魂を追い詰めた世田谷フットサルの菅原選手。
各カテゴリーで異彩を放つタレントを見れることも全日本予選の楽しみのひとつ。
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町田アスピランチ期待の新人。
若干18歳にして抜群のテクニックとパンチ力のあるシュートを持ち、U19代表にも選出される中村選手。
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闘魂戦で先制点を挙げた19歳の伊藤選手。
タイランド5で日本代表として3戦を戦い、プレスからのシュートでも存在感を発揮。
その後も継続して選ばれておりトップカテゴリーでも期待大。
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168cm/95kgでニックネームは長州。
ファニーなプロフィールながら俊敏な飛び出しも見せ、抜群の肩で前線にスローを投げ込む水谷選手。
見るほどにレベルの高さがうかがえる好タレント。
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東京都1部らしからぬ完成度を見せるクアトロと、よくコントロールされた攻守。
結果と若手育成両面でチームに貢献する名伯楽、町田アスピランチを率いる小川監督。

18 11月

2016/11/18(金) Fリーグ第20節 大田区総合体育館『オラが街のフットサルチーム』

2016/11/18(金) Fリーグ第20節 大田区総合体育館
フウガドールすみだ 4 - 5 ペスカドーラ町田

度々府中のホームの郷土の森に観戦に行くが、最寄駅から徒歩15分程度の立地にも関わらず、Fリーグに1チーム(府中AFC)/関東1部に1チーム(ファイルフォックス府中)/関東2部に2チーム(FUTURO/府中AFCサテライト)を送り込む『フットサルの街』の名前に違わず客入りは上々で、試合終了後、郷土の森から仲間と連れ立って徒歩や自転車で試合結果を語りながら三々五々家路に着く光景が非常に羨ましかった。
 
全国から12チームが参戦するFリーグだが、家から電車を乗り継いで贔屓のチームの応援することはあっても『オラの街のフットサルチーム』を肌で実感できることは少ないだろう。

今シーズンのFリーグのカレンダーで楽しみにしていたのが11月18日の金曜日、19:00キックオフのすみだ対町田だ。
 
トランジション攻撃だけでなく遅攻も見につけて地力を増したすみだと、全日本選手権を制しFリーグを代表するエースの森岡選手も加入した町田の対戦という競技面の魅力ももちろんだが、最大の理由は会場の大田区総合体育館は私の職場から近く、家からも徒歩で行ける圏内だということで疑似的であれ『オラの街のフットサルチーム』を感じることができそうだったからだ。

せっかくの機会なので職場の友人を観戦に誘い、早々に仕事を切り上げて一旦帰宅。
会場時刻に合わせて自転車で会場に向かい、人数分の席を確保してから物販を物色する。
スーツで来ていることもあり、すみだの須賀監督が着用するチームネクタイを購入しコスプレ気分で観戦するも、町田が森岡選手の個の能力を活かしてスコアメークする展開で結果は4-5でホームのすみだが敗れた。

今日に関してはこの場所で1,697人の観客と試合を見つめたことが重要で試合の分析や試合結果は正直どうでもいいだろう。

試合後、最寄駅の梅屋敷ぷらもーる商店街をぶらつき、メニューを開こうとすると油で引っ付いたページがピリピリ鳴るような地元感溢れる中華料理屋の瓶ビールでつまみを囲む。
試合の感想云々は3分とかからず終わり、その後は仕事やなんやかんやの近況報告をしつつほどよく出来上がったところで徒歩なり自転車なりで三々五々家路に着く。

どのチームのメインアリーナでもなく過去には府中もホームゲームを開催し、来年開催があるかもわからない大田区総合体育館でのフットサル観戦だったが『オラの街のフットサルチーム』みたいなものを体験をさせてもらえたなんとも幸せな日だった。


今シーズン、Fリーグの客足はすこぶる鈍い。
 
12チームが6試合をこなす1節で1,000人を越える試合が過半数を切ることがザラで500人代の客入りにも驚かなくなってきた。

第19節に至っては、

①神戸 6-0 北海道:グリーンアリーナ神戸(観客数 489人)11/12(土)15:00
②仙台 3-6 府中:塩釜ガス体育館(観客数 512人)11/12(土)15:00
③大分 2-4 すみだ:べっぷアリーナ(観客数 536人)11/13(日)13:00
④名古屋 2-4 大阪:テバオーシャンアリーナ(観客数 1,526人)11/13(日)14:00
⑤湘南 8-1 浦安:小田原アリーナ(観客数 640人)11/13(日)16:00
⑥町田 3-1 浜松:町田市立総合体育館(観客数 818人)11/14(月)19:00開始
※対戦カード:会場(観客数)開催日時

と1試合あたり平均753人という観客数で『一度試合を見に来てくれれば魅力はわかってもらえる』や『次の試合も頑張りますのでまた応援お願いします』と語る関係者や選手の声も空しいものがある結果になった。

各チームとも開催会場近辺の学校や、ジュニアカテゴリーのサッカーチーム、イヤースポンサーやマッチスポンサーを招待客として多く入れて集客策を練り、リーグへの報告書やスポンサー訴求に向けて数字の体裁を揃えようとしているが一番大事にしてほしいのは正規の金額を払って会場に来る観客だ。

スタンド席に比べて高額のアリーナ席の半分に招待客を入れたり、スタンド中央を含む広大なスペースを関係者席にしたりといった光景をまま目にするが、本来この場所はコアなリピーターがお金を出して座りたい場所だろう。
 
目の肥えていない招待客はフロアと同レベルの視点より、高い位置から見下ろした方が町田の定刻運転を刻む山手線のようなクアトロや、すみだのキビキビとしたトランジションを楽しめるだろうし、関係者と言われる人たちも業務の特性上記録員の方が中央最前列に座る必要はあるものの、それ以外の数名のために必要な席数は人数分を確保できれば十分なはずだ。

入場ゲートを越え、アリーナに入って初めに見る場所は人によって変わる。
 
コアなリピーターであれば自分が好きな観戦場所を探すし、ビギナーであればアリーナ全体を見て雰囲気を楽しみたいのではないだろうか。
招待客でアリーナ席に座れないことも、アリーナ中央にだだっ広い空席が空いていることもどちらも公平ではないだろうし、会場に足を運ぶにつれ段々と疑問に感じていくものだ。

客数が伸びないFリーグだが個人的にはスタンド席(1,500~2,500円程)とアリーナ席(2,000~3,500円程)の席種しかないことが不満だ。
 
スタンド/アリーナという大まかなゾーン指定の中から招待席や関係者席でない場所に座るというのがFリーグの会場のお作法だが、良席は開場時間より何分も前から待機列に並べる人たちに負けてしまうし、そもそも絶対数が少ない。
 
自分だけの裁量で何ともしがたい不都合があるならいっそお金で解決してしまいたいし、試験的にスタンド/アリーナの一部に指定席エリアや、選手のメッセージカード/グッツ付きのもう1グレード上の席種を作って売れ行きや反応を見てみてほしいとも思う。

目に見えて客足の鈍化が進むFリーグだが、前述の第19節は正直ぶったまげた。

実力は西高東低ながら人気は東高西低といった印象で実際にチケットの細分化をして納得感がありそうなチームは半分にも満たなそうだが、無いなりの見栄を張ってプレミアム感を演出してみせるのもトップリーグの気概ではとも思う。

少なくとも招待客で埋まったアリーナと、だだ広い関係者席は観ていてあまり気持ちのいいものではない。

サッカー協会の後援会特典での入場が今年から厳格になったことに不満の声も聞こえるが、協会の規定に謳っているとおり毅然とキッチリと先着30名の運営を守ればいいだけの話だろう。
 
長くなったがフルフェアのチケット料金を払っている人を一番に大事にしてほしいし、さらに言うならフルフェアのチケットを買って会場に来る人には新たな楽しみも創出してほしい。
Fリーグは前者もさることながら、後者の取組が圧倒的に不足している。

なくても一向に構わないし、それでもリーグは細々と続いていくのだろうが、トップリーグであればファンにとって特別な存在であってほしい。

例えばオーシャンアリーナのメインスタンド最上段に座って天下人気分で観戦という体験に値段がつくならマニアにとってはなんとも興味がそそられる話だ。
どこになるかはわからないが5桁のお値段でそれに似合った価値を提供するチケットを売り出すチームが現われることをヒッソリと期待している。
 
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須賀監督が身に着けるすみだオフィシャルネクタイはこちら
レプリカを着ての観戦に飽きたら、スーツにネクタイの観戦スタイルはいかがでしょうか。
前半はジャケット着用→後半は脱いででなりきっていきましょう。
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0-2から2-2に追いつかれてからのゲームプランで『我慢』の一手。
辛抱に応えた選手たちは見事2-4にしてからのパワープレー返しで4-5の勝利。
渋みを利かしたスーツ姿が絵になる町田の岡山監督。
ちょっといいスーツがほしくなる金曜日ナイターゲームの主役のふたり。 
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すみだのゴレイロは前節4連敗をストップした清家選手。
ベンチからは前半戦の快進撃を続けた大黒選手が出場機会を狙う。
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後半40分にブザービートの4点目を挙げた稲葉選手。
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抜群のテクニックと愛らしい笑顔で会場人気抜群のボラ。
2-3とされてからの満を持しての登場も、個の能力を武器とする町田のセットに置いて行かれて失点の一因に。
出さないのではなく出せない、オフェンスのベネフィットとディフェンスのリスクの判断は今後も続きそう。
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すみだの看板ピヴォの太見選手&清水選手。
内容は悪くないだけに今は我慢の時期か。
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ピッチ上でタクトを振るう諸江選手。
森岡選手とのデュエルでは後れを取ったが、こういうリスク度外視の1vs1の斬り合いにもトップリーグの醍醐味があるのでは?
同じ局面ではゼヒリベンジマッチを仕掛けてほしい。
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日根野谷/横江/森岡/室田のセットは森岡選手のアイソレーションの仕掛けからファー詰めとこぼれを狙うシンプルな組み立て。
負傷の金山選手から受け取ったキャプテンマークを巻く日根野谷選手にビックリしつつもなかなかお似合い。
キャプテンの立場でフロアに立つ時間は大きな選手になるための貴重な経験になるはずだ。 
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度々マイナーチェンジするヒゲがトレードマーク。
イゴールの代役とは言わせない活躍を見せる町田のゴレイロ、小野寺選手。
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ドリブルでのプレス回避を選択した諸江選手との1VS1からボールを奪ってズドン、ドリブルで相手を外してのシュートパスでアシストと1ゴール2アシストの森岡選手。
フロアに立った金狼の圧力はまだまだ健在。
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町田らしいクアトロ環状線を披露する本田/滝田/宮崎/原が個の力を全面に出した裏セットへのライバル心を見せる。
溌剌としたプレス&狭いスペースで高い技術を披露する原選手(下/左)が2-2から均衡を破る3点目をゲット。
3 11月

2016/11/3(祝) Fリーグ第17節 墨田区総合体育館 『2試合目』

2016/11/3(祝) Fリーグ第17節 墨田区総合体育館
フウガドールすみだ 2 - 3 名古屋オーシャンズ

堂本光一ファンの知り合いが2000年から毎年帝国劇場で上映されるSHOCKシリーズを見に行っているらしい。

年度毎にストーリーは異なるものの、毎年序盤、中盤、終盤で3公演を見たいとのことで、理由は『演劇は生き物で、制作側が観客のリアクションや演者の嗅覚を頼りに演出は変わっていくし、初回と千秋楽は別物でその変化や理由を考えながら見るのが楽しい』とのことだった。
 
光一ラブが根底にありつつ、観客のリアクションを見てより良いものを提供しようとする演劇のキモを理解している熱心なファンだなー、と思ったが演劇の楽しみ方としてはそれが王道なのだろう。

Fリーグベストバウトに間違いなくノミネートされる9/3(土)小田原セントラルでの5-5のドローから2ヵ月。
場所をすみだのホーム、墨田区総合体育館に移してのすみだVS名古屋の今シーズン2試合目は前回と同じく前プレとプレス回避、ボールを奪取してのトランジション、定位置攻撃(プレスを回避して相手陣内に押し込んだ状態からの攻守)のそれぞれに見応えがあり、ミスが少ないハイクオリティーな首位攻防戦になった。

セルジーニョ選手の驚異的な粘りから星選手が決めて名古屋が先制も、ワールドカップ中断明けから出場時間を伸ばす新加入の左利きのアラの山村選手が見事な左足ミドルで同点に追いついて前半を折り返す。
 
後半は前鈍内選手とシンビーニャ選手が強烈に蹴り込んで1-3と名古屋が突き放す。
質量ともに十分な名古屋の前プレに手詰まりとなったすみだだったが、稲葉選手がキックインか
ら中央へ速いボールを送り、掻き出そうとした名古屋ディフェンスに当たってのオウンゴールを誘発し2-3。

その後は濃厚な鍔迫り合いが続くもスコアは動くことなくゲームセット。
すみだの内容も悪くはなかったが、星/安藤/サカイ兄弟らの頑強なフィクソ、橋本選手を筆頭にしたフロントラインのプレスの練度が高く、ベンチでメンバーに激を送り緩みを許さない監督のペドロコスタを含め1点差を集中力十分にシャットアウトして見せる名古屋のプロチームらしいクオリティの高さが際立った。

個人的には見終わった後にクタクタになるほど緊張感を要求される充実した内容だったが、興業としてはミスが少ないゆえに派手なプレーが少なく非常に地味とも感じたし、1,875人の観客を集めて立ち見も出た90分のショータイムを会場がどれだけ楽しめたのかが少し気になった。


何を持って観客が楽しいと感じるのか、楽しいと感じるものを提供できるかはプロスポーツとして避けては通れない命題だと思う。
 
地上波の露出も少なく、専門誌以外で取り上げられることのないFリーグの初観戦のキッカケは(サッカー/フットサルをプレーしている人が)競技の参考にだったり、なんらかの要因で競技そのものが好き、関係者/友人に誘われてというところだろうが、一見さんだけでは到底達成できない1,875人を呼び込んだ2度目ましてのキッカケはなんだろうか。

F1や大相撲は競技をやったことがない観客がほぼ100%というプロスポーツだが、F1は1日に7、8万人の観客を集め、大相撲は15日間の大半が大入りになることも珍しくない。
『カープ女子』という言葉で沸いた2016年のプロ野球だが女子の硬式野球部がある高校は全国で20校ほどだ(注:全国高等学校女子硬式野球連盟)。

見るよりやるスポーツという側面が強いフットサルだが、上記はフットサルとは逆にやるより見るスポーツで、明確に『自分がやる』以外のファクターが万単位の観客を呼んでいる。
そこには競技の参考にという要素は皆無であり、みんなで共通の演目を見るという一体感や、迫真のファインプレーに期待しつつ贔屓のチームや選手を応援するという雰囲気に惹きつけられている人が多いのだろう。

『一度見てくれれば面白さはわかるのでフットサルを見に来てほしい』という人は多いが、観客が定着するかに必要なのは試合が面白いかとはまた別の話なではないだろうか。

あるに越したことはないし、当然あってほしいがリーグの魅力が試合だけである必要はまったくない。
 
どちらかというと会場の雰囲気作りや盛り上げ方、グッズや席種のプレミアム感や、選手との交流といった体験に価値を見出せるかが集客のカギだと思うし、私はあまり好きではないがすみだのストリート感のあるキャップやパーカー(やる層を意識してプラ素材にしておらずタウンユースでもなかなかのクオリティ)というグッズ展開や、試合後の入口での選手のお見送りは毎回出入り口が混雑するが導線上必ず目にすることになり非日常感の演出としては二重丸だろう。
 
会場でレプリカやグッツを身に着けている人が多いのも見逃せない点で、墨田区総合体育館に来るお客さんが試合そのもの以外も楽しんでいるのが非常によくわかる。

カリスマ指導者と資金力を得てPRも上手くいきスタートダッシュに成功したBリーグが羨ましいという話を度々目にするが、こと集客に関しては何が面白いかを『フットサルの試合』と定義しがちなところがFリーグの失敗だと思うし、Bリーグと比較すべきは試合以外のクオリティだ。

F1、大相撲、野球、はては演劇と比べフットサルは歴史が浅い。

演目に対する楽しみ方に関する文献や共通知が熟成されておらず、ゴールシーンやカウンター合戦以外に沸くというのは少ないのではと思うし、攻守の切り替え後に、定位置攻撃というメインストーリーがあり、セットプレーとパワープレーという局面切り出し型のスピンオフというのがゲームの構造だが、そういった競技本来の魅力が集客に直結するのはもう少し時間がかかるのではと思う。

無料券の配布や地元少年サッカーチームの招待など一見さんへの誘導は各チームそれなりにノウハウはあるだろう。
純粋に競技そのものを愛好するマニアやライト層が共存しているのがプロスポーツを取り巻く環境だと思うし、Fリーグがリーグを挙げて考えるべきは2試合目に足を運んでくれるライト層に対する施策なのではと思う。

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試合前のアップでは無邪気な笑顔も、徐々に男の表情になる名古屋の22歳信号機トリオ(青:齋藤選手。黄:八木選手。赤:橋本選手)。
橋本選手は赤信号らしくすみだの攻撃を寸断するプレスマシーンとしての役割を牽引。
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最近増えてきた清水/西谷/渡井の組み合わせに入って先発出場のNo2山村選手。
オフェンスの変化を期待されての左利きのアラは見事なミドルシュートで同点弾。
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フットサルの華のひとつ、フィクソVSピヴォ。
星VSボラと諸江&渡井VSシンビーニャ。
名古屋は本職フィクソの安藤選手をピヴォに入れるオプションも非常に厄介。
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口髭&スーツでダンディにキメたペドロコスタが『勝てるとか思ってるヤツはシバくぞ!!』とばかりにタイムアウトで選手を一喝。
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タイムアウト時にボードを観客席に見えるよう、選手を座らせて指示を送る須賀監督。
北風と太陽のような両チームの監督を見ながら一緒に戦っている感覚を体験できるのもアリーナ席の魅力。

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