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Futsal Philosophy (フットサル・フィロソフィー)

19 9月

2016/9/11(日)~10/1(土) フットサルワールドカップ2016 コロンビア 『決勝トーナメントの組み合わせ』

2016/9/11(日)~10/1(土) フットサルワールドカップ2016 コロンビア

ワールドカップも6組1位/2位/3位のうち成績上位の4チームが勝ち抜けのグループステージが終了。
決勝トーナメント進出国が決まりました。

◆FIFA公式

◆山組①
コロンビア(A組2位:ホスト国/2012W杯4位) - パラグアイ(C組2位)
ブラジル(D組1位:2012W杯優勝) - イラン(F組3位)
ロシア(B組1位:2016欧州準優勝) - ベトナム(C組3位)
スペイン(F組1位:2012W杯準優勝/2016欧州優勝) - カザフスタン(E組2位2016欧州3位)

◆山組②
アルゼンチン(E組1位) - ウクライナ(D組2位)
イタリア(C組1位:2012W杯3位/2014欧州優勝) - エジプト(B組3位)
タイ(B組2位) - アゼルバイジャン(F組2位)
ポルトガル(A組1位) - コスタリカ(E組3位)

山組①が超激戦区。
ホスト国のコロンビア、ディフェンディングチャンピオンのブラジル、今年の欧州選手権3位のカザフスタン、準優勝のロシア、優勝のスペインのサバイバルゲーム。
消耗が少なく決勝までこれれば経験値と団結力はとてつもなく高くなりそう。
 
ワールドカップの優勝国はブラジル(2008年/2012年)とスペイン(2000年/2004年)の2カ国のみで、4大会とも直接対決で勝利したチームが制している。
対抗の有力候補と目されるロシアはいきなり厳しい山組。

山組②は第3国が虎視眈々。
攻守とも基本に忠実でレベルの高いアルゼンチン。
参加国随一のセットプレー(特にコーナーキックとキックイン)を持つイタリア。
希代のファンタジスタ、リカルジーニョがタクトを振るうポルトガルらが決勝戦のチケットを狙う。
 
ディフェンス重視のノックアウトラウンドでは、引いた相手を一瞬で崩せるデザインプレーを持つイタリアが一歩有利か。


◆TVスケジュール
準々決勝以降の試合についてはNHK-BSで放送が決定しています。

・準々決勝 
9月25日(日) 午前7:55-(午前9:50) 
9月26日(月) 午前8:00-(午前10:00) 

・準決勝 
9月28日(水) 午前9:00-(午前11:00) 
9月29日(木) 午前9:00-(午前11:00) 

・3位決定戦/決勝
10月2日(日) 午前1:55-(午前3:50) / 午前4:20-(午前6:30) 


◆どうでもいいですが
大会前に注目していたカザフスタンがいきなりスペインと対戦。
個人的にブレイク候補だと思い、タイでサインをもらったイギータとレオのサインをUPしてみました・・・。

ガ、ガンバレー(白目)

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01_イギータ
ブラジルからの帰化選手でありカザフスタンの要。
ゴレイロながらそのままボールを持ちあがって、パワープレーに移行するイギータ。
欧州選手権では猛威を奮ったがワールドカップではまだ有効な場面は少ない。

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01_レオ
こちらもブラジルからの帰化選手、攻守に奔走するエースのレオ。
おとなしそうな容貌ながら、相手の挑発でプッツン切れての大覚醒も見せるファナティックなプレイヤー。
決勝トーナメント1回戦、優勝候補のスペイン戦で見せる顔はどちらか?


10 9月

2016/9/11(日)~10/1(土) フットサルワールドカップ2016 コロンビア 『遠足のしおり』

2016/9/11(日)~10/1(土) フットサルワールドカップ2016 コロンビア

第5回フットサルワールドカップがコロンビアで9/11(日)から開幕します。
私は行きませんが遠足のしおり程度に観戦にあたっての事前情報、雑感をまとめました。



①TVスケジュール

・開幕戦 「コロンビア」対「ポルトガル」 
9月11日(日) 午前9:50-(午前11:50) 

・準々決勝 
9月25日(日) 午前7:55-(午前9:50) 
9月26日(月) 午前8:00-(午前10:00) 

・準決勝 
9月28日(水) 午前9:00-(午前11:00) 
9月29日(木) 午前9:00-(午前11:00) 

・3位決定戦/決勝
10月2日(日) 午前1:55-(午前3:50) / 午前4:20-(午前6:30) 

・・・平日開催の準決勝あたりは午前半休を検討したいところ。

BSアンテナですがこんな感じで室内に置いても見れたりします。
(100円ショップのSERIAで購入した紙管パイプとジョイントにアンテナをくっつけてます)
普段あまりテレビを見ない人には、使用しないときに片づけられるコチラの方法もオススメ。
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②各国のメンバー

『Shirt Name』がユニフォームにプリントされている表記で『Club』が所属クラブ。
同一クラブの選手を組み合わせる『既存リソース活用型』と、代表チーム独自のセットを作る『オールスター型』と、国や試合展開によりセット組にも特徴あり。
そんなところにも注目しつつ印刷してお手元に置いての観戦がオススメです。

また、各国にいるその国らしくない名前や、やたらと長時間出場している選手はたいていブラジルからの帰化選手。
このあたりはリオデジャネイロ・オリンピックで散見した卓球の中国人選手に通じるものアリ。これが王国の存在感か・・・。

③チーム・グループリーグ
私の独断と偏見に満ちた各チーム、グループリーグの総評です(国名の後ろがS/A/B/C/Dでの評価)。
上位2位および、各グループ3位の中から成績上位の4チームがワイルドカードで決勝トーナメント勝ち抜け。
(ワイルドカード突破の可能性は1勝1分◎/1勝○/3分△といった感じ)
◆Group A
コロンビア:A
ポルトガル:A
ウズベキスタン:C
パナマ:D

フットサル界のアイドル、リカルジーニョ擁するポルトガルが一歩リード。
前回大会は彼を長時間出場させて疲労したところで失点し、延長でイタリアに敗れてベスト8で終戦(3-4で敗戦もこの試合でリカルジーニョはハットトリック)。
今大会は彼を助ける助演陣の活躍が必須。 
コロンビアは前回3勝4敗で負け越しながらベスト4というトーナメントの実績がありホームということでA評価。
ウズベキスタンはアジア屈指のゴレイロ、ウマロフを中心に成績上位の3位に与えられるワイルドカードでの決勝トーナメント進出を狙う。
監督のプルピスは次期日本代表の有力候補と目され、コロンビア、ポルトガルとの引き分けがワールドカップでの彼のミッション。

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開催国コロンビアのエース、南米選手らしいトリッキーなテクニックでチームを牽引するアンジェロット・カロ
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フットサル界のアイドル、ポルトガルのリカルジーニョ。
前回大会のイタリア戦後、悲嘆に暮れる姿。
ベスト8で敗戦ながらブロンズシュー(MVP序3位)を獲得。
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ウズベキスタンのゴレイロ、後ろ髪のハネとオープンフィンガーグローブ、ロングパンツと個性的なスタイルとハイレベルなパフォーマンスを見せるウマロフ。
強豪が揃ったこの組みからの決勝トーナメント進出には彼の活躍が欠かせない。
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ウズベキスタンを率いるプルピス。
フィジカルの強さを活かした欧州型のチームはコロンビアで爪痕を残せるか。

◆Group B
タイ:C
ロシア:S
キューバ:D
エジプト:D

ワールドカップで優勝経験がある国はヨーロッパのライバルスペイン、世界王者ブラジルのみ。
大型ゴレイロのグスタホ、ドリブラーのアラのロビーニョ、ザ・点取り屋といったピヴォのエデル・リマらのブラジルからの帰化選手と、国内リーグを25分ハーフ(通常は20分ハーフ)で運営する国産の才人が融合したロシアは新優勝国の有力候補。
ロシア1強のこのグループでミゲル・ロドリゴ元日本代表監督が率いるタイは2位通過のチャンス到来。
基本に忠実なフィクソ、テクニックとスピードのあるアラ、得点力のあるピヴォと各ポジションに質の高い選手が揃ったタイは8強も十分狙える。

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Fリーグでも活躍したルーチャイと、ご存じ前日本代表監督のミゲル・ロドリゴ。
ミゲルにとっては2大会連続の決勝トーナメント進出と、日本を率いてベスト16に進出した自己新記録を更新するチャンス。

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イメージと反し、底抜けに明るいロシアのサポーター。大挙して会場に登場し、一番見やすい場所をジャック。
ロシアのナショナルカラーをあしらった3色帽のおじいさまは各国サポーターから記念撮影をおねだりされる観客席のアイドル。

◆Group C
パラグアイ:C
イタリア:A
ベトナム:D
グアテマラ:D

いまいち面白くないけど結果を残す前回大会3位のイタリアの勝ち抜けが濃厚。
AFCで日本を破ったベトナムは対戦相手にも恵まれた感あり。1強3弱のこのグループでは前回大会ベスト16のパラグアイが直近のライバル。
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日本のワールドカップ出場に致命傷となる一撃をお見舞いしたベトナムのガルシア監督。
小柄ながらも機動力とパンチ力のある選手を率いてアップセットを狙う。

◆Group D
ウクライナ:B
ブラジル:S
モザンビーク:D
オーストラリア:D

選手のネームバリューは落ちたものの、スペイン、ロシアと並ぶS評価の理由はブラジルはブラジルだから。
前回大会で一気に代表から退いた1977年生まれの黄金世代は、5大会連続出場であり20年間フットサル界のアイドルを務めたファルカンのみ。
2位通過は前回大会鋭いカウンターで日本をベスト16で破ったウクライナが順当。
日本が出場を逃した今大会。
アジアの最終出場枠でワールドカップに出場するオーストラリアの健闘がアジアの標準偏差を計る物差し。
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前回王者であり、史上初の3連覇を狙うブラジル。
フィジカルのピークは過ぎたものの難易度の高いプレーの再現性、ギリギリまで相手を見て適切なプレーを選択する落ち着きでカバーするファルカンはフットサル界の大御所。

◆Group E
アルゼンチン:A
カザフスタン:A
ソロモン諸島:D
コスタリカ:D

前回大会、優勝したブラジルを土俵際まで押い詰めた地味強アルゼンチンと、ブラジル帰化選手を加えてこの4年間で急成長したカザフスタンのマッチレース。
カザフスタンンはゴレイロながらハーフラインまで持ち込んで強シュートを放つイギータ、出ずっぱりでチームを引っ張る貴公子レオが攻守のエース。
この二人は今大会のブレイク有力候補。
 
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カザフスタンの両エース。ゴレイロのイギータとフィクソのレオ。
ブラジルからカザフスタンを経由して南米逆輸入となるふたりはインパクト絶大。

◆Group F
イラン:B
スペイン:S
モロッコ:D
アゼルバイジャン:D

前回大会準優勝、今年の欧州選手権優勝のスペインの1強。
恵まれた体格、ずば抜けたテクニックを持つイランは試合終盤にイライラする悪癖をコントロールできればベスト4も狙える潜在能力を持ったダークホース。

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国内チームで固めたイラン。
イラン選手らしい分厚く、柔らかな肩から臀部のラインを活かしてボールをキープし、華麗なドリブルと強烈なシュートでゴールを決めるエースのタバコリ。
イラン選手のクオリティの高いプレーと鍛えられた体、エキゾチックな容姿は日本でよく見かける『イケメンコンテスト』 が陳腐に感じるほどにセクシー。


④決勝トーナメント
Group Fの1位が濃厚なスペインが苦しい枠組み。
ベスト16でGroup Eの2位(アルゼンチンorカザフスタン)と対戦し、順当に行けばベスト8でロシア、ベスト4でブラジルと対戦。
 
チャンスがありそうなのが逆山のトーナメントで、Group Aの1位(ポルトガルorコロンビア)、Group Cの1位(イタリア)、Group B・Fの2位(タイ・イラン)、Group Eの1位(アルゼンチンorカザフスタン)ら1階級下のチームが集合しそうで、こちらに入れば各国にベスト4の目がありそう。
決勝トーナメントは優勝候補同士の激闘と、第2、第3勢力の成り上がりがメインストーリーか。

決勝トーナメント表 


⑤審判
日本からはFリーグでも最優秀審判に輝いた小崎知広氏が参加。
前回大会はブラジル人のレナート・レイテ氏が女性としてレフリーを務めたことも話題になりました。

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日本からただ一人ワールドカップに参加するサムライ。小崎知広氏。
順当に行けば3試合。評価が高ければ5試合前後の割り当てになるはず。


⑥2020年の展望
2016年12月に2020年に開催される次回のフットサルワールドカップの開催地が決定になります。
開催地に立候補している日本(愛知県)での開催はなるのか。

予選リーグ2週間、決勝トーナメント1週間の3週間での開催なので最終週の平日を休みにできると決勝トーナメントがすべて観戦できます。
(予選リーグ中の2週間は土・日曜日に根性移動がオススメです)
 
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3 9月

2016/9/3(土) Fリーグ第13節 小田原アリーナ 『トップリーグの姿』

2016/9/3(土) Fリーグ第13節 小田原アリーナ
エスポラーダ北海道 4 - 6 シュライカー大阪
アグレミーナ浜松 1 - 3 府中アスレティックFC
名古屋オーシャンズ 5 - 5 フウガドールすみだ

13節で迎えた1位すみだと2位名古屋の首位決戦。

前半3分にゴレイロの大黒選手のパスミスを拾って名古屋が先制も、すぐさますみだがFリーグとタイで行われた日本代表戦を含めて8月に7試合を戦った勤労青年の清水選手が取り返して同点。

すみだがお得意の2分毎の小刻みなセット交代でスタミナの消耗を抑え、フレッシュさをアドバンテージにできるよう挑めば、名古屋もそれに応じて新たなセットをフロアに送る。
 
3戦総当たりのリーグ戦の初対戦で負けないことを前提とした神経質な戦いよりも、相手のリアクションを通して自分の実力を試し合うように両チームがボールホルダーにアタックしゴールに迫る。
ミス待ちではない積極的な攻守が緊張感と喝采を誘い、濃厚な余韻を残して1-1のまま前半は終わった。

前半は名古屋のペドロコスタ監督がすみだのセットチェンジに合わせてセットを変えるじゃんけんで言うなら後出しの作戦だったが、後半はすみだの須賀監督がこれを崩そうとギャンブル。
諸江/清水/西谷/岡山からスタートし22分に稲葉/太見/田村/渡井に交代、ここで名古屋が呼応してセットを変えると見るや後半4分からは1分、1トランジションごとに4名を一気に交代する。

24分に諸江/清水/西谷/岡山のセットでカウンターからダイナミックに駆け上がった岡山選手が決めて1-2とした後、すぐさまセットを変えて1分後に太見/田村/渡井/ボラのセットで再びカウンター。
後手に回って相手が混乱し、ディフェンスが崩れたところをボラがプッシュして1-3。
 
すみだのギアチェンジに置いて行かれた名古屋がたまらずタイムアウトを取るも、34分まで、

諸江/清水/西谷/岡山
稲葉/太見/田村/ボラ
諸江/清水/西谷/岡山
太見/田村/渡井/ボラ
諸江/清水/西谷/岡山
稲葉/太見/田村/渡井
諸江/清水/西谷/岡山

と矢継ぎ早にセットを交代し、名古屋に的を絞らせない。
 
この間、相手セットプレーの間にメンバーチェンジをしないという鉄則を破ってメンバーチェンジをし、あっさりドフリーで決められたのはチームの約束事を愚直なまでに遂行するすみだのチームカラーが出たものだろうが、ライン際でビブスを交換する度に勢いが加速するさまはフットサルの新戦術を想起させるものだった。

すみだの7変化に目が慣れ出した残り6分から名古屋が安藤選手をゴレイロに据えてパワープレーを開始。

7月のAFC。
12,000人の観客が入るタイのバンコクフットサルアリーナで前年度優勝チームのイランのタシサット、決勝戦でのイラクのナフィットに食らいついたパワープレーの緊張感と、1/33試合のFリーグ首位決戦の緊張感を想像する。
 
絶対的エースの森岡選手が在籍していた去年までの名古屋の強さは、結局この人がオイシイ所を持っていくという圧倒的な個の力だったが、1勝3分1敗という戦績でドラマチックな優勝を達成したAFCからの流れを見ると今期はチームワークと勝負強さだろう。

ここのところパワープレーの逆転劇が少ないFリーグだが、AFCの名勝負を演出した名古屋のパワープレーのクオリティは2部練習できるチームならではの完成度で35分に八木選手が決めて同点に追いつく。
流れを引き戻そうとすみだがタイムアウトを取るも、その1分後の36分にセルジーニョ選手が決めて4-3と名古屋が逆転に成功し、小田原アリーナはどっと沸いた。

すぐさますみだも稲葉選手をゴレイロにしてのパワープレーを開始すると、38分51秒に今シーズン絶好調の西谷選手がゴール中央で細かいステップで相手をずらしてのスナイプショットを決めて4-4とするも、39分35秒でパワープレーで相手を動かしてできたギャップにセルジーニョ選手が決めて5-4と名古屋が再度の勝ち越し。
これで終わりかと思いきや、試合終了20秒前にパワープレーで左角に入った西谷選手にボールが入ると、中央への早いボールをケアしてニアを開けたゴレイロの関口選手のスキを見逃さず、これをダイレクトでニアに強シュートをブチ込んですみだが再度同点に持ち込んだ。

39分48秒で5-5になったスコアボードはもう動くことはなく、名古屋のパワープレー開始から5分間で5点が生まれた首位決戦は大喝采と異常な熱気を残して終わった。

・カウンターが不発で終わった後のミス待ちの攻守
・疲労が溜まる終盤で強度の落ちるトランジション
・結局点差が広がるだけのパワープレー

Fリーグも10年目を迎えた。
チーム数も増え、どこか慣れがあり、どこかこんなものかという思いもある。
チーム、リーグの運営を考えても昇格・降格は現実的ではないだろうし、レベル差が如何ともしがたいゲームもある。
リーグ自体が競技力の向上と普及という側面を持っている以上それはそれで仕方がないだろう。

10年間のFリーグでも3指に入る名勝負は両チームの積極的な攻守があり、両監督の哲学あり、終了寸前までお互いがゴールを狙う獰猛さがあった。

唯一のプロチームである絶対王者名古屋が9連覇するFリーグだが、基本的にはアマチュアチームであり、練習時間が限られているはずのすみだが後半34分に名古屋がパワープレーを開始する前まで試合をリードしている。
熱戦、名勝負という言葉で表現してしまえばそれまでだが、工夫や知恵、組織の意思統一があったからこそ名古屋と伍する時間を作れたのだ。

奇跡的な熱戦に反し1,103人という少々残念な観客数に終わったが、まだすみだホームの墨田区総合体育館と、名古屋ホームのオーシャンアリーナでの対戦が待っている。
 
観客が想像する首位攻防戦を越える試合だったからこそ試合後のスタンディングオベーションがあり、いい意味で観客の予想を裏切る試合を提供し続けることがトップリーグ本来の姿だろう。
このベストバウトを塗り替えるベストバウトに会える日をファンはきっと待っている。
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小田急線蛍田駅下車から徒歩15分ほどの小田原アリーナ。
道中の稲穂もそろそろ収穫の雰囲気か。
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8月にタイで行われたタイランド5で日本代表キャップを記録した北海道のフィクソ、19歳の小幡選手。
今日はミスが多く、ほろ苦いプレーが目立ったがまだまだキャリアはここから。
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圧倒的なフィジカルを活かして半径2メートル以内のボールはすべてマイボールにしてしまう制圧力を見せる大阪のフィクソ、アルトゥール。
大阪の巨人は今後の上位対決を席巻しそう。
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フィジカルがフィットし、大阪の攻めに深みを与えるピヴォのチアゴ。
収める、打つのシンプルなプレーだが相手に与える圧力は侮りがたい。 
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出場時間を延ばす個性的な木暮チルドレン達。
フィクソの田村選手は落ち着いて試合を締め、加藤選手は鋭いドリブルから惜しいシュートを連発。
弾幕の銘は『みずはほうえんのうつわにしたがう』と読み『注いだ器の形に水が変化するように、人は環境や友人によってどのようにも変わる』という意味。
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セットを固定せずブラジル人トリオ+木暮チルドレン+小曽戸で回す3位の大阪。
お前らやってこいよとばかりに送り出す木暮監督は貫録十分。
これまで浦安、町田、大分、大阪が名古屋に挑むマッチレースが多かったが、スリーワイドの優勝争いなるか。
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連敗を5で止めた府中。試合中の谷本監督の気合と試合後の選手の笑顔が苦闘を物語る。
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Fリーグとタイで行われた日本代表戦を含めて8月に7試合を戦った勤労青年の清水選手。
アジアを代表するピヴォと呼ばれる日もそう遠くなさそう。
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今期一番の補強となった渡井選手の完全復帰。
諸江選手、西谷選手とクオリティの高いフィクソ3枚がすみだの攻守を支える。
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譲る気持ちは全くなし。首位対決を迎える両監督の静かな闘志。
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齋藤選手が青に染め、赤(橋本選手)、黄(八木選手)と合わせてとうとう完成した名古屋のヤングシグナル。
タレント軍団の中でコンスタントに出場している彼らの経験の蓄積がシーズン後半のアドバンテージになるか。
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要所を締めた星選手、安藤選手の日本人フィクソ。
日本人選手の勝負強さは昨季までの名古屋になかった特徴のひとつ。
元々ドリブラーのセルジーニョは抑えられることが多かったAFCでなぜか守備が急成長。
パワープレーから得点を挙げた場面では、ワンステップで強烈なシュートを蹴り込んで見せた。 
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154cmと小柄ながら機を見てピヴォに入り攻撃を活性化させる中村選手。
今期は出場機会は減ったがフロアに立てば流れを変える働きを見せる。 
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重心移動、瞬発力、ボールキープに必要なお尻の大きさに比例する感のあるフットサル選手のクオリティ。
名古屋の攻守の要、尻は口ほどに物を言うシンビーニャと酒井ラファエル。
身長、体重はすでにあるが、いつかチームごとのヒップの平均値を集めたデータも見てみたい。
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試合中に激を飛ばす名古屋のペドロコスタ監督。
選手の手を掴んで攻守のポイントを熱弁する熱血監督の姿はこれまでの名古屋のベンチになかったもの。
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名古屋の先制点に繋がったバスミス、パワープレーから西谷選手にニアを抜かれた5失点目。
大黒選手、関口選手の両ゴレイロにとっては悔しさの残る熱戦か。
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長い距離のランニングを連発し、1-3のリードに貢献した岡山選手。
ボール奪取後、空きスペースを見つけるや40メートルを一気に駆けた。
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今日も前線でポイントを作ったすみだの太見選手。
2009年、2013年の全日本決勝にも出場した名勝負数え歌のメインアクター。
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すみだの攻守のスピード、テンションの高さに適応したボラ。
これまでのテクニックと嗅覚を利かせてのゴールに加え、カウンターからネットを揺らす機会も増えそう。
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ゲームの損益分岐点を見つめる西谷選手。
クイックネスで決めた4点目、ゴレイロがニアを空けたのを見逃さずにダイレクトで撃ち込んだ5点目はお見事の一言。
今、最もFリーグで怖いアラ。
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試合終了後に両監督が握手。
先にアクションを起こしてリードを奪うものの勝利のチャンスを逃した須賀監督と、練度の高いパワープレーで負けゲームを拾ったペドロコスタ監督。
ゲームに慣れだした後半5分前後からどちらが先に仕掛けるかが次戦の見所か。
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積極的な攻守があり、両監督の哲学あり、終了寸前までお互いがゴールを狙う。
今シーズンの両チームの対戦は2016/11/3の墨田区総合体育館と、2017/1/15のオーシャンアリーナ。
今日の試合が陳腐に感じる熱戦を期待しています。 

 
23 8月

2016/8/20・21・23 タイランド5 バンコクフットサルアリーナ 『悔しさと自信の先に』

2016/8/20・21・23 タイランド5 バンコクフットサルアリーナ
タイ代表 2 - 2 日本代表
日本代表 0 - 9 カザフスタン代表
イラン代表 4 - 2 日本代表

タイのバンコクフットサルアリーナで行われたタイ、イラン、カザフスタン、日本の4ヵ国代表対抗戦。

来年5月に予定されるアジアの20歳以下の大会に向け、19歳以下の選手と、各国とのバランス調整約の皆本選手、仁部屋選手の構成で挑んだ日本は、アジア、欧州の強豪のフル代表を相手に1分2敗、4得点15失点で4ヵ国中最下位という結果で幕を閉じた(最終順位はカザフスタン/タイ/イラン/日本)。

熱狂的なサポーターが後押しする地元タイとの1戦目は皆本選手&植松選手、仁部屋選手&清水選手を軸に2~3分毎の7交代で回し、

皆本/植松/宇田川/脇山
皆本/植松/伊藤/山桐
皆本/植松/宇田川/山桐
仁部屋/清水/小幡/松原
仁部屋/米田/松原/山田

の5通りの組み合わせで前半を1点のビハインドでしのぐと、後半早々に仁部屋選手が得意のサイドからのスラロームでシュートを決めて1-1の同点に。

ここからは鈴木監督がギャンブル。
 
前述の皆本選手&植松選手、仁部屋選手&清水選手を起点に両セットを構成した選手を、

仁部屋/小幡/伊藤/宇田川
仁部屋/清水/小幡/伊藤
仁部屋/小幡/宇田川/山田
皆本/植松/米田/脇山
皆本/植松/山桐/松原
皆本/植松/脇山/松原

のように入れ替えつつ試合を進めるも、引き分けが見えた後半38分のタイのタイムアウト後にプレスの位置が下がり出足が遅れた隙にミドルシュートを決められて2-1。
このまま敗戦かと思われた終盤に、皆本/植松/仁部屋/清水のFリーグセットを送り込み、コーナーキックからのこぼれ球を清水選手が蹴りこんで勝ちに等しい2-2のドローを手にした。

カザフスタンとの2戦目はカザフが欧州3位の実力をまざまざと発揮。
 
1分と経たないうちにカザフのメインキャストの一人であるドウグラスのドリブルからのシュートパスをエベルトンが押し込んで先制。

ここからは練度の高い前プレ、第2PK付近からのキックインのデザインプレー、カザフの皇帝、レオの見事なミドルシュートと前半で一気に0-4のビハインドとなり、後半も似た形での失点が続く。
終盤はカザフの監督がベンチから大声で指示を送っての第2PK付近からのキックイン、フリーキック、コーナーキックの練習相手といった格好になり0-9の大敗で終わったが彼我戦力差を考えれば納得の結果で、過度の悲嘆は欧州3位のカザフスタンに失礼だろう。
 
この試合では3戦で唯一、植松/宇田川/清水/山桐、米田/伊藤/清水/松原、米田/宇田川/伊藤/松原といったU19オンリーのチャレンジングなセットを約2分づつ試しており、この時間の経験も大きな糧にしてほしい。

1日空いての3戦目のイラン戦は前半で3点のビハインドも、全メンバーを使った前2戦と異なり、出場するメンバーを絞って明確に勝負に行く。
(前後半で仁部屋選手が7分間出ずっぱりの時間があったり、米田選手、山桐選手は出場時間がなく、小幡選手、脇山選手はピンポイントの起用に留まった)

後半半ばに4-0とされるも、仁部屋選手がPKを決めて1点を返し、皆本選手のプレスから清水選手が決め、残り約10分で4-2と追いすがる。
ここからは過去2戦ともメンバーを固定して長時間選手を出場させるイランの強度が落ちる時間ということもあり、日本が押し込む時間が続いたが残り1分を切ってからの皆本/植松/仁部屋/清水/松原のパワープレーも実らず4-2のままタイムアップとなった。

1分2敗、4得点15失点で4ヵ国中最下位。

得点者は来年5月の大会には出場しない仁部屋選手が2得点で、フル代表でも実績のある清水選手が2得点。
失点はプレス回避の中途半端な選択を狙われてのカウンターや、集中力を欠くタイミングでラインが下がったところでのミドル、経験不足故に対応できなかったデザインプレーがほとんどでフットサルの教則本に出てくるありがちな得失点のパターンばかりだ。
(擁護するわけではないがこの結果を不甲斐ないと断ずるのであれば、選手ではなくフル代表に対してU19中心で挑むと判断した大人たちにこそある)

結果としてはタイ戦のドローが光ったヤングジャパンだったが、欧州、アジア列強のフル代表を相手に傍目には無茶苦茶な構成で挑んだ総決算となるイラン戦の残り10分間にこそ大いに可能性を感じるものがあり、この時間に主軸の4人と共にフロアに立ち、あと一歩でイランゴールを破るところまで迫った宇田川選手、伊藤選手、松原選手、山田選手は悔しさと共に大きな自信をつけたのではないだろうか。

Fリーグには試合に挑む12名のうち23歳以下の選手を1名以上登録するレギュレーションがある。
登録するものの出場機会がないチームもあるが、すみだ、名古屋、大阪、町田など上位のチームは23歳以下の選手が活躍しており、チーム内の新陳代謝も顕著でそれが順位にも反映されている。

選手が多く、アンダーカテゴリーが整備されている海外であれば18、20、23歳と個別にリーグが運営されている国もあるが、Fのサテライトチームが所属する地域リーグを見ても年間10数試合程度で実戦の場は非常に少ない。
過去には23歳以下の選抜チームでFチャレンジリーグを戦ったこともあるが現在は廃止されており、Fリーグ本戦に出場してこそ得られる経験値の比重は非常に大きいだろう。

一見頼りなさそうに見えても、若さゆえの勢いと創意工夫でなんとかしてしまえるのが若者の特権だ。
ミスをカバーできるのがチームスポーツであり、未熟な少年を助けるのが先輩の役割であり、今、フロアに立つトップランナーが過去に先輩から送られた薫陶なのではないだろうか。

『かわいい子には旅をさせよ』という言葉もあるが、Fリーグを指揮する監督たちには2分間だけでもいいので彼らにフロアに立つチャンスをあげてほしい。
その2分間の旅で感じる悔しさや自信の先に彼らと『リスタート』と銘を打たれた日本フットサル界の未来が待っている。

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タクシーでの移動となるバンコクフットサルアリーナ。
バンコク中心からのアクセスはタクシーで2時間は見ておきたい。
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12,000人収容の立派なアリーナも運営は手作業。
インターバルで意匠に富んだセンターサークルをお手入れ。
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悔しい思い出になった両ゴレイロ。
3戦出場した大分の岩永選手と、カザフスタン戦に先発も無念の途中交代となった北海道の坂選手。
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期待通りの活躍を見せたオーバーエイジ組。
皆本選手の気合の入ったチーラからのガッツポーズと、仁部屋選手のドリブル突破はタイの観客を沸かせた。
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フル代表にも選出されている清水選手と植松選手。
2ゴールを上げた清水選手の結果が光ったが、植松選手も攻守で当たりの強さを披露。
最終戦のイラン戦ではドリブル突破で再三決定機を演出した。
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今後のU19の中核を担うであろうNo7宇田川選手、No8伊藤選手、No13松原選手、No14山田選手。
万能型のアラの宇田川選手、伊藤選手はプレス、カウンターからの攻守が光り、松原選手は驚異の運動量での上下動を見せ、山田選手は左利きを活かしたドリブルでアクセントを作った。
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こちらはカザフスタン戦での米田/伊藤/清水/松原のU19オンリーセット。
刺激を与え、変化を促す。鈴木監督の選手を飽きさせないマネジメントには見るものが多い。
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タイ戦ではアフタープレーで看板に激突した名古屋サテライト所属の松原選手。
アラの運動量と枚数で勝負するトップでも機会があれば十分やれそう。
右眉の傷は献身的なアラの大きな勲章。気合の入った坊主頭も◎。
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カウンターから惜しいシュートを放った伊藤選手。
ここ2シーズンほど若手育成に成功する町田でチャンスをつかみたい。
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タイ戦では出場機会を確保したものの、勝負のイラン戦では出番に恵まれなかった小幡選手。
所属する北海道で巻き返しなるか。
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試合中、仲間を鼓舞する声が非常に目立った清水選手。
アジアを代表するピヴォになる資質は十分。
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1分2敗、4得点15失点で4ヵ国中最下位という結果で幕を閉じたヤングジャパン。
涙と笑いがあり、仲間と応援してくれる人達がいて、悔しいことも沢山あるけど振り返ったらきっと楽しい。
彼らの長い旅はここから。
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カザフスタンのエース。
守備、組み立て、ゴールと冷静なマルチロールを見せるフィクソのレオ。
イラン戦では相手の執拗な挑発にブチ切れ表に出ろとアピールし、タイ戦では終了数秒前に同点になるオウンゴールを喫するも負けなければ優勝ということもあり、タイムボードを指差したあとに歓喜のダンス。
群を抜く才気とヤンデレ風味な狂気を見せる華のある選手。
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同じくカザフスタンのドウグラス。
ブラジル帰化選手の多いカザフはレオかドウグラスをフロアに入れて現場を仕切る。
こちはブラジル人らしくない真面目で優秀なサラリーマンといった雰囲気。
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この旅のお目当て、欧州選手権で3位に輝いたカザフスタンの立役者、ゴレイロのイギータ。
ゴレイロながら流れの中からパワープレーに参加して強烈なシュートで好機を演出。
このチームへの前プレはゴレイロも考えての詰将棋。
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ワールドカップ直前にタイ代表監督に就任した元日本代表監督、ミゲル・ロドリゴ。
テクニックと機転に富むアラ、攻守に実直なフィクソ、強力なピヴォが揃うタイは監督として非常に面白そうなチーム。
口角をキュッと上げるいい笑顔はタイでも健在。
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タイのエースでありアジアを代表するピヴォ、9番のsuphawut。
強烈なFKと、浮球のボレーで得点王とMVPをダブル受賞。
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こちらはいつ休んでるのかがわからないほど試合に出ずっぱりなイランのエース、ルズバハニ。
イラン選手らしい分厚く、柔らかな肩から臀部のラインを活かしてボールをキープし、華麗なドリブルと強烈なシュートでゴールを決める。
イラン選手のクオリティの高いプレーと鍛えられた体、エキゾチックな容姿は日本でよく見かける『イケメンコンテスト』 が陳腐に感じるほどにセクシー。
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試合終了後、アリアンツ・アレーナを彷彿とさせるバンコクフットサルアリーナのライトアップ。
輸入も輸出も少なく、とかくドメスティックになりがちなマイナースポーツであるフットサル。
フットサルを通して各国の文化を感じられる素晴らしい3日間でした。
11 8月

2016/8/11(木・祝) Fリーグ 第9節 墨田区総合体育館 『必殺のデザインプレー』

2016/8/11(木・祝) Fリーグ 第9節 墨田区総合体育館
フウガドールすみだ 2 - 1 バルドラール浦安

開幕7連勝から大分と引き分け、町田に敗北のすみだと、今季連勝がなく3勝2分3敗と我慢の展開が続く浦安が対戦。

今週、スペインへの移籍を発表した深津選手をはじめ、浦安がアグレッシブなプレスですみだを抑えにかかり、ボールを拾ってからは底からの3角形でのパスワーク、一線上に並んで中を飛ばして抜ける練度の高いプレス回避で好調すみだのフロントラインを再三破る。
 
前半5分に第2PKあたりからのキックインを中島選手が中で待つ小野選手に出し、すみだのディフェンスが不用意に寄ったところを小野選手が浮き球でディフェンスの裏へリターン。
これを中島選手がゴール右上段に突き刺す抜け目のないゴールで浦安が先制し、緊張感のある鍔迫り合いの前半は浦安に利ありの形で終わった。

後半。
控えのゴレイロを削って攻守に機動力のあるアラの田口選手をオプションに加えたすみだが体力面で優勢になり、セットをハッキリと分けず、深津選手、小宮山選手、荒牧選手の強固なフィクソに宮崎選手、加藤選手、中島選手、小野選手を自転車操業で回す浦安が徐々に受けに回る。

後半28分に前に強い浦安のディフェンスを破り、左ゴールライン際まで侵入した稲葉選手がゴール前に送って発生した混戦を田村選手がヘディングでねじ込んで同点。
その後はすみだのオフェンスを浦安が必死にしのぎつつ、機を見て気合十分の深津選手が強引に進撃する展開が続くも、星取表の勝ち越し、ご近所対決の意地と熱量、チームメイトへの寂寥感からか残り時間1分30秒で浦安がパワープレーを選択。

ファーでのプッシュがメインアクトのはずの小宮山選手が華麗なターンでのドリブルを見せるなど、首位のすみだに引き分けをよしとしない強気っぷりを見せる浦安だったが、キックインからの不用意な浮き球でのロングパスを、滞空時間中に太見選手がガッツリ詰めて相手選手が待つ落下地点でチャージ。
浦安側に転がったボールを一気に前に出た太見選手がロングドリブルでパワープレー返しを成功させ、残り8秒で勝ち越し点を上げると40分のシビれる神経戦から解放された墨田区総合体育館は一気に沸いた。

ホームチームがライバル意識のあるお隣の強豪チームを相手に苦戦、挽回、劇的な勝ち越しと王道少年マンガのような燃える展開で興業的には大成功な一戦だったが、個人的には今年2月のAFCから度々目にする日本フットサルの課題が散見される典型的なゲームで、以下はその列挙になる。

①ブロックを作った相手へのオフェンス
オーソドックスなサイドでの1対1、ピヴォ当てでの崩しが両チームとも相手の強固なフィクソに阻まれるなど、前プレを突破し、引いた後のオフェンスの工夫が少々乏しい。

そんな中でも、すみだの同点弾に繋がった稲葉選手の角に向かってボールを運び、ディフェンスの基本であるボールと人を同一視野に入れさせず、ゴールを背に守れないようにしての崩しは理論の点で、浦安の深津選手のフィジカルを利かしたダンプカーのようなドリブルは意外性の点で二重丸。
お互いが似たストロングポイントで勝負し膠着した際の、個とチームでの工夫は数多く見たいところだ。


②数的優位のカウンターの精度
カウンターを防いでのカウンター返し、ブロック守備からのカウンターなど、この試合で頻発した2対1、3対1のカウンターは両チームとも無得点。
 
視野を確保しつつ、粘り強くタイミングを計った小宮山選手、荒巻選手、渡井選手の対応が光ったが、オフェンスの体の向き、走るスピード、直線的すぎる追い越しが非常に気になった。
ボールホルダー側に体を傾ける、ボールを受けられるゾーンへの侵入後はスピードを緩める、ボールに対して鈍角で入れるように弧を描いて走る・・・。
縦に急ぎつつもオフェンスにもう少しの工夫があれば、よりハイスコアでのゲームになったのではないだろうか。


③デザインプレー(フリーキック、第2PK付近からのキックイン、パワープレー)
選手交代をし、両ポストと逆サイドに選手を配置。
トリックプレーがあるかと思いきや、結局キック力のあるシューターが強打するフリーキック。
なんとなくフリーの選手に入れて遅攻で再開するキックイン。

AFC(2月のW杯予選、8月のクラブ選手権)でも目に付いたデザインプレーの守備のまずさは、Fリーグで効果的なデザインプレーをするチームが少なくなったからでは。
浦安の先制点の場面では、中でキープした小野選手に本来キックインのキッカーである中島選手をケアする宮崎選手の食いつきを見て小野選手が宮崎選手の裏へリターン。
中島選手の目の覚めるようなボレーシュートと彼への喝采で隠れてしまったが、ファインゴールの裏には細かなエラーがあり、こうした読み合い、失敗体験、攻守の試行錯誤の少なさが本番での致命傷に繋がるという示唆に富んだシーンだった。

パワープレーはイノベーションが顕著なプレーであり、パワープレー中にオフェンスがフォーメーションを流動的に変化させる形がトレンドになった2012~2014年はオフェンス有利、それに対応できるようになった2015~現在まではディフェンス有利といった印象がある。

デザインプレーは相手が知らないということが一番のアドバンテージになる。
ボードの上での試行錯誤やスカウティングからの着想から生まれるアイディアも多いだろうし、アイディアがリアリティのあるものであれば物理的な練習時間はトップカテゴリーの選手たちであればそこまで必要でもないだろう。

プロセス・イノベーションが得意とされる日本だが、プロダクト・イノベーションとも言えるような日本発の新種のデザインプレーをゼヒとも見たいところだ。

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浦安が誇るフィジカル自慢のスリーフィクソ。
小宮山選手、深津選手、荒牧選手が代わる代わるフロアに立ってチームを引き締める。
個性豊かな現場監督たち。
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鮮烈ボレーで浦安の先制点を叩き出した中島選手。
要所で得点に絡む今シーズンは一気に若返った印象。
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知己との再会。
開幕時は無所属ながら2節前からすみだでFリーグに復帰したボラと、元日本代表の小野選手。
Fリーグ初期から活躍するベテランピヴォ同士が試合前にハグ。
中島選手の先制ボレーの場面ではすみだの3枚のディフェンスの間に入った小野選手のポジショニングが光った。
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歌うようなテクニックを奏でるボラ。ボールはトモダチを地で行く足元。
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浦安のプレス槍衾をリードした加藤選手。
今日のカウンター合戦ではゴールがほしかったところ。
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地域リーグで群を抜く戦力を誇ったすみだ。
当時はすみだで活躍→Fリーグへ移籍がメジャーデビューへのストーリーのひとつだった。
同ルート名を挙げた深津選手は日本でのラスト2試合、異常な気迫で臨んだすみだ戦で攻守に奮闘。
再三ゴールに迫り、どちらのファンからも歓声をさらった。
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こちらはすみだから浦安発、神戸経由で昨シーズンから復帰。
クリーンな守備、華麗なドリブルで魅せるすみだのフィクソ渡井選手。
今日はガツガツとした当たりでプレッシャーをかける深津選手、小野選手とのとばっちり気味のドックファイトで会場を熱くした。  
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清水選手が累積警告で出場停止のすみだは前半途中から太見選手とボラ選手を同一セットで投入。
名勝負製造機、小宮山選手との体と知恵が交差するマッチアップは様式美すら感じる大熱戦。
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膠着状態を打開した稲葉選手の機転。
経験を活かし、代名詞のドリブルで結果に繋げるクレバーなプレー光った。
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今シーズン出場時間を延ばす田村選手は貴重な同点ゴールをゲット。
破天荒な活躍に期待したいところだ。
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力強いフィジカルと、異様な存在感で異彩を放った深津選手がコーナーキックで3枚のディフェンスの間に入る。
相手を寄せて誰が打つかを考えるのもセットプレーの楽しみ。
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すみだのフリーキックの場面。
4秒の時間、ディフェンスの視野角、壁とゴレイロの位置と期待感が膨らんだところでの直接シュート。
・・・館山マリオのような変態策士の登場が待たれる。
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着想と大胆さに妙味を持つすみだの須賀監督と浦安の米川監督。
いつか彼らの名前を冠した新しいセットプレーやパワープレーを見たいところ。

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