2014/8/8(金) Talking About Football Vol.018 元日本代表フットサル選手 市原誉昭 原宿mf

南米テイスト溢れるフットボールカフェ、原宿のmfで行われた元日本代表フットサル選手の市原誉昭さんのトークショーに行ってきました。

小学校卒業後、三浦知良選手の言葉を頼りにブラジルに渡り8年を過ごし、帰国後、いくつかのサッカーチームでプレー。
フットサル転向後はプレデターで躍動。
日本代表のキャプテンを努め、遠征先のブラジルでのプレーが認められプロフットサル選手として再びブラジルへ。
帰国後はFリーグの浦安、町田、湘南で活躍し、昨シーズン惜しまれつつ現役を引退。

ピッチにどっしりと構え、俯瞰の視野で相手のエアポケットを探し、ベテランの味と凄味でチームを落ち着かせる大人な選手。
私はパブリックな経歴と、Fリーグ後の市原選手しか知らない。
その市原選手が語る10代から20代前半のどうしようもない青春時代の話に大いに驚いてしまった。

ブラジルではサッカーのプロ選手になれなかった。
Jリーグ入団りを目指し、8年振りに日本に帰国するもJ1・J2のチームには入れず、JFLのチームに入団が決まるも、そのチームの地元に引っ越しをしたその日にクビになった。
異国に転機を求めたポルトガルでは代理人詐欺にあった。

フットサル転向後の活躍は華々しいものの、ワールドカップにはトコトン縁がなく、2000年はあと一歩で予選敗退。
2004年は大会直前にケガ。
2008年は2ヶ月前にベテラン枠で選出されるも、最後は選から漏れた。

好きなことを頑張って、結果が出ないのは辛い。
それでもサッカーで、フットサルでご飯を食べられるようになりたいという夢を叶えるために頑張るメンタルの強さ。
なぜそこまでメンタルが強いのかという問いに、

『メンタルが強い選手なんていない』

と市原選手は答えた。

『結果が出ないのは確かに辛い。
ただ自分は幸運にも悪い事を引きずる性格じゃなかったし、結果が出ないこと、弱かった自分を受け入れて、頑張り続けることしかできなかった』

・・・壁には市原選手が所属していたチームと、思い入れのあるユニフォームが飾られていた。
その中のひとつ。
2004年フットサルワールドカップ直前にケガをした市原選手に、ワールドカップに出場した選手たちから贈られたサイン入りのユニフォーム。

No.1 GK 川原 永光
No.2 FP 鈴村 拓也
No.3 FP 前田 喜史
No.4 FP 小宮山友祐
No.5 FP 比嘉リカルド
No.6 FP 難波田 治
No.7 FP 金山 友紀
No.8 FP 藤井 健太
No.9 FP 小野 大輔
No.10 FP 木暮賢一郎
No.11 FP 相根 澄
No.12 GK 定永 久男
No.13 FP 高橋 健介
No.14 GK 石渡 良太

市原選手が熱望したワールドカップに出場した14人のサイン。
フットサル黎明期を駆け抜け、この人ならコレ、というのが凝縮された14人は、驚くべきことに半数以上がまだ現役を続けていて、今もそれぞれが何かを目指し、それぞれに頑張り続けている。

プレースタイル。メンタル。エネルギー。キャラクター。
1人を掘り下げた物語が語られることが非常に少ないフットサル。

昔話をひとつづつ思い出すようにユニフォームを見つめる市原選手の瞳は優しく、深く、澄んでいて、いつかこの14人がそれぞれに頑張り続けた物語を聞いてみたい、そんなありそうでありえなさそうな想像にふける素晴らしい時間でした。

◆mfのフライヤー
http://mf-tokyo.com/blog/?p=6508

◆市原誉昭さんの経歴
http://blog.qandasports.com/post/104311148576

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