2015/06/28(日) 関東1部 第3節 ウイング・ハット春日部
柏トーア'82 3 - 2 カフリンガ東久留米
バルドラール浦安セグンド 2 - 1 リガーレ東京
ファイルフォックス府中 1 - 4 コロナFC/権田
ゾット早稲田 4 - 3 FCmm

社会的には平日仕事して、土日は好きなことだけやってるうちにいつの間にかオッサンになった自分。

親から子供2人を育てる姉の話を聞くと、立派だよねー、程度の感想しか言えない。
もちろん感想は沢山ある。
主に自分と親に対してだが、それを表現するボキャブラリーが沸かないし、沸いたとしてもリアリティのない場所にいる自分が口にしていいのかはばかれる。
自分が自分の首を絞めているだけだけれど、それらしい親孝行をしていないことが申し訳なく、年々実家には足が向かなくなった。

6/27(土)、28(日)と実家に程近いウイング・ハット春日部での関東2部、1部の連日開催。
家を建て替え、作った庭で栽培した野菜を食べに来いという話をつねづね言われていたこともあり、観戦の道具と着替えとちょっとした思い切りを背負って、土曜日の関東2部観戦後、実家に向かった。

全国各地で開催されるフットサル。
関東だけでもここに行くのかー、という会場は沢山あるし、金曜日を含んだ金土日の3日間開催になる全国規模の大会ならなおさらで、1年間のスケジュールをガッツリフォローしてみると、フットサルはちょっとした小旅行の連続だ。

ルーツのある土地を離れ、フットサルが盛んな地域で活躍する選手、関係者。
『地元で開催される大会と合わせて里帰り』ブログやSNSを眺めているとそんな話も度々目にしたりする。
生活と好きなことを両立させ、見知らぬ土地で頑張っている子供たち。
はにかんだ『ただいま』と誇らしげな『おかえり』があり、久しぶりに交わす『行ってきます』と『行ってらっしゃい』がある。
想像したらなんだかとても羨ましくなってしまった。


野菜をしこたま食べ、明日の予定を話す。
家から徒歩40分かかる最寄駅に何時に送っていってほしいと話すと、会場まで送って行ってくれることになった。

13年前まで自分が住んでいた場所。
寂れた小学校越しに見える東京スカイツリーがなんだか場違いだ。
区画整備が進んだ道路を抜け、建て代わった団地を眺め、だだ広い田畑に囲まれたウイング・ハット春日部に到着する。
両親は1試合目のさわりだけを見て、最終試合終了の時間に合わせて戻ることを約束してそのまま茨城の親戚の家に向かった。

会場はクーラーが効いていて快適なのに、今日の試合はやたらとフロアにモップが入る。
ゾット早稲田とFCmmの最終試合の開始は予定より30分遅れて17:00となり、両親はスコアが2-2の17:30に戻ってきた。

両チームの名砲手である渡辺選手、稲垣選手から放たれるレーザービームが40メートルの攻守を一瞬で逆転させ、抜群のテクニックを持つ米谷選手が仕掛け、縦への勢いがある平選手が観客の期待を背に突っ込む。
加藤選手、田中奨、雅也選手とクイックネスの高い選手たちが要所をサポートし、目まぐるしく試合が展開する。
両親の登場にあわせたようなゴレイロの活躍と、ハイ・トランジッションな展開に会場は一気に盛り上がった。

名手稲垣選手が作った面の肩口を抜く荒木選手の冷静なシュートで3-2。
丸山選手のタイミングをズラしたトゥーキックで4-2。
FCmmが再三狙っていたシュートパスに田中奨選手がお洒落に詰めて4-3。

ゴレイロ。足裏トラップ。トゥーキック。オフサイドが無いことによるファー詰め。プレーイングタイム。5ファウル。

サッカーと似ているようで異なるフットサルらしさの解説に合わせて、わかっているんだかわかっていないんだかな笑顔で頷くフットサル初観戦の両親。
会場にはリプレイのモニターもなく、名前を知っている選手もいない。
それでも周囲の熱気に当てられ、3人でやいのやいの言いながらひとつの試合を笑顔で見つめた。

FCmmが激しくプレスをかけ、ゾットが時間を殺す4-3の最終盤。
残り5秒でゾットがプレスの網を外れたスペースにボールを運び、ゲームを知っている観客からは少し気の早い拍手が沸き起こる。
自分も拍手をし、それに釣られて両親も続いた。
両チームが意地を剥き出しにした、半年に1度あるかないかのフットサルの魅力がギッシリと詰まった名勝負に自分はもちろん、両親も楽しんでくれたみたいだった。

学生時代はサッカー部で社会人になった今は会社に勤めながらフットサルに夢中。
ちょっと軸は違うけれど自分もそんな生活をしている。

疲れて、時間がかかって、お金にもならなくて、モデルケースがない故に何が魅力なのかもいまいち理解されない。
 
聞かれれば自分はこういうことをやっています、とは言うけれど、なぜ惹かれるかの理由を理解をして欲しいという気持ちはもうない。
 
それでもきっとどこかで理解されたい。

そんな矛盾を抱えつつ、いつかわかってくれればいいな、と淡く思っていた重石が取れたようで、今日はとても嬉しかった。

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