2014/8/31(日) 第1回全日本ユース(U-18)フットサル大会 決勝戦 大田区総合体育館
◆3位決定戦
野洲高校 3 - 8 藤井学園寒川高校
◆決勝
名古屋オーシャンズU-18 2 - 3 聖和学園FC

3日前の予選リーグ2回戦では7-1で名古屋に後れを取った聖和学園。
2度目の対戦になった決勝戦では大方の予想に反し、聖和学園の変態的なドリブラー達がフットサルの文脈を知り尽くした名古屋をフットサルとは似て非なるスタイルで降した。

名古屋のコーナーキック。
聖和学園がY字に構えず棒立ちでボールを見ているところを、ファーとニアからダイレクトに合わせたフットサル的なセットプレーで名古屋が得点を挙げれば、聖和学園は選手の距離感を極端に短くした密集陣形からドリブルで食い付かせてできたギャップを使って冷静にゴールへ流し込む。
決勝点は名古屋の不運なハンドによって得たPKによるものだったが、聖和学園のドリブルに対しディフェンスラインを下げて対応していた局面だったので、アンラッキーという一言では語れない。

決勝点を取ってすぐの聖和学園のタイムアウト(このタイムアウトを利用して名古屋がパワープレーの準備をし、聖和学園はパワープレー対策のタイムアウトを取れなくなった)や、パワープレー中にボールをキャッチしたゴレイロがボールを投げて名古屋のゴールに入れるなど、おおよそフットサルを知らない彼らは、トコトンまで研磨したドリブルだけを頼りに日本唯一のプロチームの卵を降してしまった。

アップセットにひたすらにはしゃぐ聖和学園の選手達を、涙を浮かべ唇を噛んで見つめる名古屋の面々。

下馬評、恵まれた環境、費やした時間も時には結果に繋がらず、ひとつしかない武器でも、タイミングや局面でのチョイスを間違わなければ破格の結果を残せる。
何が正解だったかを教えてくれるのは常に結果だけだ。

結果を出すことが唯一の存在証明である彼らが残せなかった結果。
どうしても欲しかったトロフィーを掲げているのは、その価値がどれだけのものかを理解しているのかわからない、普段はサッカーを主戦場にしている選手達だった。

フットサルプロパーチームである名古屋が負けた悔しさは私にもある。
ただ、聖和学園も自分たちの武器であるドリブルを横40m/縦20mのフットサルのピッチで活かすにはどうすればいいかを考え、工夫をして挑んだはずで、短い時間であれフットサルに向き合い、課題提起してくれたことがとても嬉しい。

どんな名指導者も教えられない挫折を知った名古屋のこれからと、聖和学園をはじめとして全国に眠っているフットサルを始めたら面白そうな選手達の物語に、大いに想像が膨らむ素晴らしい大会だった。

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