2015/8/15(土)第25回バーモントカップ 全日本少年フットサル大会 大田区総合体育館
◆予選リーグ
甲府レジェンズ 5 - 9 セレッソ大阪 U-12
マルバ茨城 fc U-12 2 - 2 ソルニーニョ

◆ベスト16
セレッソ大阪U-12 4 - 1 クラブ・エフスリー
青森フットボールクラブU12 1-6 マルバ茨城fc U-12
黒沢尻東FC 5 - 3 ソルニーニョ

正月から盆に開催時期が移った12歳以下のフットサルの全国大会、バーモントカップ。
サッカーを主戦場にしながら選択肢のひとつとしてフットサルに取り組むチーム、この大会を最高の舞台として取り組むフットサルプロパーチーム。
大田区体育館(同体育館と駒沢体育館の2会場での開催)だけを見るなら、前者はセレッソ大阪U-12が、後者はマルバ茨城U-12がズバ抜けている。

セレッソは10番をつける下川選手が視野の広さと、アイディアの豊富さでチームを引っ張る。
スピードはさほどないものの、このカテゴリーとしては十分な164cmのサイズで器用にボールを操り、彼が前線で起点となった攻撃は4試合で21得点を上げている。
気構えて硬くなる選手が多い中、いい意味で脱力して試合に入れているのが素晴らしく、このまま成長すればトップチーム昇格も十分ありえるだろう。

マルバ茨城はフットサルIQの高さを見せる6番の高木選手が底からゲームを組み立てる。
右底の位置でゴレイロからボールを受け、左利きを活かし右手で相手から距離を作って左へドリブルで運びながら、一気の加速で振り切る、前線へのパスでチャンスを作る、切り返して落ちてきた味方に展開する、など彼の技術と落ち着きでチョイスしたプレイで相手のプレスをかわせるのが非常に大きく、ここで作ったギャップを活かして、技術レベルが高い各選手がゴールへ迫る。
安定した試合運びを見せるこのチームは4試合でたったの4失点だ。

この大会で度々話題になるのが、サイズのある選手を前線に置き、ロングボールを蹴りに行くチームが出てくることだ。
論旨としては、発育に差がある12歳以下の大会で、カテゴリー特有のギャップを活かし、戦術や技術を度外視する戦い方は、選手のためにはならず、フットサルの発展に寄与しないというものだ。

前述のマルバ茨城のグループリーグ最終戦、ソルニーニョ戦は完成度抜群のマルバ茨城に対し、組織的なプレスを嫌ったソルニーニョがロングボールを蹴る展開になった。
マルバ茨城が先行するも、作戦が奏功したソルニーニョがすぐさま追い着くシーソーゲームは前半を2-2で折り返す。
 
ソルニーニョのキッカーへのプレスの甘さを修正し、後半は相手のキックの精度を乱してマルバ茨城がセカンドボールを拾い、タレントを活かした中盤での試合に傾むくも、ソルニーニョもしぶとく守る。
結局2-2のまま試合は終了し、マルバ茨城がグループ1位、ソルニーニョがワイルドカードで決勝トーナメントへ進出した。

グループリーグを2勝1分、得点8失点5で勝ち抜けたソルニーニョは飛び抜けた実力のあるチームではなく、マルバ茨城相手に普段どおりのフットサルをしても勝点を取る可能性はなかっただろう。
続く決勝トーナメント1回戦では普段の彼らの戦い方で挑むも、堅守を見せる黒沢尻東FCに5-3で競り負け、悔し涙を流している。

格上のマルバ茨城に対しては弱者の戦術を選択し、同格の黒沢尻東FCには真っ向勝負を挑む。
過剰なアレルギーを示し、ロングボールを使うことを選択肢から外していたらソルニーニョは決勝トーナメントを経験できていなかったはずで、彼らがフットサルを通じて悔しいと感じることもなかっただろう。

育成年代の選手の引き出しは指導者に教わったことしか入っていない。
今の戦力でどんな戦い方をするのがベストなのかを考え、工夫することを選手に示し、成功体験を積ませたことは間違いなく今後の財産になるはずで、そういう機会を選手に与えたソルニーニョの伊藤監督はお見事だ。

正しいフットサルとはなにか。

前プレ。鋭い攻守の切り替え。パス&ムーブ。

どれも誰かが決めたものでしかないはずで、まずは自分と相手を知り、今なにができるかを考え、勇気を持って選択することではないだろうか。

優勝はトーナメントの逆山の組み合わせになったセレッソ大阪かマルバ茨城が濃厚で、MVPはチームを牽引する下川選手か高木選手のどちらかだろう。

結果だけを見ればベスト16で敗れた平凡なチームのソルニーニョ。
監督と選手が知恵と勇気を絞って成し遂げた夏休みのアップセットと悔し涙がとても印象的だった。

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会場の大田区総合体育館
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アタッカーとしての個人能力がズバ抜けているセレッソ大阪U-12、No10下川選手。
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セーブ、安定感のある足技を見せるセレッソ大阪U-12、No1内田選手。
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文中のソルニーニョ(オレンジ)マルバ茨城(水色)
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フットサルIQの高さが光るマルバ茨城No6高木選手。
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同じく組み立てで非凡なものを見せるNo7高貫選手。
負傷のためか決勝トーナメント1回戦は出場なし。
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試合展開に合わせてNo22大内選手とNo3奥田選手のゴレイロを併用するマルバ茨城。
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真剣に指示を聞くソルニーニョとマルバ茨城。
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ソルニーニョのコーチ陣
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好セーブを見せたソルニーニョのゴレイロNo41牧選手
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クラブ・エフスリーの女子選手、No6白沢選手。
男子相手に前からのプレスに奔走しました。
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140cmの小柄な体躯で光るテクニックを見せた青森フットボールクラブU12のNo10田澤選手とNo11釆田選手。
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守備と正確で強力なキックが光った黒沢尻東FCのNo10八重樫選手
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敗戦後のソルニーニョ。
理想はもちろん大切ですが、フットサルを通じて喜怒哀楽を体験をさせてあげた伊藤監督のチャレンジが印象に残りました。
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