2015/11/7(土) Fリーグ 第28節 町田市立総合体育館
フウガドールすみだ 4 - 5 デウソン神戸
ペスカドーラ町田 2 - 1 アグレミーナ浜松

名古屋が1枠を確定させ、残り6戦で4つのプレーオフ枠を争う12チーム3回戦のリーグ最終盤。
町田、すみだ共同開催の今節は、大分、浦安、町田、府中と直近のライバルを撃破しつつの6連勝で3位に浮上したすみだは9位に沈む神戸と、最終第3クールではもたつきを見せるものの、これまでの貯金を活かして2位を堅守する町田と11位の浜松が対戦。

※以下、28/33節を終えての順位。
()内が勝点、同勝点の場合は得失点差を優先。
名古屋(71)
町田(54)
すみだ(53)
大阪(47)
府中(45)
--------上位5位がプレーオフ圏内
北海道(45)
大分(45)
浦安(40)
湘南(22)
神戸(22)
仙台(10)
浜松(9)

前半27秒で稲葉選手が得意のドリブルシュートですみだが先制も、カウンターからゴレイロ清家選手との1対2を岡崎チアゴ選手が冷静にファーのロドリゴ選手へ渡して神戸が同点に追いつく。
 
後半も一進一退の攻防が続き、3-3の同点で迎えた後半18分ですみだが相手陣内深い位置で得たセットプレーを活かすためにタイムアウトを取ったものの、すみだのデザインプレーを神戸が守り、カウンターで抜け出した松宮選手が踊るような足裏のタッチで清家選手をフロアに寝かせ、神戸が3-4と勝ち越す。

パワープレーに出るすみだに対し岡崎チアゴ選手がダメ押し弾を浴びせて3-5と突き放し、残り3秒で太見選手がゴールを上げて4-5と意地を見せるものの、神戸がハイテンションなシーソーゲームを制した。

敗れはしたものの、すみだのセット構成について触れたい。
終盤戦になり、バリエーションは減ってきたが、今日の試合でも、

西谷/稲葉/岡山/清水(1stのベース)
諸江/西谷/稲葉/青山
諸江/西谷/稲葉/清水
西谷/稲葉/清水/太見
諸江/栗本/田口/太見(2ndのベース)
諸江/宮崎/金川/太見
諸江/栗本/宮崎/太見
諸江/栗本/清水/太見
諸江/栗本/田口/青山
諸江/西谷/稲葉/清水/太見(パワープレー時)

と10通りの組み合わせで試合に臨んでいる。

1st/2ndのセットを固定して戦うチームが多いFリーグで、実績のある選手と育成中の若手を組み合わせてお互いの成長を促進し、勝負所では実績と経験が豊富なベテランに賭ける。
 
1試合40分のリーグ戦が33試合ある。

40分の経験値を効果的に配分しつつ、どう結果を残すかという命題とわかりやすく向き合う多様性に富んだセット構成はすみだの特長のひとつであり、日本代表に定着した感のある清水選手をはじめ、短い出場時間でゴールを量産する青山選手、F仕様のドリブル突破からのシュートをモノにしつつある田口選手、攻守にソツのない動きを見せる栗本選手など、第1、2クールで蒔いた種が、第3クールで一気に花を咲かせつつある。
また、若手の成長はもちろんだが、33歳の稲葉選手が好調を維持し、日本代表に復帰するなどベテランへの相乗効果も大きい。

残り5戦。
すみだの試合は点差、試合時間に合わせて目まぐるしく変わるセット構成にも注目するとより楽しめるのではと思う。


続く町田対浜松。
ボラ選手、中井選手、滝田選手とピヴォ、アラ、フィクソと1セットが丸々欠場の町田は43歳の大ベテランの甲斐選手が1stセットに入り、21歳の原選手、西村選手が2ndセットに入る。
 
試合は前半9分に横江選手のゴールで町田が先制も、その後はまったりペースで試合が進み、後半6分に野嶋選手が同点ゴールを上げる。
 
第一試合に引き続き、アップセットのムードが高まるも、後半16分にカウンターから前線へのロングボールを追う金山選手への松浦選手のディフェンスがイエローカードに該当するファウルという判定(松浦選手は2枚目のイエローカードのため退場)になり、このペナルティキリングの間に勝ち越し点を上げた町田が苦しい台所事情の中、浜松を振り切った。

惜しくもシーズン5勝目を逃した浜松。
 
松浦選手のファウルの場面では、前に入った金山選手の肩に後ろから併走する松浦選手の手がかかり、金山選手が軽くバランスを崩した後に、大きく前に倒れるというものだった。
こういう場面での金山選手のスピード、コース取り、審判へのアピールという一連の所作は伝統芸能の趣すらある(批判、非難ではありません)。

当然浜松ベンチはやんやの騒ぎになったが、審判がホイッスルと2枚のカードを通して試合をコントロールする上で大事なのは判定の納得感だ。

ミスジャッチは必ずあり、そういうものも含めて試合という作品だと思ってはいるが、前述の場面では町田の鋭いカウンターについて行けなかった審判が、プレーポイントまで15メートルは離れた場所で笛を吹き、慌てて追いかけつつ躊躇いながらカードを提示するという説得力のなさだった。

近い場所でプレーを見る。
見える角度でプレーを見る。
疑わしい場合は吹かない。
プレーを見ていることは選手に伝える。

個人的に良い審判の条件は上記の4つだが、審判も体力に限界があり、時に感情的にもなる人間だ。
シンプルだがなかなかに難しいと思うし、完璧にこなそうとしても完璧であろうとすることでまたどこかに落とし穴が出来るのだろう。

これまでどこか淡白な印象のあったFリーグだが、奇跡的な混戦の継続で毎節興味の尽きない熱戦が続いている。
下位相手に勝点が計算できるかもわからず、近い順位の相手には負けられない。
戦力に明らかな差がある名古屋戦をどう切り抜けるかにも頭を悩ますだろう。

熱い試合が続く。注目も高くなる。
この状況でプレーオフの可能性がない神戸、浜松が意地を見せてくれたのがファンとしてはとても嬉しい。
 
密度が濃くなる残り5試合で得られる経験値は非常に大きい。
選手も審判もこのシチュエーションを楽しみ、やり切って大きな糧にしてほしい。
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横浜線成瀬駅徒歩5分ほど。
町田市のサポートの厚さが伺える町田のホームアリーナ、町田市町田市立総合体育館
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試合前のウォーミングアップ。
スーツ姿でパスを出すすみだの須賀監督
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神戸(白)。すみだ(臙脂)
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攻守にレベルの高い働きを見せるNo14西谷選手
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3クール目からゴレイロ1名でのメンバー構成で奮闘が続くNo21清家選手。
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セットに入って試合を通じて活躍したNo17栗本選手。
落ち着いて試合に入れている印象です。
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日本代表に定着した感もある18歳のNo11清水と、2004年のワールドカップに出場した37歳の鈴村。
年齢差19歳のマッチアップ。
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ピヴォがボールから離れてのアイソレーションから、1vs1でのドリブルでの仕掛けが光ったNo10田口選手。
セットプレーでのNo5森選手とのマッチアップ。
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短い出場時間ながら背負ってのボールタッチ、強烈なシュートでインパクトを残す青山選手。
3-3にすみだが同点に追いつくシュートを決めた場面
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神戸のピヴォ、No9岡崎チアゴ選手、No18相井選手、No7原田選手。
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No1冨金原選手
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ドリブルで数多くのチャンスを作ったNo10ロドリゴ選手
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見事なドリブルでゴールを上げたNo30松宮選手
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勝っても負けても美しい、すみだの試合後の礼。
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町田浜松戦へのインターバル。
ゴールエリアのラインの修復をする町田のスタッフ。
縁の下の力があっての試合。設営関係の仕事は沢山の人に見てほしいです。
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町田のゴレイロ、No1イゴール選手とNo12小野寺選手。
出場時間の少ない小野寺選手ですが、イゴールとのトレーニングは必ず財産になるはず。
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町田の試合前のスポンサー紹介からのチアイベント。
正統派の盛り上げイベントとしてはFリーグ随一。
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個性的なプレースタイルと髪型の選手が揃う浜松。
毎試合、順位ほど差を感じさせない試合をしています。
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試合前にゴールに祈りを捧げるルーティーンを行うイゴール。
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44歳のベテラン、No5の甲斐選手が1stセットで出場。
遜色のないプレーを見せました。 
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 主力不在の中2ndセットに入って活躍したNo20原選手とNo22西村選手。
そつのない活躍を見せました。 
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No15野嶋選手、No16須藤選手、No17田中選手。
個性的な風貌にたがわないテクニシャンの3人。
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前半の浜松ゴールを守るNo20石黒選手。
名古屋在籍時とのビジュアルの変化に毎回驚きます。
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後半ゴールを守った岩﨑選手。もう驚きません。
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スタジアムMCが総勢100名と案内したハーフタイムショー。
お見事です。