2015/11/22(日)Fリーグ 第31節 小田原アリーナ
府中アスレティックFC 4 - 1 ヴォスクオーレ仙台
フウガドールすみだ 5 - 1 湘南ベルマーレ
バルドラール浦安 2 - 7 ペスカドーラ町田

リーグ中盤から続いていたプレーオフ争いもあと3節。
前節までに名古屋、町田が枠を確定させ、大阪とすみだがマジック1とし、12チームが週末に3試合づつ消化する第31節の小田原セントラルが開催された。

セントラル大会を盛り上げようと地元の名産、かまぼこの受け板をチームカラーのグリーンに塗り上げ、拍子木として熱いコールを送る湘南サポーターの後押しを受け、普段小田原アリーナをホームとする地元湘南がすみだを相手に前半を1-1で折り返す。

下位に沈みながらここ1ヵ月で名古屋、浦安を破ったチームの結束は固く、鍔迫り合いに持ち込むものの、後半半ばから主力メンバーを引っ張るセット構成が響き、3分ごとに微調整を加えつつフレッシュなメンバーを送り込むすみだの物量に押され、最後は5-1で涙を呑んだ。
選手たちは悔しそうに唇を噛んでいたが、サポーター席だけでなく、各所で好意的な声援と拍子木の応援で非常に盛り上がったことを伝えたい。

昨日大阪が大分を破り、今日すみだが湘南を破って残り3枠の2枠を確定させ、プレーオフは残り1枠。
セントラル最終試合であと1敗で脱落の浦安が、今日勝利すれば2位を確定する町田に挑んだ。

3分ごとに1st、2ndセットを交替させ、クアトロで隙を探る似た特徴を持つ両チーム。
お互いが正攻法で押す緊張感のある好ゲームは前半16分にフロアの中央までポジションを上げてボールを受けたイゴールのミドルシュートが浦安のディフェンスに当たってゴールインとなり、その数秒後に今季出場時間を伸ばす23歳の新倉選手がカウンターからの展開を沈めて0-2で前半を終える。

後半。
 
ここで負ければシーズン終了というがけっぷちの浦安に対し、後半23分にボラが驚異的なゴール前の落ち着きと挑発的なテクニックで相手ディフェンスを踊らせ、ゴレイロを寝かせてのフィニッシュで0-3とすると、その3分後にコーナーキックでニアの股を抜かれるというイージーなミスからファーのジャッピーニャが楽々と詰めて0-4。
その後のパワープレーを凌いだ町田が2-7と浦安を一蹴して町田が2位を確定させ、浦安は2節を残してシーズン中盤から続いたサバイバルレースからノックアウトとなった。

昨シーズン終盤はイゴールの負傷欠場後、9連敗と大失速した町田だが、今季は金山選手、甲斐選手といったベテランがゲームを締めつつ、20代前半の服部選手、原選手、西村選手、新倉選手が代わる代わるに結果を出す。
 
嬉しいFリーグ初得点を挙げた新倉選手はゴール前でやっかいな動きを見せる浦安の高橋選手を完封し、らしさ全開の3点目を挙げたボラがいつも以上に魅せるタッチでスタンドを沸かせる。
それに触発されたように篠崎選手がシャウペでサイドラインで対峙するディフェンスの頭を抜き、金山選手、イゴールのパワープレー返しを決めてのガッツポーズに会場は大いに盛り上がった。

世代交代。
若手、ベテランの融合。
必要な補強の有無。
ムードメーキング。
攻守の切り札。

どちらのチームもこれまでのシーズンの答え合わせが一気に出た感があったが、まとまりを欠いた今日の浦安の状態を差し引いても今の町田は素直に強い。

チームは生き物なので過信は禁物だが、来年1月のプレーオフまでこの調子を維持できれば、名古屋に一泡吹かせるのもグッと現実味が沸いてくる。


801人。
773人。
681人。
945人。
1,861人。
1,285人。

上記は11/21(土)、11/22(日)に3試合づつ行われた大分-北海道、名古屋-神戸、大阪-浜松、府中-仙台、すみだ-湘南、浦安-町田それぞれの観客数だ。
見どころは間違いなくあった最終盤のセントラル大会だが、観客席は少々閑散としていて、4,000円のプレミアム席を買うまでもなく、広々ゆったりと観戦ができるなんともお優しい興行になった。

セントラル大会でよくわからないのが『○○セントラル大会に□□が来場!! 歌とダンスを披露します』というようなイベントが度々あることだ。

ハーフタイムや試合のインターバルに名前の知らないグループが登場し、フットサルは初めて見るけど選手が間近でプレイしている迫力にビックリしていますとか、スポーツコートでパフォーマンスをするのは初めてだけど全力で頑張りますという趣旨のことを話した後にしれっと1、2曲披露して、リアクションの薄い観客席に手を振って帰っていく。

過去にはFミューズ(10人の女性候補者から代表者を投票で選び、プロモーション活動をするはずだった企画。代表者はおそらく決まったもののその後の活動に関するリリースはなし)というよくわからない企画があり、他にも単発で歌やダンスを披露するグループがいたが盛り上がりと集客に貢献したかは少々疑問だ。

唯一の例外は今年の開幕戦、代々木セントラルでのナオト・インティライミで、これには元々サッカー、フットサルに造詣があった彼が、Fリーグのために一肌を脱いでくれ、フットサルに興味のなかった一般層を取り込むという明確なテーマがあった。
彼自身も感じていたフットサル以外のものでフットサルを認知させるということに対するジレンマを熱いパフォーマンスと、いちファン目線でストレートに想いを伝える見事な一幕があったが、おそらくリーグとして狙ったものではないと思うし、彼の演者としてのズバ抜けた才覚が感動を呼んだのだろう。

バレーの世界大会でジャニーズや若手芸能人がフィーチャーされることがあるが、これはバレーが見られるスポーツとして、ルール、有名選手が認知されているからできることだ。
みんなが知っているバレーを通して、これから知ってほしい人を押し出す。
押し出される人のバックには大手事務所や関連する音楽、映像作品のPRを絡めたプッシュがある。
お互いが得をするWIN-WINのブッキングは今のFリーグでは不可能だろう。

ここ最近、プロ野球、Jリーグでは数チームがアニメとコラボしたイベントを開催している。

映画、実写ドラマ化された群像劇『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』がスタジアムと劇の舞台の埼玉県狭山市が同じ西武線沿線ということで西武ライオンズがコラボし、出演声優を呼んでのアナウンスやグッズの販売を行っており、JリーグではJ1の鳥栖がシンデレラストーリーの裏にある地味な努力とスポットライトを浴びるまでの葛藤を描くアニメ『アイドルマスターシンデレラガールズ』とコラボし『スターライ☆鳥栖☆ステージ』というどこがどこにかかっているのか一般人には頭の痛くなるイベントを開催している。

J2の水戸では、同じく茨木県大洗町を舞台にした戦車での模擬戦を通し少女達の成長を描く青春活劇『ガールズアンドパンツァー』が2015年のユニフォームスポンサー(パンツの左太股部に主人公が乗る戦車のパーソナルマークを掲出)となり、パーソナルマーク入りのユニフォーム、タオルマフラー、Tシャツが製作され、驚くべきことにコーナーフラッグ横で戦車に乗って試合観戦が可能なチケットも販売された。

私は筋金入りのフットサルオタクだが、オタクは勝手に諸々のスケジュールを調べて、移動が面倒だとか会場が辺鄙だとか言いつつも現地に足を運び、グッズがあればとりあえず片っ端から購入できるかから検討に入ることをよく知っている。

グッズ収入だけでも十分計算できるし、仮に固定客になってくれればしめたものだ。
プレミアムシートに空気を座らせてもしょうがないし、ましていまさらプライド云々を言える収支状態でもないだろう。

今日は第1試合と第2試合の合間にClap!Clap!というアイドルグループが出演し、モモクロを髣髴させる和テイストのポップロックを見せ率直にレベルが高いと感じたが、彼女たちの成功への最適解はここではないだろうし、単発のイベントなら他にいくらでも魅力的なステージが待っているはずだ。

異業とのコラボだが、これだけ前例があるということは効果があったことを証明しているはずで、何らかのフックがあるチームや会場でアニメとのコラボを検討してはどうだろうと私は結構本気で思っている。

◆あるフットサルファンの、ナオト・インティライミに対する素直な気持ち
◆西武ライオンズ×ここさけ×あの花

◆『アイドルマスター シンデレラガールズ』とのコラボマッチ「スターライ☆鳥栖☆ステージ」

◆まさかの「戦車に乗ってサッカー観戦」可能なガルパンコラボで水戸の攻撃も大爆発
http://gigazine.net/news/20151018-anisaka-final-garupan-mito/

◆Clap!Clap!オフィシャルサイト
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最寄り駅の蛍田駅前のひょうたんや。
電車でお越しの際はぜひ立ち寄ってみてほしいレトロな駄菓子屋です。
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地元湘南のマスコット、キングベル。
中に入って遊ぶことのできるアトラクション。
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仙台のNo14内野選手。
小柄で俊敏でテクニックのある、フットサルらしいフットサル選手。
チームとして結果は出ていないものの、仙台で期待する選手の1人。
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コーチとしてベンチ入りした府中の皆本選手。
いつもどおりのテンションが光っていました。
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日本代表にも選出された府中のゴレイロ、田中選手。
サイズを活かした安定したセーブで勝利に貢献しました。
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今日は第1試合と第2試合の合間に登場し、コールとオタ芸が打ちやすそうなポップロックを披露したClap!Clap!
事前の告知もなく唐突にFリーグの会場で歌うとかではなく、キチンとプロモートできれば普通に売れると思います。
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文中に出てきたかまぼこ板を使っての拍子木。
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地元湘南の選手、スタッフ、地域関係者の円陣と、ハーフタイムの地元の高校による和太鼓の演奏。
地元愛のある一幕。
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右上葉肺腺癌からの完全復帰を目指す湘南No5久光選手。
前後半2分づつ程度の出場でした。
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湘南のゴレイロ三浦選手と、すみだのゴレイロ大黒選手。
関東リーグでもよく見た対戦。
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オプションではなく、2ndセットに入って長い時間出場し、大台に乗せる10点目を決めたすみだのピヴォNo13青山選手。
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ゴールはなかったものの、起点となるプレイに光るものを見せたすみだのエースピヴォNo8太見選手。
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日本代表に定着した18歳のピヴォすみだの清水選手と、2008年のワールドカップに出場した35歳湘南のピヴォ小野選手。
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リーグ後半に出場時間を伸ばしているすみだNo6宮崎選手。
昨シーズン23ゴールから考えるとまだまだやれるはず。
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今リーグ中盤からFリーグのリズムに適応した感のあるすみだNo10田口選手。
カウンター、ドリブルからのシュートでチームに勢いを与える選手。
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キックオフを待つ浦安No7中島選手とNo19高橋選手
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最後まで諦めない姿勢を見せたNo5小宮山選手
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カウンターで飛び出し、守備では気合の入ったスライディングで果敢にアタックしたNo8加藤選手。
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素晴らしい落ち着きとテクニックを披露した町田のNo10ボラ。
今日のプレイは別格でした。
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浦安のキーマン、No19高橋選手を完封した町田のフィクソNo25新倉選手。
機を見て2点目のゴールを上げるなど出色の活躍。
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町田の若手、No20原選手。
パワープレー返しを決めたイゴールとハイタッチ。
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持ち前のテクニックを随所に見せたNo16篠崎選手。
乗せると非常に怖い存在。
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浦安の米川監督と、元浦安、現町田監督の岡山監督。
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2-7となった試合終盤で浦安のNo12藤原選手が不可解な退場。
チームの雰囲気が良くないのか、試合が進むにつれちぐはぐな場面が目立ちました。
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 試合終了後の加藤選手。
来年2月の日本代表のワールドカップ予選で、3月の全日本での雪辱を期待しています。