2016/3/11(金) 第21回全日本フットサル選手権 決勝トーナメント1日目 国立代々木競技場 第一体育館
府中アスレティックFC 3 - 2 シュライカー大阪
バルドラール浦安 2 - 1 デウソン神戸
フウガドールすみだ 1 - 3 ペスカドーラ町田
エスポラーダ北海道 3 - 4 名古屋オーシャンズ

2011年3月11日。
第16回全日本フットサル選手権 決勝トーナメント1日目 代々木第一体育館。

第2試合が終わり、第3試合の花巻VS湘南戦のアップ時間。
はじめは僅かに揺れを感じる程度の違和感だった。
どこからかシンシンという音が聞こえ、その後、徐々に音が大きくなる。

天井を見上げると天井についているファン状の板が大きく揺れていて、音の正体は板同士が激しく強くぶつかりあうものだった。
シャンシャンという無機質で大きな音を聞きながら、各自が天井を見上げ、不安げな表情で顔を見合わせる。
事態の異常さに気付いた瞬間、席を立ち、出口に向かって走った。
床が大きく揺れて、壁から異音がして、静止の声を挙げる係員にも出口に向かうよう叫びながら、ぐらつく床を無心で蹴る。
転がるように会場を出て、代々木第一体育館を見上げると、初春の空は変わらずに澄んでいた。

毎年3月の第2金曜日に国立代々木競技場 第一体育館で開催される全日本フットサル選手権決勝トーナメント1日目。
この日はなんとなく天井を見上げてしまう。
ファン状の板と、中央にある立方体は、私にとって突然現れる得体の知れない恐怖と、なんとなく続く日常の価値の象徴だ。

震災から5年が経ち、5年前と同じ金曜日の3月11日。
席に座りぼんやりと会場を眺める。
選手は熱い試合をしていて、客足はまばらで、ある種牧歌的な決勝ラウンド1日目は続いて行く。

次に3月11日が金曜日になるのは2022年。
全日本選手権のスケジュールがこのままなのかも、自分がフットサルに興味を持ち続けているかもわからないし、自然に対して自分ができることはまったくない。
 
それでも毎年、3月の第2金曜日に代々木体育館の天井を見つめて、2011年3月11日に起きたことを思い出し、関心を持ち続けるキッカケにし続けることは続けたいと思う。

フットサルのことは少し忘れて、今、何気なく過ごしている日常を考える。
全日本決勝トーナメント1日目は私にとってそんな1日になっています。
 









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文中の天井の板と立方体。
この板が左右に大きく揺れ、シャンシャンという音を立てていました。
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4月に行われる日本代表戦を指揮すると噂される大阪の木暮監督。
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木暮チルドレンとも言うべきタイプの異なる個性的な若手達。
独特なリズムのドリブルが持ち味のNo26加藤選手と、攻守に堅実なNo18田村選手
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機械仕掛けのパス&ムーブから試合を決める大駒。
2016年のFリーグ得点王・MVPのNo10ヴィニシウスと、No5アウトゥール。
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定石、奇策と変化に富んだ木暮采配を象徴するゴレイロNo1宮竹選手。
ケガをした左手をかばうために左手のみにグローブを装着する姿に初期のUFCを思い出したのは私だけでしょうか。
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終了2秒前に勝ち越しのパワープレー返しを決めた府中のゴレイロNo96クロモトと、今期で引退を表明している宮竹選手の抱擁。
残酷で、美しい勝負の世界のコントラストに胸が熱くなる。
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第2試合のキックオフ前。
2011年3月11日 14時46分に起きた東日本大震災に向けての黙祷。
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今期限りでの引退を表明しているNo19高橋選手。
出場時間は短いながら正確なプレーはさすがの一言。
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前半のハイ・トランジションな流れを活かせなかったすみだ。
同じく今期で引退を表明している明るく、溌剌としたすみだの象徴、No3金川選手。
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前半4分、6分に連続ゴールを上げたNo9十川 祐樹。同じく同一セットで出場するNo室田 祐希。
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前に出る判断と好セーブ、感情が高まった場面での地団太に好感が持てるNo1関口選手。
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今期引退を表明しているNo3北原選手、No14ペドロコスタ選手(来シーズンから名古屋の監督就任が決定)、今期で契約終了となるNo9森岡選手
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2点のビハインドから個の力でAFCでの失地回復の2得点を上げた森岡選手。