2016/9/11(日)~10/1(土) フットサルワールドカップ2016 コロンビア

フットサルワールドカップもいよいよ3位決定戦と決勝のみです。
TVの放送スケジュール、注目選手のプレー集、今後の日本代表監督の行方を簡単にまとめました。

①TVスケジュール

・3位決定戦
10月2日(日) 午前1:55-(午前3:50) 
イラン VS ポルトガル

・決勝戦
 午前4:20-(午前6:30) 
ロシア VS アルゼンチン


②3位決定戦、決勝戦の注目のエース。
◆イラン:サッカーだけを見るとフィジカルの印象のあるイランだがフットサルでは柔軟なテクニシャンが揃うタレントの宝庫。

タイエビ(No12)
力の抜けたファーストタッチ→風に舞うようなアウトシザーズ→インサイドで巻いたシュートとペルシアシルクのような柔らかなゴール。

ケシャバーズ(No4)
1:44 2連覇中の王者、ブラジルに土壇場で追いついたパワープレー。
最高の緊張の中で左足裏トラップ→ループに繋げた落ち着きに世界中がただただ拍手。

イスマイルプール(No3)
えげつないスピードと弾道を持つ世界最凶キッカー。
ゴールからなんかの破片がブッ飛び、ネットから跳ね返ったボールが勢いよくサイドラインへ向かってピョンピョン...。
背番号3がピッチに立ったらゴレイロはまばたき厳禁。

この距離からのFKを難なく決めるイスマイルプール。
壁もゴレイロも『あれ、入ったけど...』みたいな表情なのがこのシュートのスゴさを物語る。


◆ポルトガル:世界最高のタレント、魔術師リカルジーニョを擁するポルトガル。
彼が右サイドでボールを持ってからのドリブル、後方からのロングシュートがポルトガルのオフェンスの起点だが、ここを抑えられるとグッと厳しくなるのがこのチームの泣きドコロ。

リカルジーニョ(No10)
ゴレイロを正面、ディフェンスを間接視野に捉えてのゴール前。
ディフェンスのスライディングをアッサリ見送っての左足一閃。
魔術師リカルジーニョのこれでもかと言わんばかりの落ち着きが光る。

0:20 ゴールの位置を確認しつつスッとゴール前に侵入してパスを呼び込み、間接視野でゴレイロが前に出てくることを確認すると腰の回転の利いたチップキックで相手の頭上を抜く。
マジックの種明かしは見てないようで見ていることなリカルジーニョマジックの十八番。

リカルジーニョの匠がギュッと詰まったこのゴール。
スナップの利いた左足アウトで長い距離のピヴォ当てを成功させ、そのリターンを受けてのスピードに乗ったドリブルからワンフェイクでDFの動きを止めてロングシュート。
視野の広さ・基礎技術の高さ・クイックネス・駆け引き・シュート力と全プレーで相手の先を取った魔術師リカルジーニョの真骨頂。

再びスナップの利いた左足アウトでのパスアンドゴー。
リカルジーニョに対峙していたDFが外れるや、進行方向を中央へチェンジして急加速。
相手のポジションを見てフリーでシュートを打てる位置にいい状態で入る質の高さが光る。

1:09 ゴール前に入る時にゴールの位置を確認し、味方のシュートに左足のふくらはぎをカス当てして軌道を変化。
強弱軟と適宜使い分ける感覚の鋭さは天性のものか。


◆ロシア:わずかだが日本でもプレーした経験のあるピヴォ、2012年W杯得点王のエデル・リマが前線で虎視眈々。
強靭なフィジカルと強烈なシュートを持つも、冷静に周りを活かすプレーも光る。
彼にボールが収まった後の見えないようで見ているプレーは要注目。

0:23 背中で相手を抑えつつ、片足でリズムを取ってThis is Pivo!! な反転シュート。

0:45 不用意に相手がガブってボールを取りに来た勢いを活かして反転。スライにくる股下を通すシュートパス。

1:31 ゴール正面のFK。2枚の壁を素早いパスワークで散らして最期はこの人の強シュート。初めに撃たないことが相手チームにとっては一番のフェイントか

0:54 全ゴレイロのウィークポイントと言われる耳の横。
ゴレイロが出てきたところを右足裏で舐めてからの強烈な左足で耳横を通してニアハイへ突き刺すリズミカルな一撃。
ゴール後の愛嬌たっぷりの投げキッスは悪魔の微笑み。

1:36 右サイドから一気に中に侵入しゴールを狙う。引き連れた選手と戻った選手が交錯したところを体の強さを活かしてプッシュ。
引き連れた選手を肩で押して優位な位置を確保しているのがゴールの前を向いてこぼれ球をピックできたことに繋がった。


◆アルゼンチン:特定の目立ったエースはいないものの基本に忠実な守備と、状態がよく高い位置にいる味方にシンプルに預けて攻める速効に光るものがある地味強アルゼンチン。
セットプレーで総得点の1/4を上げており、タレントでは劣るロシア戦も抜け目のないセットプレーが勝利の鍵。

1:35 PKスポット奥からのキックイン。5番がボールに寄ることで中央の2人を引きつけて、ドフリーになったファーの3番がプッシュ。

0:17 CK。中央の長身選手が押し相撲で作ったスペースにファーの選手が回り込んでの一撃。
ニアの選手もフェイクの動きでパスコースの確保をサポートしている点も見逃せないポイント。

0:35 FK。直接ズドン。ゴール前を横切った選手にゴレイロと壁が気を取られたか。こういうなんでもやってくる老獪さがアルゼンチンは非常にいやらしい。

1:03 CK。この試合3本目のセットプレー。ニアの壁が膝を折っていないと見るや股を狙って強いパス。

1:27 堅守速攻で取ったFK。直接と中央のキッカーに意識が寄ったところをファーからシュート。


③次期日本代表監督
退任時に強化の継続性から『次期代表監督はスペイン人がいいと思っている』と語ったスペイン人のミゲル・ロドリゴ元日本代表監督。
U20カテゴリーの監督にスペインでアンダーカテゴリーの指導者として活躍していた鈴木隆二氏が就任したこと。
ミゲル元監督の通訳だった小森氏が代表強化の監査的なポジションで留任したことから、次期日本代表監督の決定はワールドカップ終了後というリリースからワールドカップを戦ったスペイン人監督の就任が濃厚。

そんなことを踏まえてワールドカップを戦ったスペイン人監督の寸評と可能性を探ってみました。

◆24カ国の監督(アルファベット順の国名:監督名(監督の出身国))
Argentina:Diego GIUSTOZZI (ARG)
Australia:Robert VARELA (AUS)
Azerbaijan:MILTINHO (BRA)
Brazil:SERGIO (BRA)
Colombia:Arney FONNEGRA (COL)
Costa Rica:Diego SOLIS (CRC)
Cuba:Clemente REINOSO (CUB)
Egypt:Hesham SALEH (EGY)
Guatemala:Tomas DE DIOS (ESP)
Iran:Seyed NAZEMALSHARIEH (IRN)
Italy:Roberto MENICHELLI (ITA)
Kazakhstan:Ricardo SOBRAL (BRA)
Morocco:Hicham DGUIG (MAR)
Mozambique:Naymo ABDUL (MOZ)
Panama:Agustin CAMPUZANO (CUB)
Paraguay:Carlos CHILAVERT (PAR)
Portugal:Jorge BRAZ (POR)
Russia:Sergey SKOROVICH (RUS)
Solomon Islands:Juliano SCHMELING (BRA)
Spain:Venancio LOPEZ (ESP)
Thailand:Miguel CONDE (ESP)
Ukraine:Oleksandr KOSENKO (UKR)
Uzbekistan:PULPIS (ESP)
Vietnam:Bruno GARCIA (ESP)


◆内訳
ESP(スペイン):6人
BRA(ブラジル):4人
CUB(キューバ):2人
ほかは自国の方が監督を務めていて、この人数比を見てもスペイン人指導者の評価がわかります。

スペイン人監督への評価の点は、

①攻守ともグループでの仕掛けを整備し遂行させる能力がある。
②セットプレー、パワープレーのアイディアが豊富
③世界最高のリーグがあり、国としてフットサルの成熟度が高いためハイレベルなトレンドに触れる機会が多い
④育成年度のトレーニングメソッドが豊富

といったところか。

◆ワールドカップでのスペイン人監督の評価(国名:監督名:評価(◎/〇/△))
・Guatemala:Tomas DE DIOS (ESP)
グアテマラ:トマス・ディアス:△
戦力的に劣るグアテマラを率いてイタリア、パラグアイ、ベトナムと曲者が揃うグループリーグで健闘。
現時点の日本の実力を考えると今回彼が担当したタスクでは評価が難しい。

・Spain:Venancio LOPEZ (ESP)
スペイン:ベナンシオ・ロペス:△
2008年、2012年のW杯準優勝、今年の欧州選手権優勝とスペインで長期政権を築く名将。
戦術、セットプレーとも練度が高く、ミゲル元監督からの正統進化を目指すなら最高の監督。
日本代表監督のサラリーはフットサル界でも5指とも3指にも入ると言われており、ベナンシオが望むなら払える余力はあるはずだが実績十分の彼がアジアでチャレンジの可能性は薄そう。
今大会はケガ人に泣かされて準々決勝のロシア戦で完敗。アンラッキーではあるものの結果にフォーカスされる立場の監督なのでこの評価。

・Thailand:Miguel CONDE (ESP)
タイ:ミゲル・コンデ(ミゲル・ロドリゴ):◎
ご存知元日本代表監督。
ロシアと打ち合い、キューバ、エジプトをきっちり仕留めてグループ2位で堂々の決勝トーナメント進出。
W杯開幕1ヵ月前の監督就任ながら、ピヴォ、アラ、フィクソに才人がいるダークホースをよく統率した。
パワープレー、セットプレーのクオリティも高く、今年2月に日本代表が敗退したAFCで何をしていたのかクエスチョンマークがつく改心の結果。
タイ代表の任期延長 or ステップアップの可能性は非常に大きい。
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・Uzbekistan:PULPIS (ESP)
ウズベキスタン:プルピス:△
AFCで準優勝も勝ち点計算ができるレベルのパナマとの初戦に敗れ、続くコロンビア戦でも終盤までリードしながら土壇場で追いつかれてのドロー。
ボールに食いつきすぎてファーがお留守になる失点が多く、好選手が揃ったものの大会前の調整とメンタルコントロールに難があったか。
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・Vietnam:Bruno GARCIA (ESP)
ベトナム:ブルノ・ガルシア:○
同レベルのグアテマラに勝利し、パラグアイと打ち合うも敗戦。格上のイタリアとの最終戦を0-2と失点を抑えての敗戦で決勝トーナメントに進出。
トーナメント1回戦で決勝に進んだロシアを相手に7-0と玉砕したが、勤勉な守備と思い切りのいいシュートで終わる攻めは好感度大。
日本サッカー協会やマスコミ、世論が大好きな『気持ち』を出して戦うチームを整備するのに長けている印象で、日本がボトムラインからの再出発という認識ならガルシア監督も大いにアリ。
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◆スペイン人監督以外で目に付いた監督
・Azerbaijan:MILTINHO (BRA)
アゼルバイジャン:ミリチーニョ:◎
スペイン、イラン、モロッコと各大陸の猛者が集まったグループを堂々2位通過。
ブラジルからの帰化選手と自国の精鋭をまとめた手腕、堅守からエッジの利いたカウンターとセットプレーが見物。
メインキャストを帰化選手が占めていきそうな日本の未来予想図か。

・Italy:Roberto MENICHELLI (ITA)
イタリア:ロベルト・メリケリ:○
クアトロ、ピヴォを置いての攻め、単純な縦一本と柔軟性の高い攻守を見せ、セットプレーの練度は大会随一(特にコーナーキックとキックイン)。
引いた相手をデザインプレーで片づけられる強みは各国に警戒されたAFCで日本が準備しておきたかった武器。
準々決勝のエジプト戦でジャイアントキリングを喰らったものの、引き出しの多さを感じさせる好チームに仕上げた。
イタリアのセットプレーは世界中のチームにとっての良教材。