2016/11/23(水・祝) 国際親善試合 郷土の森府中市立総合体育館
フウガドールすみだ 5-2 トルクメニスタン代表

※こちらからの続きです:2016/11/22(火) 国際親善試合 MFP味の素スタジアム 『トルクメニスタンという国をご存知だろうか』

リガーレ東京戦の翌日、トルクメニスタン代表は町田市立総合体育館でFリーグを観戦。
会場を見渡すと府中サポーター席の横の一角が関係者席になっており、同エリアに緑色のジャージを着たがっしりした体躯の青年たちが折り目正しく座っていた。

プチセントラル開催となったこの日は2試合が行われ、1戦目の府中対大分は府中が2点リードから大分が巻き返して2-2のドロー。
2戦目の町田対大阪は同じく大阪が2点リードから町田が盛り返して後半6分までに3-4と追い詰めるも、最期はブラジルトリオが試合を決める活躍を見せ(ヴィニシウスが4点、アルトゥールとチアゴが2点)4-8でホームの町田を粉砕した。

ビザの取得が困難なトルクメニスタンでは外国人を見ることは稀だろうし、スポーツをライブで観戦することが娯楽として定着しているかはわからない(ロシアのTVは受信できるということなので一通りのメジャースポーツは見れるらしい) 。
皆本選手、仁部屋選手が個人技で違いを作り、クロモト選手、ディドゥダ選手が要所を締め、森岡選手が抜け出してシュートを撃ち、アルトゥール選手が常識では考えられないレンジからロングシュートをぶちかます。
その様子を1,700人の観客が見つめ、ワンプレーに一喜一憂する。

近年、日本のニッチなスポットが海外からの観光客に人気で、当たり前のものとして見飽きていたり、イロモノとして敬遠していたものを彼らのクチコミを機に再発見するということがままある。

外国人観光客向けの観光情報を多く発信するポータルサイト、トリップアドバイザーではちょいちょい日本人も知らないような名所が訪日外国人の人気観光スポットして取り上げられることがあり、彼らのリコメンドを頼りにそこに行ってみると意外なほど面白い。
先入観にとらわれない純粋な視点というのは侮れず、ブレイクのきっかけを逃して徐々に観客動員が落ち込みつつある10年目のFリーグの試合と会場の雰囲気を彼らがどういう気持ちで見つめていたのかがとても気になった。



町田での2試合が18時過ぎに終わり、府中市立総合体育館に移動して21時からはフウガドールすみだとトレーニングマッチ。

FPに田口選手、ゴレイロは清家選手、揚石選手、大黒選手とトップでも活躍するタレントが揃ったもののサテライト所属選手を主体にしたすみだを相手に、昨日の勝利と、数時間前にレベルの高い2試合を観戦していいイメージで試合に入るかと思いきや、ゲームに集中しきれていないまずい出足を突かれ、開始1分でゴレイロへのバックパスで得た間接フリーキックを素早く動かされてすみだに先制点を奪われると、間髪を入れずに狩猟犬のような前プレを喰らって再び失点。
早々に2点のビハインドを負う。

パワープレーや追いかける展開に弱さを見せる半面、相手のスキや緩みを点に繋げるラッシュに強さを見せる十八番ですみだに一気に主導権を握られるも、前半半ばに昨日は個人でのドリブル突破以外の攻め手を見せなかったトルクメニスタンがパラレラから裏に抜け出して好機を作り、フォローに来た3人目がプッシュ。
ようやく出たチームプレーでトルクメニスタンが2-1に追い上げた。

その後はすみだの小気味いいプレスとカウンター、ピヴォを置いた攻めにトルクメニスタンが粘っこく守ってカウンターという構図で時間は進み、トルクメニスタンがしぶとく守って前半は1-2で終了した。

ハーフタイムに入ると夜も更けた体育館に両チームの監督の声が聞こえる。

トルクメニスタンも決して弱くはないが、3人以上の人数をかけての連動したオフェンスは少なく、カウンターをケアして迫力のあるドリブルで突っかける1人目の対応を軽率に臨まなければ怖いチームではない。
トルクメニスタンの奮闘ももちろんあったが、素人目には驚異度の低い相手チームに個人でどうアピールするかというところにすみだの選手たちがフォーカスしてしまい、スコアが2-1から停滞してしまった感があった。

フットサルはチームスポーツだ。
 
それでもゴールやアシスト、出場時間というものは数字に残り、個人としての評価はプレー時間や出場頻度に応じて定量化され、選手は自分がよい選手であることを個人結果で証明しようとする。
監督としてはどの試合もチームの勝利が第一になるだろうが、出場機会を求める選手にとって相手の力量が劣ると確信してからの試合はとかくエゴとの戦いになりがちで、それがサテライトチームのトレーニングマッチであればなおさらだ。

力量の落ちる目先の相手に個人としてアピールすることではなく、今後自分たちよりも強いチームと対戦した時を考え、どうチームに貢献するか。
そういうことの繰り返しが個人として、チームとして成長するために必要であり、良い選手と判断をされる基礎であり、どの監督も選手に求めていることだ。

細部は異なるが、ユーモアとペーソスが利いた比喩や諭すような言い廻しを随所に挟む須賀監督の秀逸な指示が体育館に響き、フットサルとも人生訓とも取れる言葉を真剣に聞くすみだの若者たちの表情が非常に印象的だった。

後半はそんな激が利いたのか開始早々から右からのキックイン→中央→左ファーへ早いパスを続けてのプッシュ、左→右→左と3人でのパス交換で一気に運んでのシュート、前プレでボールを奪い、ケアに来たゴレイロの頭上を抜くループと複数人が絡んだ一気の攻めでトルクメニスタンを5-1と突き放す。
トルクメニスタンも3v2のカウンターで1点を返すものの、前プレとキビキビとしたトランジション攻撃に終始受けに回り5-2という点差で試合は終わった。

昨日対戦した堅守のリガーレ東京に続き、今日は攻守に先手を取って相手を制するすみだとの対戦だったが、キャラクターの異なるハイレベルなチームとの対戦はよい経験になっただろうし、徐々に日本のフットサルというものを掴んできたのではないだろうか。

3日後の11/26(土)は関東1部のファイルフォックス府中との対戦だ。
 
プレス&カウンターもあり、フロアに人を広く配置してから縦パスを機に一気にラッシュする定位置攻撃も強力。
セットプレーやパワープレーにも見る物が多く、引き出し豊富なフットサルらしいフットサルをするチームを相手にどんな試合になるのかが非常に楽しみになった。

※続きます

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1,700人が来場したアリーナで試合を見つめるトルクメニスタンスタッフ。

クロモトのプレーエリアの広さと神がかったストップ。
仁部屋のドリブルとディドゥダのシュート力や早くて強いパスの精度。
ヴィニシウス、森岡の抜け目のなさ。
アルトゥールの試合を制する万能感・・・。

試合内容と会場の雰囲気。
彼らの率直な感想はどうだったのだろうか。
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日本の古刹、府中総合体育館に黎明期~発展期を支えた指導者たちが終結。
教え子たちが2020年、2024年のAFCでワールドカップの出場権を巡って再会という流れも大いにありそう。