2017/2/12(日) Fリーグ第32節 町田市立総合体育館
府中アスレティックFC 2 - 1バサジィ大分
ペスカドーラ町田 5 - 2シュライカー大阪

サッカーのユニフォームや、F1のボディにペイントされたロゴなど、プロ・アマ問わずスポーツでは協賛やスポンサー企業の企業名や、企業が推す商品名を背負って競技を行う光景をまま目にする。

競技を行う上でのギア、競技力向上のための食事、練習場、移動、試合の登録費、会場の確保、試合前後を含めた会場運営や広報など、個人、チーム、運営団体といったそれぞれの立場でスポーツにはとかくお金がかかり、その一助を担うのが広義で言うところの『スポンサー』だ。

スポンサーは対価と引き換えに個人、チーム、競技を通して自社(あるいは個人)を宣伝してもらえる権利を得、ユニフォームやスタジアムへのロゴや看板の掲示、企業名/商品名の入った冠ゲームの開催などで露出を増やす。

意思決定層が競技の愛好家であったり、支援対象の選手の熱意に意気を感じたりということがスポンサードのきっかけとして一般的だが、マイナーだがビジュアル的にキャッチーな競技だったり、社会貢献性や意義の高い大会、共感できるストーリーを持つ選手など、場合によってはスポンサードしていること自体が好意的なイメージに繋がることもありブランディングとしても有効な手段といえるだろう。

単純にロゴを貼り付けただけでなく大相撲では力士が巻く化粧まわしでは熊本県のPRキャラであるくまもんや、よーじやのあぶらとり紙のトレードマークである女性の影絵が登場したりと、単純なデザイン性だけでなく『強さ』や『真摯さ』の象徴でもある力士が脱力系のキャラクターや女性向けの商品の訴求を行うという意外性がまた目を引くものがある。

最近なにかと飽和状態の『●●女子』のひとつである相撲女子に向けてのマーケティングだろうが、厳粛な国技館のランウェイを精悍な力士が土俵上では少々不釣り合いな化粧まわしを巻いてを歩き、土俵というステージで大相撲の花形の所作である四股のポーズをキメる光景はどこかファッションショーにも似て非常にユニークでありアピールの効果は抜群だろう。


シャツ&パンツのユニフォームで競技を行う一般的なスポーツでここ最近増えてきたのがお尻への広告だ。

一般的には胸→背中→袖・パンツ(腿の前/お尻)の順に掲示金が高くなり、テレビや写真で見る姿はバストショットが多く金額通りに胸のロゴが目立つものの、選手のプレーの動作の終わり(走る/飛ぶ/打つ/蹴るなど)は上屈してお尻が突出しているポーズが多く、鍛えられた見事なお尻に貼られたロゴやマークがピンと伸びて『おお...。ここにもロゴがあったか(しかしディドゥダはいいケツしてるぜ(照))』と感嘆することがままある(私だけかもしれないが)。
 
情報元により諸説あるがJ1の年間の掲示料は胸が2~3億円/背中が1億円/袖・パンツが5千万円(J2はその半額程度)と言われており、TV中継は少ないが、会場にはそこそこ客が入りコアなファン層が支える構図になるマイナースポーツのスポンサーになるならお尻のスポンサーはそこそこ魅力なのではと思う。


『どこで』『だれが』『どこに』のユニークさが際立っていたのが前述の化粧まわしの例だが、数年前からお尻の部分にスポンサー企業の『ネピア』のロゴが入るようになったエスポラーダ北海道のユニフォームはなかなかインパクトがある。

フットサルのトップリーグが行われる体育館で北海道出身の爽やかな選手たちがお尻にティッシュやトイレットペーパーを主力商品とするネピアのロゴを入れて戦うところにシリアスとコメディーのギャップがあり、シャツ&パンツのスポーツはシャツをパンツの外に出してプレーしがちだが、北海道の選手はお尻のロゴを見せるためにシャツをパンツに入れてプレーしており印象的にも非常に良い(シャツをパンツの中に入れることをキチンとした所作であると評価する古いファッション観かもしれないが、そういった価値観を持つ層は一定数存在する)。

『どこに』と訴求商品のギャップやマッチを生み出しやすいのがお尻の広告の魅力であり、価格的にも安価なことから比較的営業しやすいのではとも思う。
ポライトなユニフォームな着こなしがイメージアップにも繋がるという2次効果も期待できるのでまだ入っていないチームはゼヒ営業してほしいところだ。

そんなスポンサーとスポーツの関係だが、昨年あるチームが行ったスポンサーマッチデーのプログラムの中で新加入選手のインタビューがあり『スポンサー企業についての印象は』という質問に『移籍してきたばかりでよくわからない』という回答が掲載されていてちょっとガッカリしてしまった。
ほかにも意味不明で目にするとなんとも言えない気持ちになるが、お尻にスポンサーのロゴが入っているのに入場時からシャツをパンツの外に出して入場してくる選手がいたりする。

ないよりあったほうがなにかとよいのがお金であり、即効性の高いのがスポンサーマネーだが当然そこには対価を要求される。
 
それがプロスポーツの常識だ。

前述のインタビューの選手は実力はありながらもチームを転々とした苦労人タイプであり、シャツをパンツの外に出している選手は十分ネームバリューもある選手だったりで、単純に素直なだけのような気もするが、結果や行動ですべてを判断されるのが見られる立場の人間であり、直接的であれ間接的であれ自分に関わってくれる人に対する言動を想像できることがスポーツ選手云々の前に社会人として必要なことだろう。
 
インタビューの内容に対するチェックがなかったのかチェックの上でゴーサインを出したのかはわからないが、選手だけでなくチームが所属選手のマッチデープログラムの言動に無関心なのもどうかと思うし、SNSでゴハン食べに行きました写真をアップするチームメートはいてもユニフォームを出していることを注意する仲間はいないのかと少々心配になった。

以前は観客数が1,000人を下回ると少ないと感じていたが、ワールドカップの出場権を逃し、Bリーグという強力なアリーナスポーツが華々しく誕生した今期は500人前後の観客数の試合もザラにあり、フットサルがメジャーになってほしいという想いよりもなんとか現状維持をという焦燥感が強い。
それでも自分が観られる立場であり、観客、スポンサーを楽しませ、応援することを誇りとして感じてもらえる存在であると意識し、それに沿った振る舞いをしようという気概がなくなったら終わりだろう。

フットサル界は2016年に長年全日本選手権をサポートしたPUMAが、Fリーグからは開幕からの付き合いである森永製菓がそれぞれ冠スポンサーから撤退したが、前述の北海道のように地域に根差して観客動員数を伸ばし、地元企業のスポンサードを獲得する好循環を生んでいるチームもある。

今期は大阪がブラジルトリオと質の高い日本人選手を揃えて名古屋の10年連続のリーグ1位をハッキリとした実力差を見せて阻んだ。
量より質の密度を高めて得た経験値の蓄積で相手を上回る少数精鋭型の木暮采配が異彩を放つ大阪だが、彼らの群を抜く強さの裏にはハッキリとしたリリースはないもののそれを支える金銭面での充実もあるのではと思う。

ニワトリが先かタマゴが先かの不毛な議論になりがちだが強化にはお金が必要で強力なチームが増えることがリーグや代表のボトムアップに繋がる。
景気のいい話は皆無といっていい日本フットサル界だが、お尻のスポンサーロゴが入るチームが増えることがひとつのバロメータになるのではと勝手に思っている。

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日本を代表するドリブラー、仁部屋選手。
華麗なスラロームを支える形のいいお尻に輝く地元大分の不動産企業『豊後企画集団』の広告はインパクト大。
大分はユニフォームとロゴの色見の相性も◎。
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強烈な炸裂音を響かせるシュートと、正確で球足の速いインサイドパスを操る大分の大型フィクソ、ディドゥダ選手。
ヴィニシウス、ボラ、ディドゥダらブラジル人独特のクイックネス/テクニック/パワーを生む彼らのムッチリとしたお尻は説得力抜群。
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5位でのプレーオフ進出を決めた府中。
クラブの初期を支えた上澤選手の7番を着る若干20歳の内田隼太選手は前半2分間の出場ながら機を見て斜めに抜ける動きでゴレイロとの1対1のチャンスを作る。
J1で絶賛売り出し中の鈴木優麿と同期の鹿島アントラーズの下部組織出身で今後に期待大。 
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2020年ワールドカップの主役後方の左利きドリブラー加藤選手を全治9カ月の重傷で欠き、ヴィニシウスとチアゴも不在。
飛車角金が抜けた大阪もこれまた20歳の仁井選手がセットに入って活躍。
左サイドの定位置からスタートする決めごとタップリな大阪のオフェンスを見事にこなす。
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2年前のプレーオフで頭角を現した田村選手がゴール前のセットプレー、相手エースの森岡選手のマンマークに体を張るも、森岡選手もゴールに繋がるプレーでやり返す。
今シーズンの決勝でこのマッチアップも十分ありそう。
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この日出場した唯一のブラジルトリオ、投げやりなアウトサイドキックにも風格が漂うアルトゥール。
体の厚みとリーチを活かして相手にアタックできないところにボールを置いて攻守のタクトを振る。
今期のMVP最有力候補。
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シーズンごとに若手が活躍する町田。
日本代表にも初選出された前線のプレスマシーン、原選手は今日も元気一杯。
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中央とサイドではスピードを活かしてハイテンションな攻守を見せ、ゴール前では周囲を見て冷静な落しを選択する町田の次代のエース。
森岡選手との好連携で1ゴール2アシストの中井選手は俺の尻でチームを引っ張るとばかりにユニフォームの着こなしもバッチリ。
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今期で引退する日本フットサル界のレジェンド、44歳の甲斐選手の引退セレモニー。
大阪の選手も交じっての胴上げに胸が熱くなる。