アジア各国のリーグ王者が集うAFCクラブフットサル選手権が7/20(木)からベトナムで開催。
今年は7年連続日本代表として出場した名古屋オーシャンズに代わってシュライカー大阪が初出場。
観戦のしおり的に情報をまとめました。
※Youtubeでのライブ配信の見方・準備についてはこちら
http://futsal-philosophy.blog.jp/archives/1066732376.html
◆各種ウェブサイト
・JFA公式(日本語)
・AFC公式
・Wikipediaの2017年大会まとめ
(こちらの方が公式よりも情報が充実)
・Wikipediaの各年のまとめ
(濃厚なAFCクロニクル。素晴らしいっす)
◆大会形式
7/20(木)~7/25(火)まで4チームor3チームで予選のグループリーグを実施。
その後、上位2チームが決勝トーナメント進出し、
27(木)準々決勝
28(金)準決勝
30(日)3位決定戦/決勝
の日程で優勝を争う。
◆登録選手
外国人選手1名/AFC圏の選手1名が登録可能。
後述するベトナムのタイ・ソン・ナムは今大会のためにムヒタリアン(ブラジル代表でも活躍した切り込み屋)、タイエビ(イラン代表のテクニック抜群のピヴォ)を補強
大阪は昨年リーグ制覇の原動力になったブラジルトリオからアルトゥールをチョイス。
◆過去の戦績
2010年の第1回大会からの7大会でイラン(2010年セパハン/2012年パサン/2015年タシサット)と日本(2011年・2014年・2016年名古屋)が3度優勝で最多。
唯一の例外は名古屋で行われた2013年にタイのチョンブリが優勝。
なお、名古屋は2012年・2013年にも3位、イラン勢は2011年・2013年に準優勝、2014年に3位。
過去7大会で決勝には日本かイランのチームが常に進出しており、この2カ国がアジアの2強であることを示している。
◆過去の個人成績
AFCの個人表彰はMVPと得点王。
MVPはイランが5度/日本が1度/タイが1度。
得点王はイランが4度/日本が2度/タイが1度。
日本のMVPと得点王はいずれも森岡薫。
イランのスゴイところは過去に5チームが出場し、MVPに3名、得点王に3名が輝いているところでイランがアジアのタレント王国であり、スペイン、ブラジルの世界2強でもできない激しい上位争いが個々のレベルアップに貢献していることを証明している。
今回イラン代表のパサンには2011/2012年のMVPのケシャバーズ、2011年に得点王を獲得したハッサンザデー、2012年に得点王、2016年ワールドカップブロンズシュー(MVP序3位)のイスマイルプールが在籍。
パサンは名実ともにイランのドリームチーム。
◆ポッド分け
サッカーと同じくポット1→4の順に各グループに割り当て。
ホスト国がポット1にシード扱いで収まり、他は1大会前の同大会の結果から順番に割り当て。
昨年イランのタシサットが準々決勝で名古屋に敗れたため、今大会は同国のパサンがポット2となり、大阪がとばっちりを受ける形になった。
ポッド1
Vietnam Thai Son Nam (hosts)
Japan Shriker Osaka
Iraq Naft Al-Wasat
Thailand Chonburi Blue Wave
ポッド2
United Arab Emirates Al Dhafrah
Iran Giti Pasand Isfahan
Qatar Al Rayyan
Uzbekistan Almalyk
ポッド3
Australia Vic Vipers
Lebanon Bank of Beirut
China Shenzhen Nanling
ポッド4
Indonesia Vamos Mataram
Kyrgyzstan EREM
Tajikistan Disi Invest
◆グループリーグ考察
Group A
1.Vietnam Thai Son Nam (H)
2.United Arab Emirates Al Dhafrah
3.Australia Vic Vipers
4.Kyrgyzstan EREM
AFC公式 グループA考察
6月からベトナム代表とベトナム唯一のプロチームのタイソンナムの監督を兼任することになったアジアの宣教師、ミゲル・ロドリゴがホスト国ポッドを活かして好位置につけ、オイルマネーと中東由来のフィジカルを活かして昨年ベスト4に輝いたUAEのアルダフラは日本代表でポルトガルの名門ベンフィカに所属する日本代表の逸見勝利ラファエル、2016年W杯8強のアゼルバイジャン代表のオリベイラ(両名ともブラジルからの帰化選手)を加えてパワーアップ。
順当に考えればこの2チームが2強だが、2016年のAFCで日本代表を6-2と血祭りに上げたキルギスのエレムも日本目線では要注目。
また、オーストラリアサッカー協会は予算を理由にフットサルの代表活動停止を決定しており、昨年のグループリーグで優勝した名古屋を相手に長身選手を揃えて2-2で引き分けた同国のヴィック・ヴァイパーズは意地を見せたい。
日本、タイ、ベトナムとアジアで確固たる地位を築いたミゲル・ロドリゴ。
小柄ながらハーフに引いての粘り強い守備と鋭いカウンター、強烈なシュートで2016年WCベスト16に輝いた新興国をどう料理するか。
前監督チームのタイ代表ではWCの1ヵ月前に就任からベスト16に進出しており、2度目の短期調整という奇跡のレッスンのお手並み拝見。小柄ながらハーフに引いての粘り強い守備と鋭いカウンター、強烈なシュートで2016年WCベスト16に輝いた新興国をどう料理するか。
Group B
1.Iraq Naft Al-Wasat
2.Qatar Al Rayyan
3.Indonesia Vamos Mataram
4.Tajikistan Disi Invest
AFC公式 グループB考察
昨年イランのオールラウンダー、タバコリ(MVPを受賞)を助っ人に加えて決勝進出を果たしたイラクのナフィトを中堅国カタールのアルラヤンが追う。
タイ&ベトナムを中心とした東南アジアのフットサル人気を追い風に成長著しいインドネシアのバモスはイランのアベディン、オランダ代表のサイードを獲得。
中央アジア特有の粘り腰でタダではやられそうなタジキスタンのディシもイラン代表のザデー、ブラジル人のブルーノを加え、両チームともポッド4に似つかわしくない存在感。
既存勢力+助っ人外国人の力で2強の1枠を食えるか?
中央アジア特有の粘り腰でタダではやられそうなタジキスタンのディシもイラン代表のザデー、ブラジル人のブルーノを加え、両チームともポッド4に似つかわしくない存在感。
既存勢力+助っ人外国人の力で2強の1枠を食えるか?
混戦模様のグループBで実績最上位。昨年準優勝のナフィトを牽引するタバコリ。
日本で大量消費されている『イケメン選手』がいかにどうでもいいか、この濃い顔と懐の深いドリブル、ちらっと覗くボクサーパンツを見ればわかるはずだ。
Group C
1.Japan Shriker Osaka
2.Iran Giti Pasand Isfahan
上位2チームが決勝トーナメントのグループリーグでC・Dグループは3チーム/2戦の短距離走。
現役時代から因縁浅からぬイランオールスターのパサン(2012年優勝/2013年準優勝)、名古屋が2011年を制覇した時のアジウの右腕だったバルチ監督&日本代表でも活躍し、神戸、仙台を率いた比嘉リカルドコーチのシンセン(2013年に名古屋との3位決定戦に敗れてベスト4。なおセンの文字が外字のためカタカナ表記)との巴戦に、選手として2011年にAFCを制した木暮シュライカーが挑む。
勝ち点計算的には実力の劣るシンセン相手に引き分け以上→パサンには得失点差を考えての負けでもOKだが(昨年名古屋は1分1敗(得失点差-2)で決勝トーナメントに進出し優勝している)、リアリストと勝負師の面を見せる木暮監督がグループリーグを調整としてか、立場を変えて再会した知己に差を見せつける場として捉えているか初戦のシンセン戦に注目だ。
個人的には2連勝で決勝トーナメント進出→2016年のAFCで止めを刺されたキルギスのディジーや、前日本代表監督のミゲル率いるタイ・ソン・ナムを蹴散らしての優勝→久しぶりの日本人による日本代表監督就任へ最高のプレゼンテーションになることを期待している。
1名だけの外国人登録にノミネートされたアルトゥール。
日本では半径2メートルを完全制圧をするアンタッチャブルな存在だが、イランの変則的なドリブル、タイの小気味いいパス&ムーブを封じ込めるか。
現在進行形のシンデレラストーリーを歩むゴレイロの柿原選手。
Fの舞台では型&面◎/反応○/判断△の印象だが、アジアの強豪相手の初の国際舞台で劣勢の場面をキッチリ締めたい。
オールラウンダーのヴィニシウス、前線で起点を作るポイントゲッターのチアゴが使えない今大会。
欠けたピースを代役で埋めるか、胸中のプランBを披露するか木暮監督の手腕に注目。
Group D
1.Thailand Chonburi Blue Wave
2.Uzbekistan Almalyk
3.Lebanon Bank of Beirut
AFC公式 グループD考察(のちほど更新)
クラブ、代表ともイランと並んでアジアの強国に成長したタイのチョンブリと、ロングパンツと跳ねた後ろ髪がトレードマークのGKウマロフ擁するウズベキスタンのアルマリクが一騎打ち。
昨年のAFCではアルマリックと引き分けるも得失点差に泣いたレバノンのベイルートは、2戦トータルでのマネージメントに活路を作る。
2013年にチョンブリが優勝した際のMVP、アジアを代表するピヴォのスパワットがお隣のベトナムで2度目の制覇と得点王を狙う。
彼の他にもボールキープや動き出しで攻撃のスイッチになるブラジル人フィクソのシャパ(No4)、才気溢れるクリトサダ(No7)、ジラワット(No8)などテクニックとコンビネーション豊かなアタッカーが彩るフットサルは一見の価値あり。