2014/1/4(土) Fリーグ 28節 墨田区総合体育館
デウソン神戸 1 - 4 バサジィ大分
シュライカー大阪 3 - 4 アグレミーナ浜松 
府中アスレティック 1 - 2 エスポラーダ北海道 
名古屋オーシャンズ 3 - 1 ペスカドーラ町田 
湘南ベルマーレ 1 - 2 バルドラール浦安

アグレミーナ浜松が面白い。

参入1年目の昨年は全27試合を終えて2勝2分23敗得失点差マイナス92。
2年目の今年は全日程の4分の3になる27試合を終えて1勝0分26敗得失点差マイナス94。
そんなチームが2014年の初試合で強豪シュライカー大阪に3-1から3-4の逆点勝利。
新春のおとそ気分も覚めやらぬ中のアップセットにピッチもスタンドも大いに沸いた。

昨シーズンの開幕戦、参入初戦は5人にも満たなかった浜松サポーター席も、今や非常に賑やかだ。
公式タオルマフラーを改造したエスニック調の帽子、着ぐるみ、警備員、粋な和装の着流し等、思い思いの勝負服で28試合目にしての2勝目を喜ぶサポーター。
通常の太鼓にボンゴを合わせた秀逸なリズムと息の合ったコール。

3-1から3-2に追い上げた際に起こった、
「もう1点」
コールと、その後に続く、
「できれば2点」
というユーモアたっぷりの掛け合い。

相手チームのプレーや審判の判定に不満を垂れるのではなく、
目の前の事象をペーソスとユーモアで包んでしまうこのチームのサポーターのマインドは本当に見事で、
彼らが大事にしているものを一緒に体験することが特別なことのように思わせてくれる。

3-3の同点から、残り時間1分35秒での逆転弾。
20試合ぶりの勝利を目指したカウントダウンを終え大騒ぎのサポーター。
着流しでキメていた方はいつの間にか動物の被り物を被っていて、和なのか洋なのかそもそも人なのかわからない格好になっている。

結果を出すことが組織の目標であることはあたりまえで、勝てないチームを応援することは傍目にはなんとも虚しいものがある。

弱い。
けれど、それがどうした。

負け続けるチームに反して、サポーターは試合を重ねるごとに盛り上がりを見せ、悲壮感は微塵もしない。
戦績が示すとおり浜松は現時点でFリーグ最弱のチームで、トップリーグが競技力の向上のみを目的としたものなら浜松の参入には疑問符がつくが、観るスポーツとしての普及に着目するなら、チームとサポーターを含めた彼らの実績に異論はないだろう。

意地を張ってない?
人の目を気にしてない?
結果だけ求めて楽しんでないんじゃない?

弱い。
資金があるわけでもない。
それでも彼らは自分達が好きなものを、ただ真っ直ぐに好きであり続けている。
彼らの姿勢に学ぶものは少なくない。
浜松の試合を観るときは、試合とサポーターが一緒に見れる場所にぜひ座ってほしい。

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