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Futsal Philosophy (フットサル・フィロソフィー)

2015年05月

31 5月

2015/5/31(日) 第31回全国選抜フットサル大会 関東予選 準決勝・決勝 水海道総合体育館 『フットサルの魅力』

2015/5/31(日) 第31回全国選抜フットサル大会 関東予選 準決勝・決勝 水海道総合体育館
◆準決勝
東京都選抜 3-2 埼玉県選抜
神奈川県選抜 4-2 千葉県選抜

◆決勝
東京都選抜 3-2 神奈川県選抜

勝てば全国大会の出場権獲得。
神奈川県選抜と千葉県選抜の準決勝は立ち上がりに脆い千葉県選抜の急所を突いて神奈川県選抜が先制し、2-0のリードで試合が進む。

前半17分。
フットサルという枠を越え、試合中に発生した救急救命の事例としてTV、新聞等の一般メディアにも取り上げられた千葉県選抜の田中選手と神奈川県選抜の上村選手が同じフロアに立った。

◆試合中のシュートで心臓停止・・・。九死に一生を得た関東リーガー
http://www.futsaledge.jp/archives/5179

フットサルは間口の広いスポーツだ。
50歳以上限定の大会もあれば、男女混合でコートに女子が1人以上いること、などフェアに楽しむための工夫が沢山ある。
ワイワイボールを追ってもいいし、シリアスにワンプレーに熱くなるでもいい。
2002年の日韓ワールドカップ以降、フットサルコートは爆発的に増え、全国各地、至るところにあるコートでフットサルを一度でもやったことのある人はきっと沢山いるはずだ。

今回の事例はあくまで偶発的な事故であり、どちらに過失があったわけではない。
相手のシュートを体でブロックに行く。
シュートを打った攻撃側はもとより、ブロックした守備側から気合の雄叫びが挙がったりする、攻守が一体で相手との距離が近いフットサルの魅力が詰まったプレイだ。

キレのあるプレーを連発し、今日の2点目を挙げている神奈川県選抜の細谷選手が左サイドで前を向いてボールを持つ。
田中選手が応対するも、細かい左右の切り返しで左足のシュートコースを空けられたところでの対角への見事な一振りでスコアは3-0となり、試合の大勢は決まった。

試合終了後、2失点に絡んだ田中選手はうなだれ、前半の短い時間のみの出場になった上村選手は勝利を喜ぶも不完全燃焼そうな表情を浮かべる。
 
上手くいくこともいかないこともある。
そんな当たり前もフットサルの魅力のひとつだ。
これからも試合は続き、若い彼らには沢山の挑戦と可能性が待っている。

フットサルは決して危険なスポーツではない。
ワンプレーに熱くなり、一喜一憂し、喜怒哀楽を揺さぶる。
今日、ふたりのマッチアップはなかったけれど、いつかそんな当たり前の魅力を、彼らふたりが表現してくれることを楽しみにしています。

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30 5月

2015/5/30(土) Fリーグ 第6節 墨田区総合体育館 『声』

2015/5/30(土) Fリーグ 第6節 墨田区総合体育館
フウガドールすみだ 2 - 4 バサジィ大分

大分所属の北嶋佑一選手が住居侵入容疑で逮捕という事件から4日。

興味がなかった人達からの雑音ほど面倒なものはない。
表層的でインスタントな否定があり、判で押したような誹謗中傷が渦巻く。
昨日からの金・土曜日のアウェー2連戦。
試合の対戦相手ではなく、世間との戦いを強いられた大分。
事件後の初試合となった町田戦は名手イゴールの前に沈黙し、ただの勝敗でないものが賭かった一戦は0-0の引き分けに終わった。

1,109人の観客が見つめるアウェーのすみだ戦。
西谷選手のルーレットからのシュートパスを諸江選手が詰めてすみだが先制。
名匠仁部屋のドリブルから田村選手がゴレイロの足元を抜いて大分が追い着き、すみだのアイドル、金川選手の後方からのロビングを清水選手がダイレクトで合わせ、すみだが再び1点リード。

迎えた後半。
仁部屋選手が倒されて得たフリーキックの流れからディドゥダがミドルで突き刺して同点。
その後、今シーズン、名古屋から復帰した地元大分出身の白方選手が押し込んで、この試合はじめてのリードを奪った。

攻守のバリエーションが増え、新加入の西谷選手、稲葉選手が振り切れたように躍動するすみだに追い着き、追い越す。
選手は大きく変わっても、底から丁寧に繋ぎ、仁部屋、ディドゥダの大駒がスコアを動かすいつもの強い大分だった。

今日の試合。
ゴールを奪っても大分の選手は笑わない。
喜びを表しはするもののそれはどこかぎこちなく、何かを確認するように遠慮がちに抱擁やハイタッチをする。

『今、自分達がフットサルをプレイしているのは正しいことなのか?』

事件の影響はある。
見ていて痛々しいほどだ。

ほっとしたように試合終了のブザーを聞く大分の選手達。
はるばる大分から駆けつけ、声援を送ってくれたサポーターの元に向かう。
そこにはいつもどおりの暖かい声援があった。

雑音がある。
暖かい声援がある。
どちらも理由があってのものであり、どちらも今の彼らにとっての現実だ。

良くないことがあった。
けれど、良かったことを一緒に見て、一緒に作ってきた笑顔を覚えてくれている人達がいる。
その人達もきっと不安を抱えていて、それでもきっと笑顔を見たかったはずだ。

負けないでほしい。
声を信じてほしい。

私はすみだのファンだが、今日はフットサルファンとして大分の笑顔を見れたことがとても嬉しい。

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26 5月

2015/5/26(火) バサジィ大分所属 北嶋佑一逮捕報道 『育てるもの』

2015/5/26(火) バサジィ大分所属 北嶋佑一逮捕報道

2012年に金城レアンドロ(アグレミーナ浜松)の車上荒らし。
2014年に当時日本代表にも選出されていた内村俊太(湘南ベルマーレ)の神奈川県青少年保護育成条例違反。
そして今日、北嶋佑一(バサジィ大分)が住居侵入容疑で逮捕という事件がヤフーのトップページに踊った。

プレーオフの激闘を制しての名古屋の8連覇、華やかな9年目のFリーグ開幕など、一般層にフックになりそうな話題はさして取り上げられず、悪いニュースはヤフーのトップを飾る。
マイナースポーツではあるもののフットサル日本代表選手の犯罪という話題はネガティブな意味でのバリューがあるということであり、伝えるのに知識とストーリーが必要な良いニュースよりも、『何をした』より『誰がした』かにフォーカスすればインスタントに消費でき、感情に訴えられる悪いニュースの方が取り上げられやすく、結果的にジャンルのイメージとして定着してしまいやすい。
良いか悪いかということではなく、世間とはそういうものだ。

衣食住があり、有体に言えば自分が嫌なことを他人にするなというのが道徳としてあり、それでも法を侵してしまうしまう心境や、状況がどんなものなのか私にはわからないが、ただ残念なのは不祥事がまた繰り返されたことだ。

2件はおそらく生活に窮して。
1件は欲望に負けて。
前者は競技フットサルのトップリーグでどのように生計を立てるか、後者は見られる立場である責任や義務をどのように考えているか、という問題が根底にある。

競技のみで生計を立てているのは名古屋所属の選手と、名古屋以外の本当に一握りの選手だ。
それ以外はクラブからの給料+仕事(フットサル関連のスクールやコート運営。あるいは一般的な職業)と合わせて生計を立てている。
個人スポンサーを何社か集めてのプロというケースも数名かおり、金銭面の不安から解放されるには正しい知識をベースにした努力が必要だ。
協会やクラブに待遇改善を求めても、パイの大きさは急には変わらない。
知識と工夫に溢れた良い先例は9年間の間に育っており、ナレッジを持っている選手に積極的に教えを請うべきだと思う。

責任感や義務感については注目度とイコールだ。
日本代表の肩書きがあっても、肩書きの前に自分の名前が来る選手はごくごく一部だろう。
リーグやチームのマナーや社会人としての教育よりも、選手の意識を育てるのはファンからの生きた声援だ。
活躍して耳にする嬌声。不甲斐ない戦いをして浴びる罵声。怪我をし、孤独なリハビリを送るときに目にする暖かなファンレター。
自分の姿を見て喜怒哀楽を示す人達がいるということを身を持って知ることが、選手を大人へと育てるのではないかと思う。


比較的選手の待遇が良いという話を聞いていた大分の所属で、日本代表経験もある北嶋選手の事件は非常に残念だ。

悪事にフタをし、なかったことにするのは簡単で、社会的な責任や謝罪の形として彼らを永久追放すればそれはそれでわかりやすく、ひとまずの決着は見えるだろうが、決して健全ではない。
氏名の後ろに容疑者という言葉がついた相手と真摯に向き合い、どうすれば社会的に許されるかを共に考えることの難しがどれほどのものか私にはわからず、時に憤り、時にしょげかえる彼らにかける言葉を考えるのはどんなに難しいかと思う。

マイナースポーツであるフットサル。
競技を行う人間は時に絶望に立ち向かい、時に誘惑に負け過ちも犯す、強くも弱くもある一人の人間だ。

私はフットサルというマイナースポーツが大好きだ。
フットサル界の足を引っ張り、泥を塗ったと罵り、謗る気持ちもある。
それでも、選手もファンも協会も、過ちを認め、真摯に向き合えなければ、マイナースポーツはマイナースポーツのままで、メジャーを目指し世間に対して発信する資格はないだろう。

Fリーグは、所属チームは、そして本人は安易な結論を出さず、起きたことに真摯に向き合ってほしいし、被害者と社会に対しての責任や謝罪の形を考え、トコトン向き合い、そしてピッチに戻るためにすべきことをやりきってほしい。
 
私はフットサルというマイナースポーツが大好きだ。
そのためにできることならいくらでも応援したい。

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23 5月

2015/5/23(土) Fリーグ 第4節 墨田区総合体育館 『名前を呼んでくれ』

2015/5/23(土) Fリーグ 第4節 墨田区総合体育館
フウガドールすみだ 1 - 1 シュライカー大阪

昨シーズン終盤から名古屋を相手にしたFリーグの優勝決定戦まで、賛否両論を浴びながらも抜群の結果を残した、ゴレイロ宮竹選手をそのまま上げての大阪のパワープレー。

曰く退屈な戦術。
曰く(1対1ではなく2対1での攻防になることで)フットサルの面白さをスポイルしている。
 
大阪の木暮監督と浦安の米川監督との舌戦は、リアリストとロマンチストがお互いのフットサル観をぶつける興味深いものだった。

ビハインド、同点の局面で、おもむろにゴールマウスを離れ、コート中央からやや右にスライドしつつパスを交換して得点の機を伺う。
選手交代をせず、シームレスにパワープレーの攻守を実現し、ふてぶてしく、堂々と、それでも時に不安もある表情でパワープレーの底をこなす宮竹選手。
及第点を与えて余りある足技は、通常のゴレイロ練習を消化し、その後、地味な基礎練習をこれでもかとこなして得たもののはずだ。
彼の努力の前には戦術云々の議論はただただ無粋なだけで、批判の謂れはまったくない。

2009年。
Fリーグに突如登場し衝撃を与えた絶対的な守護神イゴールが2013年に町田に移籍。
機動力と強シュートを武器にイゴールの控えGKからの脱却を図るも、総合力に優れる清家選手(今シーズンからすみだに移籍)とポジションを分け合う。
イゴールの控えでもない。
自分と個性の異なるチームメイトにも負けたくない。
チャンスを活かせないジレンマを抱え、それでも腐らずに現状と向き合い、愚直に牙を研いだ。

2014年のシーズン終盤。
奇抜な戦術を実現する異才のゴレイロとして宮竹晴紀の名前が踊る。

賞賛もある。
批判もある。

どちらも新しいことにチャレンジし、実現のために努力し、結果を出したから起こったものだ。

批判は監督が受ける。
監督が描くビジョンを実現するために選手は努力する。
リーグ戦5位からプレーオフに進出し、名古屋を首の皮1枚まで追い詰めた木暮監督と宮竹選手の信頼関係とチャレンジはただただお見事だった。

2015年。
ゴレイロのプライドである背番号1のユニフォームにイゴールの影を感じるファンはいないだろう。
今シーズン、まだ宮竹選手がそのまま上がるパワープレーは見ていない。
ちょっとだけ残念な気持ちもあるものの、パワープレーをする、しないに縛られず、宮竹晴紀としての背番号1を存分に表現してくれたらファンとしてとても嬉しい。

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18 5月

2015/5/17(日) 第31回全国選抜フットサル大会 関東予選 準々決勝 水海道総合体育館 『向き合うものは』

2015/5/17(日) 第31回全国選抜フットサル大会 関東予選 準々決勝 水海道総合体育館
群馬県選抜 2-6 東京都選抜
埼玉県選抜 6-1 山梨県選抜
神奈川県選抜 6-3 茨城県選抜
栃木県選抜 3-3(PK2-3) 千葉県選抜
 
千葉県選抜が有利の下馬評を覆し、開始早々に栃木県選抜が挙げた2得点に会場がどよめく。
悪い流れを断ち切るために1stセットをベンチに下げ、2ndセットを送り込む千葉県選抜。
 
小柄な体躯。
背中一杯に広がる『18』の背番号。
14日前に生死の境を乗り越えた田中奨選手がフロアに立った。
 
◆試合中のシュートで心臓停止 九死に一生を得た関東リーガー
http://www.futsaledge.jp/archives/5179
 
2点差を追いかけてアラの位置に入る田中選手。
 
プレス。フェイク。エントラ。パラレラ。ケプラ。
 
教則に則った質の高い動きを披露し、クイックネスを武器にビハインドを必死に追いかける。
 
彼が見るボールの形は、ピッチの景色はどんなだろう。
自分の意識を刈り取り、命を落とすかもしれなかったフットサルを再びプレーすることを彼は選んだ。
・・・怖くはないのだろうか。
彼だけが感じられる感覚と景色を想像しながら試合の行方を見守る。

試合の後半。
追い上げる千葉県選抜が抜け出し、栃木県選抜のGKとの1対1。
GKが前に出て間合いを詰めるところに、全力のシュートが打ち込まれた。
どこにでもあるGKとの1対1。
そんな当たり前の光景に今日は胸が苦しくなる。
鳩尾にシュートを受けたGKはしばらく息を詰めたものの立ち上がり定位置につく。
そんな光景をセットに入っていた田中選手はただ静かに見つめていた。

試合は3-3の同点からPK戦を制した千葉県選抜が準決勝に駒を進めた。
歓喜の輪の中で喜びの笑顔を見せる田中選手。
彼の笑顔を見る仲間たちはきっともっと嬉しいはずだ。
 
注目は時に義務や責任を連れてくる。
不意に世間の注目を集めることになった22歳の若者に気負いも恐怖もないわけがないし、奇跡や美談だけでは語れない現実を彼は生きている。
彼だけが語れる言葉と、彼だけが見せられるもの。
フットサルを続けることを選んだ彼の勇気、背負うものに耳を傾け、理解しようとする人がひとりでも多く現れてほしいと思っています。

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17 5月

2015/5/17(日) 第31回全国選抜フットサル大会 関東予選 準々決勝 水海道総合体育館 『悔しさの先に』

2015/5/17(日) 第31回全国選抜フットサル大会 関東予選 準々決勝 水海道総合体育館 『悔しさの先に』
群馬県選抜 2-6 東京都選抜
埼玉県選抜 6-1 山梨県選抜
神奈川県選抜 6-3 茨城県選抜
栃木県選抜 3-3(PK2-3) 千葉県選抜

2013年に関東を制し、全国優勝した東京都選抜。
2013年は代表者会議を欠席したため失格。そこから1年後の2014年は東京、神奈川の強豪を倒し、全国優勝まで駆け上がった群馬県選抜。
昨年は東京が試合の主導権を握るものの、2-2の同点からPK戦で群馬が粘り勝ちを収めた。

2015年。
全国制覇を果たした群馬は、当時の中心、デルミリオーレクラウド群馬勢が抜けて若手中心となり、昨年、全国制覇を経験したメンバーはわずかに3人。
東京は昨年と同じくゾット早稲田のメンバーを中心に要所を関東リーグで活躍するメンバーが固める。
初戦で激突することになった新旧全国王者の対戦は、お互いがベンチ入りしたメンバーを活かしきって3セットで回し、東京は前プレ、群馬は状況に応じてラインを細かく修正してコンパクトに当たった。

試合自体は締まった内容で進むも、抜け目のなさと個々の技術でリードを広げる東京都選抜。
米谷選手、加藤選手、坂本選手、瀬戸選手と才人が集まった1stセットは、お互いがボールを反射し合い、人とボールが幾重にも交差する美しい幾何学模様を何度も描いてみせた。
0-2と東京都選抜リードで前半を折り返した後半8分。
昨年の全国制覇の原動力になったゴレイロの山田選手の肩口を、米谷選手が鮮やかなループシュートで抜いて0-3とし、試合の大勢は決まった。

昨年の借りを返したい東京都選抜。
昨年と比べられたくない群馬県選抜。

試合開始から3/4が過ぎ、点差は離れてもお互いに自分達のスタイルを継続し、フェアに時間は進む。
相手に勝ちたいより、今の自分達の現在点を確かめるような試合は、0-5のビハインドから全国選抜の決勝でも得点を挙げた八高選手が中心となり2点を返すも、2-6の大差で試合は終わった。

歓喜に沸く東京都選抜。
悔しいからこれからを頑張れて、その先には笑顔が待っていて、もちろん敗れた群馬県選抜もそのことを知っている。
全国屈指のタレントを相手に、志のあるフットサルを貫いた群馬県選抜。
コインの裏表のような悔しさと嬉しさを知る彼らの1年後が、笑顔になることを楽しみにしています。

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10 5月

2015/5/10(日) Fリーグ 第2節 小田原アリーナ 『誰と』

2015/5/10(日) Fリーグ 第2節 小田原アリーナ
湘南ベルマーレ 1 - 3 フウガドールすみだ

すみだの元とった伝説的なチーム『森のくまさん』以来の復帰となった稲葉選手。
今シーズン開幕戦の名古屋との対決では、1-4のビハインドから新加入組を軸にしたパワープレーで3-4まで追い上げるも、自身の判断ミスで招いたピンチを目の前で森岡選手に手堅く決められ、チームは3-5で敗れた。

試合終了後、サポーターに挨拶に向かう一団の中で、唇を噛み締め、憮然と下を向く。
須賀監督に肩を抱かれ、励ましと渇を入れられる姿は、常に表情を変えず、飄々として自信たっぷりないつもの稲葉選手ではなく、この一戦に賭けていたものの大きさを表しているようでなんとも嬉しかった。

黒星スタートの両チーム。
進境著しい諸江選手と浦上選手が点を取り合い、ゴール前のFKをシンプルな流しから西谷選手が決めて1-2ですみだがリード。
鋭いドリブルとカットインシュートを得意とし、華麗という言葉が代名詞の稲葉選手は、今日はディフェンスとプレスに奔走し、追い駆け、相手の前に立ち、時に体を投げ出して泥臭くゴールを守った。

1-2。すみだリードの後半残り4分。
左サイドでの展開から、右にボールが出て1VS1でのマッチアップ。
腰を落とし、機を伺う相手を冷静に見極め、サイドライン側を少し空けて誘っておいて、かかったところをガッツリ絡め取る。
体制を立て直して追い駆ける相手を初速で振り切り、GKとの1VS1をテクニックでかわすのではなく、右足を思い切り振り抜いて痛快にゴールに沈めた。

らしくなく飛び上がり、手を突き上げる稲葉選手。
ややあってから思い出したようにベンチに向かい、ひとりひとりとぎこちなく手を叩き、最後に待ち構えた金川選手とゴール後のお約束になったジャンプをしながらのハイタッチをした。

2007年のFリーグ開幕から8年間、強豪バルドラール浦安で活躍。
2008年と2012年にはワールドカップにも出場し、ブラジル代表からも得点を挙げ、日本代表としてワールドカップ最多得点の記録も持つ。

丹精なルックス。
華麗なテクニック。
誰もが納得するリザルト。

他人から見れば羨ましいものの塊で、そんな全てを手に入れたはずの男が、懐かしい顔触れが揃った移籍先での初ゴールに大いに取り乱して喜んでいる。

『何を』ではなく『誰と』

そういうことにこだわって、頑張って、出した結果を喜ぶのはいいものだ。
クールな稲葉選手の慣れていない、ぎこちないはしゃぎっぷりがなんとも微笑ましく、そんなことを考えながらちょっと笑ってしまった。

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3 5月

2015/5/3(日) Fリーグ 第1節 代々木第一体育館 『理解と愛情』

2015/5/3(日) Fリーグ 第1節 代々木第一体育館 
バサジィ大分 5 - 2 シュライカー大阪 
湘南ベルマーレ 1 - 8 バルドラール浦安 
エスポラーダ北海道 2 - 1 デウソン神戸

2015年4月10日。開幕まであと3週間。

5月2日(土)、3日(日)に国立代々木競技場 第一体育館(東京都渋谷区)で開催するSuperSports XEBIO Fリーグ2015/2016 代々木セントラル第1節、ナオト・インティライミ氏をはじめとするアーティストのパフォーマンスの実施が決定しました。 
合言葉は「音楽とフットボールで、世界をポジティブに」!!

突如Fリーグ公式HPに掲載されたニュース。 
純粋にフットサルが好きで、フットサルの可能性を信じる私としては、選手、関係者がSNSでこの件を大きく取り上げ、持ち上げているのに違和感があったし、率直に言ってガッカリで非常に悔しかった。

一般層へ訴求するイベントで観客が増える⇒観客増で収入が増えて選手の待遇が良くなる
閉塞感打破の起爆剤として一般層へ訴求するキャストのブッキングなのはもちろんわかっているけれど、フットサルのトップリーグでフットサルを表現する立場なのであれば、試合の合間のイベントの宣伝よりも、試合中の自分を一番に見てほしいと言ってほしかった。

ナオト・インティライミこと中村直人。

柏レイソルの下部組織にも在籍経験があり、フットサル界の名選手達とも交友が深い。 
第1試合終了後、MIFA.FCとして登場したエキシビジョンマッチでもお客さんではないパフォーマンスを披露し、彼を目当てに会場に訪れた女性ファンの黄色い声援を大いに集めた。

第2試合終了後、普段は見ない客層で埋まった代々木体育館の観客が待ち望んだこの人のライブ。 
薄っぺらくフットボールアンド・ラブアンドピース、なんてことを喋ろうものならペットボトルでも投げ込んでやろうかと、口元を歪めて目をギラつかせた。

今年のFリーグの公式アンセムである『Brave』を歌いあげた後、彼は明るく朗らかに黄色い声援と、斜に構えるフットサルファンにストレートな声を届けた。

『Jリーグは知ってるけど、Fリーグは知らない。こんなに面白くて熱くなれるフットサルを一般の人が知らないのは悔しいですよね』

自分はフットサルの熱を知っている。 
ただその熱はいわゆる『マス』に届いていないことも知っている。 
マスに対して魅せる方法を知らず、2012年にキングカズこと三浦知良がフットサル日本代表として出場し、フットサルワールドカップで史上初の決勝トーナメントに進出した追い風も無為にしている。
メジャーになる可能性を信じているけれども殻を破れず、不器用にもがき続けた9年間がFリーグの歴史だ。 
観客動員数も伸び悩み、大量にスポンサーが脱退した2014年。 
歯がゆく届かない魅力も、現実として迫っている危機も彼は理解していた。

彼が来ることで普段Fリーグを見に来ない層がやって来る。 
ただそれはフットサルだけでは観客が集められないことも証明している。
フットサルを理解している彼にとっては大きな自己矛盾であり、歌手として十分な成功を収めている彼には何の義務も責任もなく、コアファンから目の敵にされるリスクだけがある、リターンが薄く旨味のないチャレンジだ。

できないこともある自分を認め、現状を肯定したうえで、明日に期待し、壁を越えようとする人達を応援する。 
どこかのマイナースポーツのトップリーグが9年間できていなかったことを連想するような、自分と同い年の35歳のオッサンが歌う人間賛歌に耳を傾ける。

自分を知ってほしい。 
自分が好きなものを知ってほしい。 
誰かが同じものを好きなことを知れることはどんなに心強く、嬉しいことなんだろう。 
アッパーなチューンに合わせ無心になって手を叩き、タオルを振り回す。 
色眼鏡で見ていたはずのパフォーマンスに心は踊り、気持ちはひとつだった。

『ライブは終わりますが、あともう1試合あります。 
重要な予定がないならもう1試合見ていってほしいし、SNSでフットサルも結構面白かったって発信してもらえたら嬉しいです』

金に糸目をつけず、動員力を考えればAKBで十分だ。 
ただ、これまでとこれからを考えれば、こんなに愛情のある人が来てくれたことに価値があるし、来てくれたことが心から嬉しい。

ありがとうだ。 
素直に感謝しかない。 
振り回していたタオルを握り締めて拍手と歓声を送る。 
自分の、自分だけではない沢山の人の気持ちを代弁してくれたことが嬉しく、握り締めたタオルで周りに気づかれないように瞼を拭ってしまった。

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