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Futsal Philosophy (フットサル・フィロソフィー)

2015年09月

26 9月

2015/9/26(土) Fリーグ 第21節 墨田区総合体育館 『女の戦い』

2015/9/26(土) Fリーグ 第21節 墨田区総合体育館
フウガドールすみだ 1 - 3 湘南ベルマーレ

ボールが相手陣内にある場合はプレス、自陣に入ったらゾーンで固めるディフェンスを見せる湘南。
 
試合はおおむね湘南陣内で進み、亀になって守る湘南をすみだがボックスで囲むものの、コーナー角を取っての折り返しのプッシュ、素早いサイドチェンジからのミドルシュートといったすみだの連続攻撃を湘南がガッツリ跳ね返し、オフェンスでは強烈な右足を持つゴレイロの鈴木選手を流れの中から上げてのパワープレーを度々披露する。

前半16分。
ハーフラインからの鈴木選手の右キャノンを清家選手が弾いたところを、8月の全国ユース選手権でMVPにも輝いた若干17歳の植松選手が詰めて湘南が先制。
その後、すみだが押し込み、湘南が守る展開に終始するものの、すみだの58本ものシュートに対し湘南が辛抱強くゴールを固め、後半32分にゴレイロの鈴木選手からの単純なロングボールの崩れを安嶋選手が、同38分にはカウンターから寄せが甘くなったところを35歳の小野選手が抜け目なく加点し、戦力差のあるアウェーの戦術を見事に遂行した湘南が1-3で勝利を収めた。
 
試合終了後、私の側に座っていた湘南のサポーターの方に笑顔で話しかける小野選手。
日本代表のピヴォとして一時代を築き、怪我と付き合いながら現役を続け今日の試合でも攻守に奔走した彼の『これだけ長い時間出場したら明日の筋肉痛が大変だよ』と語る笑顔がとても嬉しそうだった。

試合はすみだらしい歯痒くジリジリとした濃い展開になったものの、ハーフタイムにはananの読者モデルを中心としたanan総研と、首都圏の大学のミスコン候補生によるエキシビジョンマッチというリア充感満載なイベントが待っていた(驚くべきことにミスコンチームのゴレイロはスミダイルという種族を越えたMIXチーム)。
 
体育館特有の初速が滑るボールに手こずる両チーム、と思いきやただひたすらボールに群がり、パスともドリブルともわからないプレーで必死に前へとボールを運び、ラインを割れば悔しそうに地団太を踏む。
2セットに分けての交代の場面では交代の指示が聞こえなかった選手がフロアに残ってしまい、6人対5人で試合が進んだりもする。
そんな5分ランニングタイムの試合はanan総研がゴール前の混戦からスミダイルの弱点である足元へのシュートを決めて勝利を収め、両チームが仲良く記念撮影をするという運びでなんとも和やかなでキャッキャウフフなフットサルは幕を閉じた。


最近はニュースを聞くことはなくなったが2000年前半から中盤にかけてモーニング娘を中心としたハロプロ勢や、小池栄子、佐藤江梨子ら当事の男性の目を釘づけにした巨乳タレントを多く抱えるイエローキャブ&サンズを中心とした女性芸能人によるフットサル大会が話題になった。
 
まったくの素人からスタートした彼女達は、仕事であるアイドル活動とフットサルを両立しつつ練習を重ね、人前に出て恥ずかしくないレベルの競技力と、課外活動らしからぬ喜怒哀楽溢れるホンキの表情で観客を魅了し、フットサルの聖地、駒沢体育館を満員にしている。
なんだか急に懐かしくなってしまいDVDを引っ張り出してみたが、海外サッカーのナレーションでもお馴染みのフジテレビの青嶋アナが実況を務めた当時の映像をアイドルに興味のない今の私が見てもそれなりに面白く、必ずしも競技力が集客に繋がるわけではないことを表している。


奇しくも9/26(土)は記念すべき第1回のAFC女子アジアフットサル選手権(アジアNo1の女子代表を決める大会)の決勝がマレーシアで開催され、決勝に進出した日本は男子と同じくアジアのライバルであるイランを相手に0-1で惜敗した。
 
AFC運営でインターネット中継されたこの一戦は回線の不具合で試合が全然見れないというフットサルファンの怨嗟が公式Youtubeのコメントに渦巻いたが、日本女子代表が前身のアジアインドアゲームズを3連覇していること、今日、初代女王を決める一戦があることを一般層で知る人はまずいなかっただろう。
試合自体もアジア初のFIFA公認国際大会の優勝に向けてのプレッシャーからかボールは支配するものの仕掛けの工夫に乏しく、見所の少ない内容に終始している(後半半ばに公開されたポゼッション率は日本71%/イラン29%)。

勝敗。競技力。知名度。人気。華やかさ。可能性。
マイナースポーツであるフットサルがブレイクするにあたって何が正解なのかは答えが出てみないとわからないが、どこかで『注目される』舞台が生まれることが全てのキッカケになるのではと思う。

そしてその舞台を見る観客に対して熱を届けることが出来るのは選手の『感情』なのではないかと思う。

すみだ VS 湘南
anan総研 VS ミスコン候補生
ハロプロ VS イエローキャブ&サンズ
日本女子代表 VS イラン女子代表

生観戦、過去の映像、ライブ動画を含め、今日一気に見た4試合で、お互いの感情が見える試合は競技力云々抜きに面白く、観客も熱狂し、それまでフットサルに興味のなかった層(ハロプロについてはアイドルに興味のなかった層)を取り込む力を持っているのではと思った。

1995年に全日本選手権が初開催。
2007年にFリーグが産声を上げ、2012年には三浦知良選手がサプライズ選出されフットサルワールドカップ史上初の決勝トーナメント進出。
振り返ればどれも注目は一過性のものだったが、競技フットサルというものが出来てまだたったの20年だ。

1年に数回、感情を揺さぶるような試合があり、時々はガッカリするニュースもあり、そんなことの積み重ねで続いた20年。
2016年に控えるコロンビアでのワールドカップと、2020年に招致を目指す名古屋でのワールドカップ。
今日のガッカリを悲観するよりも、感情を揺さぶり、フットサルの枠を越える試合とストーリーが生まれることを楽しみに30年、40年と続く明日を待ちたい。

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ウォーミングアップで笑顔を見せる湘南のピヴォNo18小野選手
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すみだのユルキャラ、スミダイル。クロコダイル×スミダでワニを模していることもあり背番号は82(ワニ)
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Fリーグ、関東1部と好試合を演出する松井主審(右から2人目)。
フットサルの審判について色々批判もありますが、個人的には高評価です。
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湘南のゴレイロ、シュートストップに優れるNo1三浦選手と、強烈な右足シュートという飛び道具を持つNo17鈴木選手。
今日の湘南は鈴木選手をチョイス。
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8月のユース選手権(18歳以下の全国大会)でMVPに輝やき、18歳以下の日本代表にも選出された若干17歳の植松選手。今日はセットに入って活躍しました。
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同じく18歳以下の日本代表、およびフル代表に選出されたすみだのNo11清水選手
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こちらもフル代表の常連、No7稲葉選手。
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秋の交通安全週間ということで墨田区本所警察署からピーポ君が登場。
会場がどよめきました。
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12人中7人が丸刈りと、気合を入れる湘南。
写真外ですが指揮を執る横澤監督も丸刈り。
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すみだwithピーポ君の集合写真。
カオスな一枚ですが、地元地方行政との協力体制があるのはスポーツクラブとしてプラスです。
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日本代表のNo7稲葉選手、No14西谷選手
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今日のすみだのゴレイロは久々に登場のNo21清家選手。Fリーグを代表するイケメン。
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ハーフまで持ち上がっての強烈な右足シュートで先制点を演出した湘南のゴレイロ鈴木選手
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湘南のアイコン的存在のNo7安藤選手。
左手のリストバンドにはガンと闘うチームメート、久光選手の名前と背番号(HISA 3)が書かれています
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すみだのピヴォ陣。
No8太見選手、No11清水、No13青山選手
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戦況を見つめる湘南横澤監督。プラン通りの試合運びが光りました。
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anan総研 VS ミスコン候補生。
久々に遭遇した美女フットサル企画にややテンション上がりました。
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ミスコンチームのゴレイロはスミダイル。
人+動物(?)の種族を越えた混合チーム。
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スミダイルのゴールスロー。
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anan総研のゴレイロはピーポ君かと思いましたが女性の方でした。
そんな当たり前のことにホッとするエキシビジョンマッチ。
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スミダイルの弱点である足元へのシュートでanan総研が1-0で勝利。
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試合終了後。先頭を歩くスミダイル。
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仲良く記念撮影。
久しぶりにこういう企画を見ましたが、フットサルは競技力を問わず楽しめるということを思い出させてくれるいいイベントでした。
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スミダイル&ピーポ君を前面に押し出しての交通安全週間のPR。
山本美月さんのポスターが若干指名手配風。
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スポンサー紹介。
いつになく盛り沢山でカオスなハーフタイムイベント(褒め言葉)。
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ほとんどの時間を自陣で過ごした後半の湘南。
No7安藤選手、No18小野選手が前線でポイントを作り少ないオフェンスの時間を伸ばしてすみだの気勢を削ぎました。
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荒いプレイが度々話題になるNo6植松選手。
デビュー時から比べ、体も大きくなり、当たり負けする場面も少なくなっています。
能力は間違いないので良い方向に育っていってほしい選手。
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今シーズン思うような活躍が出来ていないNo6宮崎選手。
長いリーチを活かした突破、抜群のポジショニングからのプッシュを期待しています。
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試合終盤のタイムアウトの場面。
固める湘南、囲むすみだ。
固めから機を見ての奇襲を成功させた湘南に軍配。
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湘南勝利のダンス
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20 9月

2015/9/20(日) 関東1部 第10節 三芳町総合体育館 『男の顔』

2015/9/20(日) 関東1部 第10節 三芳町総合体育館
リガーレ東京 2 - 2 カフリンガ東久留米
柏トーア'82 2 - 5 ファイルフォックス府中
FCmm 2 - 4 ブラックショーツ
コロナFC/権田 1 - 1 ゾット早稲田

2連敗から2連勝。
3連敗後に引き分けと最下位に沈む昨シーズンの王者ファイルフォックス府中。

2013年にはチームの核であるベテランの難波田選手、北選手が引退し、2014年にはベテラン不在の危機を驚異的な成長で救った三木選手(現浦安)、田村選手(現すみだ)、藤本選手(現仙台)、三浦選手(現湘南)がFリーグへ挑戦する。
すみだ3連覇後の新王者として迎えた2015年にはチームの1stセットを務めた徳嶽選手(現府中)、平山選手(現ブラックショーツ)、佐藤選手(不明)がチームを離れた。

2013年、2014年と主力が大量離脱し、降格も予想される中、準優勝、優勝という破格の結果を残してきた吉成選手兼監督。
2倍速のようなプレースピードでも精度の落ちない馬場選手を擁し、昨シーズンの入替戦から前半戦首位へと巻き返した柏を相手にした一戦に対する気合は尋常でなかった。

フロアに立てば全力で走り回り、ボールを呼び込み、強引な突破とシュートを繰り返し、要求した位置にパスが来なければ憮然と手を上げる。
ベンチに戻れば20代半ばの若手たちに激しい口調で気合を入れ、身振り手振りを交えて作戦ボードを叩き、指示を送る。
熱く、貪欲なピッチでの姿は難波田選手が、威厳と鋭さを感じるベンチでの姿は木暮監督(現大阪監督)が。
一挙手一投足にクラブを代表する両OBの姿がダブった。

堅守速攻を得意とする柏を相手のカウンター合戦で後手に回り、2-1のビハインドで迎えた後半21分。
ハーフタイムに激を飛ばし続けた吉成選手が同点ゴールを決め、気合の表情でベンチに向かい、選手、スタッフと力強くハイタッチを交わす。
どちらかといえば淡白な印象のあったこの人がこんなにも感情を剥き出しにすることが少々意外だった。

前半の激しいトランジッションからペースの落ちた後半。
前への勢いがなくなった柏の隙を突いたファイルが2点を勝ち越し、馬場選手をゴレイロにしたパワープレーも凌ぎ、試合は首位の柏を相手に5-2の完勝で終わった。
試合終了後、最後はベンチで監督の役割に徹した吉成選手はフロアから背を向け両目を抑えている。

立場が人を育てるという言葉は本当だ。
名監督の薫陶、名選手との切磋琢磨があったFリーグよりも、関東リーグで名門の重責を背負う2013年以降、毎試合、毎シーズンこの人の表情は鋭く、精悍になり、有体に言えばカッコよく、時に凄味のような雰囲気を纏うようになっていっている。

フットサル第一世代が築いたファイルフォックスで若手として活躍していた吉成選手も今年で33歳。

日本代表にも選出され、2010年にはシュライカー大阪で全日本選手権優勝も果たしたが、一ファンとしては今が彼の全盛期なのではと思う。
喜怒哀楽を剥き出しにし、チームを引っ張り、勝利を手繰り寄せる。
その姿は個性的なOB達が築いてきた、アツく、熱を放つファイルフォックスそのもだ。

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アクセスは悪く、観客席も少ないものの、ギュッと詰まった熱が篭る三芳町総合体育館。
着いてしまえばなかなかの好会場です。
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上位に躍進するリガーレを引っ張るNo7西野選手兼監督。
相手ピヴォへのクリーンなチャージ、軽やかなステップ、球速の速いパスと調子の良さが光りました。
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湘南から復帰したリガーレNo9岡野選手。
後ろ向きで受けたボールを浮かし、リフティングからのボレーシュート、遠距離から振り向いてのミドルなど、プレーの選択肢の幅を見せています。
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パワープレーにも入るNo18麻賀選手。
ベテラン揃いのチームで貴重な若手。意外にも24歳。
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トリッキーなプレーで会場を沸かすカフリンガNo16早川選手。
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カフリンガの円陣
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2-1のビハインドからピラミッド型でのリガーレのパワープレー。
コーナー角の味方とミドルシュートを警戒して引いて守るカフリンガに対し、ボールを晒して食い付かせ、ラインのギャップを作って対角を開けてのシュートパスを成功させ老獪に同点に追い着いています。
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柏の円陣
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ボールを呼び込む柏のエース、No19馬場選手に対応するファイルのNo11吉成選手兼監督。
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2013年の選手引退から、今シーズン途中に復帰した柏No9奈須選手兼監督。
もう一度プレイしたくなる気もわかる、バランスの良い今期の柏。
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今期Fリーグの府中から新加入のファイルのNo6田中選手。
難波田選手、田村選手、佐藤選手に比べるとまだまだ物足りないので、残りの試合に期待しています。
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ファイルの円陣
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タイムアウト中に鋭い指示を送る吉成選手兼監督
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FCmmの円陣
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ブラックショーツの円陣
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これまで9ゴールを上げFCmmを牽引するNo23田中奨選手とNo34田中雅也選手。
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コロナの円陣
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チームの攻守の要、昨シーズンの得点王No22米谷選手とNo5丸山選手。
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昨シーズンアルティスタから移籍し、ドリブルと左足シュートで攻め手を広げるゾットNo8加藤選手
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レーザービームと言われる高速スローでピンチを一気にチャンスに変えるゾットのゴレイロ、No1渡邊選手
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繋ぎと前プレのコロナ。
後方からの組み立てが光った大型フィクソのNo20大場選手、No9金子選手。
プレスの先鋒、No19江成選手。
金子選手が前に出る時間が増えるとどのチームも苦戦しそうです。
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ゾットのハーフタイム、円陣。
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前々節パワープレー返しで13-1で敗退するきっかけになったパワープレーにトライしたゾット。
決してパワープレーが不得意なチームではないので、残り試合がまだある段階でチャレンジできたのは大きいです。

 
19 9月

2015/9/19(土) Fリーグ 第20節 浦安市総合体育館 『名古屋に勝つということ』

2015/9/19(土) Fリーグ 第20節 浦安市総合体育館 
バルドラール浦安 3 - 4 名古屋オーシャンズ

神戸、府中、湘南、北海道、大分を破り5連勝と波に乗る浦安は先週の北海道戦からエースピヴォの星選手が復帰。

今日の浦安は浦安らしいパスワークや相手のディフェンスの中に入っての組み立てを捨て、底から対角奥へのロングボールや、サイドに開いてボールを浮かしての縦突破(足元にボールが引っかからないのでカウンターの確率が減る)という名古屋の強烈な物量を外してシンプルに攻める。
 
守っては前からのプレスが活き、ゴレイロの篠田選手から底で受け取ったペドロコスタ選手が加藤選手の追い込みに迷ったところをかっさわれ、三木選手への先取点に繋がった。

ボックスの名古屋を相手に鋭い前プレでヘッドダウンを誘い、コースを限定させた縦パスを小宮山選手、荒牧選手が相手の前にサッと入って、いい形でのボール奪取を面白いように成功させる。
前節、2位の町田を6-2で一蹴した名古屋だったが、絶対王者らしからぬ玉際の淡白さ、出足の遅さが目立ち、あっさりと浦安に2点を献上しいいところなく前半は終わった。

AFCの疲労がぶり返したかのような名古屋を相手に、浦安は理想よりもコンディションの良さで勝負する。
後半早々に名古屋のディフェンスがウオッチした隙を見逃さず、星選手が強烈なシュートを突き刺して3-0。
これで試合は終わりかと思いきや、ボックスでのパスワークからフリーの選手を作っての攻めを得意とする名古屋が、フィジカルを活かしたダイヤでのピヴォ当てにシフトする。

森岡選手、シンビーニャ選手、酒井ラファエル選手が中央に構え、7月のオーシャンカップではコンサバティブなボールキープとバックパスを繰り返した元ブラジル代表のセルジーニョが長いストライドを活かしたドリブルで人が変わったようにサイドを切り裂く。
星選手の3点目からわずか1分後、シンビーニャ選手の落としを中村選手が決めて名古屋が1点を返すと、浦安は三木選手、加藤選手の小兵を中心とした前プレから、小宮山選手、荒牧選手、深津選手らのフィクソ勢にフィジカルの強い星選手、野村選手を加えて相手のピヴォ当てを受ける形にスイッチ。

浦安のカウンターを北原選手がファウルで潰し、しつこいマークに焦れた森岡選手がイラつき気味に吠える。
前半は機動力を活かしたオフェンスに沸き、後半は気合の入ったディフェンスで満員御礼1,653人を集めた浦安総合体育館は大いに盛り上がった。

時間が進むにつれてアップセットの期待が高まるものの、ミドルシュートをブロックして巻き上がったボールが手に触れたプレイをハンドと判定され、これを森岡選手がど真ん中に蹴り込み後半32分に3-2。

続く後半34分には、森岡選手が今日何度となくマッチアップを繰り返した小宮山選手を左にズラし、開いたシュートコースへ綺麗にシュートを通し同点に追いつくと、最後はピヴォ当てからペドロコスタ選手が蹴り込み、後半残り5分でようやく逆転した絶対王者が浦安のパワープレーを凌いで大熱戦をものにした。

前プレ。
カウンター。
ピヴォ当て。

なんだかんだでフットサルはこの3つが王道で絶対に防ぎようのないものだ。
PKを除く今日の6得点の内、浦安が前プレとカウンターで2つ、名古屋がピヴォ当てで3つゴールを挙げている。

今シーズン、フロア内では熱くなれる試合を標榜し、フロア外ではフットサルについてのキャッチーなPRを繰り広げるなど、印象的な活躍が目立つ浦安の米川監督。
たらればでしかないが、前半は早目に選手交代をしつつの前プレが機能していただけに、後半も引いて受けに回らず、プレスベースで自陣にボールを近づけず、名古屋にヘッドアップした状態でボールを持たせないことを主眼にしたディフェンスを継続できていればと、なんだかこちらが悔しくなってしまった。

残り14試合で2位との勝ち点差は16。

ここから本気で年間勝ち点1位を目指すチームはいないだろう。
それでも絶対王者相手に一泡を吹かせてやろうと選手がファンが一丸となって大いに盛り上がる。
その熱にほだされて自分もコブシを握り、喜び、ガッカリしていることに気がつく。

名古屋一強がリーグをつまらなくしているという声があるがそれは間違いだ。

アジアを2度制したハイレベルなクラブを相手にできる価値は非常に大きく、彼らが来ることで観客が集まり、選手は普段以上のパフォーマンスを発揮し、会場には熱が生まれる。

Fリーグ2年目の2008年10月25日。

代々木体育館で行われた名古屋対浦安は、当時の浦安を率いていたシト監督が操るマジックのようなパワープレーで試合終了間際に逆転し、未だ破られていない最多7,081人の観客が大喝采を送っている。
当時の自分は判官贔屓や、Fリーグ唯一のプロチームというだけの理不尽なヘイトで名古屋を見ていて、大喝采の裏にはそんな邪な感情も確かに存在し、私以外にもそんなファンは少なくなかったのではと思う。

9年目を迎えた2015年のFリーグ。

2007年、2008年は日本代表選手を多く揃える浦安。
2009年は復権に燃える藤井選手、マルキーニョス選手が牽引する町田。
2011年、2012年は精密なフットサルとイゴールがゴールに鍵をかけた大阪。
2013年は仁部屋選手、小曽戸選手、ディドゥダ選手らの大駒に、中村選手、田村選手らの小兵が脇を支えた大分。
2014年は木暮監督の下、ゴレイロの宮竹選手をそのまま上げてパワープレーに出る奇策を用いた大阪。

そんなそれぞれに個性的で、普段以上の力をぶつけてくるチームを名古屋は8年間跳ね返し続け、8年間勝ち続けている。

その名古屋に勝つ。

とても価値のあることだと思うし、そんなシンプルで骨の折れることを9年間続けている名古屋は心から尊敬に値する。

プレスライン設定の妙。
アクションディフェンスとリアクションディフェンスによるペースの変化。
そんなゲームの機微に見応えのあった熱戦は、最後の5分間を横綱相撲にまとめた名古屋が掴んだものの、試合後の彼らの心底嬉しそうな表情が今日の激闘を物語っていた。

名古屋に勝つ。
ただそのひとつのことが大きな価値になっているFリーグはとても魅力的なリーグだと思う。

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まだ本調子ではないものの、AFCでのピークアウトから徐々に復調しつつある日本代表のエースピヴォ、名古屋No9森岡選手のウォーミングアップ。
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試合開始前。
浦安総合体育館の大型ビジョンを活かしてのサポーターアピールタイム。
大阪のダンスにお客さんを巻き込んだりも類件ですが、お客さんイジリはどんどんやってほしいです。
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復帰後、ホーム初登場になったNo9星選手とNo19高橋選手
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1,653人の観客を集めた浦安総合体育館。
この後、観客席の後ろも立見客で一杯になります
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浦安No9星翔太選手のFリーグ100試合出場のセレモニー。
花束のプレゼンターは実弟である名古屋のNo5星龍太選手。
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今日も要所を抑えた活躍を見せた名古屋No14ペドロコスタ選手と、154cmと小柄ながら機動力を活かした繋ぎ、フィニッシュと名古屋で連携を高めるNo16中村選手。
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浦安No9星選手。名古屋No9森岡選手。
日本代表のエースピヴォ同士のマッチアップ。
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名古屋のゴレイロNo19篠田選手。
日本代表入りが期待されます。
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前プレでリズムを作り、先制点を挙げた浦安No16三木選手。
No4深津選手はフィジカルを活かしたドリブル、No5小宮山選手はパスコース予測から前に入ってのインターセプトが光りました
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森岡選手対小宮山選手。
同点ゴールの場面までは小宮山選手が抑えています。
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星選手対森岡選手。
星選手は3点目のゴールと合わせてディフェンスと攻撃の起点になるプレーでの貢献が大きかったです。
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フロアの空白地帯をプレーエリアに変える中村選手。
フィジカルに優れたゴリ押しを得意とする名古屋でプレーすることで、さらに賢いプレーヤーに変貌しつつあります。
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浦安No6荒牧選手対森岡選手。
小宮山選手、荒牧選手と森岡選手のエースとエースキラーのマッチアップは非常に見応えがありました。
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名古屋の気勢を削いで2-0で前半終了。
ハーフタイムのインタビューに応える米川監督。
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今年の10月のアジア大会、11月のワールドカップの告知を行うデフフットサル日本代表。
彼らについての記事はこちらで。
http://futsal-philosophy.blog.jp/archives/1039917547.html
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今後のホームゲームとホームゲームイベントの告知を行うスタジアムMCのバルドガール。
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後半の名古屋のスタートセット。
プレスを弱めて受けに回った浦安にNo11セルジーニョが足技で仕掛け、No10のシンビーニャがゴール前で存在感を放つ攻めで名古屋がペースを掴んでいきました。
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浦安のゴレイロ、日本代表でも活躍するNo12藤原選手。
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左右に揺さぶりをかけてパスを引き出す森岡選手と、前でのカットを狙う小宮山選手。
日本を代表するピヴォとフィクソのふたりがオン/オフザボールとも引き出しを全て開けてのマッチアップに見応えがありました
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ラフ気味に相手を止める場面が増えてきた名古屋のNo3北原選手。
チームバランスが悪いのか、自身のコンデイションか。
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名古屋の2点目森岡選手のPK
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3-4となる名古屋の勝ち越し点の場面。
苦しい試合で当たり前のように試合を決める36歳の大ベテラン、No14ペドロコスタ。
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試合終了後の両チームの挨拶。
会場からは熱戦の余韻の残った拍手が送られました。 
12 9月

2015/9/12(土) Fリーグ 第18節 岸和田市総合体育館 『楽な道。険しい道』

2015/9/12(土) Fリーグ 第18節 岸和田市総合体育館
デウソン神戸 2 - 4 フウガドールすみだ
シュライカー大阪 8 - 2 ヴォスクオーレ仙台

今週、9月7日(月)から大分で行われた日本代表のトレーニングキャンプに初招集されたすみだの清水和也選手。
昨年、若干17歳にしてのFリーグデビュー後、名古屋を相手にハットトリックを達成するなど記憶に残る記録を残し、9月9日(水)に行われたマレーシア代表とのトレーニングマッチでは(国際Aマッチではないため公式記録としてはカウントされないものの)代表初ゴールを挙げている。

そんな彼を筆頭に、出場時間を伸ばしつつある23歳の青山選手、33歳のエース太見選手と強力なピヴォを常にピッチに送り続けるすみだ。
中央で起点を作り、サイドに流れて幅を作るすみだのオフェンスに、神戸は今年37歳になるベテランフィクソの鈴村選手が喰らいつく。
 
2004年のワールドカップに出場した日本フットサル第一世代の鈴村選手と、2016年のワールドカップがにわかに視野に入ってきた清水選手の年齢差は18歳。
親子程年齢の離れた清水選手を追い駆け、肉体派の太見選手とのマッチアップでは左目に太見選手のチャージが入りベンチに退くものの、1分後には再びフロアに戻り、変わらぬディフェンスと鋭いミドルシュートでゴールを狙う姿を見せている。

2012年12月9日の試合終了後の会場で上咽頭がんであることを告白し、苦しい治療を乗り越え、9ヶ月後の2013年9月22日に同じく肺線がんであることを告白した湘南の久光選手の前でお互いにエールを送るような復帰を果たす。

ふと会場で見かけると、以前より頬がこけ、体が小さくなっているような気もする。
それでもフロアに立てばいつも熱く気持ちの入ったプレーを見せる。
治療、薬の影響で唾液が出にくくなった鈴村選手はガムを噛みながらプレーを続けていると以前インタビュー記事で読んだことがある。

彼にとってフットサルはそれだけ賭ける価値のあるものであり、挑戦に値するものだ。
カテゴリーの下がる地域リーグに環境を移すでも、一線を退き日常生活を送るでもなく、日常生活すら困難であっただろう闘病中にFリーグでもう一度プレーすることを想像し、貫徹した彼の意志の強さは常任の尺度では測れない。


1日2試合開催となるこの日、試合の合間にアジア予選を勝ち抜き、今年の11月にタイで行われるワールドカップに出場するデフフットサル日本代表がフロアで告知を行った。
 
審判は笛ではなく旗で判定を伝え、選手は手話で意思疎通を行う、耳の不自由な方が補聴器などの助けを得ず音の無い世界で行われるデフフットサル。
今年のFリーグ開幕戦でも告知に訪れた彼らの姿で象徴的なのは、スタジアムMCと応答をするスタッフの前に選手達が何を話しているかを理解するために手話通訳の方が通訳を行っていることだ。
ワールドカップの出場権を獲得できるだけの競技力があること、金銭面での窮状、結果を出せば何かが変わるかもしれない4年に1度のチャンスであることを川元監督がストレートに語り、その言葉を真剣に見つめる選手たちの表情がとても印象的だった。

今月初旬に行われた2016年リオパラリンピック出場を賭けたブラインドサッカーアジア予選。
大会前にサッカー関係者の応援メッセージやSNS等で積極的な告知を行い、にわかに注目を集めたこの大会はフットサルでもお馴染みの代々木体育館横のフットサルコートで行われ、惜しくもリオオリンピック出場は逃したものの、最終日には定員1,000人の会場が満員となる注目を集め『ブラインドサッカー』という言葉とそれが何を指すかを知ってもらうことに成功している。

フットサル。
デフフットサル。
ブラインドサッカー。

どれも程度の差はあるもののマイナースポーツであることには変わりがなく、生活と競技の両立は必ずついて回る。
マイナーとメジャーの差はどれだけ沢山の人が知ってくれているかに拠ると思うし、金銭面や待遇は知ってくれていることの副産物でしかない。
一昔前であれば地上派によるテレビ露出が一番とされていたものの、SNSがここまで普及、発展した今なら各自の意識でお金をかけずに告知することもある程度できるのではと思う。

24時間、365日の生き方は人それぞれで、楽な道も険しい道もある。
第3者から見れば非合理的な苦労を負ってでも追いかける目標があり、自分が感じる熱や感動を伝えられるということは当事者にとっても、それを周りで見る人達にとってもとても価値があることだと思う。
 
夢中で、本気で、一生懸命な姿を見て応援しない人はいない。
知ってもらうこと諦めず、知ってもらうための活動を続けていってほしい。

※デフフットサルについては9月19日(土)の浦安総合体育館での浦安対名古屋戦でも告知の予定があるそうです。

◆デフフットサル公式HP

◆日本ろう者サッカー協会Facebook

◆ブラインドサッカー公式HP

◆鈴村拓也選手に関する記事

◆久光選手に関する記事

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神戸No2鈴村選手
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試合前に行われたすみだNo4諸江選手、神戸No5森選手の両キャプテンによるフェアプレー宣言。
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ロドリゴ選手を筆頭に神戸の強烈なミドルシュートに反応し続けたすみだのゴレイロNo1揚石選手
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神戸の1stセットNo2鈴村選手、No7原田選手、No11神戸選手、No30松宮選手
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両チームのバンディエイラ、No7原田選手とNo3金川選手。
金川選手は前半はオプションのセットでの出場から、後半は1stセットに入り気持ちでチームを盛り上げました。
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創設時からのコンビ。No3金川選手、No8太見選手
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若干18歳で日本代表に選出されたNo11清水選手と最近出場時間を伸ばすNo10田口選手。
スピードとシュート力はあるものの相手にかけることが多い田口選手は、シュート前の一工夫がブレイクへの鍵か。
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今シーズン神戸からすみだに移籍したNo14西谷選手と、府中から神戸に移籍したロドリゴ選手。
どちらもチームの中心として1年目から活躍中。
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代名詞であるドリブルシュートで会場を沸かせたロドリゴ選手
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太見選手とのマッチアップ後の鈴村選手。
左目の下を負傷したものの次のプレーでフロアに戻っています。
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売り出し中のすみだNo13青山選手とNo2鈴村選手のマッチアップ
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1点を追いかける試合終盤、ギアを上げたプレーで勝利を呼び寄せたNo14西谷選手
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神戸がパワープレーを仕掛ける中でのタイムアウト後のすみだ。
金川選手が復帰した今節、彼ららしいハイテンションなやってやろうぜ感が戻りました
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大阪のハーフタイム、試合間のイベント。
観客席のお客さんを飛び込みでフロアに上げてのダンス(土足禁止のためお客さんはアリーナ前で靴を脱いでいます)他では見ない試みなので新鮮でした。
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11月のワールドカップ、募金のについての告知をする日本デフフットサル日本代表。
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男子デフフットサル日本代表の川元監督
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大怪我からの復帰、ワールドカップ出場を目指してリハビリに励む船越選手
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手前の黒い上下の方が手話通訳士の方
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500円以上募金をした方への謝礼として渡されるシリコンバンド。
バンドには『EVERYBODY, EVERYWHERE, EVERYDAY, FOOTBALL』の文字が書かれています

9 9月

2015/9/6(日) Fリーグ 第17節 墨田区総合体育館 『シンプルな力』

2015/9/6(日) Fリーグ 第17節 墨田区総合体育館
フウガドールすみだ 0-3 名古屋オーシャンズ

当時地域リーグ所属のすみだがFリーグ絶対王者名古屋を相手に3度リードをしての延長突入。
3-4と名古屋リードで迎えた延長後半残り4秒、キックインに体ごと飛び込んでの太見選手の同点ゴール。
最後は大会を通じて出色のパフォーマンスを見せた諸江選手がPKを外して無念の敗退に終わった。

PKを外して目を腫らす諸江選手にキャプテンの金川選手が駆け寄る。
チームメートが二人を中心に優しく輪を作る光景はなんとも感動的で、ひとしきり悔しがったあとに清々しいやりきった笑顔で準優勝を喜んでくれていたのが本当に嬉しかった。


多い時で年間120試合を見るフットサル。
これまでのベストゲームは間違いなく2013年全日本選手権決勝のすみだ対名古屋戦で、それ以来、私にとってこのカードは特別だし、そう感じているフットサルファンは少ないくないのではないだろうか。


8月上旬に開催されたイランでのAFCフットサルクラブ選手権(フットサルのクラブチームアジアNo1を決める大会)の疲労が残る名古屋を相手に、今年のオーシャンカップ(準決勝で対戦。0-8で名古屋が勝利)で退場処分を受けた稲葉選手がキレのあるドリブルで仕掛けるも、ゴール前の混戦からラファエル酒井選手がズドンと突き刺して名古屋が先制。

酒井選手のゴールから3分後。
ブラジル代表の経験を持つセルジーニョが長い足をムチのようにしならせてボールを運び、右サイドから左イン→右インのダブルタッチでの見事な突破からのシュートで2点目。

諸江/宮崎/稲葉/太見のダイヤで先発し、同じく田口/清水/西谷/岡山でのダイヤの2ndセット。
その後は諸江/太見/清水/西谷の2ピヴォ2フィクソ、振り向きとタッチに独特なものを持つ進境著しい青山選手をピヴォのオプションに使ってのダイヤ。
3点ビハインドの後半16分からは稲葉選手をゴレイロに入れてのパワープレー。
すみだも10枚のフィールドプレーヤーのカードをこれでもかと切り続けるも、名古屋のゴールエリア内に侵入する機会は非常に少なく、人気マンガ『進撃の巨人』を模した印象的なプロモーションとは裏腹に巨人を駆逐する糸口を見つけられないまま40分は終わった。

前プレとショートカウンター、クイックリスタートとベンチを含めたテンションの高さを武器に先行逃げ切りのゲームプランで地域リーグ王者の座を5連覇。
できないことをなくすよりも、できることをトコトン磨き上げる戦い方は非常に潔く、その集大成が研磨された短刀で巨人の首筋に迫った2013年の名古屋戦だったのではないだろうか。
TV放送されたこの一戦はポゼッションからのミドルシュートで加点した名古屋の得点シーンはキレイに収められているものの、キックインからのクイックリスタートでのすみだの2点目、4点目は全国放送のカメラマンがカメラで追い切れていない。

1,636人の観客を集めた大一番。
普段ワンプレーに喜怒哀楽を表現し、仲間の奮闘に声援を送り大騒ぎしていたベンチはいつもより静かで、腕組をして試合を観ている選手、スタッフも多かった。
昨年22節の町田戦からは7年振りにパワープレーを解禁し、今シーズンはFリーグの経験豊富な渡井選手、稲葉選手、西谷選手を軸に遅行の完成度を磨く。

それがFリーグで勝つために必要なことだと言えばそれまでだが、できることの幅を広げ、バランスよく能力を上げた先に、チームのベースにあった他チームにはない独特の個性が無くなってしまうのであれば非常に残念でもある。

試合終了後、3階の出口で選手が見送りに立つアリーナから通じる通路は握手や写真撮影を求めるファンでごった返し、10,800円の決して安くはないレプリカユニフォームを着ている観客の姿も目立つ。
地域に根ざしたスポーツクラブとして順調に成長していることは明らかで、絶対王者名古屋を相手に善戦したヒーローたちを前に観客の表情も満足気だ。

念願のFリーグに昇格し、戦術的な引き出しも増え、応援してくれるファンも沢山いる。

2013年のベストゲームを思い出す。
地域リーグで圧倒的な実績を残しながら東京からの3チーム目ということでFリーグ参入を嫌煙される中で迎えた最高の舞台。
絶対王者名古屋を相手に自分達らしさを見せることが最高のプロモーションになる、チャンスと残酷さと飢餓感が化学反応を起こした奇跡的な死闘。

2013年にはなかったものを2015年の彼らは持っている。
2015年の彼らがもう持てないものを2013年の彼らは持っている。

すみだ対名古屋

期待はやっかいだ。
同じ対戦カードだからと言っても、メンバー、状況は常に変わっていて、まったく同じシチュエーションというのはありえない。
それでも一度感じた興奮を覚えていて、条件反射のようにいつか見た感動を探す。

奇しくも折り返し地点で迎えた名古屋戦。
個人的には引き出しを増やそうというチャレンジを続ける彼らの着地点が見えてこないのが少々歯痒いが、現状最も感情が高まるシチュエーションになる名古屋戦はプレーオフの舞台だろう。

手段を増やすことはもちろん大事だが、沢山の人が見てくれているということをシンプルに力に変える経験もこのチームは体験している。
この時の取り組みはこういう結末を目指してのものだったというサスペンスドラマのような伏線回収とともに、期待であり、呪縛でもあるはずのベストゲームを越える試合が見られる日を楽しみにしています。

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会場人気抜群のスミダイル
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今日もいけるかもという期待をいつも通りズドンと打ち消したNo4ラファエル酒井選手。
No3北原選手、No5星選手は過去にすみだに在籍した経験があります。
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ムチのようなドリブルを武器にするNo11セルジーニョ選手と、
巨漢揃いの名古屋の中で154cmの身長が一際輝くNo16中村選手。小気味良いパス&ムーブでリズムを作りました。
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名古屋を率いるアコスタ監督。
意外にもカワイイ声をしているのでアリーナで見るときは注目です。
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試合前にフェアプレー宣言を読み上げるNo4諸江選手とNo14ペドロコスタ選手。
笑いも取れるペドロコスタの日本語力が素晴らしかったです。
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負傷したNo12前純内選手のユニフォームを持つペドロコスタ選手。
前純内選手は先月、強盗事件の犯人逮捕に協力したということで名古屋市東警察署所長から感謝状を贈呈されています
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最後の砦としてすみだをシャットアウトしたNo19篠田選手。
シュートストップ、パワープレー返しに光るものがある日本代表で見たいゴレイロです。
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両チームのエース、No8太見選手、No9森岡選手
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ハーフタイムイベントの濁川さんによる威風堂々スミダイル。
フルサイズの歌&ダンスはこちら
https://www.youtube.com/watch?v=Ia7-_iYr2hU
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若干18歳で日本代表に選出されたNo11清水選手。
すみだはピヴォを育てるのが非常に上手いチーム。
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独特なドリブルで会場を沸かせたNo11セルジーニョ選手
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体調不良からか前節の大分戦を欠場した森岡選手。
前半はキレを欠いたものの後半から徐々に調子を上げ、凄みのあるプレイを連発しました。
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ディフェンスで気を吐いたNo9田村選手
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清水選手に次ぐ新鋭ピヴォ、No13青山選手。
トップチーム昇格後、印象的なプレーが続いています。
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静岡学園で活躍し、ヴィッセル神戸に3年間在籍した経験も持つNo16中村選手。日本代表。身長は154cm。
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キレのあるドリブルを連発したNo7稲葉選手。
パワープレー時のゴレイロとしても重要なオプション。
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雨の中1,636人を集めたこの日。
良い試みなので継続してほしいのですが、観客見送りの導線が防災上良くないのが気になりました(階段付近の出入り口で混雑が発生していてる)。
個人的には体育館の外でできれば一番のプロモーションになるのではと思いました。
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