2015/9/26(土) Fリーグ 第21節 墨田区総合体育館
フウガドールすみだ 1 - 3 湘南ベルマーレ
ボールが相手陣内にある場合はプレス、自陣に入ったらゾーンで固めるディフェンスを見せる湘南。
試合はおおむね湘南陣内で進み、亀になって守る湘南をすみだがボックスで囲むものの、コーナー角を取っての折り返しのプッシュ、素早いサイドチェンジからのミドルシュートといったすみだの連続攻撃を湘南がガッツリ跳ね返し、オフェンスでは強烈な右足を持つゴレイロの鈴木選手を流れの中から上げてのパワープレーを度々披露する。
前半16分。
ハーフラインからの鈴木選手の右キャノンを清家選手が弾いたところを、8月の全国ユース選手権でMVPにも輝いた若干17歳の植松選手が詰めて湘南が先制。
その後、すみだが押し込み、湘南が守る展開に終始するものの、すみだの58本ものシュートに対し湘南が辛抱強くゴールを固め、後半32分にゴレイロの鈴木選手からの単純なロングボールの崩れを安嶋選手が、同38分にはカウンターから寄せが甘くなったところを35歳の小野選手が抜け目なく加点し、戦力差のあるアウェーの戦術を見事に遂行した湘南が1-3で勝利を収めた。
試合終了後、私の側に座っていた湘南のサポーターの方に笑顔で話しかける小野選手。
日本代表のピヴォとして一時代を築き、怪我と付き合いながら現役を続け今日の試合でも攻守に奔走した彼の『これだけ長い時間出場したら明日の筋肉痛が大変だよ』と語る笑顔がとても嬉しそうだった。
試合はすみだらしい歯痒くジリジリとした濃い展開になったものの、ハーフタイムにはananの読者モデルを中心としたanan総研と、首都圏の大学のミスコン候補生によるエキシビジョンマッチというリア充感満載なイベントが待っていた(驚くべきことにミスコンチームのゴレイロはスミダイルという種族を越えたMIXチーム)。
体育館特有の初速が滑るボールに手こずる両チーム、と思いきやただひたすらボールに群がり、パスともドリブルともわからないプレーで必死に前へとボールを運び、ラインを割れば悔しそうに地団太を踏む。
2セットに分けての交代の場面では交代の指示が聞こえなかった選手がフロアに残ってしまい、6人対5人で試合が進んだりもする。
そんな5分ランニングタイムの試合はanan総研がゴール前の混戦からスミダイルの弱点である足元へのシュートを決めて勝利を収め、両チームが仲良く記念撮影をするという運びでなんとも和やかなでキャッキャウフフなフットサルは幕を閉じた。
最近はニュースを聞くことはなくなったが2000年前半から中盤にかけてモーニング娘を中心としたハロプロ勢や、小池栄子、佐藤江梨子ら当事の男性の目を釘づけにした巨乳タレントを多く抱えるイエローキャブ&サンズを中心とした女性芸能人によるフットサル大会が話題になった。
まったくの素人からスタートした彼女達は、仕事であるアイドル活動とフットサルを両立しつつ練習を重ね、人前に出て恥ずかしくないレベルの競技力と、課外活動らしからぬ喜怒哀楽溢れるホンキの表情で観客を魅了し、フットサルの聖地、駒沢体育館を満員にしている。
なんだか急に懐かしくなってしまいDVDを引っ張り出してみたが、海外サッカーのナレーションでもお馴染みのフジテレビの青嶋アナが実況を務めた当時の映像をアイドルに興味のない今の私が見てもそれなりに面白く、必ずしも競技力が集客に繋がるわけではないことを表している。
奇しくも9/26(土)は記念すべき第1回のAFC女子アジアフットサル選手権(アジアNo1の女子代表を決める大会)の決勝がマレーシアで開催され、決勝に進出した日本は男子と同じくアジアのライバルであるイランを相手に0-1で惜敗した。
AFC運営でインターネット中継されたこの一戦は回線の不具合で試合が全然見れないというフットサルファンの怨嗟が公式Youtubeのコメントに渦巻いたが、日本女子代表が前身のアジアインドアゲームズを3連覇していること、今日、初代女王を決める一戦があることを一般層で知る人はまずいなかっただろう。
試合自体もアジア初のFIFA公認国際大会の優勝に向けてのプレッシャーからかボールは支配するものの仕掛けの工夫に乏しく、見所の少ない内容に終始している(後半半ばに公開されたポゼッション率は日本71%/イラン29%)。
勝敗。競技力。知名度。人気。華やかさ。可能性。
マイナースポーツであるフットサルがブレイクするにあたって何が正解なのかは答えが出てみないとわからないが、どこかで『注目される』舞台が生まれることが全てのキッカケになるのではと思う。
そしてその舞台を見る観客に対して熱を届けることが出来るのは選手の『感情』なのではないかと思う。
すみだ VS 湘南
anan総研 VS ミスコン候補生
ハロプロ VS イエローキャブ&サンズ
日本女子代表 VS イラン女子代表
生観戦、過去の映像、ライブ動画を含め、今日一気に見た4試合で、お互いの感情が見える試合は競技力云々抜きに面白く、観客も熱狂し、それまでフットサルに興味のなかった層(ハロプロについてはアイドルに興味のなかった層)を取り込む力を持っているのではと思った。
1995年に全日本選手権が初開催。
2007年にFリーグが産声を上げ、2012年には三浦知良選手がサプライズ選出されフットサルワールドカップ史上初の決勝トーナメント進出。
振り返ればどれも注目は一過性のものだったが、競技フットサルというものが出来てまだたったの20年だ。
1年に数回、感情を揺さぶるような試合があり、時々はガッカリするニュースもあり、そんなことの積み重ねで続いた20年。
2016年に控えるコロンビアでのワールドカップと、2020年に招致を目指す名古屋でのワールドカップ。
今日のガッカリを悲観するよりも、感情を揺さぶり、フットサルの枠を越える試合とストーリーが生まれることを楽しみに30年、40年と続く明日を待ちたい。
ウォーミングアップで笑顔を見せる湘南のピヴォNo18小野選手
すみだのユルキャラ、スミダイル。クロコダイル×スミダでワニを模していることもあり背番号は82(ワニ)
Fリーグ、関東1部と好試合を演出する松井主審(右から2人目)。
フットサルの審判について色々批判もありますが、個人的には高評価です。
湘南のゴレイロ、シュートストップに優れるNo1三浦選手と、強烈な右足シュートという飛び道具を持つNo17鈴木選手。
今日の湘南は鈴木選手をチョイス。
8月のユース選手権(18歳以下の全国大会)でMVPに輝やき、18歳以下の日本代表にも選出された若干17歳の植松選手。今日はセットに入って活躍しました。
同じく18歳以下の日本代表、およびフル代表に選出されたすみだのNo11清水選手
こちらもフル代表の常連、No7稲葉選手。
秋の交通安全週間ということで墨田区本所警察署からピーポ君が登場。
会場がどよめきました。
12人中7人が丸刈りと、気合を入れる湘南。
写真外ですが指揮を執る横澤監督も丸刈り。
すみだwithピーポ君の集合写真。
カオスな一枚ですが、地元地方行政との協力体制があるのはスポーツクラブとしてプラスです。
日本代表のNo7稲葉選手、No14西谷選手
今日のすみだのゴレイロは久々に登場のNo21清家選手。Fリーグを代表するイケメン。
ハーフまで持ち上がっての強烈な右足シュートで先制点を演出した湘南のゴレイロ鈴木選手
湘南のアイコン的存在のNo7安藤選手。
左手のリストバンドにはガンと闘うチームメート、久光選手の名前と背番号(HISA 3)が書かれています
すみだのピヴォ陣。
No8太見選手、No11清水、No13青山選手
戦況を見つめる湘南横澤監督。プラン通りの試合運びが光りました。
anan総研 VS ミスコン候補生。
久々に遭遇した美女フットサル企画にややテンション上がりました。
ミスコンチームのゴレイロはスミダイル。
人+動物(?)の種族を越えた混合チーム。
スミダイルのゴールスロー。
anan総研のゴレイロはピーポ君かと思いましたが女性の方でした。
そんな当たり前のことにホッとするエキシビジョンマッチ。
スミダイルの弱点である足元へのシュートでanan総研が1-0で勝利。
試合終了後。先頭を歩くスミダイル。
仲良く記念撮影。
久しぶりにこういう企画を見ましたが、フットサルは競技力を問わず楽しめるということを思い出させてくれるいいイベントでした。
スミダイル&ピーポ君を前面に押し出しての交通安全週間のPR。
山本美月さんのポスターが若干指名手配風。
スポンサー紹介。
いつになく盛り沢山でカオスなハーフタイムイベント(褒め言葉)。
ほとんどの時間を自陣で過ごした後半の湘南。
No7安藤選手、No18小野選手が前線でポイントを作り少ないオフェンスの時間を伸ばしてすみだの気勢を削ぎました。
荒いプレイが度々話題になるNo6植松選手。
デビュー時から比べ、体も大きくなり、当たり負けする場面も少なくなっています。
能力は間違いないので良い方向に育っていってほしい選手。
今シーズン思うような活躍が出来ていないNo6宮崎選手。
長いリーチを活かした突破、抜群のポジショニングからのプッシュを期待しています。
試合終盤のタイムアウトの場面。
固める湘南、囲むすみだ。
固めから機を見ての奇襲を成功させた湘南に軍配。
湘南勝利のダンス