2015/12/27(日) 関東1部 第18節 駒沢体育館
ファイルフォックス府中 1 - 3 カフリンガ東久留米
FCmm 6 - 2 柏トーア'82
ブラックショーツ 1 - 5 リガーレ東京
ゾット早稲田 4 - 1 バルドラール浦安セグンド
勝点31のリガーレが首位、勝点28でゾットが追う形で最終節を迎えることになった関東一部。
(第3試合のリガーレが引き分け以上で優勝。リガーレが負けて最終試合のゾットが勝利の場合のみゾットが優勝)
駒沢競技場にギッシリと埋まったリガーレのサポーターが見守る中、開始33秒で守備職人の高橋選手の意表をついた左足シュートがズドンと決まってリガーレが先制。
その3分後、156cmの小山選手が綺麗に抜け出して追加点を上げるも、ブラックショーツが波状攻撃でゴチャゴチャにしたゴール前を木村選手がブチ抜いてすぐさま1-2と追いすがる。
前半から出入りの多い展開に肝を冷やしたものの、ここからリガーレがベテランの味を発揮し、相手が自陣深い位置からのリスタートの場合はプレス、ラインを破られた時はリトリートと自分達の仕事に集中する。
その後はメリハリの効いたソリッドなディフェンスでブラックショーツの得点を許さず、後半21分にはドリブルでリガーレのオフェンスにアクセントをつける麻賀選手が蹴りこんで1-3。
後半34分からのブラックショーツのパワープレーを松浦選手、岡野選手が返し、1-5の完勝で嬉しい初優勝を決めてみせた。
爆発的なスピードと強シュートの馬場選手(柏)、卓越したベーススキルでアーティスティックなプレーをピッチに描く米谷選手(ゾット)というふたりのエースに隠れがちだが、今シーズンコンスタントに得点を取り、リガーレの初優勝に貢献した岡野選手に触れたい。
昨シーズン湘南に移籍し、Fリーグに挑戦した岡野選手。
出場時間に恵まれていたとは言えないが、関東1部に復帰して得点王を獲得した今期はゴレイロが反応できずに決まる、あるいは後ろ向きに倒れて決まるゴールが散見された。
ゴレイロがシュートに備える前に打つシュートレンジの広がり、タイミングを合わさせない振り足のスピードなど、Fリーグの経験で得た、関東リーグの標準より早い仕掛けと、フィジカルの向上が相手ゴレイロを半拍出し抜くゴールに繋がっている。
馬場選手や米谷選手のような派手さはないが、前線でポイントを作り、自分の武器を考え、活かし、チームを勝利に導くゴールを堅実に重ねる姿はお見事だった。
優勝の胴上げを見守るスタンドでは選手の親御さんや、選手が教えるスクールの生徒、純粋にチームが大好きなサポーターが喜びの声を上げる。
Fリーグを含めてどのチームよりも地域密着で、よい距離感のスタンドが一体になって喜びの輪を作る光景はとても美しい。
ふと近くの席を見渡すと、いつも会場で見かける選手の親御さんと見られる方が嬉しそうに写真を撮っている。
30歳を過ぎて息子がスポーツのトップカテゴリーで優勝を決める姿を見るのはどんな気持ちだろう。
メジャー、マイナーに関わらず、選手の一番のファンは家族ではないだろうか。
年末年始、親子であの試合のあの場面はどうだったを肴に飲むお酒はとても美味しそうだし、そんなコミュニケーションが出来るのは頑張り続けた選手と、見守り続けた家族の特権だ。
仲間と優勝を喜ぶ姿と、嬉しそうにファインダーを覗く姿。
そんな親子関係を築いている彼らがなんだかとても羨ましいし、心から拍手を送りたい。
◆最終順位
リガーレ東京(優勝/地域CL出場)
ゾット早稲田(地域CL出場)
コロナFC/権田
柏トーア’82
カフリンガ東久留米
FCmm
ブラックショーツ
ファイルフォックス府中(1部2部入替戦)
バルドラール浦安セグンド(2部自動降格)
◆ベストファイブ
GK
柴田 健司(リガーレ東京)
FP
岡野 健(リガーレ東京)
馬場 和也(柏トーア'82)
米谷 悟(ゾット早稲田)
山村 和士(コロナFC/権田)
◆得点王
岡野 健(リガーレ東京)
◆最優秀監督賞
奈須 隆康(柏トーア'82)