2016/1/30(土) 国際親善試合 大阪市中央体育館
日本代表 4 - 2 コロンビア代表
2012年ワールドカップで4位に輝いたものの2日前に到着の影響かコンディションの上がらないコロンビアを、3日前の東京で3-2と一蹴した日本代表。
大阪に移っての第2ラウンドは、前半5分に素早くボールを動かしての崩しから酒井選手がプッシュして1-0。
6分に森岡選手がショートカウンターで仕掛けてのこぼれ玉を拾った吉川選手がコントロールショットを決めて2-0と加点するも、10分に若干20歳のディアスが強烈なミドルシュートをニアにブチ込んで2-1と反撃し、ビハンインドではあるものの随所に球際の強さ、厚みと柔軟性のある背中と臀部を活かしてのボールキープ、前を向いた状態での足元のテクニックなど、コロンビアが3日前とは一味違う意地を見せて前半が終了した。
東京、大阪でのコロンビアとの2連戦は、BS-TBS、NHK-BS1でそれぞれ生放送され、試合開始前に日本代表を応援するサポーターの方々の尽力のもと、大きな日本国旗がバックスタンドに掲示された。
どちらも素晴らしいことだと思うし、スタンドに揺れる日の丸をバックに威風堂々と記念撮影に臨む日本代表を見て私はただただ感動してしまった。
フットサルはマイナースポーツだが一度見に来てもらえれば魅力に気づいて貰えると語るファンや関係者は多い。
また、アリーナスポーツとして試合以外にも試合前やハーフタイムで印象的な非日常間のある演出があればという声も多く聞く。
今年のFリーグ開幕戦ではナオト・インティライミが登場して素晴らしいステージとフットサルへの想いを語ってくれたが、純粋に競技者のカッコよさや憧れ、その場の雰囲気が作り出す熱を一緒に体験したいと思えることが一番だろし、そういう場面を2日間会場で作り、TVで放送できたことにとても価値があるのではと思う。
後半は30分に同一セットで円滑にパスが回らないことにイラつきを見せた逸見選手が鬱憤を払うようなドリブルシュートを決めて3-1と再び突き放すも、32分にアンヘジョット・カロからの縦パスを再三滝田選手とやりあってきたラミレスが滝田選手の股を抜くシュートで3-2と追いすがり、36分からパワープレーを開始する。
開始からの3分間をしぶとく守る日本代表。
残り1分を切ったタイミングでカウンターから森岡選手と吉川選手がゴレイロと2対1の状況に持ち込むも、ここを防がれてのカウンター返しを防ぐために既に一枚イエローカードを貰っている吉川選手が相手のユニフォームを引っ張るファウルを選択して退場となり、ペナルティキリングで4人になった日本を5人のコロンビアが囲む。
惜しい場面を何度か作るもののシュートがバーに当たるなど、もう一歩のところでのツメが利かないコロンビア。
最後は底で捌きの役割に入ったエースのアンヘジョット・カロに小曽戸選手がガッツリ詰めてボールロストを誘うと、こぼれたボールに逸見選手が反応し、ボーリングで残った1ピンを狙うように左足インサイドでリリースされたボールはフロアを転る。
無人のゴールに近づくにつれて徐々に歓声が大きくなり、ゴールネットを揺らすと観客席は一気に盛り上がった。
土曜日の14:15キックオフの今日の試合。
観戦すれば移動を含めて1日がまるっと潰れる時間枠で来場した3,066人の観客。
試合を振り返って周囲のリアクションを思い出してみると、いわゆるフットサルとしての盛り上がるポイントを抑えた声援が上がり、歓声と拍手が飛んでいたことに気づく。
そんなフットサルが好きな人達が作った試合と試合会場。
サポーターの方々が尽力してくれた国旗の掲示という非日常感と、選手が体を張った横綱相撲から最後は自作自演気味のスラップスティック・コメディに移行しつつのハッピーエンド。
初めてフットサルをTVで目にする人、試合会場に見に来た人。
そのどちらに対しても競技の面白さ、競技以外の非日常感を十分にプレゼンテートできる1日だったのではないだろうか。
残念なのはこれだけの人達が力を注いでくれる日本代表の試合が、これまで国内で毎年2戦しかなかったことだ。
強く魅力的な日本代表からの競技力、観客数、人気といったポジティブなシャワー効果は間違いなくあるはずで、ホーム&アウェーの2回戦(現在はセントラルを加えた3回戦)にするなど、チーム数も増え、カレンダーに開催日と開催地を無理矢理に詰め込んだようなFリーグの日程を見直してでも、日本代表の試合をなんとか増やしてほしいと思う。
自分たちが好きなもの、力を入れているものを知ってもらえる機会は決して多くはない。
フットサルにとってベストな機会はFリーグでもオーシャンカップでも全日本でもなく、間違いなく日本代表とワールドカップだ。
2/10(水)~2/21(日)にウズベキスタンで行われるワールドカップ予選を兼ねたAFCフットサル選手権も嬉しいことにBS、CSでの生中継が決定した。
2011年のワールドカップで決勝トーナメントを勝ち進み、結果と話題でBSから地上派放送に移行し、人気を掴んだなでしこジャパンのように、2月の予選、9月のワールドカップ本戦までを見据え、チャンスの芽を大きく育ててほしい。
◆AFCフットサル選手権2016(グループリーグ放送日程 リーグ後の決勝トーナメントにて上位5チームがワールドカップ出場権を獲得)
2012年ワールドカップで4位に輝いたコロンビアとの2戦目。会場の大阪市中央体育館。
座席のクッションが効いたストレスのない会場。
柔和な表情でウォーミングアップを見つめるミゲル・ロドリゴ日本代表監督。
小森通訳兼コーチ+3名のゴレイロで2人組を2組作ってのウォーミングアップ。
14人登録でゴレイロを3選手選出するのには、アクシデント対策と、質の高いトレーニングを行う目的があります。
東京での1戦目では出場機会がなかった中村(右)と、代表公式戦デビューでそつのない動きを見せた18歳の清水(左)。
中村は大阪では出場時間に恵まれ所属の名古屋セットでの好連携を期待されたものの、両者ともAFCのメンバーからは落選。
2戦目では出番がなかったものの、おそらくゴレイロのファーストチョイスになる関口選手。
名古屋からポルトガルの名門、ベンフィカへ移籍し、23歳で主力として活躍する逸見選手。
2012年ワールドカップでは寸前でのメンバー落選。
4年間で代名詞のドリブルだけでなく、攻守とも総合力が高い選手に成長した仁部屋選手。
国旗の掲示の準備をするサポーターの皆様
選手入場
右からコロンビアの1点目を上げたNo2ディアス。20歳ながら体の強さと右足のパンチ力がお見事。
今日も好守を連発したNo1ゴレイロのニャニェス。
コンディションも戻り、華麗なテクニックを随所に見せたNo10アンヘジョット・カロ。
ゴール前で体を張り、2点目を上げたNo11ラミレス。
ずんぐりとした体躯からゲームをコントロールしてみせるNo9レジェス
国旗の掲示。とても素晴らしい光景でした。
第2戦のゴレイロはベテランの藤原選手
フリーキックからゴールを狙うアンヘジョット・カロ。
今日はまずまずの出来。
第1戦に続き好守を連発したNo1ゴレイロのニャニェス。
攻撃を牽引するNo7逸見選手と、No9森岡選手。
AFCでも間違いなく日本の浮沈を左右する二人。
気合の入ったディフェンスが光った滝田選手。
代表ではディフェンスだけでなく、展開力のあるパス、前線にあがって受ける動きも光ります。
滝田選手と酒井選手の2枚のフィクソと合わせ、攻守の要となるアラ・フィクソのNo5吉川選手と、No14西谷選手。
どのセットでもそつなく合わせる吉川選手、西谷選手の充実振りは出色でした。
高い位置でポイントを作り、コロンビアディフェンスを引き付けるNo16清水選手。
惜しくもAFCのメンバーからは漏れたものの、今後の日本代表を牽引する選手になるはず
観客の拍手に応える試合後のコロンビア代表。
最後まで会場を沸かせる好チームでした。
ヒーローインタビューを笑顔で見つめるミゲル・ロドリゴ日本代表監督。
ワールドカップ予選を兼ねたAFCフットサル選手権はウズベキスタンで2/10(水)~2/21(日)で開催されます。