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Futsal Philosophy (フットサル・フィロソフィー)

2016年11月

27 11月

2016/11/3~11/27 全日本選手権東京都大会 『ベテラン達の原点回帰』

2016/11/3(祝・木) 全日本選手権東京都大会プレーオフ Aグループ決勝 滝野川体育館
闘魂 3(2PK0)3 世田谷フットサルクラブ
 
2016/11/5(土) 全日本選手権東京都大会 1回戦 葛飾区水元スポーツセンター
闘魂 4-3 BRBタランタスFC

2016/11/27(日) 全日本選手権東京都大会 準決勝 葛飾区総合スポーツセンター
ASVペスカドーラ町田アスピランチ 1-10 闘魂

フットサル秋の風物詩になった感のある、全日本予選闘魂劇場。

民間施設を舞台にした4試合の予選を勝ち抜き、東京都予選への出場を賭けたプレーオフに進出。

プレーオフ1回戦ではカウンターから20メートルを迫力のあるドリブルで運んだ稲田選手のシュートパスを川股選手が押し込んだゴールを守り抜き美少年倶楽部(東京都1部)を0-1で退ける。

2回戦では世田谷フットサルクラブ(東京都1部)を相手に1-3と窮地に立たされるも、終盤に敢行したパワープレーの右角に入った岩田選手の好判断から得点を重ねて3-3に追いつき、PK戦では石渡選手がイランチーム相手の関口選手もかくやという神がかった活躍で2本連続でストップ。
闘魂は会田選手、岩田選手が連続して成功させ、見事東京都予選本戦に進出した。

本戦の初戦は昨年の東京都予選プレーオフで敗れたBRB(関東2部)。
こちらはBRBが先行して闘魂が追いつくシーソーゲーム。

終盤に2-3とリードを奪われるも、相手が時間を削りにきたクアトロの位置が高くなったところを北選手がいい体制でカット。
北選手のパスを稲田選手が強気のトラップで一気に前に持ち出してゴレイロとの1対1に持ち込むと、これを鬼ががかったコントロールショットで沈めて3-3の同点に追いつくと闘魂が完全にイケイケ。
勢いに乗った縦への攻めでBRBを押し込み、エリア外で手を使ってゴレイロが退場になって得たフリーキックを川股選手が豪快に決めて奇跡的な快進撃となった昨年の結果を今年はひとつ更新して見せた。

あと一勝で来年1月の関東予選出場となった町田アスピランチ(東京都1部/Fリーグ町田のサテライトチーム)戦はチームの座長の難波田選手がケガにより欠場。
大黒柱を欠いたチームは抜群の練度と機敏なステップワークを持つ町田クアトロ青年団の対応に四苦八苦することになる。

体と頭を疲れさせたところにセットプレーやマークのズレなど注意力を欠いたミスを突かれて前半を0-2で終え、後半0-4とされると10分以上を残してパワープレーにチャレンジ。

快進撃を見せたオヤジ達の実力を現役時代を知る小川監督から口を酸っぱく説かれたであろう若者たちが最後まで刀を止めずに、終わってみればパワープレー返しを連続で成功させ1-10までスコアが進む。
スコア的にも内容的にも、かつてフットサル黎明期の主役となったベテラン達が次代の主役候補達からオヤジ狩りをされた格好になったが、フットサルに未来を夢見るかつての自分たちを想起させる若者たちに介錯されるなら彼らも本望だろう。


東京都3部というカテゴリーながら破格の存在感を見せるゴレイロの石渡選手がゴールに鍵を掛け、稲田選手、川股選手らの強力なフィジカルを持つピヴォへスローで預けて前線で起点を作る。
プレス回避や4人の組織的なムーブによる押し上げというものを破棄し、後方からのロングボールを巧みなトラップで収め、落としや豪快な振り向きシュートでゴールに迫るスタイルは迫力十分で、唯一無二の決戦兵器として相手チームをヒヤヒヤさせ抜群の結果も残した。

・直近のAFCを2連覇。
アジア最高峰の『フットサル』の完成度を持ち、史上最強と謳われた日本代表がハーフからのマンツーマンとカウンターという愚直な武器に賭けたベトナム代表にノックアウトされた。
・バーモントカップでは決勝戦でロングボールを多用して優勝したセンアーノ神戸Jrの戦い方に警鐘を鳴らす声が溢れた。
・168cmの小さな大ゴレイロ、サルミエントを擁し、個の守備力と攻守の切り替えの速さ、手数をかけずにゴールへ迫る意識の高い攻めで、フットサルとしての完成度の高いロシアを撃破しフットサルワールドカップを制したアルゼンチン。

理想や各年代に適したスタイルというものは勿論あるし、日本は正しいプロセスを踏んだかというところに傾倒しがちだが、勝負の世界で最重要とすべきは結果なのではないだろうか。

闘魂を簡単に紹介するなら元日本代表、Fリーガーが休日に集まり、練習なしのブツけ本番で試合に臨むという破天荒な集団だ。
 
練習をしないチームに各競技系チームが負けることがふがいないという見方もあるが、フットサルでのゴレイロの重要さとピヴォにボールが収まることの優位性(相手がサンドに来ることでのマークのズレ/相手が後ろ向きに対応し、自チームが前向きでプレーできるようになる)など、誰もが初めに教えられるが『フットサルらしさ』を追求するうちに忘れてしまいがちなものの重要さを一番表現していたチームだろう。

1-3/0-4/2-2/1-1-2といったフォーメーションや、ピヴォ、クアトロなどのオフェンスの基本形。
その他、2人、3人の関係でのプレーにはスペイン語やポルトガル語の名称が付けられ、勿体ぶって語られるものの、本質はずっとシンプルでフットサルは5人対5人で相手のゴールにボールを入れた方が勝つという単純明快なスポーツであることを忘れてはいけない。

町田戦ではパワープレーが実らず点差が開いていく展開に業を煮やした稲田選手が相手のパワープレー返しのロングシュートを両手で払って退場になる。
現役時代は喜怒哀楽の『怒』を前面に出したフットサル界の元祖闘将である難波田選手が、その光景を見て笑顔を浮かべて稲田選手を迎えるという場面があった。

競技を知るほど数センチのズレや体の向きにこだわり、効率や正統性を証明し、表現することに重きを置きがちだが、ワンプレーに喜怒哀楽を表現できるのはプレイヤーの特権だろう。
退場の場面では(フェアプレー云々はさておき)大勢が決まった試合で日本代表として、Fリーガーとして国内外の強敵とシノギを削りつつも、半ばリタイヤしている名選手がひとまわり下の選手を相手にムキになれるということに少々感動してしまったし、おそらく難波田選手もそんな気持ちだったのではないだろうか。

・1対1の激しさ/強さ
・ゴレイロとピヴォの重要性
・個々人の喜怒哀楽を含めたチームワーク

今年のワールドカップでスペインやロシアに欠けていて、なんとなくイメージしていた『フットサル』ではなかったものの優勝したアルゼンチンに備わっていた(強烈なピヴォは不在だったが)のは上記の3つだろう。
皮肉だがAFCで敗れた日本代表を含め、競技のレベルが上がり、戦術や再現度の高い連動性で相手を崩すことに習熟した『チーム』になるにつれ薄れていってしまうものなのではとも思う。

やれることが増えたから勝てるわけでもなく、武器が少なくても結果は出せ、勝負の世界であれば結果を出した者が一番偉い。
そして結果の前ではプロセスの論争は陳腐だ。

そんな痛快で当たり前のことを教えてくれた風物詩は関東大会目前で幕となったが、一線を退いたベテランたちが示した原点回帰に心から拍手を送りたい。

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フィクソが揃って良かったぜー!!
という声が聞こえてきそうなチームのバランサー、キャプテンマークを巻く会田選手。
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180cmのサイズを活かしロングボールをことごとく胸トラップで収める驚異のピヴォとして闘魂のオフェンスを牽引。
浦安で活躍した川股選手。
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攻守に光ったいぶし銀。
損益分岐点を抑え、BRB戦でお見事な活躍を見せた北選手。
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1-3から同点に追いついた世田谷フットサル戦で光った好判断。
パワープレーでポジションを取る右奥から抜群の機転で2得点を呼び込んだ岩田選手。 
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貴重なドリブラーのアラ、Fリーグで活躍した橋本選手。
吸いつくようなドリブルと食いついてから一瞬で相手と入れ替わるダブルタッチは健在。 
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動けないチームなだけに各自の意思疎通が大事とばかりに、ハーフタイム、タイムアウト、出番を待つ間にボードを手にコミュニケーション。
省エネが勝利の必須要件のベテランチームの生命線。
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パワープレーの場面ではゴレイロを石渡選手から坂口選手へチェンジ。
難波田選手もゴレイロユニフォームに着替えてのスリーショット。
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PK職人石渡選手を中心に歓喜の舞い。
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左右両足を起用に使い、高いフットサルIQと意表を突くプレーで闘魂を追い詰めた世田谷フットサルの菅原選手。
各カテゴリーで異彩を放つタレントを見れることも全日本予選の楽しみのひとつ。
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町田アスピランチ期待の新人。
若干18歳にして抜群のテクニックとパンチ力のあるシュートを持ち、U19代表にも選出される中村選手。
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闘魂戦で先制点を挙げた19歳の伊藤選手。
タイランド5で日本代表として3戦を戦い、プレスからのシュートでも存在感を発揮。
その後も継続して選ばれておりトップカテゴリーでも期待大。
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168cm/95kgでニックネームは長州。
ファニーなプロフィールながら俊敏な飛び出しも見せ、抜群の肩で前線にスローを投げ込む水谷選手。
見るほどにレベルの高さがうかがえる好タレント。
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東京都1部らしからぬ完成度を見せるクアトロと、よくコントロールされた攻守。
結果と若手育成両面でチームに貢献する名伯楽、町田アスピランチを率いる小川監督。

18 11月

2016/11/18(金) Fリーグ第20節 大田区総合体育館『オラが街のフットサルチーム』

2016/11/18(金) Fリーグ第20節 大田区総合体育館
フウガドールすみだ 4 - 5 ペスカドーラ町田

度々府中のホームの郷土の森に観戦に行くが、最寄駅から徒歩15分程度の立地にも関わらず、Fリーグに1チーム(府中AFC)/関東1部に1チーム(ファイルフォックス府中)/関東2部に2チーム(FUTURO/府中AFCサテライト)を送り込む『フットサルの街』の名前に違わず客入りは上々で、試合終了後、郷土の森から仲間と連れ立って徒歩や自転車で試合結果を語りながら三々五々家路に着く光景が非常に羨ましかった。
 
全国から12チームが参戦するFリーグだが、家から電車を乗り継いで贔屓のチームの応援することはあっても『オラの街のフットサルチーム』を肌で実感できることは少ないだろう。

今シーズンのFリーグのカレンダーで楽しみにしていたのが11月18日の金曜日、19:00キックオフのすみだ対町田だ。
 
トランジション攻撃だけでなく遅攻も見につけて地力を増したすみだと、全日本選手権を制しFリーグを代表するエースの森岡選手も加入した町田の対戦という競技面の魅力ももちろんだが、最大の理由は会場の大田区総合体育館は私の職場から近く、家からも徒歩で行ける圏内だということで疑似的であれ『オラの街のフットサルチーム』を感じることができそうだったからだ。

せっかくの機会なので職場の友人を観戦に誘い、早々に仕事を切り上げて一旦帰宅。
会場時刻に合わせて自転車で会場に向かい、人数分の席を確保してから物販を物色する。
スーツで来ていることもあり、すみだの須賀監督が着用するチームネクタイを購入しコスプレ気分で観戦するも、町田が森岡選手の個の能力を活かしてスコアメークする展開で結果は4-5でホームのすみだが敗れた。

今日に関してはこの場所で1,697人の観客と試合を見つめたことが重要で試合の分析や試合結果は正直どうでもいいだろう。

試合後、最寄駅の梅屋敷ぷらもーる商店街をぶらつき、メニューを開こうとすると油で引っ付いたページがピリピリ鳴るような地元感溢れる中華料理屋の瓶ビールでつまみを囲む。
試合の感想云々は3分とかからず終わり、その後は仕事やなんやかんやの近況報告をしつつほどよく出来上がったところで徒歩なり自転車なりで三々五々家路に着く。

どのチームのメインアリーナでもなく過去には府中もホームゲームを開催し、来年開催があるかもわからない大田区総合体育館でのフットサル観戦だったが『オラの街のフットサルチーム』みたいなものを体験をさせてもらえたなんとも幸せな日だった。


今シーズン、Fリーグの客足はすこぶる鈍い。
 
12チームが6試合をこなす1節で1,000人を越える試合が過半数を切ることがザラで500人代の客入りにも驚かなくなってきた。

第19節に至っては、

①神戸 6-0 北海道:グリーンアリーナ神戸(観客数 489人)11/12(土)15:00
②仙台 3-6 府中:塩釜ガス体育館(観客数 512人)11/12(土)15:00
③大分 2-4 すみだ:べっぷアリーナ(観客数 536人)11/13(日)13:00
④名古屋 2-4 大阪:テバオーシャンアリーナ(観客数 1,526人)11/13(日)14:00
⑤湘南 8-1 浦安:小田原アリーナ(観客数 640人)11/13(日)16:00
⑥町田 3-1 浜松:町田市立総合体育館(観客数 818人)11/14(月)19:00開始
※対戦カード:会場(観客数)開催日時

と1試合あたり平均753人という観客数で『一度試合を見に来てくれれば魅力はわかってもらえる』や『次の試合も頑張りますのでまた応援お願いします』と語る関係者や選手の声も空しいものがある結果になった。

各チームとも開催会場近辺の学校や、ジュニアカテゴリーのサッカーチーム、イヤースポンサーやマッチスポンサーを招待客として多く入れて集客策を練り、リーグへの報告書やスポンサー訴求に向けて数字の体裁を揃えようとしているが一番大事にしてほしいのは正規の金額を払って会場に来る観客だ。

スタンド席に比べて高額のアリーナ席の半分に招待客を入れたり、スタンド中央を含む広大なスペースを関係者席にしたりといった光景をまま目にするが、本来この場所はコアなリピーターがお金を出して座りたい場所だろう。
 
目の肥えていない招待客はフロアと同レベルの視点より、高い位置から見下ろした方が町田の定刻運転を刻む山手線のようなクアトロや、すみだのキビキビとしたトランジションを楽しめるだろうし、関係者と言われる人たちも業務の特性上記録員の方が中央最前列に座る必要はあるものの、それ以外の数名のために必要な席数は人数分を確保できれば十分なはずだ。

入場ゲートを越え、アリーナに入って初めに見る場所は人によって変わる。
 
コアなリピーターであれば自分が好きな観戦場所を探すし、ビギナーであればアリーナ全体を見て雰囲気を楽しみたいのではないだろうか。
招待客でアリーナ席に座れないことも、アリーナ中央にだだっ広い空席が空いていることもどちらも公平ではないだろうし、会場に足を運ぶにつれ段々と疑問に感じていくものだ。

客数が伸びないFリーグだが個人的にはスタンド席(1,500~2,500円程)とアリーナ席(2,000~3,500円程)の席種しかないことが不満だ。
 
スタンド/アリーナという大まかなゾーン指定の中から招待席や関係者席でない場所に座るというのがFリーグの会場のお作法だが、良席は開場時間より何分も前から待機列に並べる人たちに負けてしまうし、そもそも絶対数が少ない。
 
自分だけの裁量で何ともしがたい不都合があるならいっそお金で解決してしまいたいし、試験的にスタンド/アリーナの一部に指定席エリアや、選手のメッセージカード/グッツ付きのもう1グレード上の席種を作って売れ行きや反応を見てみてほしいとも思う。

目に見えて客足の鈍化が進むFリーグだが、前述の第19節は正直ぶったまげた。

実力は西高東低ながら人気は東高西低といった印象で実際にチケットの細分化をして納得感がありそうなチームは半分にも満たなそうだが、無いなりの見栄を張ってプレミアム感を演出してみせるのもトップリーグの気概ではとも思う。

少なくとも招待客で埋まったアリーナと、だだ広い関係者席は観ていてあまり気持ちのいいものではない。

サッカー協会の後援会特典での入場が今年から厳格になったことに不満の声も聞こえるが、協会の規定に謳っているとおり毅然とキッチリと先着30名の運営を守ればいいだけの話だろう。
 
長くなったがフルフェアのチケット料金を払っている人を一番に大事にしてほしいし、さらに言うならフルフェアのチケットを買って会場に来る人には新たな楽しみも創出してほしい。
Fリーグは前者もさることながら、後者の取組が圧倒的に不足している。

なくても一向に構わないし、それでもリーグは細々と続いていくのだろうが、トップリーグであればファンにとって特別な存在であってほしい。

例えばオーシャンアリーナのメインスタンド最上段に座って天下人気分で観戦という体験に値段がつくならマニアにとってはなんとも興味がそそられる話だ。
どこになるかはわからないが5桁のお値段でそれに似合った価値を提供するチケットを売り出すチームが現われることをヒッソリと期待している。
 
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須賀監督が身に着けるすみだオフィシャルネクタイはこちら
レプリカを着ての観戦に飽きたら、スーツにネクタイの観戦スタイルはいかがでしょうか。
前半はジャケット着用→後半は脱いででなりきっていきましょう。
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0-2から2-2に追いつかれてからのゲームプランで『我慢』の一手。
辛抱に応えた選手たちは見事2-4にしてからのパワープレー返しで4-5の勝利。
渋みを利かしたスーツ姿が絵になる町田の岡山監督。
ちょっといいスーツがほしくなる金曜日ナイターゲームの主役のふたり。 
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すみだのゴレイロは前節4連敗をストップした清家選手。
ベンチからは前半戦の快進撃を続けた大黒選手が出場機会を狙う。
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後半40分にブザービートの4点目を挙げた稲葉選手。
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抜群のテクニックと愛らしい笑顔で会場人気抜群のボラ。
2-3とされてからの満を持しての登場も、個の能力を武器とする町田のセットに置いて行かれて失点の一因に。
出さないのではなく出せない、オフェンスのベネフィットとディフェンスのリスクの判断は今後も続きそう。
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すみだの看板ピヴォの太見選手&清水選手。
内容は悪くないだけに今は我慢の時期か。
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ピッチ上でタクトを振るう諸江選手。
森岡選手とのデュエルでは後れを取ったが、こういうリスク度外視の1vs1の斬り合いにもトップリーグの醍醐味があるのでは?
同じ局面ではゼヒリベンジマッチを仕掛けてほしい。
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日根野谷/横江/森岡/室田のセットは森岡選手のアイソレーションの仕掛けからファー詰めとこぼれを狙うシンプルな組み立て。
負傷の金山選手から受け取ったキャプテンマークを巻く日根野谷選手にビックリしつつもなかなかお似合い。
キャプテンの立場でフロアに立つ時間は大きな選手になるための貴重な経験になるはずだ。 
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度々マイナーチェンジするヒゲがトレードマーク。
イゴールの代役とは言わせない活躍を見せる町田のゴレイロ、小野寺選手。
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ドリブルでのプレス回避を選択した諸江選手との1VS1からボールを奪ってズドン、ドリブルで相手を外してのシュートパスでアシストと1ゴール2アシストの森岡選手。
フロアに立った金狼の圧力はまだまだ健在。
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町田らしいクアトロ環状線を披露する本田/滝田/宮崎/原が個の力を全面に出した裏セットへのライバル心を見せる。
溌剌としたプレス&狭いスペースで高い技術を披露する原選手(下/左)が2-2から均衡を破る3点目をゲット。
3 11月

2016/11/3(祝) Fリーグ第17節 墨田区総合体育館 『2試合目』

2016/11/3(祝) Fリーグ第17節 墨田区総合体育館
フウガドールすみだ 2 - 3 名古屋オーシャンズ

堂本光一ファンの知り合いが2000年から毎年帝国劇場で上映されるSHOCKシリーズを見に行っているらしい。

年度毎にストーリーは異なるものの、毎年序盤、中盤、終盤で3公演を見たいとのことで、理由は『演劇は生き物で、制作側が観客のリアクションや演者の嗅覚を頼りに演出は変わっていくし、初回と千秋楽は別物でその変化や理由を考えながら見るのが楽しい』とのことだった。
 
光一ラブが根底にありつつ、観客のリアクションを見てより良いものを提供しようとする演劇のキモを理解している熱心なファンだなー、と思ったが演劇の楽しみ方としてはそれが王道なのだろう。

Fリーグベストバウトに間違いなくノミネートされる9/3(土)小田原セントラルでの5-5のドローから2ヵ月。
場所をすみだのホーム、墨田区総合体育館に移してのすみだVS名古屋の今シーズン2試合目は前回と同じく前プレとプレス回避、ボールを奪取してのトランジション、定位置攻撃(プレスを回避して相手陣内に押し込んだ状態からの攻守)のそれぞれに見応えがあり、ミスが少ないハイクオリティーな首位攻防戦になった。

セルジーニョ選手の驚異的な粘りから星選手が決めて名古屋が先制も、ワールドカップ中断明けから出場時間を伸ばす新加入の左利きのアラの山村選手が見事な左足ミドルで同点に追いついて前半を折り返す。
 
後半は前鈍内選手とシンビーニャ選手が強烈に蹴り込んで1-3と名古屋が突き放す。
質量ともに十分な名古屋の前プレに手詰まりとなったすみだだったが、稲葉選手がキックインか
ら中央へ速いボールを送り、掻き出そうとした名古屋ディフェンスに当たってのオウンゴールを誘発し2-3。

その後は濃厚な鍔迫り合いが続くもスコアは動くことなくゲームセット。
すみだの内容も悪くはなかったが、星/安藤/サカイ兄弟らの頑強なフィクソ、橋本選手を筆頭にしたフロントラインのプレスの練度が高く、ベンチでメンバーに激を送り緩みを許さない監督のペドロコスタを含め1点差を集中力十分にシャットアウトして見せる名古屋のプロチームらしいクオリティの高さが際立った。

個人的には見終わった後にクタクタになるほど緊張感を要求される充実した内容だったが、興業としてはミスが少ないゆえに派手なプレーが少なく非常に地味とも感じたし、1,875人の観客を集めて立ち見も出た90分のショータイムを会場がどれだけ楽しめたのかが少し気になった。


何を持って観客が楽しいと感じるのか、楽しいと感じるものを提供できるかはプロスポーツとして避けては通れない命題だと思う。
 
地上波の露出も少なく、専門誌以外で取り上げられることのないFリーグの初観戦のキッカケは(サッカー/フットサルをプレーしている人が)競技の参考にだったり、なんらかの要因で競技そのものが好き、関係者/友人に誘われてというところだろうが、一見さんだけでは到底達成できない1,875人を呼び込んだ2度目ましてのキッカケはなんだろうか。

F1や大相撲は競技をやったことがない観客がほぼ100%というプロスポーツだが、F1は1日に7、8万人の観客を集め、大相撲は15日間の大半が大入りになることも珍しくない。
『カープ女子』という言葉で沸いた2016年のプロ野球だが女子の硬式野球部がある高校は全国で20校ほどだ(注:全国高等学校女子硬式野球連盟)。

見るよりやるスポーツという側面が強いフットサルだが、上記はフットサルとは逆にやるより見るスポーツで、明確に『自分がやる』以外のファクターが万単位の観客を呼んでいる。
そこには競技の参考にという要素は皆無であり、みんなで共通の演目を見るという一体感や、迫真のファインプレーに期待しつつ贔屓のチームや選手を応援するという雰囲気に惹きつけられている人が多いのだろう。

『一度見てくれれば面白さはわかるのでフットサルを見に来てほしい』という人は多いが、観客が定着するかに必要なのは試合が面白いかとはまた別の話なではないだろうか。

あるに越したことはないし、当然あってほしいがリーグの魅力が試合だけである必要はまったくない。
 
どちらかというと会場の雰囲気作りや盛り上げ方、グッズや席種のプレミアム感や、選手との交流といった体験に価値を見出せるかが集客のカギだと思うし、私はあまり好きではないがすみだのストリート感のあるキャップやパーカー(やる層を意識してプラ素材にしておらずタウンユースでもなかなかのクオリティ)というグッズ展開や、試合後の入口での選手のお見送りは毎回出入り口が混雑するが導線上必ず目にすることになり非日常感の演出としては二重丸だろう。
 
会場でレプリカやグッツを身に着けている人が多いのも見逃せない点で、墨田区総合体育館に来るお客さんが試合そのもの以外も楽しんでいるのが非常によくわかる。

カリスマ指導者と資金力を得てPRも上手くいきスタートダッシュに成功したBリーグが羨ましいという話を度々目にするが、こと集客に関しては何が面白いかを『フットサルの試合』と定義しがちなところがFリーグの失敗だと思うし、Bリーグと比較すべきは試合以外のクオリティだ。

F1、大相撲、野球、はては演劇と比べフットサルは歴史が浅い。

演目に対する楽しみ方に関する文献や共通知が熟成されておらず、ゴールシーンやカウンター合戦以外に沸くというのは少ないのではと思うし、攻守の切り替え後に、定位置攻撃というメインストーリーがあり、セットプレーとパワープレーという局面切り出し型のスピンオフというのがゲームの構造だが、そういった競技本来の魅力が集客に直結するのはもう少し時間がかかるのではと思う。

無料券の配布や地元少年サッカーチームの招待など一見さんへの誘導は各チームそれなりにノウハウはあるだろう。
純粋に競技そのものを愛好するマニアやライト層が共存しているのがプロスポーツを取り巻く環境だと思うし、Fリーグがリーグを挙げて考えるべきは2試合目に足を運んでくれるライト層に対する施策なのではと思う。

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試合前のアップでは無邪気な笑顔も、徐々に男の表情になる名古屋の22歳信号機トリオ(青:齋藤選手。黄:八木選手。赤:橋本選手)。
橋本選手は赤信号らしくすみだの攻撃を寸断するプレスマシーンとしての役割を牽引。
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最近増えてきた清水/西谷/渡井の組み合わせに入って先発出場のNo2山村選手。
オフェンスの変化を期待されての左利きのアラは見事なミドルシュートで同点弾。
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フットサルの華のひとつ、フィクソVSピヴォ。
星VSボラと諸江&渡井VSシンビーニャ。
名古屋は本職フィクソの安藤選手をピヴォに入れるオプションも非常に厄介。
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口髭&スーツでダンディにキメたペドロコスタが『勝てるとか思ってるヤツはシバくぞ!!』とばかりにタイムアウトで選手を一喝。
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タイムアウト時にボードを観客席に見えるよう、選手を座らせて指示を送る須賀監督。
北風と太陽のような両チームの監督を見ながら一緒に戦っている感覚を体験できるのもアリーナ席の魅力。

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