2016/11/3(祝・木) 全日本選手権東京都大会プレーオフ Aグループ決勝 滝野川体育館
闘魂 3(2PK0)3 世田谷フットサルクラブ
2016/11/5(土) 全日本選手権東京都大会 1回戦 葛飾区水元スポーツセンター
闘魂 4-3 BRBタランタスFC
2016/11/27(日) 全日本選手権東京都大会 準決勝 葛飾区総合スポーツセンター
ASVペスカドーラ町田アスピランチ 1-10 闘魂
フットサル秋の風物詩になった感のある、全日本予選闘魂劇場。
民間施設を舞台にした4試合の予選を勝ち抜き、東京都予選への出場を賭けたプレーオフに進出。
プレーオフ1回戦ではカウンターから20メートルを迫力のあるドリブルで運んだ稲田選手のシュートパスを川股選手が押し込んだゴールを守り抜き美少年倶楽部(東京都1部)を0-1で退ける。
2回戦では世田谷フットサルクラブ(東京都1部)を相手に1-3と窮地に立たされるも、終盤に敢行したパワープレーの右角に入った岩田選手の好判断から得点を重ねて3-3に追いつき、PK戦では石渡選手がイランチーム相手の関口選手もかくやという神がかった活躍で2本連続でストップ。
闘魂は会田選手、岩田選手が連続して成功させ、見事東京都予選本戦に進出した。
本戦の初戦は昨年の東京都予選プレーオフで敗れたBRB(関東2部)。
こちらはBRBが先行して闘魂が追いつくシーソーゲーム。
こちらはBRBが先行して闘魂が追いつくシーソーゲーム。
終盤に2-3とリードを奪われるも、相手が時間を削りにきたクアトロの位置が高くなったところを北選手がいい体制でカット。
北選手のパスを稲田選手が強気のトラップで一気に前に持ち出してゴレイロとの1対1に持ち込むと、これを鬼ががかったコントロールショットで沈めて3-3の同点に追いつくと闘魂が完全にイケイケ。
勢いに乗った縦への攻めでBRBを押し込み、エリア外で手を使ってゴレイロが退場になって得たフリーキックを川股選手が豪快に決めて奇跡的な快進撃となった昨年の結果を今年はひとつ更新して見せた。
あと一勝で来年1月の関東予選出場となった町田アスピランチ(東京都1部/Fリーグ町田のサテライトチーム)戦はチームの座長の難波田選手がケガにより欠場。
大黒柱を欠いたチームは抜群の練度と機敏なステップワークを持つ町田クアトロ青年団の対応に四苦八苦することになる。
体と頭を疲れさせたところにセットプレーやマークのズレなど注意力を欠いたミスを突かれて前半を0-2で終え、後半0-4とされると10分以上を残してパワープレーにチャレンジ。
快進撃を見せたオヤジ達の実力を現役時代を知る小川監督から口を酸っぱく説かれたであろう若者たちが最後まで刀を止めずに、終わってみればパワープレー返しを連続で成功させ1-10までスコアが進む。
スコア的にも内容的にも、かつてフットサル黎明期の主役となったベテラン達が次代の主役候補達からオヤジ狩りをされた格好になったが、フットサルに未来を夢見るかつての自分たちを想起させる若者たちに介錯されるなら彼らも本望だろう。
東京都3部というカテゴリーながら破格の存在感を見せるゴレイロの石渡選手がゴールに鍵を掛け、稲田選手、川股選手らの強力なフィジカルを持つピヴォへスローで預けて前線で起点を作る。
プレス回避や4人の組織的なムーブによる押し上げというものを破棄し、後方からのロングボールを巧みなトラップで収め、落としや豪快な振り向きシュートでゴールに迫るスタイルは迫力十分で、唯一無二の決戦兵器として相手チームをヒヤヒヤさせ抜群の結果も残した。
プレス回避や4人の組織的なムーブによる押し上げというものを破棄し、後方からのロングボールを巧みなトラップで収め、落としや豪快な振り向きシュートでゴールに迫るスタイルは迫力十分で、唯一無二の決戦兵器として相手チームをヒヤヒヤさせ抜群の結果も残した。
・直近のAFCを2連覇。
アジア最高峰の『フットサル』の完成度を持ち、史上最強と謳われた日本代表がハーフからのマンツーマンとカウンターという愚直な武器に賭けたベトナム代表にノックアウトされた。
アジア最高峰の『フットサル』の完成度を持ち、史上最強と謳われた日本代表がハーフからのマンツーマンとカウンターという愚直な武器に賭けたベトナム代表にノックアウトされた。
・バーモントカップでは決勝戦でロングボールを多用して優勝したセンアーノ神戸Jrの戦い方に警鐘を鳴らす声が溢れた。
・168cmの小さな大ゴレイロ、サルミエントを擁し、個の守備力と攻守の切り替えの速さ、手数をかけずにゴールへ迫る意識の高い攻めで、フットサルとしての完成度の高いロシアを撃破しフットサルワールドカップを制したアルゼンチン。
理想や各年代に適したスタイルというものは勿論あるし、日本は正しいプロセスを踏んだかというところに傾倒しがちだが、勝負の世界で最重要とすべきは結果なのではないだろうか。
闘魂を簡単に紹介するなら元日本代表、Fリーガーが休日に集まり、練習なしのブツけ本番で試合に臨むという破天荒な集団だ。
練習をしないチームに各競技系チームが負けることがふがいないという見方もあるが、フットサルでのゴレイロの重要さとピヴォにボールが収まることの優位性(相手がサンドに来ることでのマークのズレ/相手が後ろ向きに対応し、自チームが前向きでプレーできるようになる)など、誰もが初めに教えられるが『フットサルらしさ』を追求するうちに忘れてしまいがちなものの重要さを一番表現していたチームだろう。
1-3/0-4/2-2/1-1-2といったフォーメーションや、ピヴォ、クアトロなどのオフェンスの基本形。
その他、2人、3人の関係でのプレーにはスペイン語やポルトガル語の名称が付けられ、勿体ぶって語られるものの、本質はずっとシンプルでフットサルは5人対5人で相手のゴールにボールを入れた方が勝つという単純明快なスポーツであることを忘れてはいけない。
町田戦ではパワープレーが実らず点差が開いていく展開に業を煮やした稲田選手が相手のパワープレー返しのロングシュートを両手で払って退場になる。
現役時代は喜怒哀楽の『怒』を前面に出したフットサル界の元祖闘将である難波田選手が、その光景を見て笑顔を浮かべて稲田選手を迎えるという場面があった。
競技を知るほど数センチのズレや体の向きにこだわり、効率や正統性を証明し、表現することに重きを置きがちだが、ワンプレーに喜怒哀楽を表現できるのはプレイヤーの特権だろう。
退場の場面では(フェアプレー云々はさておき)大勢が決まった試合で日本代表として、Fリーガーとして国内外の強敵とシノギを削りつつも、半ばリタイヤしている名選手がひとまわり下の選手を相手にムキになれるということに少々感動してしまったし、おそらく難波田選手もそんな気持ちだったのではないだろうか。
・1対1の激しさ/強さ
・ゴレイロとピヴォの重要性
・個々人の喜怒哀楽を含めたチームワーク
今年のワールドカップでスペインやロシアに欠けていて、なんとなくイメージしていた『フットサル』ではなかったものの優勝したアルゼンチンに備わっていた(強烈なピヴォは不在だったが)のは上記の3つだろう。
皮肉だがAFCで敗れた日本代表を含め、競技のレベルが上がり、戦術や再現度の高い連動性で相手を崩すことに習熟した『チーム』になるにつれ薄れていってしまうものなのではとも思う。
やれることが増えたから勝てるわけでもなく、武器が少なくても結果は出せ、勝負の世界であれば結果を出した者が一番偉い。
そして結果の前ではプロセスの論争は陳腐だ。
そんな痛快で当たり前のことを教えてくれた風物詩は関東大会目前で幕となったが、一線を退いたベテランたちが示した原点回帰に心から拍手を送りたい。
フィクソが揃って良かったぜー!!
という声が聞こえてきそうなチームのバランサー、キャプテンマークを巻く会田選手。
180cmのサイズを活かしロングボールをことごとく胸トラップで収める驚異のピヴォとして闘魂のオフェンスを牽引。
浦安で活躍した川股選手。
攻守に光ったいぶし銀。
損益分岐点を抑え、BRB戦でお見事な活躍を見せた北選手。
1-3から同点に追いついた世田谷フットサル戦で光った好判断。
パワープレーでポジションを取る右奥から抜群の機転で2得点を呼び込んだ岩田選手。 貴重なドリブラーのアラ、Fリーグで活躍した橋本選手。
吸いつくようなドリブルと食いついてから一瞬で相手と入れ替わるダブルタッチは健在。 動けないチームなだけに各自の意思疎通が大事とばかりに、ハーフタイム、タイムアウト、出番を待つ間にボードを手にコミュニケーション。
省エネが勝利の必須要件のベテランチームの生命線。
パワープレーの場面ではゴレイロを石渡選手から坂口選手へチェンジ。
難波田選手もゴレイロユニフォームに着替えてのスリーショット。
PK職人石渡選手を中心に歓喜の舞い。
左右両足を起用に使い、高いフットサルIQと意表を突くプレーで闘魂を追い詰めた世田谷フットサルの菅原選手。
町田アスピランチ期待の新人。
若干18歳にして抜群のテクニックとパンチ力のあるシュートを持ち、U19代表にも選出される中村選手。
闘魂戦で先制点を挙げた19歳の伊藤選手。
タイランド5で日本代表として3戦を戦い、プレスからのシュートでも存在感を発揮。
その後も継続して選ばれておりトップカテゴリーでも期待大。
168cm/95kgでニックネームは長州。
ファニーなプロフィールながら俊敏な飛び出しも見せ、抜群の肩で前線にスローを投げ込む水谷選手。
見るほどにレベルの高さがうかがえる好タレント。
東京都1部らしからぬ完成度を見せるクアトロと、よくコントロールされた攻守。
結果と若手育成両面でチームに貢献する名伯楽、町田アスピランチを率いる小川監督。