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Futsal Philosophy (フットサル・フィロソフィー)

日本代表

11 2月

2018/2/1~2/11 AFCフットサル選手権 台湾 新北市立新荘体育館『雪辱のAFC』

2018/2/1~2/11 AFCフットサル選手権 台湾 新北市立新荘体育館『雪辱のAFC』
◆決勝戦
日本 0 - 4 イラン
◆3位決定戦
イラク 4 - 4 (PK 1 - 2) ウズベキスタン

2018年アジアフットサル選手権。

ワールドカップ予選を兼ねた惨敗から2年が過ぎ、その後たいした代表活動もなく迎えたリベンジの舞台だったが、結果は決勝戦で世界3位のイランに敗れて準優勝という充実の結果に終わった。

◆2018年AFC結果
結果
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優勝:イラン
準優勝:日本
3位:ウズベキスタン
4位:イラク

直前に行われた世界王者のアルゼンチンとの親善試合2戦から、AFCグループリーグ⇒決勝までの6戦について各選手の出場時間を記録した。
今回は出場時間をベースに選手起用の意図と試合が進むにつれての変遷、そこから見えてきた評価と今後の課題についてまとめようと思う。

以下はアルゼンチンとの2戦の出場時間で、FPの数字は得点/ゴレイロの数字は失点/PPはパワープレー/PPDはパワープレーのディフェンスを指す。
出場時間上位3名を赤字、上位4~8名を緑字で着色しており、上位3名が複数いる場合は4~8名の範囲から重複分を減算(2戦目)、8位が複数いる場合は全員を8位(1戦目)として着色している。
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Fリーグのプレーオフから4日後&今後の連戦も考え、

・AFCのレギュレーションである14人のメンバー枠をGK2人/FP12人に振り分け、3-1でピヴォを置くシステム×3セットで負荷を分担
・軸になる吉川/逸見/森岡/西谷を引っ張りつつも万遍なく選手を起用

という考えが見て取れる。

以下はアルゼンチン戦で試行したベースを元にAFCに挑んだ6戦の変遷だ。
各試合を見るのが面倒な方は最後にある全試合のサマリだけ見てほしい。

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全試合のサマリは出場時間の赤/緑の着色と合わせて、グループリーグ3戦と決勝トーナメント3戦を比較。
UP/DOWN率列は出場時間の伸び/減少をパーセンテージで表し、20%以上の増を赤、減を青で着色している。

この数字をベースに6戦の推移をまとめるとこうなるのではないだろうか。

A.アルゼンチン戦から組み合わせを変えつつ試行していた3セットは3戦目のウズベキスタン戦で解体
B.『清水/室田/吉川/齋藤』と『森岡/逸見/西谷/滝田』の2セットへ移行
⇒理想は3セットだったろうが、アジアトップレベルと伍する3セットを組むリソースはない
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ピヴォとアラの関係で好連携を見せた清水選手&室田選手は昨年のアジアインドアゲームズから熟成が続く次世代コンビ。


C.直近のリーグ戦でのパフォーマンスと出場時間がリンク
⇒コンディショニングに問題があり、大会期間中に上がらない選手は一定数存在する(仁部屋/渡邉)。
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今シーズン、コンディション不良で出遅れてから波に乗れずに終わった仁部屋選手は今大会でも目立った活躍はできず。
Fリーグ得点王の渡邉選手はコンディションと合わせて、プレスやディフェンスを重視するチームで戦術的に活かしどころが難しかったか。


D.齋藤の出場時間減と皆本の出場時間増
⇒左利きでフィジカルのあるフィクソとして齋藤選手を抜擢したが、守備の弱さから起用は限定的。代わりに解体された3セット目から皆本選手が出場時間を伸ばした。
Cの目線だと皆本の調子は良かったが出場時間に恵まれなかった、もしくは尻上がりに調子を上げることができた。
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決勝戦で大会得点王のイランのタイエビを抑える皆本選手。
大舞台が大好きなメンタルを活かして決勝トーナメント以降はコンスタントに力を発揮。

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同じく解体セットから抜擢された星選手。
本職はピヴォだが体の強さを生かしてアラ/フィクソを兼任し、決勝戦ではピヴォとして前線で張るなど、意外なマルチロールでチームに貢献。


E.ピヴォの出場時間漸減。アラの出場時間増
⇒グループリーグと決勝トーナメントを比較し、出場時間が増えたピヴォの選手(森岡/清水/渡邊(星選手はアラとしての起用が多かった))はなし。

数字としては日本人選手のクオリティーはアラ>ピヴォの構図になるが、点の取り合いのシーソーゲームになったグループリーグでは得点を狙うためにピヴォを多く起用。
決勝トーナメント(バーレーン、イラク戦)は先制して相手を抑えるゲーム展開になったためプレスに長けたアラやフィクソを多く起用という意図が見える(森岡減/西谷、皆本、滝田増が一例)。
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出場時間は試合ごとに減った(イラン戦は5分間パワープレーがあったため実質の出場は10分程度)が、ここぞの場面での得点力はさすがの森岡選手。


F.セットの流動性
⇒完全分業制のチームなら2セット8名のみが試合に出場ということもありうる競技だが、2セットのみで戦うのがベストというわけではもちろんない。

ただ、ベースの4人+オプション数名というのが成熟したチームというのは多くの人たちの経験則から割り出せるセオリーだろう。
単純に数字だけを見るなら『選手の特性を把握できず(あるいはコンディション差が大きい)メンバーを固定できなかった』『当意即妙に自信あり』の解釈ができる。

いずれにしろフットサルでは監督が試合に介入できるのは選手交代とタイムアウトくらいだ。
AFCで見えた輪郭をしっかり磨いて2年後のAFCとワールドカップに向かってほしい。
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『とにかくプレス!!』が主戦術になったイラン戦以外は意図した選手起用が上手くいったブルーノ・ジャパン。
2セットか3セットかは今後の彼我戦力差次第になりそうだ。


今回は各ポジションの評価と今後の課題についてまとめようと思う。

①ピヴォ(森岡/星/清水/渡邊):世代交代
出場時間を管理しやすいフットサル。
年齢で選手を判断するのはナンセンスというのが自分の考えだが、エースピヴォ森岡選手の後継者探しに着手する必要は間違いなくあるだろう。

彼に関するインタビューで印象的だったのが『(帰化前は森岡選手も外国人扱いでメンバー入り3人/同時出場2人の外国人枠の対象)毎年ヤバい外国人とのメンバー争いをする中で、盗めるものはとにかく盗んでいった』という趣旨のものだ。

フィジカルとテンションで日本を追い詰めた韓国を相手に挙げた4得点は圧巻で、使いドコロを絞れば日本最高の爆発力をまだ持っているのは間違いなく、名古屋には彼と同タイプのピヴォがいなかった(残念だが現所属の町田にもいない)ことを考えると、日本代表合宿で森岡選手から諸々の武器を盗める後継者候補をドンドン招集するべきだろう。

トップコンテンダーは今回のAFCにも出場し、コンスタントにシーズン20ゴールを挙げている21歳の清水(すみだ)になるが、
左利き&サッカーで鳴らしたフィジカルを持つ小門選手(湘南)や、130kmの右シュートだけでなく柔の感性も備える大園選手(すみだ)、下位に沈む仙台で印象的なゴールを挙げている堀内選手(仙台)をゼヒ試してみてほしい。
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小門選手と堀内選手のマッチアップ。
清水選手の裏セットで番を張れる次世代ピヴォの育成は急務だ。


②アラ(室田/吉川/逸見/仁部屋/西谷):献身的な働きは◎/ゴールの少なさは△
吉川選手(122分)/逸見選手(117分)/西谷選手(105分)とAFCでの出場時間トップ3を占めたプレスも仕掛けもゲームコントロールもできる日本のアラ勢だが、彼らの得点は西谷選手の2得点が最高で室田/仁部屋選手が1得点を上げたのみ。

基本的には3-1でピヴォを置き、ハーフライン以上からのプレスのシステムを採用しており、ピヴォ当て後のシュートやショートカウンターでの数的優位を活かしたゴールの少なさに物足りなさが残った。
室田選手や逸見選手の仕掛けは攻め手として有効なカードだったし、吉川選手の献身的なプレスは感動的ですらあったが、才人が集まったポジションなだけに数字として試合を決めるプレーをアラには求めたい。

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吉川/逸見/西谷選手のアラ3傑。
出場時間、出場中のクオリティともチームの原動力になる活躍は素晴らしかったが、素晴らしいからこそもっと期待したい。

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ラインギリギリのボールにチャレンジしてゴールに繋げる猟犬のようなプレーが出色な中井選手(町田)。
海外勢相手のガッツキを見てみたい。

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AFCの登録メンバーからは漏れ、アルゼンチン戦でも僅か1分の出場に終わったが、プレーオフで名手イゴールの逆を突くミドルシュートを決めた抜け目のない加藤選手(大阪)にはゼヒチャンスをあげてほしい。


③フィクソ(齋藤/皆本/滝田):求むガテン系
昨年のアジアインドアゲームズ以降、本来攻撃的なポジションを主戦場にする齋藤選手が左利き&フィジカルを利点としてフィクソにコンバートして起用されている。
ディフェンスのみで務まるポジションではないが、中央アジア、中東の分厚い体を持つ面々に対して守備に不安があったのは出場時間を見ても明らかだろう。

齋藤選手に限った話ではないが、フットサルとしてレベルは低いもののジャイアントキリングの熱意を持ち、フィジカルとテンション任せの肉弾戦に思わぬ苦戦を喫したタジキスタン戦、韓国戦では、ショルダーチャージ一発で相手を黙らせられる選手の不在に非常にやきもきした。

フットサルIQの高いのウズベキスタンや、決勝トーナメントで対戦したイラク、イランなどフットサルの体を成す相手ならゲームメーカータイプのフィクソも力を発揮しやすいだろうが、玉石混合のアジア、ひいては世界との戦では丸太を担いで城門にブチ当たるようなガテン系フィクソも大いに戦力になる。

2016年にAFCを制する原動力になった星龍太選手、安藤選手(両名古屋。攻撃力も○)、2017年にAFCに出場した田村選手(大阪。ちなみに左利きのため利き足の利点を補完可能)あたりの武闘派フィクソをゼヒ試してみてほしい。
3選手ともディフェンスだけを求められるチームでプレーしているわけではないので、ガルシア監督のメガネに適う活躍はできるだろう。

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押せや掴めやのゴール前で必死に相手ピヴォを抑えるフィクソの滝田選手。
相手を黙らせたい局面では汚れ仕事を引き受けられる選手を常に1人は出しておきたい。


④ゴレイロ(関口/イゴール):川原選手引退以降の本命不在
2014年AFC決勝でイラン相手のPK戦ストップで優勝の立役者になった関口選手が代表の正ゴレイロの座を引き寄せたかに見えたが、イゴール選手の帰化、クラブでの篠田選手との併用もあり守護神レースは混戦模様。

ミゲル・ロドリゴ元日本代表監督や、各国の助っ人外国人がハイレベルと評する日本のゴレイロだが、10年近く日本の正守護神を務めた川原選手引退以降続く本命不在は『ハイレベル』よりも『どんぐりの背比べ』と考えたほうが適当かもしれない。
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今大会では韓国戦の後半以外を37歳のイゴール選手が守ったが、今大会は試合序盤のミスが目立ち、また年々ケガやコンディション不良が増えている。
決勝戦では彼の相手陣角を狙ったスローで好リズムを演出。
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韓国戦後半のみの出場だったが、驚異のテンションで食い下がる相手のシュートを冷静に捌いた。
2014年以降に関口選手の経験を積む場面が少なかったのも大きな誤算。
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個人的にはサイズと柔軟性を武器に前に出る判断が抜群の矢澤選手(すみだ)を推すが、どの大会を目指して誰に期待するのかを逆算し、数少ない代表戦の経験値の振り分けを熟考すべきだろう。


⑤監督・コーチングスタッフ:満点に近い準優勝と木暮ビデオ担当
極小の準備期間で地味強ウズベキスタンと同組のグループリーグを首位通過し、決勝戦でイランに敗れての準優勝は破格の結果は満点に近い90点をあげたい。

一時は小森通訳がゴールキーパーコーチを兼任する極貧体制もあったが、

監督:ブルーノ ガルシア
コーチ:鈴木 隆二/木暮賢一郎
GKコーチ:内山 慶太郎
フィジカルコーチ:下地 達朗

と超充実の陣容になった。

残念だったのが日本フットサル界のアイコンともいえる木暮コーチが、大会中ベンチ入りをせず観客席から試合のビデオ撮影をしていた点で、当意即妙に長けた智嚢をスタンドに置いていたのは非常に残念だった。
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GKコーチに木暮氏と同じくスペインで活躍した経験のある内山氏、大阪監督時に一緒に仕事をした下地氏がフィジカルコーチに入ったことから、木暮氏の次期日本代表監督の線は濃厚だろう。
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ゴレイロの項でも述べたがここ数年の活動実績を見ると経験値を得る機会は非常に少ないはずなので、1戦1戦を無駄にしてほしくない。
コーチ1年生として目で見て勉強などではなく、大阪時代と同様、オラついて指示を出す勝負師の風を吹かしてほしい。

フル代表での大会の出場は前回のAFC以来2年ぶりで、結果はイランに敗れての準優勝に終わったが、各選手とも表情には悔しさと充実感があり、世界3位に達したライバルとの距離感から自分の立ち位置を再認識できたのではないだろうか。

2014年以降の活動回数激減の状況を見ると難しいかもしれないが、ガラパコス化しがちな日本フットサル界の実力を確認する場を多く作ってほしいものだ。
28 1月

2018/1/25(木)、1/28(日)国際親善試合 大田区総合体育館、富山市総合体育館『世界王者との差』

2018/1/25(木)、1/28(日)国際親善試合 大田区総合体育館、富山市総合体育館『世界王者との差』
日本代表 2 - 4 アルゼンチン代表
日本代表 1 - 4 アルゼンチン代表

AFC初戦を7日後に控え1年9ヵ月ぶりに行われた国内親善試合は2016年ワールドカップ王者のアルゼンチンに2-4、1-4で敗れ、点差はそこまで離れなかったものの試合の急所を抑えることに長けたアルゼンチンの完勝という印象だった。


2戦目 ダイジェスト
のちほどUP

2016年10月のワールドカップ終了後に就任したブルーノ・ガルシア日本代表監督だが、肩書きとは裏腹に日本代表を率いて試合をした回数は非常に少なく、残っている映像もダイジェストが中心でどういったフットサルを志向しているのかをこれまで確認できなかった。

結果だけを見るならブルーノジャパンは以下の7勝4分2敗で、評価できるのは25歳以下の選手に国際経験を積ませるという触れ込みで挑んだアジアインドアゲームズでの3位入賞だろう。

ハンガリー
1戦目 1-1
2戦目 3-0

スロベニア
1戦目 2-5
2戦目 2-2
3戦目 0-3

グループリーグ
 レバノン 5-2
 タイ 6-4
準々決勝
 ヨルダン 4-1 
準決勝
 ウズベキスタン 3-3(PK負)
3位決定戦
 アフガニスタン 1-1(PK勝)

モンゴル 5-1
マカオ 11-0
チャイニーズ・タイペイ 8-1

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ここからは1/25、1/28に行われたアルゼンチンとの2戦を簡単にまとめる。

①セット構成
日本、アルゼンチンともピボォを置く3-1の布陣を基本形とし、日本は3rdセット時に状況に応じ4-0でのクアトロを併用。

◆1戦目(2-4敗戦)
1st:清水/室田/吉川/齋藤
2nd:渡邉/仁部屋/星/皆本
3rd:森岡/逸見/西谷/滝田
※ポジションはピボォ/アラ/アラ/フィクソの順

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◆2戦目(1-4敗戦)
1st:清水/星/吉川/齋藤
2nd:渡邉/仁部屋/西谷/皆本
3rd:森岡/逸見/室田/滝田
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後半残り5分からは録画ができていなかったので割愛(パワープレーの模様)

表は各セットでの出場タイミング。
強豪アルゼンチンを相手に90秒~180秒でセットチェンジしてプレーの強度を落とさないことが目的か。

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1戦目はカッチリした4枚替えだったが、2戦目は森岡選手/吉川選手/逸見選手らのタレントを引っ張りながらの機用が目立った。

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膝に巻かれたテーピングがなかなか解けない森岡選手。
町田ではフィクソのダニエル・サカイとの入れ替わりが負担軽減&マークの分散に効果があった。
日本代表でもいい相棒を見つけたい。


②基本戦術
3-1として非常にオーソドックスな戦術で、オフェンス時はピボォで深さを作ってのサイド勝負orピボォ当てで攻め込み、ディフェンスでは前からのプレスで相手を封じ、ボールホルダーからの奪取や、パスラインを限定してのパスカットを狙う。

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最年少の20歳ながら強靭なフィジカルで前線の起点になった清水選手。
物怖じしないメンタルは国際舞台向きで、フル代表でのアジア初参戦になるAFCではゴールラッシュを期待したい。


③セットプレー
1戦目では情報戦を意識してかCKやFKでブロックプレーはなく、チョンドンや逆サイドへ浮き球のパスを出してボレーシュートを狙うなど工夫のないもののみを使用。
(この日はベトナム代表と同代表監督のミゲル・ロドリゴも観戦)

両チームともセットプレーからのゴールが生まれたが、2016年のワールドカップでも目立った速いボールを中央に入れるCKや、強烈なシュート力を活かしてこぼれ玉に詰めるシンプルな形でのチャンス&ゴールが目立った。

活動時間の短い代表でも練習しやすいのがセットプレーなので、AFC本戦では齋藤/清水/森岡らの左右のハードパンチャーのシュートと合わせてブロックを入れた形も採用してくるだろう。
2戦目はブロックも交えたいくつかバリエーションも見せたが、決勝トーナメントまでは極力温存したいところだろう。

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フィジカル/左利き/若さでフィクソに抜擢された齋藤選手。
ロングボールで裏を抜かれる、1vs1のドリブル勝負でやられるなどDFでは踏んだり蹴ったりもFKでは強烈シュートで得点に絡む。
ストロングポイントのハッキリしている選手なので、ヒーローになるのも戦犯になるのも起用方法次第。


④試合内容
Fリーグで名古屋と対戦し2-4や1-4で敗れたチームから『そこまでの差は感じなかった。次回は今回の反省を踏まえて頑張りたい』というコメントを目にしたことがある人は多いだろうが、個人で作った差からチームとしてのアドバンテージを作れるのが強いチームのクオリティであり、なぜ差が生まれたかにこそ成長のヒントがある。

お互いが似た戦術を採用していたが、

・体の厚みを活かしてボールを取られない場所に置く
・自陣コーナー付近に選手を配置し、安全なパスラインを確保してのボトムからの組み立て
・キープが無理と判断したらロングボールで簡単に前に預ける

など要所要所で自分たちの得意なスタイルと、状況に合わせた現実的な判断を組み合わせたアルゼンチンのフットサルの巧さが光ったし、単純に攻守の1対1の強さやフィニッシュワークの的確さにしてもアルゼンチンと日本の大きな差だったと思う。

華麗なヒールリフトなんてやりそうにない無骨な髭面のブランディにボールが入り、足裏で軽く動かした位置にずんぐりむっくりとしたボルートが走り込んでシュートを打つ。

スペインやブラジルから生まれた各種ジョガーダをありがたがって追いかけがちだが、BOOKOFFの100円コーナーに置いてありそうな古臭いフットサル教則本通りのピボォ当てが最も即効性があり、クラシカルな戦術をトコトン利かせてきたアルゼンチンとの差は非常に大きかったのではないだろうか。

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分厚い体を活かして前線で起点を作るNo11ブランディと、的確なフィニッシュが光ったNo10ボルート。
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168cmの体でゴールを守る2016年ワールドカップ最優秀ゴレイロのサルミエントは局面に合わせたクロス/フェンス/ダブルニーのゴレイロ3型のチョイスに迷いなし。


⑤AFC展望
1/21までプレーオフを戦っており、決勝まで進めば最大6試合を11日間で詰め込むAFCのハードスケジュールを考えると、今回の2戦と同じく3セット廻しで全体のコンディションを管理しようとするのは間違いない。

準備期間が皆無だったことを考えればアルゼンチン戦でやったベースの戦術+セットプレー(パワープレー含む)で勝負するしかないので、3セットがベストアベレージを発揮できる組み合わせを考えることが監督の直近の仕事になるはずだ。

ちなみに今回の2連戦でも1戦目、2戦目で以下のセット変更がなされている。

◆1戦目(2-4敗戦)
1st:清水/室田/吉川/齋藤
2nd:渡邉/仁部屋/星/皆本
3rd:森岡/逸見/西谷/滝田

◆2戦目(1-4敗戦)
1st:清水/星/吉川/齋藤
2nd:渡邉/仁部屋/西谷/皆本
3rd:森岡/逸見/室田/滝田
※ポジションはピボォ/アラ/アラ/フィクソの順

順を追ってセット変えの意図を考えると、

1.アジアインドアで抜群の相性を見せた清水/室田
2.クアトロを併用したい時にイメージの共有が容易な町田所属の森岡/室田/滝田
→クアトロを優先。
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昨年9月のアジアインドアで大覚醒の室田選手。
2016年AFCは何もできずに終わったが、今回はピヴォ、クアトロどちらのセットに入っても主役を演じられそうだ。

3.左利きのフィクソとしてコンバートしたもののDFの脆さを露呈した齊藤
4.アルゼンチン相手にボールカットを連発し好調をアピールした星
→不安のあった齊藤のセットにDFの良かった星を併用。清水とのダブルピヴォも魅力
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体の強さと出足の良さを活かしてアルゼンチンの縦パスを前に出てカットする場面が目立った星選手。
オフェンスの駒だが純フィクソが足りないこのグループならフィクソ兼任も十分ありで、勝ち進んでの負傷やカードトラブル時のジョーカーになる可能性大。

5.誰と合わせても高相性の吉川
6.誰と合わせるのがベストなのかが不明確でコントロールが難しそうな逸見
→2戦目でのセットを多少崩した引っ張りで相性を調査。吉川は火消し役で逸見はギャンブル枠か。
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状態の良さが目立った吉川選手。誰と組ませても好相性なチームのキーマン。
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仕掛けが武器にもなり、カウンターの呼び水にもなりうる逸見選手は取扱注意の諸刃の剣。
彼が活きるセットとシチュエーションを作ってあげたい。


完全に主観だがそんなところに意図にありそうで、各試合のセット構成は監督やチームのPDCAが垣間見れる要素なのでAFC本戦でもゼヒ注目してほしい。

グループリーグでは最終戦で対戦する実力拮抗のウズベキスタンがライバルだが、前の2戦(タジキスタン、韓国)でベースとなりうる最適解を出せているかが大会全体で結果を出すための絶対条件になるはずで、個人的には以下の形を見てみたい。

1st:清水/西谷/吉川/星
→前に強いDFを活かしたフィクソ星は浦安でも経験があり、攻撃時は清水とダブルピヴォを形成できるのも魅力。
同一チームでの所属経験のある清水/西谷/吉川は連携も◎
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同じウニベルサールの吉川選手ほどの活躍がなかった西谷選手。
1、2戦目とも馴染みのないセットに組み込まれたが、気心の知れた選手が揃うこのセットならなんでもやってくれるだろう。

2nd:渡邉/仁部屋/齋藤/皆本
→齊藤のフィクソはキッパリ諦めてアラへ再コンバート。仁部屋のドリブル、齋藤の強シュートによる仕掛けと、皆本→渡邉の府中ホットラインでシンプルに攻める
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府中所属の皆本選手と渡邉選手は目立った活躍はなし。
連戦を戦いながらリーグ後半に失速した調子を上げられるか。

3rd:森岡/逸見/室田/滝田
→F屈指の町田クアトロ+逸見。短時間で逸見の融合を目指すならクアトロで作った1vs1勝負役が手っ取り早い。
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町田クアトロで守備と舵取りを担当する滝田選手。
サイドでの勝負、ワンツー、中パラを使い分けて相手を押し込みたい。

2016年のリベンジという想いが強いだろうが、仕事の合間に練習&試合をこなす、続けるだけでも大変なマイナースポーツでの最大のモチベーションは『誰よりも上手く、強く、速くなりたい』というシンプルなものなはずだ。

トッププレイヤーの使命感というのももちろんわかるが、活動回数の少ない日本代表でアジアの競合達と鎬を削る喜びを感じてきてもらいたい。

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満を持して日本代表スタッフに入閣した木暮『コーチ』。
大阪所属の下地フィジカルコーチに、同じくスペインでの選手経験を共有できる内山ゴレイロコーチ。
統括的なポジションを兼ねる小森通訳とは選手時代に関わりあり。
2戦目の小出しの選手起用はシュライカーでの木暮采配の色を感じさせるもので、勝手知ったる体制の中でのコーチ1年生はまずは見て勉強なんて気はサラサラなさそう。

22 1月

2018/1/22 2018AFCフットサル選手権 『観戦のしおり』

2/1(木)~2/11(日)までAFCフットサル選手権が始まる。

◆AFCフットサル選手権とは?
アジアNo1のフットサルチームを決める国際大会。
これまではイランが11回、日本が3回の優勝(準優勝は同1回/5回)を果たしており、この2カ国がアジア2強と言われる論拠となっていた。

5位までが出場権を得るワールドカップアジア予選を兼ねた前回の2016年大会では、ベスト8でベトナム、敗者復活戦でキルギスタンに敗れ日本は過去最低の惨敗を喫しており、今回は雪辱を期す舞台になる。

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なお、以下文中で登場するAFCクラブ選手権はアジアNo1のフットサルクラブチームを決めるAFCフットサルクラブ選手権を指し、AFCフットサル選手権は『AFC』とのみ表記する。

※各運営団体のポータルサイトはこちら。Wikipediaが一番見やすいというマイナースポーツあるある。






◆優勝国・各大会結果
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2000年代はイランに日本が挑む構図で、2010年代は2012/2014と日本が2連覇を果たしてアジアの盟主の座を奪うと見られたが2016年に惨敗を喫した。
2016年に躍進したベトナム、タイをはじめ、今大会は2020年以降に予想されるアジア群雄割拠時代の幕開けの第一歩になるはずだ。

◆個人賞
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2014年までは2強のイラン、日本のエースたちがMVP&得点王をジャック。
2016年はタイのエースピヴォのスパウットが得点王に輝いており、黄金期を迎えているタイの優勝&個人賞総取りも大いにありそう。

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AFCクラブ選手権では個人賞3回(MVP1回/得点王2回)の森岡選手(2012年のAFC終了後に帰化が認められたため今回が3回目の出場)は代表大会での個人賞も期待したいところだ。


◆日程
グループリーグ:2018/2/1(木)~2018/2/6(火)
準々決勝:2018/2/8(木)
準決勝:2018/2/9(金)
決勝/3決:2018/2/11(日)
※決勝戦の翌日が日本では休日(建国記念日の振替)になるため現地観戦にはもってこい

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◆放送

また、AFCの公式YouTubeチャンネルで配信されるはず。
視聴方法は以下の過去エントリーを参考。

ちなみに2014年はテレ朝がGet Sports内でハイライト&決勝戦を録画放送している。
ここもウォッチしていると試合以外の映像も見れるかもしれない。

◆グループリーグ展望
国名[評価(上位からA~D):主な戦績]

・グループA
チャイニーズ・タイペイ[D]
ベトナム[B:2016年AFC4位/2016年W杯ベスト16]
マレーシア[C]
バーレーン[C]

グループの本命、2016年のワールドカップ決勝トーナメント進出したベトナムは当たると止められない小柄なゴレイロのフイを中心に、重い腰を活かして前向きにボールを奪取してからのカウンターが主体のチーム。
格上には強いが固めた相手に打てる手は少ないので全チームにチャンスあり。

チャイニーズ・タイペイは開催国枠のポッド1位を活かして好位置をゲット。
日本でも指揮をとった太鼓腹のアジウ(2008年~2013年に名古屋を指揮)を監督に、山田マルコス(選手として名古屋/府中で活躍し、府中のGKコーチ、サテライト監督を歴任)をGKコーチに迎え躍進を期す。
新興国のマレーシア、バーレーンを相手に勝ち点を上げられれば予選突破の目が見えてくるはずだ。

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日本代表監督時代に果たした数々の『奇跡のレッスン』で有名なミゲル・ロドリゴはタイ代表で2016年ワールドカップに出場(ベスト16)し、その後は現日本代表監督のブルーノ・ガルシアと入れ替わる形でベトナム代表監督に就任(同国のクラブチームのタイソンナムの指揮も兼任)。
ブルーノ時代に達成したワールドカップベスト16以降、ベトナム代表は大きなインパクトを残せていないこともあり今回はミゲルの腕の見せ場。

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小柄ながら抜群の反応でシュートストップを連発するベトナムのゴレイロのフイ(NGUYEN VAN HUY)は2016年のAFCで日本を破った立役者。
左手に印象的なイレズミがあるゴレイロが出てきたらロースコアゲームを覚悟したほうがいい。
日本、ベトナムとも決勝トーナメントに進出すれば最短でベスト8に再戦が実現する。


・グループB
ウズベキスタン[B:2016年AFC準優勝/2017年アジアインドア4位]
日本[B:2012年・2014年AFC優勝//2017年アジアインドア3位]
タジキスタン[C]
韓国[D]

地元開催になった2016年のAFCで準優勝に輝いたポッド1、地味強ウズベキスタンに元アジア王者の日本が挑む。

腰回りと背中の分厚さに特徴のある中央アジアのタジキスタンをパスアンドムーブで翻弄し、明確にランクの劣る韓国相手に得失点を稼ぐ。
最終戦に控えるウズベキスタンとの直近の戦績は芳しくなく日本の2分1敗(2014年AFC2-1●/2016年親善試合3-3△/2017年アジアインドア3-3△(PK負))。
ここまでに突破のメドをつけられているかで疲労度やカードトラブルなど、短期決戦を戦うチームマネジメントの難易度が一気に変わってくるだろう。

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若手主体で挑んだ2017年のアジアインドアゲームズで3位という確かな結果を出したブルーノ・ガルシア日本代表監督。
極小の活動回数ながら各国フル代表を相手に結果を出せたのは日本のポテンシャルがまだアジアトップクラスであること、ブルーノに確かな監督としての才があることを証明している。

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冷静にゴレイロを見る/外すゴールも増えれば次代のエースの座は揺るぎない。
強靭な体躯と強烈なシュートですっかり代表に定着した清水和也。

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2017年1月の負傷から2017年12月に復帰した加藤未渚実。
独特なドリブルと正確なキックを持つ貴重な左利きのアラは2018年1月のセントラル→プレーオフで好プレーを連発し、ブランク明け後のモチベーション&コンディションの高さを見せつけた。
メンバー入りは微妙だが、パワープレー/セットプレーなどのデザインプレーで発揮する彼の魅力は招集選手の中でも群を抜いている。

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川原引退後、いまいち決め手に欠くゴレイロ陣。
総合力でNo1のイゴールは37歳。
彼の背中を2014年のAFC、2016年のAFCクラブ選手権でイランキラーっぷりを見せつけた反応に優れる関口(26歳)と、前に出る判断が光る今シーズン急成長の矢澤(23歳)が追いかける。
2枠のメンバー入りの権利を掴むのは誰か?

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1990年後半から始まったフットサル日本史のメインストーリーを駆け抜けた木暮賢一郎。
2018年1月一杯で3年間指揮を執った大阪の監督から退任し日本代表のコーチに就任。
ブルーノの任期はおそらく2年か4年のどちらかのはずなので、次回の日本代表監督レースに向けて台湾がスタートの場所になる。


・グループC
イラン[A:2016年AFC優勝/2016年W杯3位/2017年アジアインドア優勝]
イラク[B]
中国[D]
ミャンマー[C]

2016年ワールドカップ3位の世界的強豪イランの1位通過は揺るがず、ここ最近力をつけてきた中東地区のNo2イラク(2017年AFC U20準優勝)に東南アジアの新興国ミャンマーがチャレンジ。
サッカーでは資金力を背景にクラブレベルで力をつけてきた中国だが、サッカー、フットサルとも代表レベルではまだまだ差あり。

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2014年に得点王に輝いたタイエビ(Hossein Tayyebi)はイランには珍しい細身なテクニシャン。
柳に風な身のこなしや、ゴレイロのタイミングを絶妙にずらしたフィニッシュで剛だけではないイランの懐の深さを体現する。
2016年ワールドカップ後はカイラト(カザフスタン。2013、2015年にフットサル版の欧州CLを優勝)や、タイソンナム(ベトナム。ベトナム代表の9割が在籍する唯一のプロチーム)を渡り歩き活躍の場を広げた。


・グループD
タイ[A:2016年AFC3位/2016年W杯ベスト16/2017年アジアインドア準優勝]
キルギスタン[C]
レバノン[C]
ヨルダン[C]

華麗なドリブル、流麗なパスアンドムーブ、GKを翻弄するフィニッシュ・・・。
ファンがイメージする『フットサルらしさ』をこれでもかとばかりに体現するアジアのアーティスト集団、AFC初優勝を狙うタイがグループをリード。
2013年、2017年とAFCクラブ選手権ではいずれもイランのパサンとの決勝戦を制しており、中東3国の包囲網は逆にやりやすいだろう。

ワールドカップ出場権がかかった2016年のAFCで日本に引導を渡したキルギスタン、2017年のAFCクラブ選手権で同国のチームが決勝トーナメントに進出したレバノン、新興国のヨルダンは横一線。
グループCを1位突破するであろうイランとの中東下剋上決戦のチケットを争う。

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2016年得点王。タイの絶対エース、ピヴォのスパウット(Suphawut Thueanklang)。
ムービースターのようなルックス&スタイル抜群の長身ピヴォは多彩なシュートテクニックでゴールを決める。

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タイ代表とチョンブリの監督を兼任。
チョンブリを2013年にAFCクラブ選手権で優勝に導き、タイのフットサルの強化に多大な貢献を果たしたプルピスが2度目の代表監督就任。
人気スポーツになったがゆえに発生した試合数過多による選手のコンディション不良を回復できれば悲願のAFC制覇も見えてくるだろう。
20 10月

2016/10/20(木) ブルノ・ガルシア 日本代表監督就任『トップカテゴリーは見られてこそ』

AFCで惨敗し、ワールドカップ出場権を逃してミゲル・ロドリゴ監督が退任してから約7ヵ月。

ミゲルの同郷の友人でもあり、ベトナム代表を率いてAFCで日本に致命傷を与えたブルノ・ガルシア氏の新監督就任が決定した。

ここ最近のアジアで活躍するスペイン人指導者を見ると、

プルピス:タイ→ウズベキスタン
ミゲル:日本→タイ
ブルノ:ベトナム→日本

と遷移しており、以前、Fや地域リーグで知り合いをツテとして選手や監督がローテーションする政界やプロレス界に似た狭いコミュニティの日本フットサルと書いたが、アジアの代表監督すらそれに似た感じになってきたことや、やり方は変わるとは思うものの、AFC、W杯で披露したハーフマンツーで自陣を固めて粘っこく守って、一歩目で前に出ることを意識したアタックでボールを奪取→少人数で手数をかけずに多少強引でもシュートで終わるベトナム代表のフットサルを日本代表に置き換えての魅力や選考過程に若干の不安を感じる。

ただ、ベトナム代表は非常に気持ちの入った軍隊タイプの集団といった印象で、ちょっと自由すぎる感のあったミゲルから緩んだ空気を引き締めたり、メンタルの立て直しといった部分を期待してなのなら格下に2連敗でW杯を逃したタイミングで鬼軍曹タイプへのチェンジは刺激という意味では◎。

選考理由についてはまだまったく語られていないが、人事は何を指向してるから誰にしたのかの説得力が非常に大事でここがおかしいと下につく人の求心力にも影響あるので、今後語られるだろうリリースで『ミゲルの知り合いだから』が決め手ではなくキッカケであってほしいと思う。

いろいろ思うところはあるものの、トップカテゴリーは見られてこそ。

2015年に乱発したオーシャンアリーナでの観戦無料のトレーニングマッチとかはもういいので、年に4試合は国内で有料観客での代表戦をやり、大いに普及、告知、検証の場としてほしいところです。

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ベトナム代表を率いて臨んだAFCでは日本代表を土俵際で振り切り、初出場となったワールドカップでは見事決勝トーナメント進出。
新監督就任が決定したブルノ・ガルシア日本代表監督。

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タイ代表をアジアの強豪に仕立て、同国のクラブチームのチョンブリをアジアNo1チームに引き上げたプルピス。
現在はウズベキスタン代表を指揮。

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日本代表を8年に渡って指揮し、2012年はW杯で決勝トーナメントに進出、2012、2014年のAFCを2連覇したミゲル・ロドリゴ。
タイ代表監督就任からわずか1ヵ月で臨んだワールドカップでもオフェンスに光るものを見せる印象的なゲームを披露。タイ代表の任期延長からもわかるように再評価の兆し。

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トップカテゴリーの義務と価値は、関わる人たちの目標であり、指標であり、誇りを持てる対象であること。 平日の14時から開始されるトレーニングマッチに代表される露出のない活動に価値は薄い。
23 8月

2016/8/20・21・23 タイランド5 バンコクフットサルアリーナ 『悔しさと自信の先に』

2016/8/20・21・23 タイランド5 バンコクフットサルアリーナ
タイ代表 2 - 2 日本代表
日本代表 0 - 9 カザフスタン代表
イラン代表 4 - 2 日本代表

タイのバンコクフットサルアリーナで行われたタイ、イラン、カザフスタン、日本の4ヵ国代表対抗戦。

来年5月に予定されるアジアの20歳以下の大会に向け、19歳以下の選手と、各国とのバランス調整約の皆本選手、仁部屋選手の構成で挑んだ日本は、アジア、欧州の強豪のフル代表を相手に1分2敗、4得点15失点で4ヵ国中最下位という結果で幕を閉じた(最終順位はカザフスタン/タイ/イラン/日本)。

熱狂的なサポーターが後押しする地元タイとの1戦目は皆本選手&植松選手、仁部屋選手&清水選手を軸に2~3分毎の7交代で回し、

皆本/植松/宇田川/脇山
皆本/植松/伊藤/山桐
皆本/植松/宇田川/山桐
仁部屋/清水/小幡/松原
仁部屋/米田/松原/山田

の5通りの組み合わせで前半を1点のビハインドでしのぐと、後半早々に仁部屋選手が得意のサイドからのスラロームでシュートを決めて1-1の同点に。

ここからは鈴木監督がギャンブル。
 
前述の皆本選手&植松選手、仁部屋選手&清水選手を起点に両セットを構成した選手を、

仁部屋/小幡/伊藤/宇田川
仁部屋/清水/小幡/伊藤
仁部屋/小幡/宇田川/山田
皆本/植松/米田/脇山
皆本/植松/山桐/松原
皆本/植松/脇山/松原

のように入れ替えつつ試合を進めるも、引き分けが見えた後半38分のタイのタイムアウト後にプレスの位置が下がり出足が遅れた隙にミドルシュートを決められて2-1。
このまま敗戦かと思われた終盤に、皆本/植松/仁部屋/清水のFリーグセットを送り込み、コーナーキックからのこぼれ球を清水選手が蹴りこんで勝ちに等しい2-2のドローを手にした。

カザフスタンとの2戦目はカザフが欧州3位の実力をまざまざと発揮。
 
1分と経たないうちにカザフのメインキャストの一人であるドウグラスのドリブルからのシュートパスをエベルトンが押し込んで先制。

ここからは練度の高い前プレ、第2PK付近からのキックインのデザインプレー、カザフの皇帝、レオの見事なミドルシュートと前半で一気に0-4のビハインドとなり、後半も似た形での失点が続く。
終盤はカザフの監督がベンチから大声で指示を送っての第2PK付近からのキックイン、フリーキック、コーナーキックの練習相手といった格好になり0-9の大敗で終わったが彼我戦力差を考えれば納得の結果で、過度の悲嘆は欧州3位のカザフスタンに失礼だろう。
 
この試合では3戦で唯一、植松/宇田川/清水/山桐、米田/伊藤/清水/松原、米田/宇田川/伊藤/松原といったU19オンリーのチャレンジングなセットを約2分づつ試しており、この時間の経験も大きな糧にしてほしい。

1日空いての3戦目のイラン戦は前半で3点のビハインドも、全メンバーを使った前2戦と異なり、出場するメンバーを絞って明確に勝負に行く。
(前後半で仁部屋選手が7分間出ずっぱりの時間があったり、米田選手、山桐選手は出場時間がなく、小幡選手、脇山選手はピンポイントの起用に留まった)

後半半ばに4-0とされるも、仁部屋選手がPKを決めて1点を返し、皆本選手のプレスから清水選手が決め、残り約10分で4-2と追いすがる。
ここからは過去2戦ともメンバーを固定して長時間選手を出場させるイランの強度が落ちる時間ということもあり、日本が押し込む時間が続いたが残り1分を切ってからの皆本/植松/仁部屋/清水/松原のパワープレーも実らず4-2のままタイムアップとなった。

1分2敗、4得点15失点で4ヵ国中最下位。

得点者は来年5月の大会には出場しない仁部屋選手が2得点で、フル代表でも実績のある清水選手が2得点。
失点はプレス回避の中途半端な選択を狙われてのカウンターや、集中力を欠くタイミングでラインが下がったところでのミドル、経験不足故に対応できなかったデザインプレーがほとんどでフットサルの教則本に出てくるありがちな得失点のパターンばかりだ。
(擁護するわけではないがこの結果を不甲斐ないと断ずるのであれば、選手ではなくフル代表に対してU19中心で挑むと判断した大人たちにこそある)

結果としてはタイ戦のドローが光ったヤングジャパンだったが、欧州、アジア列強のフル代表を相手に傍目には無茶苦茶な構成で挑んだ総決算となるイラン戦の残り10分間にこそ大いに可能性を感じるものがあり、この時間に主軸の4人と共にフロアに立ち、あと一歩でイランゴールを破るところまで迫った宇田川選手、伊藤選手、松原選手、山田選手は悔しさと共に大きな自信をつけたのではないだろうか。

Fリーグには試合に挑む12名のうち23歳以下の選手を1名以上登録するレギュレーションがある。
登録するものの出場機会がないチームもあるが、すみだ、名古屋、大阪、町田など上位のチームは23歳以下の選手が活躍しており、チーム内の新陳代謝も顕著でそれが順位にも反映されている。

選手が多く、アンダーカテゴリーが整備されている海外であれば18、20、23歳と個別にリーグが運営されている国もあるが、Fのサテライトチームが所属する地域リーグを見ても年間10数試合程度で実戦の場は非常に少ない。
過去には23歳以下の選抜チームでFチャレンジリーグを戦ったこともあるが現在は廃止されており、Fリーグ本戦に出場してこそ得られる経験値の比重は非常に大きいだろう。

一見頼りなさそうに見えても、若さゆえの勢いと創意工夫でなんとかしてしまえるのが若者の特権だ。
ミスをカバーできるのがチームスポーツであり、未熟な少年を助けるのが先輩の役割であり、今、フロアに立つトップランナーが過去に先輩から送られた薫陶なのではないだろうか。

『かわいい子には旅をさせよ』という言葉もあるが、Fリーグを指揮する監督たちには2分間だけでもいいので彼らにフロアに立つチャンスをあげてほしい。
その2分間の旅で感じる悔しさや自信の先に彼らと『リスタート』と銘を打たれた日本フットサル界の未来が待っている。

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タクシーでの移動となるバンコクフットサルアリーナ。
バンコク中心からのアクセスはタクシーで2時間は見ておきたい。
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12,000人収容の立派なアリーナも運営は手作業。
インターバルで意匠に富んだセンターサークルをお手入れ。
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悔しい思い出になった両ゴレイロ。
3戦出場した大分の岩永選手と、カザフスタン戦に先発も無念の途中交代となった北海道の坂選手。
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期待通りの活躍を見せたオーバーエイジ組。
皆本選手の気合の入ったチーラからのガッツポーズと、仁部屋選手のドリブル突破はタイの観客を沸かせた。
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フル代表にも選出されている清水選手と植松選手。
2ゴールを上げた清水選手の結果が光ったが、植松選手も攻守で当たりの強さを披露。
最終戦のイラン戦ではドリブル突破で再三決定機を演出した。
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今後のU19の中核を担うであろうNo7宇田川選手、No8伊藤選手、No13松原選手、No14山田選手。
万能型のアラの宇田川選手、伊藤選手はプレス、カウンターからの攻守が光り、松原選手は驚異の運動量での上下動を見せ、山田選手は左利きを活かしたドリブルでアクセントを作った。
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こちらはカザフスタン戦での米田/伊藤/清水/松原のU19オンリーセット。
刺激を与え、変化を促す。鈴木監督の選手を飽きさせないマネジメントには見るものが多い。
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タイ戦ではアフタープレーで看板に激突した名古屋サテライト所属の松原選手。
アラの運動量と枚数で勝負するトップでも機会があれば十分やれそう。
右眉の傷は献身的なアラの大きな勲章。気合の入った坊主頭も◎。
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カウンターから惜しいシュートを放った伊藤選手。
ここ2シーズンほど若手育成に成功する町田でチャンスをつかみたい。
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タイ戦では出場機会を確保したものの、勝負のイラン戦では出番に恵まれなかった小幡選手。
所属する北海道で巻き返しなるか。
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試合中、仲間を鼓舞する声が非常に目立った清水選手。
アジアを代表するピヴォになる資質は十分。
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1分2敗、4得点15失点で4ヵ国中最下位という結果で幕を閉じたヤングジャパン。
涙と笑いがあり、仲間と応援してくれる人達がいて、悔しいことも沢山あるけど振り返ったらきっと楽しい。
彼らの長い旅はここから。
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カザフスタンのエース。
守備、組み立て、ゴールと冷静なマルチロールを見せるフィクソのレオ。
イラン戦では相手の執拗な挑発にブチ切れ表に出ろとアピールし、タイ戦では終了数秒前に同点になるオウンゴールを喫するも負けなければ優勝ということもあり、タイムボードを指差したあとに歓喜のダンス。
群を抜く才気とヤンデレ風味な狂気を見せる華のある選手。
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同じくカザフスタンのドウグラス。
ブラジル帰化選手の多いカザフはレオかドウグラスをフロアに入れて現場を仕切る。
こちはブラジル人らしくない真面目で優秀なサラリーマンといった雰囲気。
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この旅のお目当て、欧州選手権で3位に輝いたカザフスタンの立役者、ゴレイロのイギータ。
ゴレイロながら流れの中からパワープレーに参加して強烈なシュートで好機を演出。
このチームへの前プレはゴレイロも考えての詰将棋。
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ワールドカップ直前にタイ代表監督に就任した元日本代表監督、ミゲル・ロドリゴ。
テクニックと機転に富むアラ、攻守に実直なフィクソ、強力なピヴォが揃うタイは監督として非常に面白そうなチーム。
口角をキュッと上げるいい笑顔はタイでも健在。
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タイのエースでありアジアを代表するピヴォ、9番のsuphawut。
強烈なFKと、浮球のボレーで得点王とMVPをダブル受賞。
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こちらはいつ休んでるのかがわからないほど試合に出ずっぱりなイランのエース、ルズバハニ。
イラン選手らしい分厚く、柔らかな肩から臀部のラインを活かしてボールをキープし、華麗なドリブルと強烈なシュートでゴールを決める。
イラン選手のクオリティの高いプレーと鍛えられた体、エキゾチックな容姿は日本でよく見かける『イケメンコンテスト』 が陳腐に感じるほどにセクシー。
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試合終了後、アリアンツ・アレーナを彷彿とさせるバンコクフットサルアリーナのライトアップ。
輸入も輸出も少なく、とかくドメスティックになりがちなマイナースポーツであるフットサル。
フットサルを通して各国の文化を感じられる素晴らしい3日間でした。
22 4月

2016/4/22(金)、23(土)、24(日) 国際親善試合 ウィングアリーナ刈谷 『2014年のスタートと、2016年のリアルと、2018年のリスタート』

2016/4/22(金)、23(土)、24(日) 国際親善試合 ウィングアリーナ刈谷
◆マッチ1:2016年4月22日 日本7-0ベトナム
◆マッチ2:2016年4月23日 ベトナム2-2ウズベキスタン
◆マッチ3:2016年4月24日 日本3-3ウズベキスタン

上位5カ国まで与えられるワールドカップの出場権の獲得は規定路線であり、イランを決勝で破っての3連覇という青写真をビリビリに破られた今年2月のAFC。

タシュケントの借りを刈谷で返すとばかりに意気込む日本代表は、AFCの準々決勝で競り負けたベトナム(同4位)を相手に、鬼気迫るプレスとピヴォで深みを作っての攻めでベトナムを圧倒し開始1分の先制ゴールからのラッシュで7-0と一蹴。

2月のタシケントとの大きな違いとして、

①高目に設定されたプレスライン
②球際の激しさ
③ピヴォを前線に置いて早めにボールを渡しての押し上げ
④中央、サイド、中央という相手ディフェンスにゴールとボールを同一視野に入れさせないオフェンス
⑤ベンチの声、活気

が上げられるが、特に復讐鬼と化した仁部屋選手のパフォーマンスは心身ともに凄まじく、6点目を上げた後のベトナムベンチ前で体を大の字にして『どうだ』といわんばかりのガッツポーズには見ていて胸の支えが取れる思いになった。

続くウズベキスタン戦。

スペインの名将プルピスの元、面白くはないけれど強い東欧型のチームはホーム開催となったAFCでアジアの絶対王者イランと好ゲームを演じて準優勝するなど、間違いなくアジアの強豪の一角だ。
3-1のシステムで底での堅実なボール回しからピヴォにシンプルにボールを預けて押し込むウズベキスタン。

試合はウズベキスタンのペースで動いていく。

前半13分。ウズベキスタンが刈谷2連戦で唯一の魅せ技を披露。ラフマトフが日本代表のゴレイロとなったイゴールをダブルタッチでかわして0-1。

後半4分。仁部屋選手の愚直なチェイスが相手ディフェンスとゴレイロのミスを誘い、そのスキを中央で受けた芝野選手がプッシュ。1-1。

後半8分。ウズベキスタンが両ポストに人を立たせて、ニア側の選手がボールサイドに寄って注意を引きつけたスキに逆サイドへ早いボールを入れ、これをフリーでプッシュ。1-2。

後半12分。この日はフリーキックのみのピンポイント起用になった前鈍内選手が右サイドにセットしたボールを左足キャノンでブチ込んで2-2。

後半14分。溌剌とした動きを見せる小曽戸選手がコーナーキックの流れからグラウンダーのスナイプショットを決めて3-2。
この試合残り6分の時点で初めて日本がリードを奪った。

今回、ベトナム、ウズベキスタンとアジアのライバル達を集めた刈谷の3ヵ国巴戦。
『リスタート』と銘打たれたこの大会だが、この言葉にはなんだか違和感があった。

2012年に日本がAFCを制し、ワールドカップではブラジル、ポルトガル、シリアという死の組を勝ち抜いて史上初の決勝トーナメント進出(この時のキャプテンは刈谷の2戦を指揮した木暮氏)。
続く2014年のAFCでも関口選手がビッグセーブを連発し、イランを決勝で破り2連覇を果たす。

これまでアジアのフットサルはイランと日本が覇権を争いつつも、名実ともにイランに分があり、その中で日本が2012年、2014年と2連覇(AFCの優勝回数はイランの11回(1999, 2000, 2001, 2002, 2003, 2004, 2005, 2007, 2008, 2010, 2016)、日本の3回(2006, 2012, 2014))。
おそらくこの2014年からアジアのフットサルの勢力図の地殻変動が『スタート』していて、イランと、イランを脅かす各国のレベルアップがより顕著になっていったのだと思う(それまで決勝戦でも大勝を重ねていたイランだが、2014年は日本相手に2-2からPK戦で3-0で敗戦。2016年はウズベキスタンに2-1の辛勝)。

もちろんそれでもイランの実力はズバ抜けている。
ただ、それに続く第2グループである日本、ウズベキスタン、タイらの実力はギュッと団子状態で一気に縮まっているということなのではないだろうか。

後半17分。ウズベキスタンがパワープレーを開始。
ダイヤで守る日本の中央に、角に張っていた選手がスルスルと落ちてきて、底でパス交換をする2枚の選手から斜めのパスが日本のディフェンスのエアポケットに入る。
この好機をアノロフがイゴールをブチ抜く強シュートを決めて同点とし、試合は3-3の同点で終わった。

結果論でしかないが、日本代表のピークはAFC優勝、ワールドカップ決勝トーナメント進出、AFC連覇を成し遂げた2012年~2014年だったのだろう。

ミゲル・ロドリゴ監督の下、Y字プレスと緻密な攻撃。
ワールドカップでリカルジーニョ擁する強豪ポルトガルと引き分けたピラミッドとクロスを使い分ける先進的なパワープレー。
ベースの戦術と、フットサル界の最新トレンドを抑えた好チームだったが、今回のウズベキスタンの2点目、3点目を見ると、AFCやAFCに向けての国際親善試合で経験を積んだウズベキスタンにトレンドの部分では遅れを取っているし、1勝1分で3ヵ国巴戦で優勝という結果自体には慰め以外の意味は決してなく、日本とアジアの彼我勢力差を理解するキッカケとしてほしい。

日本唯一のプロチーム、名古屋オーシャンズの年間予算は3億円ほどで、今後、中国、タイ、ベトナムなどの経済が伸びている国では、サッカーより格段に安い投資でアジア制覇が可能なフットサルに目星をつけ、強化に本腰を入れるチームがまだまだ出てくる。
当然自国のリーグのレベルが上がれば代表チームのレベルも上がるし、アジア各国の成長のスピード感にFリーグと日本代表がついていけなければ、今後アジアを勝ち抜くことは非常に困難になると思う。

リスタート成功は大いに結構だと思うし、惨敗したAFCで欠けていた喜怒哀楽の『怒』と日本フットサルの復権を賭けた日本代表の姿を見れたのはとても嬉しかったが2014年からアジア戦国時代は始まっている。

日本自らがドライブしたアジアのレベルアップを軽視し、大会前からイランとの対決や3連覇にフォーカスした目標設定で臨んだAFCの敗戦は悲劇などではなく必然のものだ。

国際試合を定期的に開催して自分達の立ち位置を常に正しく把握し、各国のトレンドにキャッチアップしていくことが強化に繋がるはずで、その先にある2018年のAFCでAFCの借りを返してくれることをとても期待している。


 

 
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富士松駅から徒歩20分ほどの牧歌的な公道、田園を抜けると登場する刈谷ウィングアリーナ。
河原ではBBQを楽しむ人達の姿も。 
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熊本の震災の募金活動に立つフットサル強化部委員長の北澤氏。
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ピボォを置いての縦と深みのある攻め、同一チーム中心のセット構成、テンションが高く意思統一されたチームビルディングと素晴らしい仕事をした木暮監督。
スーツ姿も非常にダンディ。
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絶対王者名古屋を降した2人の日本人監督もコーチとしてベンチ入り。
フィジカルを活かしてオーシャンカップを制した府中の谷本監督(右)と、練度の高いクアトロと攻守に渡るインテンシティの高さで全日本を制した町田の岡山監督(左)。
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2試合を通じて非常に良くまとまっていた日本代表。
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AFCで苦杯を舐めたベトナムへの雪辱に挑む関口選手。ベトナム戦の前半に出場。
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久々の代表戦となった星龍太選手。フィクソとして及第点の働きを見せた。
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大分、名古屋出身の選手と組み、好連携を見せた154cmの中村選手。
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ウォーミングアップエリアで出番を待つ163cmの加藤竜馬選手と187cmのイゴール選手。ちょっと不思議な光景。
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ベトナム戦の後半とウズベキスタン戦をフル出場したイゴール選手。
ミゲル時代から代表を支える小森通訳兼コーチと試合前に固い握手。
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初選出の安藤選手はセットプレー時の守備に課題は残ったものの、新ポジションのフィクソとしてなかなかの動き。前に張った時の迫力も十分。
飄々とした表情とアヒル唇がセクシー。 
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次代のレフティー、加藤未渚実選手。流れの中での柔らかいタッチ、FKで前鈍内選手と左利き2枚を並べるなど木暮監督の斬新な起用に応えた。
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新世代のアラ、ピヴォコンビ。
ウズベキスタン戦では出場時間が短かったもののNo11ピヴォの清水選手のポテンシャルは十分。
このコンビにも期待大。 
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2008年、2012年のワールドカップに出場した小曽戸選手。
現在32歳ながら、2試合を通じて2024年まで出場を期待してしまうほどフレッシュなプレーを見せた。
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ベトナム戦を観客席から見つめるウズベキスタン代表監督のプルピスと、今回は招集されなかった日本のエース森岡選手。金狼の復活はあるのか。
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2試合を通じて出色の活躍を見せた仁部屋選手。
ゲームパフォーマンスと合わせて、ベンチで積極的にコミュニケーションを取り、真剣に試合を見つめる表情が非常に印象に残った。
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ソールドアウトになった刈谷ラウンド最終日。観客は1,442人。
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試合展開も熱く、非常に盛り上がった刈谷の2試合。説明は無粋かと思います。
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日本(白)対ウズベキスタン(青)。
刈谷の3試合はいずれも試合前に熊本の震災に向けての黙祷が行われました。
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3試合目の日本対ウズベキスタン戦のハーフタイム。
フロアの色消しテープの剥がれを修復するスタッフの皆様。
前日を含め4日間の設営ありがとうございました。
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ウズベキスタンのFK。
キッカーが入る以上、オフェンスがひとり少なくなるFKでシュートを撃つには色々な工夫が必要。
知っているか、知っていなくても対応できるかが勝負を分ける。DSCN0989
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ウズベキスタン戦ではセットプレーのみの起用ながら期待に応える弾丸シュートを決めた前鈍内選手。
彼のゴールを全員で喜ぶところにチームの雰囲気の良さを感じました。
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ウズベキスタンのパワープレー。
若干PTSD気味の日本のディフェンスを難なく攻略して同点に。
FKと合わせて、日本とウズベキスタンのフットサルトレンドのキャッチアップ具合を如実に感じた場面。
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嬉しい誤算だった芝野選手。
同僚の仁部屋選手との相性の良さで、国際舞台でも万能型ピヴォの本領を発揮。
ベビーフェイスと裏腹にゴール後の熱いガッツポーズも披露。
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ヒーローインタビューに全て日本語で答えるイゴール。
35歳で日本代表初キャップを記録した史上最高のオールドルーキーは今後の日本の大きな壁になるはず。
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ここからは各国の紹介。

過去にタイのチョンブリでアジアのクラブチームの頂点に立ったこともあるスペインの名将プルピス。
チョンブリとはまったくタイプの異なるウズベキスタンをベーシックな3-1のシステムを徹底し面白くないけれど強い欧州型のチームに仕上げてみせた。
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躍進のベトナムを育てた同じくスペイン人のブルノ・ガルシア。
今回は特殊な感情をベースに日本が一蹴したものの、小柄ながら出足のスピードが速く、ディフェンスもしぶといベトナムのフットサルは非常にやっかい。
今後も軽視できない難敵のひとり。
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抜群の運動量、粘り強い守備を持ち、強烈なシュートを決めるチームのダイナモ、No15のゴー・ゴック・ソンと、体勢を落としてのドリブル突破や股抜きでの仕掛けに光るものがあるNo4のブー・スアン・ズー。
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ダブルタッチでイゴールをかわして初失点を食らわせたNo7のディルショド・ラフマトフと、攻守にレベルの高いプレーを見せたNo8、ファルホド・アブドゥマフリャノフ。
ロングボールでのカウンター、セットプレー、パワープレーで3得点という地味だけど強い彼らを次回の対戦ではねじ伏せられるか。
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※以降は趣味の世界

俺が誰かって・・・。
俺はウズベキスタンのゴールを守るルスタム・ウマロフだ。
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半袖ユニフォーム×肘サポーター×オープンフィンガーグローブ×ロングパンツ×伸ばした後ろ髪のカール具合が俺流だ。
覚えておきな。ウズベキスタンではこれが最先端なんだぜ・・・。
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ベトナム戦は2-2で引き分けか・・・。
試合終了後、おもむろに右手だけグローブを外した理由を知りたいのかい・・・?
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それは相手にリスペクトを表して素手で握手をするためなのさ・・・。
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日本戦は3-3で引き分けか・・・。
今日はセーブだけじゃなく、ノールックのスローや、シュート回転のパントキックだったり見どころ沢山あってイカしてただろ・・・?
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さてと・・・。
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左手のグローブも外すか・・・。
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外した後はキチンと畳む。道具を丁寧に扱い、愛着を持つこともデキるゴレイロの条件なんだぜ・・・。
(以上は私の脳内のアテレコ。ふざけてますが、ウズベキスタンのゴレイロのウマロフはサイズはないものの機敏で判断力の高い素晴らしいゴレイロでした!! Fリーグにはいないタイプでまた見たいところ)


2 4月

2016/4/2(日) フットサル日本代表4月シリーズに向けて 『選手選考とか考えるの楽しいですよね』

2016/4/2(日) 日本代表4月シリーズに向けて

個人的には大好きなリカルジーニョ擁するポルトガルや、キャラの立った選手を揃えるロシアとのドリームマッチも期待していた、4月下旬に予定されていたフットサル日本代表の国際親善試合。

決まった相手はAFCの準々決勝で苦杯を舐めたベトナム代表(4/22(金))、ホームの大声援を活かして準優勝に輝いたウズベキスタン代表(4/24(日))とある種挑発的なチーム選考。
興行的な面白味はまったくありませんが、この対戦相手なら失地回復と2020年へ向けて明るい未来が見えることがテーマになるかなと思います。

・・・シーズンオフということもあり、移籍情報以外のフットサルネタはまったくないので勝手に選手選考を予想してみました。

選考基準ですが、

①現行のメンバーの踏襲
②2020年に向けての世代交代
③今年通年で活躍した選手
④闘魂注入的なベテランの復帰

・・・としています。
メンバーはAFCに行く前のコロンビアとの2連戦と同様16人(各日の試合ごとに2人がメンバー外)。
準備期間も短いことが予想されるため、今シーズン上位の成績を残した名古屋と町田のメンバーが中心です。
前に当たる時に強くなかった日本の1対1対策として体の強い選手、体は強くないもののスピードで抜けられる選手が多くなりました。

名前(所属:選考理由)(4/1時点での現年齢/同じく2020年での年齢)

◆ゴレイロ
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イゴール(町田:③)(35/39)
→能力は説明不要。
2020年は39歳だが彼を越えるゴレイロが2人以上出るとは考えづらい。

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篠田 龍馬(名古屋(?):②)(25/29)
→日本で一番勝っているチームのゴレイロであり、パワープレーの守備、パワープレー返しの経験は随一。
リードする場面では彼の能力が活きるはず。関口選手加入で所属チームがどうなるかが気になるところ。

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関口 優志(名古屋:①②)(24/28)
→総合的なポテンシャルは間違いなく日本一。
誰もが納得するであろう2020年の正ゴレイロ候補。

◆フィクソ
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小宮山 友祐(浦安:④)(36/40)
→木暮監督とともに2012年ワールドカップを闘った日本代表のキャプテン。不動の闘魂注入枠。

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酒井 ラファエル 良男(名古屋:①)(32/36)(左)
→今回のAFCで露呈した国際舞台での経験値の蓄積を期待。
状況に応じてはピヴォを兼任。

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滝田 学(町田:①)(29/33)
→攻守を含め能力は間違いなく上位。ベトナム戦はリベンジの好機。

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星 龍太(名古屋:②)(28/32)
→ディフェンスに強い純フィクソ枠。2020年の守備の中心になることを期待。

◆アラ
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金山 友紀(町田:③④)(38/42)
→近年の活躍を見て年齢以外の理由で選ばない理由がない。攻守の切り替えの早さ、ニア・ファーへ常に突っ込む姿はすべての選手のお手本。

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森谷 優太(町田:③)(32/36)
→名古屋を破った全日本決勝で実証した風貌通りのディフェンスと、風貌に似合わないドリブル&優しいパス。
日本で最も実力を過小評価されている万能選手。

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中村 友亮(名古屋:②③)(29/33)(右)
→膠着状態を打開するリンクマン。154cmながら流れの中でピヴォに入る動きも光る。

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加藤 竜馬(浦安:②③)(26/30)(左)
→2015/2016Fリーグ後半、いまいち噛み合わなかった浦安でプレスに奔走した姿勢を評価。停滞するムードを打開できる選手。

中井 健介(町田:②③)(26/30)
→近年のチームの成績とリンクして急成長。溌剌としたプレス、打ち切るシュートとわかりやすいプレーは好印象。
(すいません。写真がありませんでした・・・)

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田村 友貴(大阪:②)(24/28)(左)
→木暮チルドレン枠その1。フィクソ、アラ・フィクソとしてポテンシャルは高い。今後の日本代表入りに向けて経験を積みたい。

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加藤 未渚実(大阪:②)(23/27)(左)
→木暮チルドレン枠その2。海外の間合いでドリブラー枠のジョーカーとしての役割を果たせるか。

◆ピヴォ
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森岡 薫(町田:①)(36/40)
→名古屋との契約延長はなかったものの、試合後の感想が『森岡スゲー!!』だった試合がまだまだあった今シーズン。
2020年は40歳だが彼を越えるピヴォが2人以上出るとは考えづらい。

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清水 和也(すみだ:②③)(19/23)
→強シュートとそれを活かすシュートのタイミングの良さ。
ズバ抜けたシュートセンスに磨きをかけて2020年までに最も成長してほしい選手。

◆監督
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木暮 賢一郎(大阪:②③④)(36/40)
フットサル黎明期を駆け抜け、国内、国際舞台で活躍した先駆者であり、ここ10年来の日本フットサル躍進のアイコン。
2004、2008、2012年とワールドカップに3大会出場し、2012年は史上初の決勝トーナメント進出など選手として華々しい成績を残す。
監督としても定石、奇策ともに光るものを持ち、大阪を率いた初年度はリーグ優勝が懸かった名古屋とのプレーオフでゴレイロをそのままフィールドに上げてのパワープレーを採用し、名古屋を寸前まで追い詰めた。
今回は2戦のみの暫定指揮ながら今後の動向にも期待大。

・・・完全に飲みながら妄想レベルの選考になりましたが、意外と面白いのでよろしければみなさんもやってみてください(汗)。






25 2月

2016/2/23(火) ミゲル・ロドリゴ日本代表監督の去就について 『ポスト・ミゲルに向けて』

2016/2/23(火) ミゲル・ロドリゴ日本代表監督の去就について 

2/18(木)、ミゲル・ロドリゴ日本代表監督はキルギスに敗れ日本のワールドカップ出場が無くなった後の会見では辞意を表明するも、2/23(火)、ウズベキスタンから帰国し、成田空港では今回のAFCのグループで仕事をするのは最後という趣旨であり、続投する意志があり、JFA(日本サッカー協会)と去就について話し合うということが報じられた。

2012年のW杯、2012年、2014年のAFCを連覇したミゲル監督の8年間の功績は絶大であり、フットサルのコーチングライセンスを整備し(これまで玉石混淆だったフットサルC級、B級のカリキュラムのアップデートを推進する)、ボールゲームとしての健全な競技性が保たれるようジュニアカテゴリーのルール改訂等にも尽力している(12歳以下のカテゴリーでは体格に勝る選手をゴール前に配置してゴレイロがスローする発育差を活かした戦術が横行していたため、ゴレイロからハーフラインを越えるゴールスローを禁止)。

本場スペインからの指導者が発する改革案の説得力は高かったろうし、同じことを事例紹介という形で日本人が発してもここまでの改革が進んだかは疑わしい。
日本代表監督として代表チームの指揮を執るということのみならず、フットサル後進国であった日本フットサル界の現状を理解し、改革の実現に向けてドライブした彼の熱意は間違いなく本物だ。

ただ残念なのが、AFC敗退後の2/18(木)~2/23(火)に正式にコメントを出したのはミゲルだけ(厳密には2/23(火)は空港での囲み取材)であり、JFA担当者からのリリースは一切なく、ミゲル監督が語った去就についてJFAと話し合うというところの、JFAでフットサルを統括をしている意思決定層の顔がファンからは一切見えてこないということだ。

ミゲル監督の功績は大いに称えられるものの、今回の結果に関する分析はシビアに行うべきで、達成目標に対して何がどうだったのかという議論を曖昧にして存続するのは組織として決して健全ではない。
そしてそれは被雇用者であるミゲル監督に丸投げするのではなく、責任のある立場の者が推進、発表するものだと思う。
そういった納得感のあるプロセスとリリースの上で、ミゲル監督が続投となるのならば私は大歓迎だ。

現状、日本フットサル界にはフットサルを理解し、実現ができるという意味で影響力のあるご意見番がいないように思う。
個人的にはミゲルには日本フットサル界のGMのような形で残ってもらい、日本代表監督としては実質プロではない日本フットサル界、本場のスペイン、アジア/W杯での戦い方を理解し、日本で最も選手として成功し、たった3年間の監督経験の中でタイプの異なる若手を育成し、野心的な戦術を遂行した現シュライカー大阪監督の木暮選手を推したい。

彼であればミゲルとのコミュニケーションも円滑だろうし、ミゲルに対してイエスマンの傀儡になることもないだろう。
そして何よりこれまでの日本フットサル界の経験の蓄積を内外に示すことができる。

功績、人柄から非常にリスペクトされていたミゲル・ロドリゴ日本代表監督。
代表監督として誰かに意見を言われる環境があったのか私にはわからないが、彼に対する尊敬が一周し、議論や哲学のぶつかり合いがない環境であったのなら、それは孤独であり、無関心とも言えるものなのであったのではないだろうか。

ミゲル・ロドリゴGMと木暮賢一郎日本代表監督。
このふたりであれば議論し、ぶつかり合い、理解し、正し合うことができるように思う。

飲み屋でクダを巻くファンの妄想の域を出ないが、ポスト・ミゲルに向けてそんな体制を私は夢見ている。




日本人チームを躍動させる 決断力の磨き方
ミゲル・ロドリゴ(フットサル日本代表監督)
カンゼン
2014-05-14




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