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Futsal Philosophy (フットサル・フィロソフィー)

Fリーグ

9 7月

2017/7/8・9(土・日) Fリーグ第5・6節 浦安市総合体育館/墨田区総合体育館『ハーフセントラルの意義』

2017/7/8・9(土・日) Fリーグ第5・6節 浦安市総合体育館/墨田区総合体育館『ハーフセントラルの意義』

※2017/7/11初稿→7/12末尾に観客数の比較について追記

ハーフセントラル

『256』

2の累乗としてシステムの世界ではキリが良く、個人的にはそろそろSSDやmicroSDでも手頃な価格になりそうだなというのが職業柄連想される数字だが、7/8(土)、7/9(日)のハーフセントラル(浦安、墨田総合体育館に6チームづつを集めて3試合×2日開催)の最低入場客数(7/8(土)の浦安での仙台府中戦)がこの数字だった。

カードとしては墨田に強豪、人気チームが集中した印象だったが、今年台風の目になりつつある湘南や健闘の光る浜松、外国人トリオが入った仙台とそれなりに見所はあっただけに正直意外だった。

唐突だが『256』という観客数が独り歩きしている感もあったので、1節の開幕戦セントラルと5&6節のハーフセントラルの観客数を各日の同一時間での試合の合算でまとめた。
以下を見てほしい。

観客数

こうして見ると2会場で行われたハーフセントラルと、1会場で行われたセントラルの差はわずか(1試合平均で93%、110名程度今回のハーフセントラルの観客が少ない)で、

『東京(関東近郊)で行われるセントラルの集客数は最高2,000人/平均1,500人程度』

というのが定量化された11年目のFリーグのリアルだ。
(ファンの母数は変わらない以上、セントラルを2箇所でやる=それぞれにセントラルの観客が動員されてトータル2倍の観客、は期待値とはならない。ファンを1/2づつ分け合うというのが数学的な道理だろう)

苦戦を余儀なくされた浦安会場も、スマホで課金ゼロで観られるAbemaTVの視聴者数は20万人(実際はセッション切れになった同一ユーザのアクセス数も集計されているだろうからもう少し少ないだろう)とのことで、手の平の世界での観客数は結構多く、露出の減ったフットサル界としてはここから現地観戦への導線を持ってこれればしめたものだ。

Fリーグ11年目に生まれた新職業『フットサル解説員』を務める名古屋9連覇の立役者、北原亘氏のコメントも毎回素晴らしく、コメント入力が可能なAbemaTVでコメント者の中から抽選で当選アカウントを発表し、2試合以内に会場に足を運べばプレゼントの実物を受け取れるなんてのをやっても面白いかもしれない。

セントラルの観客数の落ち込みが顕著であり『256』という数字にヒステリックになっていたこともあるが、今回のハーフセントラルは開幕戦と同程度の集客だったというのを念頭に、あと5回あるハーフセントラルと、シーズンのオーラスである駒沢セントラル→同プレーオフの観客数を冷静に評価していけばいいのではないだろうか。


全国リーグの費用の大半は会場費と移動費だろう。

集中開催のいいところは1チームが借りた会場への1度の移動費で2試合行えることだ。
昨シーズン観客が500人を切り明らかに赤字と思われるホームゲームを行うよりも通年の収支は大きくなるのではと思う。

簡単にだが1回あたりのホームゲームの開催費を素人が想像できる範囲でまとめてみた。

ホームゲーム費用

平日:900,000円/土日祝:1,100,000円というのが簡単な試算で、以下がチケット代を2,000円としての損益分岐点(緑が平日/水色が土日祝)だ。

損益表

こう見ると損益分岐点はそこまで高くないことが分かるがここでのプラスが後述する遠征費に充当されるのでプラマイゼロで喜んでばかりもいられない。

なお会場設営(体育館に元々あるラインを床色のラインで消してフットサルのラインを引く、せり出し式のアリーナ席を出す)だったり、諸々の雑多なことは全額有志によるボランティアで賄っての試算となる。
試合を楽しんで帰りにあーだこーだ感想を言うだけのフットサルファンとしては毎回感謝の言葉しかありません。


移動についてだが、12チーム3戦総当たりの全33試合をフラットに分ければ11試合が上記のホーム、残りをアウェーとセントラルで22試合、各11試合を分け合うことになる。
かなり乱暴な試算が続くが遠征メンバーを16名として遠征2回とハーフセントラルで2試合のモデルケースをいくつか出してみた。

移動費

今回のような集中開催だと移動費を節約できるケース2、3の試合になるチームにメリットが大きい。

北海道(対浜松、湘南)、大分(対名古屋、すみだ)はありがたかっただろうし、同一地域の対戦が組まれた町田、すみだ、大阪、神戸は結構な好カードをホームゲームでできたかもと考えるとちょっとガッカリだったかもしれない。

神戸対大阪の関西ダービーが関東のハーフセントラルで開催というKYなカードもあったが、去年の同カードはグリーン神戸/グリーン神戸/高知春野で開催されていて、大阪の純ホーム会場の試合はひとつもない。
半ば形骸化されたホーム/アウェー/セントラルの煽りを食った形だが、関東のフットサルファンに試合終盤までハラハラドキドキの4-4の引き分けという熱戦をお披露目出来たのなら腐らずドヤってもいいのではないだろうか。

結論をまとめよう。

①観客動員
→開幕戦とほぼ同等の動員であり健闘した。
気の毒だがこの開催地の近さだと256人という数字はありえなくもないとしか言えない。

②費用
→長距離移動が発生する対戦をするチームには大幅なメリットがある。
集客を見込めたかもしれないハーフセントラルだったが、浦安は墨田とのキャスティング差で入場料収入面で割を食った。

浦安会場に行かれた方には意外かもしれないが、トータルで見るとハーフセントラルはそれなりに成功したのだと思っている。

実業団形式であるVリーグや、昨年産声を上げたBリーグも土日(あるいは金土)に2試合づつの試合形式で実施しており、多くの競技が採用する以上、この形式のメリットは確実にある。
全チームの体力を現実的に考えると体制が強いところに抱っこや、負債の持ち回りをした方が長い目で見るとプラスになりそうだし、これを何年か続けて全チームが一定の体力をつけるのを待つのもひとつの選択肢だろう。

色々と妄想の域を出ない推論が続いたが1チームでリーグは成り立たない。

『256』という観客数や、関西ダービーを関東でというカードの妙(正確には妙なカード)もあり、大いに不安を感じたハーフセントラルだが説得力のある答えがあるならファンは納得するしかない。
アナウンスがないからヘイトや不信感が生まれるわけで、何らかの意図や理由があって始めたハーフセントラルならファンに目的を伝えてほしいし、何が達成できて何が課題として残ったのかをリーグは明示してほしい。

※補足 観客数の比較について
観客数の比較は『同一地域での2会場開催なので、同一日時で足を運ぶファンの母数は変わらない』という仮説の論証が目的で、代々木1会場⇔浦安/墨田2会場合算を同一時間での試合順ごとに比較した。
(①②は各日の同一時間での試合数(3)で各日の合計を、③は全体の同一時間での試合数(6)で2日間の合計を除算:以下:試合順比較)

本記事のUP後『開幕は1節6試合/今回は2節12試合だから節ごとの平均でないとおかしいのでは?』という意見をいただいたのでそちらについても考察した。
(④⑤は各日の試合数(6)で各日の合計を、③は全体の試合数(12)で2日間の合計を除算(以下:節比較))

観客数_R1

観客数_R2

当然だが試合順比較、節比較とも合計の観客数は変わらないので、

『東京(関東近郊)で行われるセントラルの集客数は最高2,000人/平均1,500人程度』
というのが定量化された11年目のFリーグのリアルだ。

というのは変わらない。

反面、

⇒ファンの母数は変わらない以上、セントラルを2箇所でやる=それぞれにセントラルの観客が動員されてトータル2倍の観客、は期待値とはならない。ファンを1/2づつ分け合うというのが数学的な道理だろう

について初稿では実数が明示されていなかったので、同一地域内でのハーフセントラルの量の決まったパイの食い合いというマイナス面がテキストのみでしか表現できておらず(節比較の表はその点が50%以下という数字でハッキリする)、アンフェアな見せ方(自分はただのファンなのでどこに対して公正であるのかは不明)だったのではと反省している。

そんなこともありハーフセントラルで本来あるべき姿とは、というのを13&14節に予定されているきたえーる(北海道)/オーシャン(名古屋)でのハーフセントラルで、それぞれ単独開催でそれなりに観客が入った試合をモデルケースに簡単に妄想してみた。

観客数_R3

観客数_R4

同一地域で観客を取り合うこともなく、各地域で集まったファンの前で選手・関係者が1日3試合づつのコンテンツをより盛り上げようという相乗効果で切磋琢磨する。
ハーフセントラルは今シーズン6回あるがおそらく本来あるべきはこういった形での開催だろう。

いずれにしろハーフセントラルが興味深い試みであることは間違いないし、最近ではセントラルが一部会場に固定されていることもあり、各地域ごとの期待値をもう一度おさらいできるのはリーグとしても貴重な機会だろう。

やってみたら意外と面白かったこともあり、ハーフセントラルの観客動員については3回目、6回目終了時にでも実数を紹介していこうと思う。

会場

12 6月

2017/6/12・13(土・日) Fリーグ第1節 国立代々木競技場第一体育館 『今シーズンの注目点』

2017/6/12・13(土・日) Fリーグ第1節 国立代々木競技場第一体育館
シュライカー大阪 4 - 3 エスポラーダ北海道
ペスカドーラ町田 4 - 1 デウソン神戸
バルドラール浦安 0 - 1 アグレミーナ浜松
フウガドールすみだ 9 - 1 バサジィ大分
名古屋オーシャンズ 1 - 0 府中アスレティックFC
湘南ベルマーレ 6 - 0 ヴォスクオーレ仙台

11年目のFリーグが開幕。
今回は個人的な2017-2018シーズンの注目点をいくつか紹介します。


①シュライカー大阪のAFCフットサルクラブ選手権の挑戦(2017/7/20~7/30)
AFCフットサルクラブ選手権は2011から7度開催されており、2011/2014/2017年に名古屋が同大会最多の3度優勝している。

昨季、就任3年目の木暮監督のもと、ブラジルトリオ+小曽戸/田村/加藤未渚実の6名を中心に群を抜いた結果で優勝したが、酷暑のベトナムで7/20~7/30の11日間、最大6試合の連戦はそうもいかないだろう。
同大会のレギュレーションでは参加チームの国外選手の起用はベンチ入り2名/出場1名(Fリーグではベンチ入り3名/出場2名)となっており、今季加入した相井選手、芝野選手、堀米選手らのアタッカーと既存の日本人勢力を活かしつつのパズルを余儀なくされそうだ。

昨年の名古屋はシンビーニャが負傷のため、唯一の外国人だったセルジーニョがバランサー的な役割で八木/橋本/齋藤らの若手3人集をバックアップ。
森岡/北原らの大黒柱が去った新生名古屋は1勝3分1敗(イランキラー関口選手の嫌がれせのようなストップ連発による2PKで勝ち抜け)という奇跡的な結果でカーテンコールを迎えたが、今回の大阪はAFC向けに日本人選手の駒を上乗せし、盤石の体制での参戦になる。

名古屋以外ももちろんだが日本人監督が同大会を率いるのも史上初で、日本フットサル界のアイコンのひとりである木暮監督にはミゲル・ロドリゴ監督の後任をスペイン人に限定した日本代表監督人事を後悔させる結果を期待したい。
グループリーグ同組であり、日本のライバルのイランから出場するパサンには昨年のワールドカップでブロンズシュー(MVP序3位)を獲得したキャノンシューターのイスマイルプールが所属している。
日本人監督としては他から一歩リードした感のある木暮監督にとっては、手腕を証明するには願ってもない最高の大会だろう。
若干面倒くさそうなニヒルな笑みを浮かべて優勝トロフィーを掲げてもらいたい。


②アジアインドアゲーム(2017/9/17~9/27)
2014年のAFC(各国代表)の2連覇以降、一気に強化予算やスケジュールの冷遇が目立つフットサル日本代表。

2015年は年数回の強化合宿とトレーニングマッチで強化を図ったもののあえなく本番で撃沈しワールドカップ出場権を逃し、先日バンコクで行われた第1回U20選手権は国内合宿と名古屋サテ&トップとの練習試合で臨みベスト8敗退。
続くU25という珍妙なカテゴリーで神戸フェスタに出場したがトルクメニスタンフル代表に3-3の引き分け、U25クロアチア代表(実際は25歳以上の選手も参加)に1-3で敗れてグループ最下位に沈み、参加6チーム中の5、6位を賭けた順位決定戦でオーストラリアのGalaxyFCを11-0で退け、明確な1弱の大会で見事5位を死守した。

同大会に日本フットサル黎明期の名指揮官である中村氏、前川氏に率いられて出場したトルクメニスタン代表は1、2位決定戦に進出し、デウソン神戸に次ぐ2位に輝いた。
このチームは昨年11月の日本遠征ではリガーレ東京、ファイルフォックス府中、すみだ、浦安、町田を相手に1勝4敗の戦績だったが、その後、今年同国で開催されるアジアインドアゲームズに向けて国内合宿、スペイン遠征と精力的に強化を重ね、世界最高リーグであるスペインリーグ1部チームに勝利するまでに成長している。

意欲を持ち、良い師に学び、強敵と鍛錬を積む。

先日開催された甲斐選手の引退試合で散見したエピソードだが、90年代後半から2000年代前半にかけて、チーム、個人でブラジルへ武者修行に行くことが日本のトップランナーの間でトレンドになっていて、愚直な正攻法とも言える先人たちの強化の種が日本代表の2000年代後半の躍進から2014年のAFC連覇に繋がっていたことは間違いない。

アジアインドアゲームズには(フル代表であるかの公式なアナウンスはまだないが)日本代表も参戦する。
トルクメニスタンをはじめ諸外国から優秀な指導者を招聘し勢力的に強化に励むアジア各国との対戦を通して、せっかくのスペイン人監督を迎えながら研鑽の機会がない元強豪国の現在地がハッキリとわかるはずだ。


③府中アスレティックのホームアリーナ問題(2017年シーズン通年)
もともとメインアリーナに据えた府中市総合体育館がFリーグの規定(ピッチサイズが縦40メートル×横20メートル必要だが、おそらく縦38メートル×横20メートルほど。観客席数が2,000人以上必要だが1,500人程度。また空調があること)に満たなかったものの、今後の是正を条件に2010年からFリーグに加入した府中。

空調は整備されたものの、(元々いつまでに必要かのリリースはなかったが)ピッチサイズと観客席数が是正期間を越えても未達であることを理由に8月以降の府中市総合体育館でのホーム開催がリーグとして許可されなかった(ここは多少の憶測を含む)。

開幕以降、名古屋9連覇時代の対抗馬の一角として名勝負を演じ、2015年には決勝戦で名古屋を破ってオーシャンカップ優勝に輝く。
席数は少ないながら着席率が高いアリーナからコの字に囲んでピッチを見つめる昭和感とローカル色たっぷりの府中市総合体育館は、オシャレでカッコいいという近年のアリーナスポーツと対局にあるもののギュッと詰まった熱を持ち、一緒に共通のコンテンツを楽しむという観るスポーツを体現している素晴らしいアリーナだと思う。

今年、今後のFリーグ参入へのトライアルを目的としたFチャレンジリーグから柏が脱退し、徳島ラパスはチーム自体が何のアナウンスもなく消滅した。
代わりにボアルース長野、浜田フットサルクラブが参入したものの、現有リソースに勝算ありと見込んだ2チームがなぜ脱退したのかの議論やフィードバックが行われたのかが非常に気になった。

ルールに準拠することはもちろん大切で、違反を起こせばペナルティが待っている。
それが契約や法に準拠した現代社会のベースであることは間違いないし、否定する気は一切ない。
だが公序良俗やモラルに反したわけでもなく、フットサル界の盛り上がりに貢献し、熱狂的に応援してくれている人たちの感情面を無視する裁定はちょっと空気が読めない気がしてならないのは私だけだろうか。

暫定条件での参入という経緯もあり、府中側も強く出れないというのは想像に難くない。
こういう事例は言った言わないや、声の大きい人の意見が通りがちで、当事者以外は沈黙が金だ。

もちろん府中がピッチサイズと観客席数を満たせるアリーナの算段を付けることが最もスッキリする解決策だが、現状がパワーゲームに終始しているようなら各関係者は以下のFリーグ設立時の理念に目を通してみてほしい。

11年前の憲章は有名無実化していないか、Fリーグが目指していた未来に向かっているかを確認するにはいい機会だろう。

『F』はフットサル(FUTSAL)の頭文字というだけではなく『Fight』『Fun』『Friend』『Fair Play』『Future』という意味も込められている。
Fリーグは理念として、日本のフットサルの競技レベルを向上することやフットサルを普及して競技人口を拡大すること、フットサルコミュニティを創出して国民の心身の健全な発達に寄与すること、国際交流を行って国際親善に貢献することを掲げている。


④販売/観戦の多チャネル、多メディア展開を軸としたIT活用(2017年シーズン通年)

2016年に開催されたオールスター、2017年の全日本選手権で実施されたAbemaTVによるライブ放送が今シーズンからFリーグ本戦についてもフォローされることになった。
『AbemaTVがあるから会場よりも家からAbemaTVで観ればいいや』という層が増え来場者数への影響があるのではと懸念されたが、開幕セントラルの最多入場者数は2日目14:30キックオフの名古屋府中戦で2,018人となった。

昨シーズンの開幕セントラルの最多入場者数は1日目17:00開始の町田神戸戦の2,934人で、3カ月前に行われた全日本選手権の決勝戦が3,228人だったことを考えると、確かに観客は減ったように思うが、アリーナ/スタンドともどこかの会場で観たことのある面々はやっぱりいて(すいません。自分もですが...)、なんだかんだで骨の髄までジャンキーなコア層はAbemaTV云々を抜きに確実に会場に来てしまうのだろう。

年々客足の落ち込みは顕著だが、開幕バブルとワールドカップの余勢を駆った2008年代々木セントラルの名古屋浦安戦が7,081人の観客を集めたことを忘れてはいけない。

就職、転勤、結婚、出産、介護・・・。
9年という時間は生活を変えさせるライフイベントを迎えるには十分だ。

新規顧客獲得も勿論大事だが、色々な要因でフットサルを観ることから離れた元フットサルファンの7,081人にフットサルを思い出してもらうことにもAbemaTVは非常に強力だ。

ネット環境があればどこでも観れるチャネルで定期的な露出の場を持てたことは機会があればまた観に行きたいだったり、懐メロや同窓会感覚でのお久しぶり層にとっても今後大きな力になるだろう。

反面、Fリーグのサイト運営は迷走している。

6/10(土)の10時(開幕戦キックオフの2時間前)にFリーグのサイトがダウン。
2時間後にTwitterでダウンのお詫びを掲載し、18時に限定復旧の報を掲載したが、その後、6/15(木)22時現在までAndroidスマートフォン/タブレットからはトップ画面のタブ(ニュース、試合結果などの項目)が反応しなくなっている。

また、一般発売の6/1よりも3日早い5/29に電子チケットDMM.Eで売り出すことを5/28にリリースしたが、アプリからは検索がヒットせず、ホームページの最下部にある小さなリンクのみからしか遷移できなかった。

電話やメールでのお客様問い合わせ窓口のないチケットビジネスでこのあたりのリテラシーやセンスのなさは閉口ものだし、何を持ってシステム的に正しいと判断できるかの人材がいないのではと思う。
SNSが全盛の昨今だが、そこからの流入先はチケット販売サイトや公式ホームページになるわけでここを抑えられなければ売上や利便性に寄与しない。

公式ホームページ、SNS、AbemaTV、そして会場での現地観戦をリンクさせることがIT活用のキモで、2017年は個体として駒が揃っている。
有名無実化した役職を増やすのではなく、ここを俯瞰的にデザインできるCEO補佐なり報道官をゼヒとも招聘してほしいところだ。
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7 5月

2017/5/7(日) 甲斐選手引退試合 町田市総合体育館 『16年後の笑顔』

2017/5/7(日) 甲斐選手引退試合 町田市立総合体育館
ペスカドーラ町田レジェンド - CASCAVELレジェンド
CASCAVELレジェンド - KAI SHUJI FRIENDS
KAI SHUJI FRIENDS - ペスカドーラ町田レジェンド

『フットサルのすすめ』という本をご存じだろうか。

副題は『Super League 2001 Official』と打っており、2001~2003年(2000年にプレ大会を実施)にかけて行われた競技フットサルの通年全国リーグ(といっても関東7チーム+関西1チームで行われたJFA主管ではない私設リーグであるスーパーリーグのオフィシャルガイドブックである。

選手名鑑もついており未だに現役でFリーグを戦う選手は金山選手(町田)、三井選手(府中)、岩本選手(浦安)の3名のみだが、各地域リーグで選手や指導者として活躍している面々はまだまだ結構な数がおり、インターネットではほとんど情報が残っていないフットサル黎明期で彼らが期待の若手と呼ばれていた時代の貴重な文献である。

このスーパーリーグの代表が昨シーズン45歳で引退した甲斐修侍氏で、本の冒頭にあるスーパーリーグの意義を語る言葉が非常に奮っている。

『今後の課題としては、いかにして『観る楽しみ』を提供していくか、ということですね。
そして多くの人に観られることによってプレーヤーの技術も上がるわけです。
そういういい循環を作っていけば必ずスーパーリーグは成功すると思っています』

当時流行していた細めのセルフレームのサングラスから覗く笑顔がなんとも印象的だ。

それから16年。
2007年にJFA主管による全国リーグのFリーグが開幕し、2012年にはワールドカップベスト16に進出。
名実ともに日本のフットサルのレベルは大いにアップしたと思う。

観客動員数の伸び悩みはもちろんあり、プロ化も進まず、チームごとのレベルの格差もあるが、観客動員はどちらかと言うと健闘と不振が目立つチームの差が開いているのが顕著(前者が北海道/町田/すみだで後者が仙台/大阪/大分)で、2000年前半のフットサルナビやピヴォを見てみると関東リーグを戦う主力選手がインタビューでファーストフード店で週4日バイトをして生計を立てているといったことが普通に記事になっていたりもしたが、現在のトップリーグであるFリーグでは金額の過多こそあれサラリーを貰える選手は増えてきているのではと思う。
競技レベルの不均衡については、F開幕前の1996年~2006年の11年間は関東の強豪チームが全日本を8度制していて、いい選手がその時にいい環境の組織や地域に属するようになるのは競技者として当然のことだろう。

過去のエントリーで散々現状に対する不満を書いてきたが、日本フットサル界が正当に進化してきたことは間違いがない。
ただ、最近の停滞感や他競技の躍進を見ると歯がゆさや、意思決定層の無関心さが目立つように感じて率直にとても寂しい。

ゴールデンウィークの最終日、5/7(日)に行われた甲斐選手の引退試合は1990年後半からの黎明期に鎬を削った戦友たちの同窓会を、ずば抜けた股関節の柔軟性と、バランスを備えた分厚い体躯をベースに奇術のようなテクニックを操り『フットサルの神様』と称されるファルカンが見守る好イベントになった。

引退試合はペスカドーラ町田レジェンド、CASCAVELレジェンド、KAI SHUJI FRIENDSの3チームに、今年3月に全治2ヶ月の怪我を負った甲斐選手が入ってランニング15分ハーフで戦う巴戦形式。

第一試合に登場した相根選手が寄せに来た甲斐選手の状態が万全でないことを視野に捕らえるとなんでもないパスをさりげなくトラップミスしてサイドラインを割らせる。
古くから主役をよく知る戦友たちにとっては、今日のハイライトが何かの話し合いは不要ということだろう。

3試合の総当り戦はファルカンが代名詞のファルカンフェイント、アウトサイドでのリフティングからサソリの尻尾のように後ろ足を振り上げてのパス、シャチホコシュート、鎖骨の窪みを利用してボールをピタリと止めるトラップと妙技の数々をご祝儀代わりに披露して喝采を集めれば、甲斐選手が親子競演を果たし、最初に立ち上げた競技系チームのAZUR(98年全日本準優勝)のチームメートである黒岩氏とマッチアップ。
イゴール選手の肩口を負傷明けとは思えないループシュートで狙うと、これを防いだイゴール選手が申し訳なさそうに手を合わせるなど各出場者が見せる笑顔が非常に印象的だった。

ダブルタッチを活かしたサイドのドリブル突破を武器にした橋本選手がファルカン相手にファルカンフェイントからヒールリフトを見せて会場を笑いの渦に巻き込めば、ファルカンと森岡選手が抜群のテクニックと局所的なスピードアップでゴールを呼び込むなど、笑いと競技としての見せ場も十分で、職業ファルカン/趣味フットサルといった風情な神様の美技を堪能しつつ、甲斐選手になんとかゴールに絡んでもらおうという気遣いが交錯して時間が進む。

最後はこの日得点がなかった甲斐選手のために急遽審判に入った阿久津氏が突如PKを指示すると、ベンチから3チームの選手が応援に飛び出し、甲斐選手が周囲の期待と共にペナルティスポットへ。
公式戦とちょっと違った緊張感の中で放ったシュートは無常にもゴールを外れ、フロアに集まった3チームの選手がコテコテのズッコケ芸を披露した後のセカンドショットを確実に決めると、やっつけ感と愛のある胴上げでこの日の主役が宙に舞った。

フットサルに熱中して青春時代を過ごし、めでたくアラフォーを迎えた壮年の志士たち。

近いようで遠かった憧れのファルカンとの絡みと、日本の競技フットサルで長くメインキャストを務めた甲斐選手への惜別の想いが交錯する笑顔が印象的な引退試合は最高のカーテンコールで幕を閉じた。

『今後の課題としては、いかにして『観る楽しみ』を提供していくか、ということですね。
そして多くの人に観られることによってプレーヤーの技術も上がるわけです。
そういういい循環を作っていけば必ずスーパーリーグは成功すると思っています』

16年前に語った甲斐選手の言葉はシンプルだ。
だが、とても重い。

フットサルはメジャーになりうる可能性を持った魅力的なスポーツだと会場に集まった誰もが思っているだろうし、それが叶っていないことももちろん知っている。
それを叶え、年間1億円以上のサラリーを集めているのは世界中で黄色と赤の縞模様のシャツを着て町田に現れた『観る楽しみ』の権化のようなファルカンだけだろう。

2007年のFリーグ開幕。
カズこと三浦和良(Jリーグ横浜FC)が参加しベスト16に進出した2012年のワールドカップ。

ブレイクしそうでしきれない歯がゆい競技だが、マイナースポーツなんてどれもそんなものだ。

フェンシング
バドミントン
ハンドボール
ラグビー
女子サッカー

オリンピックやワールドカップで、金星、メダル、優勝と話題になった各競技も印象的なトピックや名場面は覚えているものの、数字に残る客足として定着しているかというと首を横に振らざるを得ない。
その中でフットサルが人気も待遇も一気に飛び抜けるというのは神業に近いものがあるし、一番に必要なものは残念ながら『我慢』だ。

我慢とわずかな進歩の16年間。
今回の引退試合はそんな我慢を感じさせない笑顔が沢山あった15分ハーフ×3試合で、出場した選手たちは久々に再開した戦友との同窓会を心から楽しめたのではないだろうか。

冒頭に観客動員数の伸び悩み、プロ化への停滞、チームごとのレベルの格差について触れたが、全体としては16年間で少しづつ確実に進歩している。
ふと現実を見ると暗いニュースが多かった2016年シーズンだが、新シーズンへの谷間の時期に沢山の笑顔を見れたのがとても嬉しかった。

没頭し、ジレンマを感じ、喜怒哀楽を共に感じた仲間たちはいつの間にかお腹が出て、髪には白いものが増え、笑えば目尻に皺が寄っている。
切磋琢磨した当時の戦友たちとの再開を笑い合えるのは濃い時間を過ごした彼らだけが味わえる最高のご褒美だろう。

おそらく何年か後にあるだろう誰かの引退試合でも同じ光景が広がっていてほしい。
その時、2001年の言葉をまた思い出すはずだ。



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こちらが2001年に毎日新聞社刊から出版されたフットサルのすすめ。
まれにAmazonで出品のある一冊で、あの人がこのチームに的な発見もあり。
フットサルファン歴が10年未満の人に非常にオススメ。
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試合前の整列時に森岡選手が記念撮影。
試合中は鬼気迫る気力を見せるタレントたちもこの日は笑顔。
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2004、2008年のワールドカップで日本の底を支えたふたりの闘将、難波田選手と鈴村選手。
残念ながらワールドカップには縁がなかったものの、まだまだ現役の岩本選手も交えてイイ笑顔。

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この体格差ながら異なる武器で勝負するふたりの背中。
2008年のブラジルワールドカップで対戦経験もあるファルカン選手と金山選手がガッチリ握手。
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本日の主役のふたり。
5番と12番へ炊かれてできるフラッシュの後光。
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フットサル界のレジェンドとJリーグのユースチームに所属する親子鷹の初競演。
押してもビクともしない稲田選手をマークして分かる父の偉大さ・・・。
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文中の黒岩選手とのマッチアップ。
迎え撃ついい笑顔が非常に印象的。
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試合の待ち時間で生まれたファルカン/イゴール/森岡のスリーショット。
東京の観光情報か、日本/ブラジル/中国のリーグを経験した3人の次の旅路への情報交換か。
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華試合で目立った稲田選手の強烈な右足と石渡選手の平然としたセーブ。
ここ数年グラスルーツカテゴリーで猛威を振るった闘魂のふたりはFでも全然やれそうな存在感。
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笑顔が目立った試合で突如発生したシュートファイト。
フィジカルでゴリ押しする稲田選手の仕掛けを岡山監督が後ろからユニフォームをクラッチして抑える。
普段は柔和な岡山監督が見せるシブカッコいい真剣な表情。
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こちらは闘魂劇場。
プロレス式に稲田選手に当たって盛り上げる難波田選手。
ファルカン→森岡の伯日キングのお膳立てから美味しいゴールをゲット。
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右45度からの甲斐選手の左足ループを防いだイゴールがゴメーンとばかりにこの笑顔。
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昨シーズンの町田の出世頭、日本代表にも定着しつつある原辰介選手の兄、過去に町田でゴレイロとして活躍した原章展選手が石渡選手とスイッチ。
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世界最高のテクニシャンであるファルカンの惚れ惚れするような胸板、お尻の大きさ、足首の細さ。
生で見る機会があった場合は、背中に鉄板が入ったような姿勢の良さと、それを支える均整の取れたフィジカル、試合前のルーティンである単純な足上げや、股割りの柔軟さといった彼のハードの部分にゼヒ注目してほしい。
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試合の合間にファルカンがアリーナのファンにサインとセルフィーの大サービス。
文字通りの神対応を受けようとアリーナ最前列の人口密度が急上昇。
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ダブルタッチで会場を沸かせた足技自慢の橋本選手がファルカンと対峙。
本家相手にファルカンフェイントからのヒールリフトを見せると会場は大爆笑。
町田総合に世界初のドリブル芸が誕生の瞬間・・・。
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3分ほど出場し、pepperのような動きから1ゴールを上げたFリーグ報道官の加藤未央さん
今期は報道官らしい報道を沢山お願いします・・・。
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文中のPKの場面。
『えーと。これは何のイベントだって言われて来たんだっけ・・・』とばかりに所在なさげなファルカン。
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試合後の引退セレモニー。
長く同じチームで戦った藤井選手、市原選手、前田選手、相根選手らから花束を贈られて目を抑える。
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最後はファルカンからも花束贈呈。
『えーと。これは何のイベントだって言われて来たんだっけ・・・』
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少しずつだが確実に進歩した時代を駆け抜けた卒業生からの贈る言葉。
昔もこれからも本質は16年前の言葉がすべてだろう。


4 3月

2017/3/3(金)~4(土) FリーグプレーオフFinal Round 岸和田市総合体育館『決勝戦の風景』

2017/3/3(金)~4(土) FリーグプレーオフFinal Round 岸和田市総合体育館
◆1戦目
シュライカー大阪 2 - 3 ペスカドーラ町田
◆2戦目
シュライカー大阪 3 - 2 ペスカドーラ町田
※シュライカー大阪が年間王者

リーグ1位に勝ち点4のアドバンテージが与えられる勝ち点5先取(勝:3点/分:1点の勝ち点のため町田は2連勝が必須で最大2試合開催)のレギュレーションになった今年のプレーオフ決勝だが、第1戦の開始数秒で町田のエース、森岡選手が筋肉系のトラブルで早々に負傷退場。

相手を問わず1試合1~2点を見込める大駒を失った町田だったが、今シーズン目立った活躍のなかった本田選手がこの機会に発奮し大阪のゴレイロの柿原選手を落ち着いてかわして2ゴールを挙げると、相手ゴール前でしぶとくボールを奪った室田選手が蹴り込み町田が0-3で前半を折り返す。
後半はカウンターから大阪の王将、アルトゥール選手がゴールが浮くほどの強烈なミドルシュートをブチ込み、出場メンバーが固定されたチームでしっかりポジションを掴んだ24歳の田村選手が詰めて2-3と追い上げるも、3分間のパワープレーをズバ抜けた団結力で凌いだ町田が次戦に繋がる1勝を挙げた。

2戦目は町田のラフファイトに終始イライラしていた永井選手が若干20歳の仁井選手のシュートパスをスラして先制し、その後大阪のフロントラインをゴリゴリと引っ張るチアゴが決めて2-0と大阪がリードを奪うも、町田が残り20秒で得た第2PKを前日の負傷から強硬出場の森岡選手が沈めて2-1とし前半が終了した。
後半21分に篠崎選手のコーナーキックがオウンゴールを誘い町田が同点に追いつき、その後は2.5セットで回す町田と、ブラジルトリオと小曽戸選手を中心に少人数ながら強力なカードを順次フロアに送る大阪の鍔迫り合いが続く。

2戦目の町田は森岡選手の調子が万全でないと判断し、本田選手とのダブルピヴォを随所に織り交ぜて森岡選手への注意を逸らし、代名詞の俊敏なターンや強烈なシュートではなく狩猟犬のような嗅覚で後方からゴール前に侵入しての一噛みを狙う工夫が光った。

勝利が必須条件の町田が残り3分からパワープレーに打って出るも、最後は来日1年目からここぞという時の異常なガッツキでゴールを奪ってきたチアゴが横江選手の足元に入ったボールを引っかけて奪ってのパワープレー返しを成功させて3-2とし、引き分けでもOKだった初優勝にアリーナがどっと沸く歓声を添えた。

全体としては1年を通じ安定して実力を発揮してきた大阪が2戦合計のスコアで接戦を制したという格好だったが、シーズン後半からのピーキングがバチッとはまった町田の集中力とテンションの高さがピカピカに光った2試合で、惜しくも優勝を逃したものの熱戦を盛り上げた助演俳優賞として堂々と胸を張ってほしい。


今シーズンはFリーグを中心に観戦したが、シーズンの上澄みのプレーオフでもというか、だからこそというか気になるところはいくつかあった。

①レフリング
1戦目はルーズボールを追う際に町田の選手が前腕で相手の顔を叩いてから体を入れる場面が数度あり、初回で笛を吹かないことでラフプレー→抗議→ラフプレーの連鎖が目立った。
選手はプレーに対するリアクションで審判を試し、審判もプレーに対する笛で選手にメッセージを伝えるのはごく自然なことで、審判は笛を含めた初回のリアクションにこだわるべき。
2戦目の前半は両チームに第2PKが与えられたが、こちらは荒れるというよりは妥当な判断の積み重ねによる好(公)演出で◎。

②試合日程
すみだと大阪のホームアリーナで金、土曜に実施されたプレーオフ1st/2nd、ファイナルラウンドだが、両日とも金曜日の方が観客が多かった(それぞれ1,835人/1,361人と1,485人/1,170人)。
アリーナの賃料も平日の方が割安になることが多く、Jリーグを含め土日に集中する各種イベントとのバッティングも回避できることから、定時退社でギリギリ間に合うキックオフ時間でのスケジュール設定はマイナースポーツとして一考の価値があるのでは。

③シーズンのハイライト作り
プレーオフ4試合を戦った町田の集中力、緊張感、一体感の高さはどれも素晴らしく、トップリーグとして非常に魅力的で説得力のあるものだった。
12チーム3戦総当たりの33節は中弛みや、時間とともに点差が広がるだけの上位下位の対戦あり、内容・客足ともパッとしない試合も多かった。
12チーム2戦総当たり→1~6位/7~12位で上位下位リーグで1戦総当たり→上位3チームでプレーオフなど、上位下位とも意味と価値があり、勝敗に興味の持てる試合を意図的に増やす施策は急務。

④コンディションの維持とピーキング
維持については大阪、名古屋が◎。
ピーキングについてはすみだ(シーズン前半)、名古屋(AFC~シーズン中盤)、町田(シーズン後半)が◎。
AFCやワールドカップなど短期~中期決戦で挑む国際大会でカギになるコンディションの維持とピークの設定だが、③が充実するほどスタッフや選手にとっては良いチャレンジになり、観客は見所が増える。
2016年に苦杯を舐めたAFCに向けてのトライアルにもなるのでは。

⑤名古屋と森岡選手の存在感
不在の在。
なんだかんだで彼らがいない、万全でない決勝戦に物足りなさも感じた。
歴史が変わったと表現された今期のFリーグだが、一時の特異点になるかどうか来シーズンに向けての名古屋の動向も非常に楽しみ。
MVP4回、得点王4回の森岡選手は心身共に万全ならまだまだ3~40点を狙える選手だろう。

いずれにしろ3/20(月・祝)の全日本選手権決勝で2016/2017年シーズンも終わる。
 
少し気が早いかもしれないが、33節とプレーオフを戦い抜いた各チームの選手・スタッフ、東と西の横綱としてリーグの千秋楽をシッカリと締めた大阪と町田には心からお疲れさまと、ありがとうを言いたい。

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25 2月

2017/2/24(金)~25(土) Fリーグプレーオフ1st/2nd Round 墨田区総合体育館『価値を創る』

2017/2/24(金)~25(土) Fリーグプレーオフ1st/2nd Round 墨田区総合体育館
◆2017年2月24日(金)
・1st Round
名古屋オーシャンズ 2 - 2 府中アスレティックFC
ペスカドーラ町田 7 - 2 フウガドールすみだ

◆2017年2月25日(土)
・4/5位決定戦
フウガドールすみだ 0 - 4 府中アスレティックFC
・2nd Round
名古屋オーシャンズ 0 - 3 ペスカドーラ町田

12チーム3回戦総当たり33戦のリーグの結果を軽んじているという意見と、リーグの盛り上がりや見所を作るという意見の板挟みに合い、どのスポーツでも賛否両論の的にされるプレーオフだが今期のFリーグのプレーオフはズバ抜けて面白かった(若干の最終回感があるが実際は3/3(金)、4(土)の大阪のFinalRoundが決勝戦)。

初日は固定メンバーでリーグを戦い、これまで出番の少なかった岡山選手を前線で起用してセットに流動性を持たせた府中が異常なテンションの高さを見せて名古屋をリードして試合を進めるも、AFCで劇的なゴールを決めた星選手が2-2の同点に追いつき名古屋が初日を勝ち抜け(リーグ戦上位の名古屋(2位)は引き分けの場合は勝利扱い(府中は5位))。
 
3クール目でコンディションの上がらない戦いが続いたすみだとは対照的に調子を上げてきた町田が開始48秒で森岡選手が先制点を挙げるとその後は攻守に高いクオリティを見せた町田が7-2とすみだを一蹴。

リーグ1位の大阪への挑戦権を賭けた名古屋対町田の一戦は前半14分に森岡選手が左サイドで相手DFと対峙し、縦に抜けないと見るや右サイドへ相手との距離を取りながらドリブルで持ち出し、相手とのギャップを築いて利き足を活かせる右45度の角度に持ち込むと、腰の入った右足で豪快に逆サイドに突き刺して町田が先制する。
 
このプレーオフで目立ったのが町田の心技体の充実で、ボールを保持すればクアトロのパス&ムーブで相手のプレスをいなして穴を作り、守ってはポイントゲッターのシンビーニャ選手、平田選手に何もさせなかった滝田選手を中心とした好守が光った。

後半21分。
イゴール選手がゴールエリアギリギリにロングスローを投げ込む。
 
名古屋のゴレイロの篠田選手が前に出て抑えに行くも、163cmの金山選手が起用に体を潜り込ませてボールを頭に当てるとこれがスローモーションのようにゴールに吸い込まれて0-2と町田のリードが広がり、名古屋が残り7分からパワープレーを開始するもイゴール選手がキャッチしたボールをワンバウンドさせてからのキックでパワープレー返しを成功させ町田が0-3の完勝を収めた。

試合を振り返ると後半25分から星/シンビーニャ/セルジーニョ/平田マサノリとフィニッシュに強いセットを組んで名古屋が勝負に出たものの、ここを町田がしっかりと凌ぎ切ったことで精神的な優劣が決したのではと思う。
 
堅守と驚異的な粘りで昨年7月のAFCを制した名古屋も決して弱くはなかったが、ゴールに直結する凄みを持った選手が不在でオフェンスで相手にプレッシャーを与えられなかったことが最大の敗因だろう。

試合終了のブザーが鳴り、悲嘆に暮れる名古屋と歓喜の町田の選手たちをよそに、昨年名古屋との契約を打ち切られて失意の移籍をしたFリーグ最高のクラッチシューターの森岡選手がフロアに大の字になり顔を抑える姿が非常に印象的で、Fリーグで勝って泣く選手を久しぶりに見たなと思った。


2007年に8チーム3戦総当たりの21節84試合で開幕したFリーグだが、唯一のプロチームである名古屋が早々にリーグの趨勢を決めることに対する盛り上がり創出の施策として6年目の2012年からプレーオフが始まった。

2016年までの4年間は名古屋がリーグ1位で4度ともプレーオフを制する完全優勝が続いていたが、今シーズンはブラジルトリオが113得点を挙げて引っ張った大阪がシーズンを制し、プレーオフではイゴール/森岡の強烈なセンターラインを擁し短期決戦にバッチリ心技体を揃えてきた町田の後塵を拝し名古屋がリーグ、プレーオフとも敗れるということとなった。

歴史が動いたという表現も納得できるが、ブラジル代表歴のあるフィニッシャーのシノエがシーズン開始前に帰国し、シーズン途中に工夫に乏しく鈍重でキレやすいダニエルサカイというハズレ外国人を引いた絶対王者らしからぬマネジメントのまずさ(フィニッシャー不足のまま駒が足りているフィクソを補充)もあったが、負けたことが話題になるだけの歴史を作ってくれた名古屋には素直にありがとうという言いたし、これから唯一のプロチームであり自前のアリーナを持つ環境を活かして巨人の星ばりの地獄のシゴキからの復活劇を想像すると何とも胸が熱くなるものがある。

12チーム33節198試合で争った今期のFリーグ。
そのどの試合よりもプレーオフが面白かったのは試合に意味づけがされていたからだろう。

・10連覇への執念
・自分を追いやった名古屋へのリベンジ
・実力が拮抗した強い相手
・乾坤一擲の一発逆転
・異常な強さを発揮した大阪への挑戦権
・打倒名古屋を達成し新しい歴史を創る

率直な感想だが、実力のバラツキが顕著になった12チームでの3戦総当たりを、土日の連戦もある6月から2月までの8ヵ月間、毎週高いテンションでこなしていくのはムリな状況になっている。

選手のコンディションも勿論だが、2クール目~3クール目には観客数が4~600人の試合もあり、1月末の名古屋セントラルでは金曜日の16時45分から417人の観客の前で浦安と湘南の関東勢の試合を行うなど、本来ファンに見られるべき試合が適切な時間帯に行われなかったり、自転車操業のカレンダーではホームゲームの集客営業も時間が足らずプロモーションを打とうにも前日設営やアウェーゲームの移動手段と宿を確保するだけでスタッフ陣も手一杯だろう。

トップリーグは選手とファンのためにあるものであってほしいし、レギュレーションはチームの負荷を抑え、より一般層に届くために最適な形であってほしい。

・2クールで最後の1クールを上位下位のリーグで実施(拮抗した試合と、これまで『誉』しかなかったリーグに疑似的な降格争いによる『恥』の争いの創出)
 
・ワイルドカードが廃止されたことで地域リーグ勢のジャイアントキリングが困難になった全日本と差別化が難しいオーシャンカップの意味づけ(リーグでは1人の23歳以下の選手の登録を4人とし、6チーム2ブロック総当たりでセントラル開催。両リーグの同順位で順位決定戦など)

あくまでファンの妄想の域を出ないが、上記のレギュレーションであればリーグ戦が22節+上位下位リーグ5節の27節。オーシャンカップが5節+1節の6節。
今期のセントラルが5節だったのでオーシャンカップをここに適用すれば客足の減少が顕著だったセントラル大会のテーマ付けにもなるだろうし、順位争いの見所もより増えるのではと思う。

B1/B2の全36チームで立ち上がったBリーグとの競合もあり、33節の開催自体が今後より難しくなっていくのは明白で、オーシャンアリーナや小田原アリーナ、冠スポンサーが保持するゼビオアリーナらを有効活用した施策をレギュレーションの変更に合わせて打つべきだろう。

率直にトップリーグのレベルにない試合がちょいちょいあることと、難航する世代交代も大きな懸念点で、チームによっては疲労感が色濃く、低調な試合(仕掛けが少ないロースコアゲームや、実力差がコンディションで倍加した一方的なハイスコアゲーム)になりがちな3クール目は正直ハズレ試合が多く、ベンチ入りするものの結局試合には出場しない状態では若手の育成や世代交代も望めないと思う。
形はどうでもいいが、現状のレギュレーションではまず不可能なここのテコ入れは急務だ。

森岡選手のストーリーに酔ったプレーオフ1st/2nd Roundの2日間だったが、これが最終回ではなく大阪が待つFinal Roundへとストーリーは続き、新シーズンはまた6月に開幕する。

これまで『どう名古屋を倒すか』というところにフォーカスされていたリーグ戦のレギュレーションだが、幸運にもその目的が達成された11年目からは10年目の結果を分析してさらにトップカテゴリーが盛り上がるレギュレーションをドンドン検討してほしい。

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プレーオフで気を吐いた府中の1stセットを牽引した皆本/柴田/渡邊選手。
名古屋に肉薄し、すみだに勝利して4位と手応えを掴んだトーナメントを得意とするチームは全日本へ向けて収穫大。
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2クール目まで大阪、名古屋と首位争いを演じたすみだ。
チームを牽引した諸江選手と西谷選手が出場時間を長くして打開策を探るも、プレーオフでは町田、府中戦とも大量失点で幕。
駒は揃っているだけに来シーズンの課題はコンディションの維持か。
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10連覇を逃した名古屋。
ペドロコスタ監督が重用し、十分な活躍を見せたサテライト昇格1年目の赤髪ヤングガン・橋本選手は1stRoundのみの出場。
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タフな2試合でゴールを固めた星選手と篠田選手。
混戦からの星選手のミドルは大きな武器。
敗れたものの篠田選手は及第点の出来で全日本での巻き返しに期待。
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プレーオフでは不必要なファウルと工夫に乏しいプレーが目立ったダニエル・サカイ。
現時点で放出候補No1か。
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機動力のシンビーニャ選手と、フィジカルの平田マサノリ選手を抑える滝田選手。
プレスから漏れたピヴォへのコースを締める堅実な働きが町田の好守を支えた。
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早々に5ファウルとなり、3点を追う名古屋のパワープレー。
横一列でキックオフを待つ絶対王者のなりふり構わない布陣。
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ゴレイロがボールを持ったら前線に猛ダッシュでカウンターを呼び込み、遅行では相手DFの間に入って選択肢の創出と緩のプレーにも非凡なものを見せる中井選手。
テンションの高い攻守とライン際のボールに果敢にアタックするプレーは一見の価値あり。
早く日本代表で見たい選手。
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Fリーグ最高のゴレイロとアタッカー。絵になるふたりの共演が打倒大阪の必須条件。
イゴール選手と森岡選手。
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ピンポイントで期待に応えた金山選手と、チームのピークをプレーオフにバッチリと揃えた岡山監督。
少々喜び過ぎな感もあったが、大阪というもうひと山を越える気迫が出せるかが勝負の分水嶺であることは間違いない。

12 2月

2017/2/12(日) Fリーグ第32節 町田市立総合体育館 『お尻の価値』

2017/2/12(日) Fリーグ第32節 町田市立総合体育館
府中アスレティックFC 2 - 1バサジィ大分
ペスカドーラ町田 5 - 2シュライカー大阪

サッカーのユニフォームや、F1のボディにペイントされたロゴなど、プロ・アマ問わずスポーツでは協賛やスポンサー企業の企業名や、企業が推す商品名を背負って競技を行う光景をまま目にする。

競技を行う上でのギア、競技力向上のための食事、練習場、移動、試合の登録費、会場の確保、試合前後を含めた会場運営や広報など、個人、チーム、運営団体といったそれぞれの立場でスポーツにはとかくお金がかかり、その一助を担うのが広義で言うところの『スポンサー』だ。

スポンサーは対価と引き換えに個人、チーム、競技を通して自社(あるいは個人)を宣伝してもらえる権利を得、ユニフォームやスタジアムへのロゴや看板の掲示、企業名/商品名の入った冠ゲームの開催などで露出を増やす。

意思決定層が競技の愛好家であったり、支援対象の選手の熱意に意気を感じたりということがスポンサードのきっかけとして一般的だが、マイナーだがビジュアル的にキャッチーな競技だったり、社会貢献性や意義の高い大会、共感できるストーリーを持つ選手など、場合によってはスポンサードしていること自体が好意的なイメージに繋がることもありブランディングとしても有効な手段といえるだろう。

単純にロゴを貼り付けただけでなく大相撲では力士が巻く化粧まわしでは熊本県のPRキャラであるくまもんや、よーじやのあぶらとり紙のトレードマークである女性の影絵が登場したりと、単純なデザイン性だけでなく『強さ』や『真摯さ』の象徴でもある力士が脱力系のキャラクターや女性向けの商品の訴求を行うという意外性がまた目を引くものがある。

最近なにかと飽和状態の『●●女子』のひとつである相撲女子に向けてのマーケティングだろうが、厳粛な国技館のランウェイを精悍な力士が土俵上では少々不釣り合いな化粧まわしを巻いてを歩き、土俵というステージで大相撲の花形の所作である四股のポーズをキメる光景はどこかファッションショーにも似て非常にユニークでありアピールの効果は抜群だろう。


シャツ&パンツのユニフォームで競技を行う一般的なスポーツでここ最近増えてきたのがお尻への広告だ。

一般的には胸→背中→袖・パンツ(腿の前/お尻)の順に掲示金が高くなり、テレビや写真で見る姿はバストショットが多く金額通りに胸のロゴが目立つものの、選手のプレーの動作の終わり(走る/飛ぶ/打つ/蹴るなど)は上屈してお尻が突出しているポーズが多く、鍛えられた見事なお尻に貼られたロゴやマークがピンと伸びて『おお...。ここにもロゴがあったか(しかしディドゥダはいいケツしてるぜ(照))』と感嘆することがままある(私だけかもしれないが)。
 
情報元により諸説あるがJ1の年間の掲示料は胸が2~3億円/背中が1億円/袖・パンツが5千万円(J2はその半額程度)と言われており、TV中継は少ないが、会場にはそこそこ客が入りコアなファン層が支える構図になるマイナースポーツのスポンサーになるならお尻のスポンサーはそこそこ魅力なのではと思う。


『どこで』『だれが』『どこに』のユニークさが際立っていたのが前述の化粧まわしの例だが、数年前からお尻の部分にスポンサー企業の『ネピア』のロゴが入るようになったエスポラーダ北海道のユニフォームはなかなかインパクトがある。

フットサルのトップリーグが行われる体育館で北海道出身の爽やかな選手たちがお尻にティッシュやトイレットペーパーを主力商品とするネピアのロゴを入れて戦うところにシリアスとコメディーのギャップがあり、シャツ&パンツのスポーツはシャツをパンツの外に出してプレーしがちだが、北海道の選手はお尻のロゴを見せるためにシャツをパンツに入れてプレーしており印象的にも非常に良い(シャツをパンツの中に入れることをキチンとした所作であると評価する古いファッション観かもしれないが、そういった価値観を持つ層は一定数存在する)。

『どこに』と訴求商品のギャップやマッチを生み出しやすいのがお尻の広告の魅力であり、価格的にも安価なことから比較的営業しやすいのではとも思う。
ポライトなユニフォームな着こなしがイメージアップにも繋がるという2次効果も期待できるのでまだ入っていないチームはゼヒ営業してほしいところだ。

そんなスポンサーとスポーツの関係だが、昨年あるチームが行ったスポンサーマッチデーのプログラムの中で新加入選手のインタビューがあり『スポンサー企業についての印象は』という質問に『移籍してきたばかりでよくわからない』という回答が掲載されていてちょっとガッカリしてしまった。
ほかにも意味不明で目にするとなんとも言えない気持ちになるが、お尻にスポンサーのロゴが入っているのに入場時からシャツをパンツの外に出して入場してくる選手がいたりする。

ないよりあったほうがなにかとよいのがお金であり、即効性の高いのがスポンサーマネーだが当然そこには対価を要求される。
 
それがプロスポーツの常識だ。

前述のインタビューの選手は実力はありながらもチームを転々とした苦労人タイプであり、シャツをパンツの外に出している選手は十分ネームバリューもある選手だったりで、単純に素直なだけのような気もするが、結果や行動ですべてを判断されるのが見られる立場の人間であり、直接的であれ間接的であれ自分に関わってくれる人に対する言動を想像できることがスポーツ選手云々の前に社会人として必要なことだろう。
 
インタビューの内容に対するチェックがなかったのかチェックの上でゴーサインを出したのかはわからないが、選手だけでなくチームが所属選手のマッチデープログラムの言動に無関心なのもどうかと思うし、SNSでゴハン食べに行きました写真をアップするチームメートはいてもユニフォームを出していることを注意する仲間はいないのかと少々心配になった。

以前は観客数が1,000人を下回ると少ないと感じていたが、ワールドカップの出場権を逃し、Bリーグという強力なアリーナスポーツが華々しく誕生した今期は500人前後の観客数の試合もザラにあり、フットサルがメジャーになってほしいという想いよりもなんとか現状維持をという焦燥感が強い。
それでも自分が観られる立場であり、観客、スポンサーを楽しませ、応援することを誇りとして感じてもらえる存在であると意識し、それに沿った振る舞いをしようという気概がなくなったら終わりだろう。

フットサル界は2016年に長年全日本選手権をサポートしたPUMAが、Fリーグからは開幕からの付き合いである森永製菓がそれぞれ冠スポンサーから撤退したが、前述の北海道のように地域に根差して観客動員数を伸ばし、地元企業のスポンサードを獲得する好循環を生んでいるチームもある。

今期は大阪がブラジルトリオと質の高い日本人選手を揃えて名古屋の10年連続のリーグ1位をハッキリとした実力差を見せて阻んだ。
量より質の密度を高めて得た経験値の蓄積で相手を上回る少数精鋭型の木暮采配が異彩を放つ大阪だが、彼らの群を抜く強さの裏にはハッキリとしたリリースはないもののそれを支える金銭面での充実もあるのではと思う。

ニワトリが先かタマゴが先かの不毛な議論になりがちだが強化にはお金が必要で強力なチームが増えることがリーグや代表のボトムアップに繋がる。
景気のいい話は皆無といっていい日本フットサル界だが、お尻のスポンサーロゴが入るチームが増えることがひとつのバロメータになるのではと勝手に思っている。

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日本を代表するドリブラー、仁部屋選手。
華麗なスラロームを支える形のいいお尻に輝く地元大分の不動産企業『豊後企画集団』の広告はインパクト大。
大分はユニフォームとロゴの色見の相性も◎。
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強烈な炸裂音を響かせるシュートと、正確で球足の速いインサイドパスを操る大分の大型フィクソ、ディドゥダ選手。
ヴィニシウス、ボラ、ディドゥダらブラジル人独特のクイックネス/テクニック/パワーを生む彼らのムッチリとしたお尻は説得力抜群。
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5位でのプレーオフ進出を決めた府中。
クラブの初期を支えた上澤選手の7番を着る若干20歳の内田隼太選手は前半2分間の出場ながら機を見て斜めに抜ける動きでゴレイロとの1対1のチャンスを作る。
J1で絶賛売り出し中の鈴木優麿と同期の鹿島アントラーズの下部組織出身で今後に期待大。 
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2020年ワールドカップの主役後方の左利きドリブラー加藤選手を全治9カ月の重傷で欠き、ヴィニシウスとチアゴも不在。
飛車角金が抜けた大阪もこれまた20歳の仁井選手がセットに入って活躍。
左サイドの定位置からスタートする決めごとタップリな大阪のオフェンスを見事にこなす。
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2年前のプレーオフで頭角を現した田村選手がゴール前のセットプレー、相手エースの森岡選手のマンマークに体を張るも、森岡選手もゴールに繋がるプレーでやり返す。
今シーズンの決勝でこのマッチアップも十分ありそう。
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この日出場した唯一のブラジルトリオ、投げやりなアウトサイドキックにも風格が漂うアルトゥール。
体の厚みとリーチを活かして相手にアタックできないところにボールを置いて攻守のタクトを振る。
今期のMVP最有力候補。
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シーズンごとに若手が活躍する町田。
日本代表にも初選出された前線のプレスマシーン、原選手は今日も元気一杯。
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中央とサイドではスピードを活かしてハイテンションな攻守を見せ、ゴール前では周囲を見て冷静な落しを選択する町田の次代のエース。
森岡選手との好連携で1ゴール2アシストの中井選手は俺の尻でチームを引っ張るとばかりにユニフォームの着こなしもバッチリ。
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今期で引退する日本フットサル界のレジェンド、44歳の甲斐選手の引退セレモニー。
大阪の選手も交じっての胴上げに胸が熱くなる。

17 12月

2016/12/17(土) Fリーグ第25節 浦安市総合体育館 『理解される選手』

2016/12/17(土) Fリーグ第25節 浦安市総合体育館
バルドラール浦安 5 - 6 シュライカー大阪

ワールドカップに3度出場し、フットサル黎明期のメインキャストの一人である浦安の小宮山選手が今シーズン限りでの引退を発表した。

シーズン中に37歳を迎えるベテランの決断にあたり、フットサル界のゆかりのある面々からメッセージが寄せられ、その中でも2012年に史上初のワールドカップ16強に進出した際に共にキャプテンを務めた現大阪監督の木暮監督のコメントが奮っていた。

気持ちを前面に出す小宮山選手のメンタルや、攻守の切り替え・戦術遂行などのコンピテンシーを称えたうえで、小宮山選手得意としているもの、苦手なものの両面で上を行っている自分が育てたタレントたちで引導を渡す、という戦友への愛に溢れた介錯宣言になんとも胸が熱くなった。

23戦して132得点(1試合平均で5.7得点)というクレイジーな攻撃力で今シーズン16連勝を記録した大阪だが、ここ数試合は10月中旬のワールドカップ中断以降の2ヵ月間で11試合のスケジュールをアルトゥール/ヴィニシウス/チアゴのブラジルトリオと加藤/田村の木暮チルドレン、ベテランの小曽戸の6人で回してきた疲労が濃く、11/13の天王山、アウェーでの名古屋との首位直接対決を2-4で制してからは徐々にピークアウトしてきた感がある。
ここ最近は相手に先行される試合展開が目につき、前節の府中戦は2点を先行されるも辛くも引き分けという試合運びで前述の連勝が16でストップという形になった。

この日の浦安は彼我戦力差を考えてハーフに引いてのカウンターと、正確なスローを持つゴレイロの藤原選手が右角にロングボールを放ってのトラップ&シュートという弱者の戦術をチョイス。

藁でも木の枝でもなくレンガで築いた浦安のディフェンスに疲労度を考慮してアップでも息上げ系のメニューを廃した大阪の狼たちが襲いかかるも、大阪のオフェンスを耐えての右角へのゴレイロスローからチェスのトラップ&シュートで開始1分で浦安が先制。
 
10分にはゴール正面で得たフリーキックのこぼれ球をケニーが蹴り込んで2-0。
12分。再び右角へのゴレイロスローを受けた野村選手がライン際からシュートを放つと、大阪の唯一のウィークポイントであるゴレイロの柿原選手がゴール中央へ弾くチョンボ。
これに介錯試合の主役である小宮山選手が飛び込んで3-0とすると場内は一気に盛り上がった。

3-0のビハインドで迎えた後半は今シーズン抜群の冴えを見せる勝負師木暮監督が前半16分ピッチに立ったアルトゥール/チアゴ/小曽戸/加藤のFリーグ最高の1stセットと、わずか4分の出場になった今井/田村/佐藤/村上の2ndセットをシャッフル。
1stセットの途中でこの日がデビュー戦となる小柄なドリブラー系のアラである18歳の仁井選手をベテランの小曽戸選手と交代させ、2ndセットの旗振りに小曽戸選手をスライド。

少々大人しかった2ndセットのディフェンスラインを高めに設定してのプレスで浦安のスタミナを奪い、23分にアルトゥール選手がミドルシュートを決めて反撃の狼煙を上げると一気に暴力的な攻撃力が爆発。
 
28分に加藤選手が粘ってチアゴ選手に繋いで最期は小曽戸選手がプッシュ、29分に再びアルトゥール選手が中央からズドンと決めて同点。
32分にチアゴ選手がゴリゴリとした突破でゴールに蹴り込んで3-4と逆転すると、続けて小曽戸選手のシュートパスを加藤選手が胸で詰めて3-5。
最期はコーナーキックからのチアゴ選手のシュートに小宮山選手がスライディングで飛び込むも及ばず一気に3-6と突き放す。
浦安も粘りを見せ4分間のパワープレーで終了19秒前までに5-6と追い上げるも最期は大阪が1点差でシャットアウトとなった。

攻守に別格のパワーを見せるアルトゥール。
引き出しは少ないが反転、馬力、シュートに特化した純ピヴォのチアゴ。
サイドからの突破とプレー選択にセンスを見せる加藤。
チームプレーに実直で総合力が高い小曽戸。

名古屋、すみだ、町田など下部組織からの登用を含め、全メンバーに試合時間の経験値を振り分けて綺麗な六角形の雪結晶を目指すチーム作りと比べ、大阪は少数精鋭で錬成した鋭利な氷柱でスキを見せた相手を貫く。
 
勝負である以上結果がすべてで、わかっていても止められないお決まりのメンツが試合を決める大阪は非常に強力で、クオリティが高いブラジルトリオを軸に据えた今シーズンはそれが最適解だろう。
ほぼ手中にある優勝と合わせて、過去最も効いている助っ人外国人のアルトゥールにはMVP、得点王も総取りしてほしいところだ。

試合後、今日の主役である小宮山選手と木暮監督が小曽戸選手を挟んで談笑する場面があった。
 
日本のフットサル界を同世代として現在進行形で歩んでいるふたりを見て、ふとフットサル選手や監督としての成功とはなんだろうということを考えてしまった。

世界を見渡してもプロチームだけで運営されているリーグはなく、日本でプロチームは名古屋だけでその最高年俸は酒井ラファエルの1,500万円と言われている。
多くの選手はチームが経営するスクールや、スポンサー企業、あるいは一般的な仕事をこなしつつ、練習をこなし試合に臨む。
隣の芝生のサッカーと比べてもJ3並みの待遇だろうし、選手やチーム、リーグを含めて正直よく続けられるなとも思う。

ただ、すべてのスポーツがスポットライトを浴びることはないだろうし、トップレベルで活躍することで生計を立てられるだけの金銭的なパイがあるかということがスポーツの価値を左右するわけではない。
『マイナースポーツ』という言葉にはどこか侘しさを感じるが、地上波で放送され、雑誌が売れ、毎回会場が満員になり、競技と周辺環境を含めてお金が分配され、黒字を計上するメジャースポーツはごくごく一握りだ。

定量的な尺度として金銭面に目が向くことを否定する気はまったくないが、今回、小宮山選手が引退するにあたってフットサル界の縁者やファンから沢山の声が集まっているのを目にして感じたのは『競技を通して自分を知ってもらう』ということがひとつのゴールであり、成功なのではないだろうかということだ。

素早い攻守の切り替え、スライディングでのシュートブロックやファー詰め、意外と上手いウンドイス(ワンツー)でのパス出し、チーラして吼える・・・。

この人はこれ、という個性を知ってもらうことは競技者としての誉れだろう。
そのひとりひとりの積み重ねがチームのカラーになり、ひいてはリーグの特性に繋がり、競技の魅力になるのだと思う。

今シーズン、Fリーグの観客動員数の落ち込みが顕著で500人を切る公式記録を度々目にするようになってきたが、危機感をもつべきはゲートフィーでも集客施策の成否でもなく、Fリーグに感心を持つ層が少なくなってきているということだ。

最も高貴な娯楽は、理解する喜びである

とは音楽、建築、数学、幾何学、解剖学、生理学、動植物学、天文学、気象学、地質学、地理学、物理学、光学、力学、土木工学と各分野で群を抜いた才能を発揮したレオナルド・ダ・ヴィンチの言葉だが、理解する喜びがファン視点としてあり、理解される喜びが演者視点としてあるという16世紀からの至言だ。

Fリーグ準優勝、15得点を挙げベストファイブを受賞し、全日本選手権を制した2008シーズンがキャリアのハイライトだが、その後は記録に残る活躍はそうない。
それでも引退を惜しまれる記憶に残るプレーが数多くある小宮山選手はリーグ屈指の『理解された』選手だろう。
それこそが彼の成功であり、10数年間トップランナーであり続けた誉れであることは疑う余地がない。

観客動員の減少や、人気、トップリーグとしての求心力の低下が顕著なFリーグだが、ギラギラした個性や暴れるような熱やこだわりを持つ、魅力的で理解しようと思える選手が数多く登場し、理解される選手として活躍することを願ってやまない。
 
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イクスピアリでランチのついでにオマエを殺りに来たぜ、とばかりにラフな出で立ちで介錯試合に臨む木暮監督と、食いつかせて裏のスペースというシンプルな秘策で待ち構える米川監督。
両チームとも前後半で明暗がくっきり出た試合で、介錯はプレーオフか全日本選手権に持ち越しか。
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特別指定選手として出場時間を延ばす石田選手。
フィジカルと強烈なシュートを活かして早く初ゴールを挙げたい。
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コンスタントに活躍を続けるチェスとケニー。
ピッチやベンチの振る舞いを見る限り性格も良さそう。
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少数精鋭での戦いが続く大阪。
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過去のFリーグを見ても最も勝利に貢献している助っ人外国人。
181cm/80kgというカタログスペック以上のフィジカルを見せる大阪の巨人、アルトゥール。
分厚い体でボールをキープし、強烈ながぶりで相手のバランスを崩してボールを奪取。
日本人を相手に半径2メートルの距離では何もさせない超々弩級の進撃を見せる。
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強烈な縦のラインを形成するチアゴ(右)。
シンプル故にやっかいなゴールゲッターは23試合で32ゴールとハイペースで得点を量産。
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今シーズン一気に若返ったプレーを見せる小曽戸選手。
万能型アラは2024年のワールドカップまで狙える雰囲気。
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木暮監督の最高傑作、得意のドリブルで作ったズレを活かしてゴール、アシストを生むサイドの振付師、加藤選手。
いまいちだった前半はこの表情も後半はアシストとゴールで勝利に貢献。
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前半2分、後半4分程度の出場ながら3回の出場機会で徐々に持ち味を出した若干18歳の仁井選手。
アルトゥールの1/4ほどのサイズながらボールをさらして相手の反応を見るおませなムーブでリズムを作った。
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この試合後に引退を表明した村上選手。
強烈なシュートとハードなマークで名勝負を演じたベテランは2012年ワールドカップで16強入りに貢献。
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大阪唯一のウィークポイントであるゴレイロの柿原選手。
1、3点目ははっきりゴレイロの責ありで、ボトムからの組み立てでサイドに開いても使わない、詰まり気味でもバックパスを出さない場面が多く、チームの信頼度が伺える。
彼が足元でボールを捌く機会が増えたら大阪にスキはなくなりそう。
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Fリーグ最高セットの一角、1-3で押すアルトゥール/チアゴ/小曽戸/加藤の1stセットと、0-4のクアトロで構成する今井/田村/佐藤/村上の2ndセット。
2失点後のタイムアウトで木暮監督が必死に修正のコマを動かす。
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今シーズンの浦安の主役、小宮山選手が3点目をゲット。
絶対的な首位のチームを相手にした大量リードに会場はやんやの歓声。
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試合中に不敵な笑みを浮かべるチアゴを浦安の屋台骨、荒巻選手と小宮山選手が必死に抑える。
万能型全盛の近代フットサルで第一選択肢がシュートという絶滅危惧種な純ピヴォは意外にも厄介。
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度々見かけるハーフタイムでの謎アイドルのパフォーマンス。
今回はpretty☆monsterが歌とダンスを披露。
彼女たち文句をつけても仕方ないのでお好きな方はフォローしてあげてください。
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劣勢の大阪は普段はポケットに手を入れてクールに決める木暮監督が審判に大抗議でチームを鼓舞。
第3審判の新妻氏になだめられてまぁしょうがないかなヒトコマ。

今シーズンは女性の第3審判、タイムキーパーの登用が目立ち、第3審判は新妻氏、タイムキーパーは齋藤氏と女性が担当。
2012年のワールドカップではブラジル人のレナート・レイテ氏が女性ながら副審を担当したこともあり、1、2シーズン後はFリーグで笛を吹く女性審判の登場に期待大。
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0-3から3-6、5-6という劇的な逆転勝利も試合後の浦安サポーター席への挨拶の場面で一悶着。
調子が落ちてきたチームは怒りや憤りといった感情でパフォーマンスを支える場面も増えてきそう。
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試合後は小曽戸選手を交えて介錯試合のメインキャストが談笑して握手。
木暮監督のイジリに小宮山選手がムッとしたところを小曽戸選手がなだめたのかなぁ、と夢想するのも楽しい戦友の邂逅にホノボノするワンシーン。
 
18 11月

2016/11/18(金) Fリーグ第20節 大田区総合体育館『オラが街のフットサルチーム』

2016/11/18(金) Fリーグ第20節 大田区総合体育館
フウガドールすみだ 4 - 5 ペスカドーラ町田

度々府中のホームの郷土の森に観戦に行くが、最寄駅から徒歩15分程度の立地にも関わらず、Fリーグに1チーム(府中AFC)/関東1部に1チーム(ファイルフォックス府中)/関東2部に2チーム(FUTURO/府中AFCサテライト)を送り込む『フットサルの街』の名前に違わず客入りは上々で、試合終了後、郷土の森から仲間と連れ立って徒歩や自転車で試合結果を語りながら三々五々家路に着く光景が非常に羨ましかった。
 
全国から12チームが参戦するFリーグだが、家から電車を乗り継いで贔屓のチームの応援することはあっても『オラの街のフットサルチーム』を肌で実感できることは少ないだろう。

今シーズンのFリーグのカレンダーで楽しみにしていたのが11月18日の金曜日、19:00キックオフのすみだ対町田だ。
 
トランジション攻撃だけでなく遅攻も見につけて地力を増したすみだと、全日本選手権を制しFリーグを代表するエースの森岡選手も加入した町田の対戦という競技面の魅力ももちろんだが、最大の理由は会場の大田区総合体育館は私の職場から近く、家からも徒歩で行ける圏内だということで疑似的であれ『オラの街のフットサルチーム』を感じることができそうだったからだ。

せっかくの機会なので職場の友人を観戦に誘い、早々に仕事を切り上げて一旦帰宅。
会場時刻に合わせて自転車で会場に向かい、人数分の席を確保してから物販を物色する。
スーツで来ていることもあり、すみだの須賀監督が着用するチームネクタイを購入しコスプレ気分で観戦するも、町田が森岡選手の個の能力を活かしてスコアメークする展開で結果は4-5でホームのすみだが敗れた。

今日に関してはこの場所で1,697人の観客と試合を見つめたことが重要で試合の分析や試合結果は正直どうでもいいだろう。

試合後、最寄駅の梅屋敷ぷらもーる商店街をぶらつき、メニューを開こうとすると油で引っ付いたページがピリピリ鳴るような地元感溢れる中華料理屋の瓶ビールでつまみを囲む。
試合の感想云々は3分とかからず終わり、その後は仕事やなんやかんやの近況報告をしつつほどよく出来上がったところで徒歩なり自転車なりで三々五々家路に着く。

どのチームのメインアリーナでもなく過去には府中もホームゲームを開催し、来年開催があるかもわからない大田区総合体育館でのフットサル観戦だったが『オラの街のフットサルチーム』みたいなものを体験をさせてもらえたなんとも幸せな日だった。


今シーズン、Fリーグの客足はすこぶる鈍い。
 
12チームが6試合をこなす1節で1,000人を越える試合が過半数を切ることがザラで500人代の客入りにも驚かなくなってきた。

第19節に至っては、

①神戸 6-0 北海道:グリーンアリーナ神戸(観客数 489人)11/12(土)15:00
②仙台 3-6 府中:塩釜ガス体育館(観客数 512人)11/12(土)15:00
③大分 2-4 すみだ:べっぷアリーナ(観客数 536人)11/13(日)13:00
④名古屋 2-4 大阪:テバオーシャンアリーナ(観客数 1,526人)11/13(日)14:00
⑤湘南 8-1 浦安:小田原アリーナ(観客数 640人)11/13(日)16:00
⑥町田 3-1 浜松:町田市立総合体育館(観客数 818人)11/14(月)19:00開始
※対戦カード:会場(観客数)開催日時

と1試合あたり平均753人という観客数で『一度試合を見に来てくれれば魅力はわかってもらえる』や『次の試合も頑張りますのでまた応援お願いします』と語る関係者や選手の声も空しいものがある結果になった。

各チームとも開催会場近辺の学校や、ジュニアカテゴリーのサッカーチーム、イヤースポンサーやマッチスポンサーを招待客として多く入れて集客策を練り、リーグへの報告書やスポンサー訴求に向けて数字の体裁を揃えようとしているが一番大事にしてほしいのは正規の金額を払って会場に来る観客だ。

スタンド席に比べて高額のアリーナ席の半分に招待客を入れたり、スタンド中央を含む広大なスペースを関係者席にしたりといった光景をまま目にするが、本来この場所はコアなリピーターがお金を出して座りたい場所だろう。
 
目の肥えていない招待客はフロアと同レベルの視点より、高い位置から見下ろした方が町田の定刻運転を刻む山手線のようなクアトロや、すみだのキビキビとしたトランジションを楽しめるだろうし、関係者と言われる人たちも業務の特性上記録員の方が中央最前列に座る必要はあるものの、それ以外の数名のために必要な席数は人数分を確保できれば十分なはずだ。

入場ゲートを越え、アリーナに入って初めに見る場所は人によって変わる。
 
コアなリピーターであれば自分が好きな観戦場所を探すし、ビギナーであればアリーナ全体を見て雰囲気を楽しみたいのではないだろうか。
招待客でアリーナ席に座れないことも、アリーナ中央にだだっ広い空席が空いていることもどちらも公平ではないだろうし、会場に足を運ぶにつれ段々と疑問に感じていくものだ。

客数が伸びないFリーグだが個人的にはスタンド席(1,500~2,500円程)とアリーナ席(2,000~3,500円程)の席種しかないことが不満だ。
 
スタンド/アリーナという大まかなゾーン指定の中から招待席や関係者席でない場所に座るというのがFリーグの会場のお作法だが、良席は開場時間より何分も前から待機列に並べる人たちに負けてしまうし、そもそも絶対数が少ない。
 
自分だけの裁量で何ともしがたい不都合があるならいっそお金で解決してしまいたいし、試験的にスタンド/アリーナの一部に指定席エリアや、選手のメッセージカード/グッツ付きのもう1グレード上の席種を作って売れ行きや反応を見てみてほしいとも思う。

目に見えて客足の鈍化が進むFリーグだが、前述の第19節は正直ぶったまげた。

実力は西高東低ながら人気は東高西低といった印象で実際にチケットの細分化をして納得感がありそうなチームは半分にも満たなそうだが、無いなりの見栄を張ってプレミアム感を演出してみせるのもトップリーグの気概ではとも思う。

少なくとも招待客で埋まったアリーナと、だだ広い関係者席は観ていてあまり気持ちのいいものではない。

サッカー協会の後援会特典での入場が今年から厳格になったことに不満の声も聞こえるが、協会の規定に謳っているとおり毅然とキッチリと先着30名の運営を守ればいいだけの話だろう。
 
長くなったがフルフェアのチケット料金を払っている人を一番に大事にしてほしいし、さらに言うならフルフェアのチケットを買って会場に来る人には新たな楽しみも創出してほしい。
Fリーグは前者もさることながら、後者の取組が圧倒的に不足している。

なくても一向に構わないし、それでもリーグは細々と続いていくのだろうが、トップリーグであればファンにとって特別な存在であってほしい。

例えばオーシャンアリーナのメインスタンド最上段に座って天下人気分で観戦という体験に値段がつくならマニアにとってはなんとも興味がそそられる話だ。
どこになるかはわからないが5桁のお値段でそれに似合った価値を提供するチケットを売り出すチームが現われることをヒッソリと期待している。
 
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須賀監督が身に着けるすみだオフィシャルネクタイはこちら
レプリカを着ての観戦に飽きたら、スーツにネクタイの観戦スタイルはいかがでしょうか。
前半はジャケット着用→後半は脱いででなりきっていきましょう。
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0-2から2-2に追いつかれてからのゲームプランで『我慢』の一手。
辛抱に応えた選手たちは見事2-4にしてからのパワープレー返しで4-5の勝利。
渋みを利かしたスーツ姿が絵になる町田の岡山監督。
ちょっといいスーツがほしくなる金曜日ナイターゲームの主役のふたり。 
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すみだのゴレイロは前節4連敗をストップした清家選手。
ベンチからは前半戦の快進撃を続けた大黒選手が出場機会を狙う。
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後半40分にブザービートの4点目を挙げた稲葉選手。
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抜群のテクニックと愛らしい笑顔で会場人気抜群のボラ。
2-3とされてからの満を持しての登場も、個の能力を武器とする町田のセットに置いて行かれて失点の一因に。
出さないのではなく出せない、オフェンスのベネフィットとディフェンスのリスクの判断は今後も続きそう。
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すみだの看板ピヴォの太見選手&清水選手。
内容は悪くないだけに今は我慢の時期か。
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ピッチ上でタクトを振るう諸江選手。
森岡選手とのデュエルでは後れを取ったが、こういうリスク度外視の1vs1の斬り合いにもトップリーグの醍醐味があるのでは?
同じ局面ではゼヒリベンジマッチを仕掛けてほしい。
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日根野谷/横江/森岡/室田のセットは森岡選手のアイソレーションの仕掛けからファー詰めとこぼれを狙うシンプルな組み立て。
負傷の金山選手から受け取ったキャプテンマークを巻く日根野谷選手にビックリしつつもなかなかお似合い。
キャプテンの立場でフロアに立つ時間は大きな選手になるための貴重な経験になるはずだ。 
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度々マイナーチェンジするヒゲがトレードマーク。
イゴールの代役とは言わせない活躍を見せる町田のゴレイロ、小野寺選手。
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ドリブルでのプレス回避を選択した諸江選手との1VS1からボールを奪ってズドン、ドリブルで相手を外してのシュートパスでアシストと1ゴール2アシストの森岡選手。
フロアに立った金狼の圧力はまだまだ健在。
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町田らしいクアトロ環状線を披露する本田/滝田/宮崎/原が個の力を全面に出した裏セットへのライバル心を見せる。
溌剌としたプレス&狭いスペースで高い技術を披露する原選手(下/左)が2-2から均衡を破る3点目をゲット。
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