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Futsal Philosophy (フットサル・フィロソフィー)

Fリーグ

29 10月

2016/10/29(土) Fリーグ第16節 郷土の森府中市立総合体育館 『ハロウィンと神輿がある国』

2016/10/29(土) Fリーグ第16節 郷土の森府中市立総合体育館
府中アスレティックFC 2 - 0 フウガドールすみだ

府中近隣のラーメン屋が熱いらしい。

濃厚なラー油風呂が広がる坦々麺の名店『よっちゃん』スタイリッシュな内装に反してパンチの利いた辛みで額の脂汗を誘う『紅』焦がし黒醤油とブラックペッパーのコラボレーションが食欲を誘う同店のスピンオフ『紅 BLACK』などひとそれぞれに推しはあるだろうが、牛丼、ハンバーガーなどデフレが続く日本のファストフードで700~1,200円を要求してくるラーメンは異端の存在だ。

元々中国発祥の料理だが、醤油、塩、味噌といった日本の王道汁物文化と融合した後は、豚骨、海老、牡蠣、柚子、ベジポタなどの亜種が生まれ、2016年度版のミシュランではとうとう一つ星を獲得するラーメン店(Japanese Soba Noodles 蔦)が誕生した。

謙遜や自己批判、過度な衆人環視が目立つようになった印象があるが、日本には他国の文化を認め、いいものはいいいと模倣する度量があり、正統進化形であれ亜種であれそれを越える成果物を作る探究心や勤勉性がある。
 
日本のお家芸とも言える車や家電製品のバリエーションやクオリティもさることながら、前述のラーメン以外にも『てりやきバーガー』『明太子マヨネーズピザ』『あんかけスパゲティ』といった身近な食文化にもそれは根強く表れており、我々はそれをすでにあるものとして考えているが、他国の文化認め、理解し、日本流のケミストリーを起こせることは日本が誇るべき国民性のひとつだろう。


試合はすみだのお家芸の前プレの裏のスペースをカバーするために高めに陣取ったゴレイロの隙を見逃さず、前半9分に皆本選手が郷土の森に30メートル級の美しく大きな放物線を描いて府中が先制。

試合自体はプレスラインの低い府中をすみだが押す展開で、府中はカウンターと慣れない手つきで麺をリフトアップするようなぎこちない3-1のプレス回避にオフェンスの手がかりを探す。
前半10-12だったシュート数は後半は9-42という一方的な展開になるも、前がかりになったすみだのプレスを縦パスで回避して起点になった小山選手から目ざとく走り込んだ完山選手が冷静に決め、彼我戦力差から弱者の戦術を採った府中が作戦通りに2-0の完勝を収めた。

外郭からズラしてのスナイプショットを狙う西谷選手と諸江選手、コーナーキックからのボレーを狙う太見選手、とにかくガンガン撃つ清水選手と強力なシューターを揃えて54本のシュートを撃ったすみだを見事シャットアウトした府中の粘り強いディフェンスとゴレイロのクロモト選手のセービングショーが光った一戦だったが、すみだのシュートはゴレイロと正対してのものが多く、ゴレイロを外して1-0の状態や、ライン際をえぐる、角を取っての戻しなどの工夫に欠ける拙攻がまたイライラする一戦でもあった。
 
今回はメンバーから外れていたが『直』のキャラクターが多いすみだで『変』のリズムを持つボラがスパイシーな変化を加える薬味の役割になるのだろうが、パワープレーのクオリティが低い先行逃げ切り型のチームで優勝争いをするなら、自陣を固めてくる相手に先行された場合にどう取り返していくかは常につきまとう課題だろう。

今日の府中対すみだ戦は日本代表監督に決まったスペイン人のブルーノ・ガルシア監督が視察に訪れたが、この日は10月の最終土曜日ということもあり各ターミナル駅ではハロウィンを祝う仮装した集団がくり出し、そんな中、試合前は郷土の森のフロアを地元の大國魂神社の神輿が練り歩く。

キックオフセレモニーは大國魂神社に由来を持つゆるキャラ『ふちゅこま』が務めるなど、選手選考やフットサルのレベル云々の前にツッコミどころ満載だったであろう日本の文化を彼がどう見たのかは非常に興味深い。

盆暮れ正月と合わせてクリスマスを祝い、ハロウィンでは仮装した日本人に外国人観光客が記念撮影をねだる。
普段忘れがちだが異文化を受け入れる度量や文化の多様性、勤勉さは日本人の特徴だ。
だが、それに反して極端にコミュニティの同調を求める面もあり『村八分』という言葉があったりもする。
それもまた日本人の特徴だろう。 

8ヵ月間空席が続いた日本代表監督の座は前監督の推薦通りスペイン人のブルーノ・ガルシアが収まったが、密室状態での人事や結果だけのリリースが続くフットサル界には外部に広く開示された存在であってほしいし、ブラジル(2003-2008年:セルジオ・サッポ)、スペイン(2008-2016年:ミゲル・ロドリゴ。2016-2020年(?):ブルーノ・ガルシア)と続いた10余年の勉強期間の後は、日本人が起こす日本流のケミストリーにとても期待している。
 
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紅く色づきはじめた郷土の森。
自然とラーメンとフットサルのある素敵な街。
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試合前にベンチで気持ちを練る永島選手。 
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大國魂神社のお神輿と一緒にフロアを練り歩く水田選手と松永選手。
法被もユニフォームも似合う彼らの未来にご利益がありますように。
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ハロウィンがコスプレイベントになり、偉人や神様を擬人化、ゆるキャラ化する不思議な国、日本。
スペイン人のブルーノ・ガルシアにはこの国はどう見えるのか。
右はアンダーカテゴリーの指揮を執る鈴木隆二氏。
現役時代はファイルフォックス、府中、名古屋でも活躍。
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久々の登場になったすみだのゴレイロ、揚石選手。
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この対戦カードはピヴォVSフィクソの対決にも見所あり。
太見/清水(すみだ)VS宮田/皆本/関(府中)と小山/渡邊(府中)VS諸江/渡井/三笠(すみだ)が主導権を争う。
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徐々に出場機会が増えてきた三笠選手。
177cmのフィジカルを活かして小山選手とマッチアップする場面もあったが、堅守逃げ切りを狙う府中を攻略する展開で出番に恵まれず。
すみだお得意の先行逃げ切りの展開で出番を狙いたい。
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左利きを活かしてのカットインシュート、セットプレーなど膠着状態の打開を期待されるもう一枚の『変』のカード。
すみだのレフティー、山村選手。 
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すみだの日本代表トリオのシュート数は諸江選手と西谷選手が7本、清水選手が13本という乱れ撃ち。
清水選手に次ぐ8本を撃った渡井選手、西谷選手、清水選手がボードを手に狙撃位置を確認するハーフタイム。
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3試合連続ゴール中の完山選手。ベテランらしい要所を抑えたプレー。
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ディフェンスでの頑張りと、惜しいミドルシュートが光った柴田選手。
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おぼつかないながらもFリーグ随一の前プレを持つすみだを相手に3-1のプレス回避がひとまず成功した谷本監督と、狭い郷土の森の攻略に失敗した須賀監督。
1勝1敗の在京チーム3番勝負は最終戦に持ち越し。
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大國魂神社の神輿とふちゅこまのご利益を一身に受け、54本のシュートを零封というセービングショー。
神輿、ふちゅこまに合わせてクロモト選手もブルーノへのアピールに大成功。
3 9月

2016/9/3(土) Fリーグ第13節 小田原アリーナ 『トップリーグの姿』

2016/9/3(土) Fリーグ第13節 小田原アリーナ
エスポラーダ北海道 4 - 6 シュライカー大阪
アグレミーナ浜松 1 - 3 府中アスレティックFC
名古屋オーシャンズ 5 - 5 フウガドールすみだ

13節で迎えた1位すみだと2位名古屋の首位決戦。

前半3分にゴレイロの大黒選手のパスミスを拾って名古屋が先制も、すぐさますみだがFリーグとタイで行われた日本代表戦を含めて8月に7試合を戦った勤労青年の清水選手が取り返して同点。

すみだがお得意の2分毎の小刻みなセット交代でスタミナの消耗を抑え、フレッシュさをアドバンテージにできるよう挑めば、名古屋もそれに応じて新たなセットをフロアに送る。
 
3戦総当たりのリーグ戦の初対戦で負けないことを前提とした神経質な戦いよりも、相手のリアクションを通して自分の実力を試し合うように両チームがボールホルダーにアタックしゴールに迫る。
ミス待ちではない積極的な攻守が緊張感と喝采を誘い、濃厚な余韻を残して1-1のまま前半は終わった。

前半は名古屋のペドロコスタ監督がすみだのセットチェンジに合わせてセットを変えるじゃんけんで言うなら後出しの作戦だったが、後半はすみだの須賀監督がこれを崩そうとギャンブル。
諸江/清水/西谷/岡山からスタートし22分に稲葉/太見/田村/渡井に交代、ここで名古屋が呼応してセットを変えると見るや後半4分からは1分、1トランジションごとに4名を一気に交代する。

24分に諸江/清水/西谷/岡山のセットでカウンターからダイナミックに駆け上がった岡山選手が決めて1-2とした後、すぐさまセットを変えて1分後に太見/田村/渡井/ボラのセットで再びカウンター。
後手に回って相手が混乱し、ディフェンスが崩れたところをボラがプッシュして1-3。
 
すみだのギアチェンジに置いて行かれた名古屋がたまらずタイムアウトを取るも、34分まで、

諸江/清水/西谷/岡山
稲葉/太見/田村/ボラ
諸江/清水/西谷/岡山
太見/田村/渡井/ボラ
諸江/清水/西谷/岡山
稲葉/太見/田村/渡井
諸江/清水/西谷/岡山

と矢継ぎ早にセットを交代し、名古屋に的を絞らせない。
 
この間、相手セットプレーの間にメンバーチェンジをしないという鉄則を破ってメンバーチェンジをし、あっさりドフリーで決められたのはチームの約束事を愚直なまでに遂行するすみだのチームカラーが出たものだろうが、ライン際でビブスを交換する度に勢いが加速するさまはフットサルの新戦術を想起させるものだった。

すみだの7変化に目が慣れ出した残り6分から名古屋が安藤選手をゴレイロに据えてパワープレーを開始。

7月のAFC。
12,000人の観客が入るタイのバンコクフットサルアリーナで前年度優勝チームのイランのタシサット、決勝戦でのイラクのナフィットに食らいついたパワープレーの緊張感と、1/33試合のFリーグ首位決戦の緊張感を想像する。
 
絶対的エースの森岡選手が在籍していた去年までの名古屋の強さは、結局この人がオイシイ所を持っていくという圧倒的な個の力だったが、1勝3分1敗という戦績でドラマチックな優勝を達成したAFCからの流れを見ると今期はチームワークと勝負強さだろう。

ここのところパワープレーの逆転劇が少ないFリーグだが、AFCの名勝負を演出した名古屋のパワープレーのクオリティは2部練習できるチームならではの完成度で35分に八木選手が決めて同点に追いつく。
流れを引き戻そうとすみだがタイムアウトを取るも、その1分後の36分にセルジーニョ選手が決めて4-3と名古屋が逆転に成功し、小田原アリーナはどっと沸いた。

すぐさますみだも稲葉選手をゴレイロにしてのパワープレーを開始すると、38分51秒に今シーズン絶好調の西谷選手がゴール中央で細かいステップで相手をずらしてのスナイプショットを決めて4-4とするも、39分35秒でパワープレーで相手を動かしてできたギャップにセルジーニョ選手が決めて5-4と名古屋が再度の勝ち越し。
これで終わりかと思いきや、試合終了20秒前にパワープレーで左角に入った西谷選手にボールが入ると、中央への早いボールをケアしてニアを開けたゴレイロの関口選手のスキを見逃さず、これをダイレクトでニアに強シュートをブチ込んですみだが再度同点に持ち込んだ。

39分48秒で5-5になったスコアボードはもう動くことはなく、名古屋のパワープレー開始から5分間で5点が生まれた首位決戦は大喝采と異常な熱気を残して終わった。

・カウンターが不発で終わった後のミス待ちの攻守
・疲労が溜まる終盤で強度の落ちるトランジション
・結局点差が広がるだけのパワープレー

Fリーグも10年目を迎えた。
チーム数も増え、どこか慣れがあり、どこかこんなものかという思いもある。
チーム、リーグの運営を考えても昇格・降格は現実的ではないだろうし、レベル差が如何ともしがたいゲームもある。
リーグ自体が競技力の向上と普及という側面を持っている以上それはそれで仕方がないだろう。

10年間のFリーグでも3指に入る名勝負は両チームの積極的な攻守があり、両監督の哲学あり、終了寸前までお互いがゴールを狙う獰猛さがあった。

唯一のプロチームである絶対王者名古屋が9連覇するFリーグだが、基本的にはアマチュアチームであり、練習時間が限られているはずのすみだが後半34分に名古屋がパワープレーを開始する前まで試合をリードしている。
熱戦、名勝負という言葉で表現してしまえばそれまでだが、工夫や知恵、組織の意思統一があったからこそ名古屋と伍する時間を作れたのだ。

奇跡的な熱戦に反し1,103人という少々残念な観客数に終わったが、まだすみだホームの墨田区総合体育館と、名古屋ホームのオーシャンアリーナでの対戦が待っている。
 
観客が想像する首位攻防戦を越える試合だったからこそ試合後のスタンディングオベーションがあり、いい意味で観客の予想を裏切る試合を提供し続けることがトップリーグ本来の姿だろう。
このベストバウトを塗り替えるベストバウトに会える日をファンはきっと待っている。
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小田急線蛍田駅下車から徒歩15分ほどの小田原アリーナ。
道中の稲穂もそろそろ収穫の雰囲気か。
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8月にタイで行われたタイランド5で日本代表キャップを記録した北海道のフィクソ、19歳の小幡選手。
今日はミスが多く、ほろ苦いプレーが目立ったがまだまだキャリアはここから。
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圧倒的なフィジカルを活かして半径2メートル以内のボールはすべてマイボールにしてしまう制圧力を見せる大阪のフィクソ、アルトゥール。
大阪の巨人は今後の上位対決を席巻しそう。
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フィジカルがフィットし、大阪の攻めに深みを与えるピヴォのチアゴ。
収める、打つのシンプルなプレーだが相手に与える圧力は侮りがたい。 
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出場時間を延ばす個性的な木暮チルドレン達。
フィクソの田村選手は落ち着いて試合を締め、加藤選手は鋭いドリブルから惜しいシュートを連発。
弾幕の銘は『みずはほうえんのうつわにしたがう』と読み『注いだ器の形に水が変化するように、人は環境や友人によってどのようにも変わる』という意味。
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セットを固定せずブラジル人トリオ+木暮チルドレン+小曽戸で回す3位の大阪。
お前らやってこいよとばかりに送り出す木暮監督は貫録十分。
これまで浦安、町田、大分、大阪が名古屋に挑むマッチレースが多かったが、スリーワイドの優勝争いなるか。
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連敗を5で止めた府中。試合中の谷本監督の気合と試合後の選手の笑顔が苦闘を物語る。
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Fリーグとタイで行われた日本代表戦を含めて8月に7試合を戦った勤労青年の清水選手。
アジアを代表するピヴォと呼ばれる日もそう遠くなさそう。
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今期一番の補強となった渡井選手の完全復帰。
諸江選手、西谷選手とクオリティの高いフィクソ3枚がすみだの攻守を支える。
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譲る気持ちは全くなし。首位対決を迎える両監督の静かな闘志。
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齋藤選手が青に染め、赤(橋本選手)、黄(八木選手)と合わせてとうとう完成した名古屋のヤングシグナル。
タレント軍団の中でコンスタントに出場している彼らの経験の蓄積がシーズン後半のアドバンテージになるか。
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要所を締めた星選手、安藤選手の日本人フィクソ。
日本人選手の勝負強さは昨季までの名古屋になかった特徴のひとつ。
元々ドリブラーのセルジーニョは抑えられることが多かったAFCでなぜか守備が急成長。
パワープレーから得点を挙げた場面では、ワンステップで強烈なシュートを蹴り込んで見せた。 
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154cmと小柄ながら機を見てピヴォに入り攻撃を活性化させる中村選手。
今期は出場機会は減ったがフロアに立てば流れを変える働きを見せる。 
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重心移動、瞬発力、ボールキープに必要なお尻の大きさに比例する感のあるフットサル選手のクオリティ。
名古屋の攻守の要、尻は口ほどに物を言うシンビーニャと酒井ラファエル。
身長、体重はすでにあるが、いつかチームごとのヒップの平均値を集めたデータも見てみたい。
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試合中に激を飛ばす名古屋のペドロコスタ監督。
選手の手を掴んで攻守のポイントを熱弁する熱血監督の姿はこれまでの名古屋のベンチになかったもの。
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名古屋の先制点に繋がったバスミス、パワープレーから西谷選手にニアを抜かれた5失点目。
大黒選手、関口選手の両ゴレイロにとっては悔しさの残る熱戦か。
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長い距離のランニングを連発し、1-3のリードに貢献した岡山選手。
ボール奪取後、空きスペースを見つけるや40メートルを一気に駆けた。
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今日も前線でポイントを作ったすみだの太見選手。
2009年、2013年の全日本決勝にも出場した名勝負数え歌のメインアクター。
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すみだの攻守のスピード、テンションの高さに適応したボラ。
これまでのテクニックと嗅覚を利かせてのゴールに加え、カウンターからネットを揺らす機会も増えそう。
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ゲームの損益分岐点を見つめる西谷選手。
クイックネスで決めた4点目、ゴレイロがニアを空けたのを見逃さずにダイレクトで撃ち込んだ5点目はお見事の一言。
今、最もFリーグで怖いアラ。
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試合終了後に両監督が握手。
先にアクションを起こしてリードを奪うものの勝利のチャンスを逃した須賀監督と、練度の高いパワープレーで負けゲームを拾ったペドロコスタ監督。
ゲームに慣れだした後半5分前後からどちらが先に仕掛けるかが次戦の見所か。
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積極的な攻守があり、両監督の哲学あり、終了寸前までお互いがゴールを狙う。
今シーズンの両チームの対戦は2016/11/3の墨田区総合体育館と、2017/1/15のオーシャンアリーナ。
今日の試合が陳腐に感じる熱戦を期待しています。 

 
11 8月

2016/8/11(木・祝) Fリーグ 第9節 墨田区総合体育館 『必殺のデザインプレー』

2016/8/11(木・祝) Fリーグ 第9節 墨田区総合体育館
フウガドールすみだ 2 - 1 バルドラール浦安

開幕7連勝から大分と引き分け、町田に敗北のすみだと、今季連勝がなく3勝2分3敗と我慢の展開が続く浦安が対戦。

今週、スペインへの移籍を発表した深津選手をはじめ、浦安がアグレッシブなプレスですみだを抑えにかかり、ボールを拾ってからは底からの3角形でのパスワーク、一線上に並んで中を飛ばして抜ける練度の高いプレス回避で好調すみだのフロントラインを再三破る。
 
前半5分に第2PKあたりからのキックインを中島選手が中で待つ小野選手に出し、すみだのディフェンスが不用意に寄ったところを小野選手が浮き球でディフェンスの裏へリターン。
これを中島選手がゴール右上段に突き刺す抜け目のないゴールで浦安が先制し、緊張感のある鍔迫り合いの前半は浦安に利ありの形で終わった。

後半。
控えのゴレイロを削って攻守に機動力のあるアラの田口選手をオプションに加えたすみだが体力面で優勢になり、セットをハッキリと分けず、深津選手、小宮山選手、荒牧選手の強固なフィクソに宮崎選手、加藤選手、中島選手、小野選手を自転車操業で回す浦安が徐々に受けに回る。

後半28分に前に強い浦安のディフェンスを破り、左ゴールライン際まで侵入した稲葉選手がゴール前に送って発生した混戦を田村選手がヘディングでねじ込んで同点。
その後はすみだのオフェンスを浦安が必死にしのぎつつ、機を見て気合十分の深津選手が強引に進撃する展開が続くも、星取表の勝ち越し、ご近所対決の意地と熱量、チームメイトへの寂寥感からか残り時間1分30秒で浦安がパワープレーを選択。

ファーでのプッシュがメインアクトのはずの小宮山選手が華麗なターンでのドリブルを見せるなど、首位のすみだに引き分けをよしとしない強気っぷりを見せる浦安だったが、キックインからの不用意な浮き球でのロングパスを、滞空時間中に太見選手がガッツリ詰めて相手選手が待つ落下地点でチャージ。
浦安側に転がったボールを一気に前に出た太見選手がロングドリブルでパワープレー返しを成功させ、残り8秒で勝ち越し点を上げると40分のシビれる神経戦から解放された墨田区総合体育館は一気に沸いた。

ホームチームがライバル意識のあるお隣の強豪チームを相手に苦戦、挽回、劇的な勝ち越しと王道少年マンガのような燃える展開で興業的には大成功な一戦だったが、個人的には今年2月のAFCから度々目にする日本フットサルの課題が散見される典型的なゲームで、以下はその列挙になる。

①ブロックを作った相手へのオフェンス
オーソドックスなサイドでの1対1、ピヴォ当てでの崩しが両チームとも相手の強固なフィクソに阻まれるなど、前プレを突破し、引いた後のオフェンスの工夫が少々乏しい。

そんな中でも、すみだの同点弾に繋がった稲葉選手の角に向かってボールを運び、ディフェンスの基本であるボールと人を同一視野に入れさせず、ゴールを背に守れないようにしての崩しは理論の点で、浦安の深津選手のフィジカルを利かしたダンプカーのようなドリブルは意外性の点で二重丸。
お互いが似たストロングポイントで勝負し膠着した際の、個とチームでの工夫は数多く見たいところだ。


②数的優位のカウンターの精度
カウンターを防いでのカウンター返し、ブロック守備からのカウンターなど、この試合で頻発した2対1、3対1のカウンターは両チームとも無得点。
 
視野を確保しつつ、粘り強くタイミングを計った小宮山選手、荒巻選手、渡井選手の対応が光ったが、オフェンスの体の向き、走るスピード、直線的すぎる追い越しが非常に気になった。
ボールホルダー側に体を傾ける、ボールを受けられるゾーンへの侵入後はスピードを緩める、ボールに対して鈍角で入れるように弧を描いて走る・・・。
縦に急ぎつつもオフェンスにもう少しの工夫があれば、よりハイスコアでのゲームになったのではないだろうか。


③デザインプレー(フリーキック、第2PK付近からのキックイン、パワープレー)
選手交代をし、両ポストと逆サイドに選手を配置。
トリックプレーがあるかと思いきや、結局キック力のあるシューターが強打するフリーキック。
なんとなくフリーの選手に入れて遅攻で再開するキックイン。

AFC(2月のW杯予選、8月のクラブ選手権)でも目に付いたデザインプレーの守備のまずさは、Fリーグで効果的なデザインプレーをするチームが少なくなったからでは。
浦安の先制点の場面では、中でキープした小野選手に本来キックインのキッカーである中島選手をケアする宮崎選手の食いつきを見て小野選手が宮崎選手の裏へリターン。
中島選手の目の覚めるようなボレーシュートと彼への喝采で隠れてしまったが、ファインゴールの裏には細かなエラーがあり、こうした読み合い、失敗体験、攻守の試行錯誤の少なさが本番での致命傷に繋がるという示唆に富んだシーンだった。

パワープレーはイノベーションが顕著なプレーであり、パワープレー中にオフェンスがフォーメーションを流動的に変化させる形がトレンドになった2012~2014年はオフェンス有利、それに対応できるようになった2015~現在まではディフェンス有利といった印象がある。

デザインプレーは相手が知らないということが一番のアドバンテージになる。
ボードの上での試行錯誤やスカウティングからの着想から生まれるアイディアも多いだろうし、アイディアがリアリティのあるものであれば物理的な練習時間はトップカテゴリーの選手たちであればそこまで必要でもないだろう。

プロセス・イノベーションが得意とされる日本だが、プロダクト・イノベーションとも言えるような日本発の新種のデザインプレーをゼヒとも見たいところだ。

Futsal-Philosophy Facebook 

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浦安が誇るフィジカル自慢のスリーフィクソ。
小宮山選手、深津選手、荒牧選手が代わる代わるフロアに立ってチームを引き締める。
個性豊かな現場監督たち。
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鮮烈ボレーで浦安の先制点を叩き出した中島選手。
要所で得点に絡む今シーズンは一気に若返った印象。
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知己との再会。
開幕時は無所属ながら2節前からすみだでFリーグに復帰したボラと、元日本代表の小野選手。
Fリーグ初期から活躍するベテランピヴォ同士が試合前にハグ。
中島選手の先制ボレーの場面ではすみだの3枚のディフェンスの間に入った小野選手のポジショニングが光った。
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歌うようなテクニックを奏でるボラ。ボールはトモダチを地で行く足元。
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浦安のプレス槍衾をリードした加藤選手。
今日のカウンター合戦ではゴールがほしかったところ。
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地域リーグで群を抜く戦力を誇ったすみだ。
当時はすみだで活躍→Fリーグへ移籍がメジャーデビューへのストーリーのひとつだった。
同ルート名を挙げた深津選手は日本でのラスト2試合、異常な気迫で臨んだすみだ戦で攻守に奮闘。
再三ゴールに迫り、どちらのファンからも歓声をさらった。
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こちらはすみだから浦安発、神戸経由で昨シーズンから復帰。
クリーンな守備、華麗なドリブルで魅せるすみだのフィクソ渡井選手。
今日はガツガツとした当たりでプレッシャーをかける深津選手、小野選手とのとばっちり気味のドックファイトで会場を熱くした。  
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清水選手が累積警告で出場停止のすみだは前半途中から太見選手とボラ選手を同一セットで投入。
名勝負製造機、小宮山選手との体と知恵が交差するマッチアップは様式美すら感じる大熱戦。
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膠着状態を打開した稲葉選手の機転。
経験を活かし、代名詞のドリブルで結果に繋げるクレバーなプレー光った。
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今シーズン出場時間を延ばす田村選手は貴重な同点ゴールをゲット。
破天荒な活躍に期待したいところだ。
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力強いフィジカルと、異様な存在感で異彩を放った深津選手がコーナーキックで3枚のディフェンスの間に入る。
相手を寄せて誰が打つかを考えるのもセットプレーの楽しみ。
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すみだのフリーキックの場面。
4秒の時間、ディフェンスの視野角、壁とゴレイロの位置と期待感が膨らんだところでの直接シュート。
・・・館山マリオのような変態策士の登場が待たれる。
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着想と大胆さに妙味を持つすみだの須賀監督と浦安の米川監督。
いつか彼らの名前を冠した新しいセットプレーやパワープレーを見たいところ。

6 8月

2016/8/6(土) Fリーグ 第8節 郷土の森府中市立総合体育館 『ジャパニーズスタイルの凱旋』

2016/7/19(火) AFCフットサルクラブ選手権 バンコクフットサルアリーナ
◆準々決勝 
タシサット・ダリアエイFSC(イラン) 2-2(PK:2-3) 名古屋オーシャンズ
◆決勝 
名古屋オーシャンズ 4-4(PK:6-5) ナフィト・アルワサト(イラク)

2016/8/6(土) Fリーグ 第8節 郷土の森府中市立総合体育館
府中アスレティックFC 1 - 4 名古屋オーシャンズ

在籍9年間で229得点を挙げたスーパーエースの森岡選手を放出し、その後釜にと見越したブラジル代表のシノエも開幕前に退団。
同じくピヴォのシンビーニャも第3節で負傷と踏んだり蹴ったりの名古屋が、7月にタイで行われたAFCフットサルクラブ選手権(ありていに言うとアジアNo1のフットサルクラブ決定戦)で優勝した。

史上最弱と目された名古屋は格下のはずのヴィック・ヴァイパーズ(オーストラリア)を相手にした初戦で辛くも引き分け、続くタイの強豪のチョンブリとの一戦では3-1の敗戦。
大会のレギュレーション上、得失点差で決勝トーナメントに進むことになったが、プレスラインが低く、攻めても単発のサイド突破が散見されるのみとグループリーグの消極的な試合内容はガッカリだった。

ベスト8から始まる前年王者のタシサット(イラン)戦は前2戦が何だったのかと感じるような気持ちの入った前プレと、ボールホルダーを必死で追い越すカウンターを見せ1-1で延長戦へ。
お互い延長で1点ずつを加えてのPK戦では関口選手が鬼神のセーブを見せて大会一の難敵を撃破。

勢いを駆ってのナフィト(イラン)との決勝戦では、前プレ、カウンターでの得点と、セットプレーからの失点というこの大会での名古屋らしい取って取られてのシーソーゲーム。
2-3から39分に酒井選手がパワープレーからプッシュして3-3の同点とし、同じく3-4に勝ち越された延長49分に星選手が狙い澄ましたミドルシュートを決めて再び同点。
ゾンビのようなしつこさで漕ぎつけたPK戦では6人目に関口選手がシュートを決めてから、相手の6人目を自らがストップするという大活躍。

敗退が予想される中で、1勝3分1敗(3分中、2PK勝ち)という戦績でアジアタイトルを手にするという日本フットサル界に残るアップセットだったが、イランと激闘を繰り広げた2000年代の代表戦を含め、日本のアジアでの戦い方は1段も2段も上のタレントに自陣に引くよりも勇気を出してのプレスで食らいつき、カウンターで苦しめ、最後はゴレイロのビックセーブで締める、というのがお家芸だったのではないだろうか。

今年2月のウズベキスタン。史上最強の謳い文句で個の力を前面に打ち出した日本代表は、ベトナム戦の敗戦で瓦解しワールドカップ出場を逃した。
その日本代表とも、昨シーズンの名古屋とも演者のネームバリューは落ちるものの、忘れていた日本のスタイルでしぶとく、泥臭く結果を出した名古屋は大いに称賛されるべきであり、ゾンビのようなタフネスで名古屋のプレスを牽引した橋本選手(22歳)、八木選手(22歳)、齋藤選手(21歳)といった若武者のタイでの活躍にはグッとくるものがあった。

Fリーグ凱旋となった府中戦。
 
府中ホームの府中総合体育館で名古屋は3年連続敗れていたが、この日はボールを回して試合をコントロールしようとする府中をうまくいなして田村選手、前鈍内選手、中村選手といったAFCで出番が少なかった選手が悔しさを晴らすように得点し、AFCで自信をつけたであろう橋本選手がプレスに奔走し、八木選手が仕掛け、齋藤選手がパワープレー返しから美味しくゴールとAFCで見せた一連のプレーを見せる。

今シーズンはなんだかんだでこの人が決めるスーパーエースのプレッシャーや、カタカナが並ぶ圧倒的なセットといったスケールを感じることはなくなったが、タイでの経験が若手に自信をつけさせ、その自信が常勝故に薄れていたチームにフレッシュさを生む好循環に繋がっている。
 
これまで個の力で相手をねじ伏せてきた名古屋。
まだ新戦力の顔と名前と代名詞になるプレーが一致しないが、シーズンが終わるころにはこの選手はこのプレーというものがイヤでもこびりついているだろう。

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8月の強い日差しにセミの鳴き声。
子供の遊び場が充実した郷土の森公園。
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試合前に名古屋のAFC優勝を称えるアナウンスと共に掲げられたバナー。
『これからは府中の時代 掴め優勝 目指すはアジア』
相手への賛辞と自らへの矜持。いいと思います。
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およそ1ヶ月ぶりのFリーグ。
どこか懐かしい表情で試合前のアリーナを見つめる名古屋のペドロコスタ監督。
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AFCで名を上げた19番橋本選手、18番齋藤選手、17番八木選手。
プレス、ゴール、仕掛けとAFCでの代名詞を今日の試合でも披露。
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AFCでは出番の少なかった選手がこの試合では気を吐き、前鈍内選手は右サイドで華麗なターンからの左キャノンで2点目。
同じく出番の少なかった中村選手、田村選手とニッコリの一幕。
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ディフェンスの中央でボールを呼び込む、角を取る、ピヴォに入るなど153cmの体でボールを引き出す動きが光った中村選手が2得点に絡む活躍。
AFCで出番の少なかった中村選手、田村選手、前鈍内選手はFリーグ再開後の牽引役か。
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Fリーグ初登場となった酒井ラファエルの弟ダニエル・サカイ。
サイズを活かしたフィジカル枠のフィクソといった雰囲気だが、AFCタイトルホルダーの星選手、安藤選手、そして兄とのポジション争いをリードできるか要注目。
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ゴール前の汚れ仕事を引き受ける酒井ラファエル選手。
AFCのグループリーグでは緩慢な動きが目立ったが、タイでの死闘を経て野性味が戻った感あり。
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ドリブルを武器にする助っ人外国人がAFCでは守備で奮闘。
ソリストのイメージが強かったセルジーニョ選手が若手の橋本選手とプレー内容について確認するなど、タイでの日々を経てチームの牽引役へ。
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前節のレッドカードで星選手が出場停止の中、アジアの巨漢を向こうに回して一歩も引かなかった安藤選手が落ち着いて相手を封じる。
28歳にしてAFCで一気に成長。 AFCの影のMVP。
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あどけない表情で美味しくゴールをかっさらう齋藤選手。
強烈な左足シュートも魅力だが、AFCのタシサット戦、ナフィト戦でフリーで決めた2ゴールは彼の真骨頂。
今日もパワープレー返しで1得点をマーク。
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AFCではベンチを温めた篠田選手が好守を見せる。
関口選手、篠田選手の2人は日本唯一のプロチームである名古屋の体制を象徴している。
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小山選手、上福本選手、皆本選手、宮田選手でのダブルピヴォの1stセットは戦術幅の拡大が目的か。
底からのドリブルで相手を剥がすプレイと、機を見てのシュートが要求される宮田選手。 
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セットプレーでは工夫を欠いた両チーム。
キックインでは後ろに下げての組み立てが目立ち、FKではなんだかんだで強シューターが直接狙うのみ。
緊張感があってもワクワク感がないセットプレーは今の日本フットサル界で物足りないプレーのひとつ。
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強シュートの山田ラファエル選手ではなく、皆本選手、小山選手、柴田選手、完山選手、永島選手のクインテッドでのパワープレーを決行した府中。
GKのクロモト選手を使わないプレス回避、今節から復帰の渡邊選手を入れてのセット組みと、新しいチャレンジが目立った府中。
熟成にはもう少し時間が必要か。
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府中のパワープレーに対するディフェンスの指示を送るペドロコスタ監督と、真剣に指示を聞く橋本選手。
パワープレー返しを決めた齋藤選手も含め、この時間帯にフロアに送られるところにペドロコスタ監督の若手への信頼度の高さが伺える。
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開幕戦では表情の硬かった名古屋だが、関口選手と齋藤選手は試合後に謎の談笑。
フロア、ベンチともいい表情が目立つのはタイでの密度の濃い時間からか。
30 7月

2016/7/30(土) Fリーグ 第7節 墨田区総合体育館 『22歳の夏』

2016/7/30(土) Fリーグ 第7節 墨田区総合体育館
フウガドールすみだ 3 - 3 バサジィ大分

新卒で入社した会社の人事担当の方が先日定年退職されたという話を聞いた。

仕事もよくわからず、自信もない中で採用していただき、在籍中は折を見て声をかけてくれ、転職する時は円満に退職できるように気を回していただき、今思い出してもとても恩に感じているし、感謝以外の言葉を探すのは難しい。
後任者が自分の同期入社と聞いてなんだか笑ってしまったが、自分も歳を取ったんだなと思ってしまった。

普段自分が観戦している席に座ろうとすると、1ブロック+2列に招待席の札が貼ってあったので、そのエリアから1席離れたところに腰を掛ける。

試合は強度の強いプレスと柔軟でシナジー効果抜群なバラエティに富んだセット構成で首位を走るすみだに対し、大分が大胆にも同じゲームプランで挑む展開。
大分の前プレに対しロングボールでの回避を試みた流れから清水選手が決めてすみだが先制も、大分がプレスを破ってすみだを押し込み、ゾーンで守る外からディドゥダがミドルシュートを決めて同点。
お返しとばかりに宮崎選手がミドルを決めて2-1とし前半は終わった。

ハーフタイム。
 
招待席に座る自分の両親と同年代ほどの方とお話しすると、メインスポンサーの東京東信用金庫の方ですみだの岡山選手と同部署とのこと。
後半、カウンターからの波状攻撃を最後は白方選手が飛び込んで大分が2-2に追いつくも、しっかりとセットを守って好プレーを続ける岡山選手が再度勝ち越しのゴールを決めると、おふたりを含んだ真横の一角がわっと沸き「おめでとうございます」と声をかけると、顔をくしゃくしゃにしてとても嬉しそうだったのが印象的だった。

席を見渡すと大学生くらいの若者たちが1ブロックを占めていたが、こちらは内定者懇談会を兼ねてスポンサードチームの試合観戦というところなのだろうか。

漠然と将来への不安があり、何かに熱中したいけれど燃える対象が見つからない。
内定先の研修課題をダラダラとこなして、ゴロゴロしながら本を読んで、ヒマな時間はネットサーフィン・・・、若々しい彼らを見て自分のだらしのない22歳の夏を思い出して苦笑してしまった。

フットサルを見ていて非常に面白いのが、得点差、残り時間、ファウルカウントで求められるプレーが変わることだ。
フロアに立つ選手はその状況で何を求められているかを考え、役割を果たさなければならないし、役割を果たして称賛されることもあれば、勿論その逆もあるし、状況によっては役割以上を一気に目指さなければならないこともある。
そういうところは仕事にとてもよく似ていると思う。

仕事を通して成長するのはもちろんだが、仕事に役立つヒントは意外と仕事以外のところに眠っている。

他競技になるが野村克也氏のエッセイは氏の野球選手、監督の経験が仕事や人生訓に繋がっていて非常に面白く含蓄に富んだものばかりだし、私もいつからかフットサルを競技としてだけではなく、生きるヒントのようなものを発見、確認しようという視点で観戦しているように感じるようになった。

2009年。
当時地域リーグに在籍していたすみだは、Fリーグを2連覇中の名古屋を破って全日本を制した。
だが、すみだのチームとしてのハイライトは2013年に再び名古屋と全日本決勝を戦い、PK戦で諸江選手がシュートを外した後、うなだれる諸江選手に当時のキャプテンの金川選手を先頭に仲間たちが歩み寄り、優しく温かな輪を作った場面なのではと思う。

うまくいく事ばかりではないし、ぶつかり、失敗もし、理不尽なこともあり、それでも何かを達成できれば心底嬉しい。
競争相手いて、仲間がいて、一緒に熱くなり、夢中になる。
そんな中で切磋琢磨できるのはとても幸せだ。

試合は日本最高のアラのひとりである仁部屋選手の左カットインから相手の足をはずしてのスナイプショットで3-3の引き分けに終わったが、はじめてのフットサル観戦から常連さんになるキッカケとしては十分なナイスゲームだったろう。
 
彼らがあと何回フットサルを見に来てくれるかはわからないが、仕事だけでなく、自分が夢中になれるものから何かを学び、成長し、社会人としての日々を楽しむ傍らにもしもフットサルがあったらとても嬉しい。

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一躍ポケモンGOのホットスポットとなった錦糸公園。
どうでもいいですが私が好きなゲームは高難易度、理不尽、初見殺しと評判のベルウィックサーガ
面白いですが間口は極端に狭いためオススメはしません。
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巨躯を活かしたフィジカルと強烈なシュートを武器とするディドゥダ選手。
怖そうな先輩も意外と声や笑顔がかわいかったりするんだよなぁ・・・。
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4月に刈谷で行われた日本代表戦で一気に評価を上げた芝野選手。
あどけない笑顔が印象的な若者も今ではすっかりエースの視線。
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日本最高のアラのひとり、華麗なドリブルを武器にする仁部屋選手の試合前に行うインサイド、アウトサイドでのボールタッチのルーティーン。
一見不可思議な先輩の行動の裏には確かな理由があったりする。
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走力と基礎技術を武器にするすみだに電撃加入したテクニシャンのボラ選手。
結果を出している時だからこそ違う個性を入れて変化を促すことが目的なら、すみだの補強はお見事としか言えない。
注目の初登場は2-1と勝ち越した直後の盛り上がる場面で、ムードメーカーの田村選手、諸江選手、岡山選手と。
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今日も要所を締めた諸江選手、西谷選手、渡井選手のすみだスリーフィクソ。
この日は18番渡井選手のドリブルでの突破が目立った。
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息を飲むシーソーゲームで3点目を挙げた岡山選手は個性的なチームでしっかり出番を確保。
「うちの会社の先輩、フットサルの日本代表なんだぜ」と言われる日も近そうだ。
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Fリーグ1年目ではシーズン23得点を挙げ日本代表にも選ばれた6番宮崎選手のゴール後。
不調の昨季から今季は得意のドリブルを活かした突破が戻りつつある。
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攻めてる時のゴレイロのポジションは選手とチームのカラーがよく出る光景。
第2PKマークまで出てにらみを利かす大黒選手。
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太見選手、清水選手、ボラ選手と一癖も二癖もあるすみだのピヴォを抑える大分の小檜山選手兼コーチ。
役割は越えてこそ、とばかりに技巧派フィクソが守備でハッスル。
今日のMVPは若手への薫陶が光った彼にあげたい。
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ガッツ溢れる守備が光った9番の田辺選手と、4番の田村選手。
160cmながらガツガツとしたプレスと器用さを持つ田村選手は日本代表で見たい好選手。
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首位のすみだを相手に真っ向勝負の前プレ合戦を挑んで引き分けに持ち込んだ大分の吉武監督。
早い時間でのパワープレー。若手を組み合わせたセット構成など就任2年目にして名伯楽の雰囲気。
今季はすみだ、名古屋に引き分けるも浜松に敗北という結果だが、波を無くせれば間違いなく上位に食い込む好チーム。
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ハーフタイムにスタッズに目を通す須賀監督。
独特の言葉でフットサルを語る彼のフットサルを通してフットサル以外のことを語る著書も期待したいところ。
11 7月

2016/7/9(土) Fリーグ第5節 墨田区総合体育館 『首位のシナジー』

2016/7/9(土) Fリーグ第5節 墨田区総合体育館
フウガドールすみだ 4 - 0 府中アスレティックFC

浜松、神戸、仙台、大阪相手に4連勝で首位のすみだと、湘南、浦安、町田に勝利し、大阪に引き分けて2位の府中が激突。

前節までの戦い方を見るに、両チームともピヴォを使った3-1での前プレ&プレス回避をベースにした鍔迫り合いから、ここまで猛威を振るっている諸江選手、太見選手、清水選手、西谷選手の決めセットを機を見て投入してすみだが試合を動かしにかかる、という展開を予想していたが結果は4-0ですみだの完勝となった。

相手ボールを奪い、スピードに乗ったカウンターから岡山選手の思い切りのいいシュートで先制し、底にプレスに来た相手の裏を取った清水選手にロブを落としてのシュートで2点目。
右サイドでボールを持った太見選手が相手ディフェンスの寄せが甘いと見るやミドルシュートを決めて3点目。
最後はパワープレー中の守備故か中途半端な府中のプレスをいなしにいなし、10本以上のパスを成功させてから点差を見せつけるようなファー詰めで4-0。

府中にももちろんチャンスはあり、完山選手のドリブル突破や、岡山選手の意外性のあるまた抜き、上福本選手のシュートなどどこかで得点を奪えていれば流れは変わっていたかもしれないが、前半途中から徹底しだしたゴレイロのクロモト選手を使ったインスタントなプレス回避ですみだを押し込んだ後のブロック崩しに最後まで工夫を欠いた。

ただ、府中の戦い方云々ではなく、すみだの4点のバリエーションはトランジション、2人の関係のプレス回避、個人能力、チームの完成度とそれぞれの意図が詰まったバリエーションに富んだもので、今日の印象はとにかく『すみだ強し』だ。

すみだの面白い点はセット組の豊富さと交替の早さだ。
今期の開幕戦となった浜松戦では21回の交替で、17通りの組み合わせを披露。
今日も18回の交替で10通りの組み合わせを見せており、そのひとつひとつが監督、チームの意図が高いものだ。

◆ピヴォあり
宮崎/太見/西谷/渡井
諸江/稲葉/清水/岡山
太見/田村/西谷/渡井
諸江/田村/清水/岡山
諸江/稲葉/田口/清水

◆ピヴォなし
諸江/稲葉/田村/田口
宮崎/稲葉/岡山/渡井

◆決めセット
諸江/太見/清水/西谷

◆パワープレーのディフェンス
諸江/稲葉/太見/西谷
諸江/稲葉/西谷/渡井

前節までは諸江/太見/清水/西谷の決めセットをはじめ、諸江選手と西谷選手を組ませる構成が多かったが、この試合は2人を別セットで使い、昨年の大怪我から復調した渡井選手をもうひとつの軸に添えて府中の攻撃をシャットアウト。
 
セットを固定化し、特定の選手への依存度が高いチームが多い中、ベンチ入りした10人をしっかり使ってこれだけの組み合わせを見せ、セット毎に練度の高いピヴォ、クアトロを使い分ける質と量があり、久々に登場した田口選手が吹っ切れたようにハツラツとした動きを見せれば、西谷選手を彷彿とさせる相手の意表を突くドリブルでサイドを突破するなど調子の良かった宮崎選手は出場時間を伸ばす。

意識してのセットの流動化だと思うが、異なるキャラクター同士が刺激し合うチーム内の競争と、それが組み合わさった時のシナジーが非常に高い。

Fリーグ参入初年度は、武器にしていた切り替えの速さがFリーグのゲームスピードの標準に埋もれ、ミドルシュートやセットプレー、パワープレーのディフェンスに苦慮し爆発力はあるが安定感に欠ける試合が続いたが、年間3位を達成した2年目の昨期を経て、選手の成長や慣れ、経験のある選手の加入で一気に弱点を克服した感がある。

オフェンスのセットプレーのバリエーションに乏しいのはまだそこまで練習時間を割けていないからかもしれないが、プレスとプレス回避、トランジション、練度とキャラクターのあるセットと、見ていて飽きない首位らしいすみだの完成度はお見事の一言だ。

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首位のすみだと2位の府中。東名、名阪ではない東京横断の首位対決は雰囲気も抜群。
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コーチが持つ網板にボールを投げ、それを打ち返したボールをゴレイロがキャッチ。
SとMが交錯する個性的なフットサルのゴレイロのアップシーンは一見の価値あり。
こちは府中の山田マルコスコーチとクロモト選手のアップのヒトコマ。
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大柄な選手たちの中で出場時間を伸ばす2選手。
関選手(上)は機動力と動きの質でボールを引き出し、岡山選手(下)はバリエーション豊富なまた抜きとシャペウでのサイド突破で個性を放つ。
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順位を意識せず、プレッシャーよりも楽しんでいるいい表情が目立つ首位のすみだ。
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1stセットの宮崎/太見/西谷/渡井選手。
No18渡井選手のゲームコントロールと、久々に出場時間を伸ばしたNo6宮崎選手のドリブルが冴えた。
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前半途中の諸江/稲葉/田村/田口選手のピヴォなしのセットで、リーダーシップを取るNo7稲葉選手。
久々の出場となったNo10田口元気選手はユニフォームネームの通り元気いっぱいの動き。
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軽快なプレスと、鋭いカウンターで先制点を挙げた岡山選手。
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1-0で迎えたハーフタイム。
お馴染みの威風堂々スミダイルと松岡修造のモノマネ芸人のこにわ。
選手、観客とも緊張感のある熱戦にしばしの水入り。
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岡山選手の先制点に繋がったすみだのカウンターを警戒してか、ゴレイロのクロモト選手を使ってのプレス回避を選択した府中。
プレスとトランジションではなく、ハーフコートでのオフェンスに利ありとの判断だが、最後まですみだのブロックは崩せず。
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惜しいシュートを放った府中の攻撃陣。
No8ピヴォの上福本選手は前半にあった決定機をポストに当てたのが悔やまれる。
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チームを引っ張るNo25完山選手、No5皆本選手、No96クロモト選手。
今日は攻守がガッチリはまったすみだが上手だったか。
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攻守の分岐点を鋭く見据える西谷選手。
もはやさすがとしか言えないため感想は控えます。
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試合終了間際のタイムアウト。
パワープレーの攻守を指示する須賀、谷本両若手監督対決は今シーズンあと2試合。
次回は谷本監督の打開策に注目。
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No4諸江選手、No14西谷選手との好連携でゴールを守る大黒選手。
ゴレイロ争いが激しいすみだで開幕から5試合連続で先発出場。
飛び出し、足元、セーブ と実にフットサルらしい好ゴレイロ。
2 7月

2016/7/2(土) Fリーグ第4節 墨田区総合体育館 『何が面白くてフットサルを見てるんだっけ』

2016/7/2(土) Fリーグ第4節  墨田区総合体育館 
バルドラール浦安 2 - 2 デウソン神戸
フウガドールすみだ 3 - 2 シュライカー大阪

初夏の土曜日。
浦安と神戸、すみだと大阪という順位の近いチーム同士が1日2試合を行うプチセントラル。

ご縁があって交友させていただいているスポーツライターの北健一郎さん、府中アスレティックFCのFacebookでマッチレビュー、選手へのインタビューを連載されているスティーブ・ハリスさんと一緒に観戦させていただいた。

前半に2点を先行し後半経験のあるフィクソを連投して逃げ切りを図る浦安に対して、パワープレーから相井選手の左カットインの右足で同点に追いついた神戸。
加藤選手、田村選手らの若手が堂々と活躍した大阪を、諸江選手、西谷選手、太見選手、清水選手の決めセットで制したすみだ。

細かな技術解説と選手のキャラクターにまつわるエピソードで笑いを取る北さんと、群を抜く観戦経験からの熱いフレーズが印象的なハリスさんに囲まれて観た2戦はどちらもフットサルの魅力がギュッと詰まっていて3人とも大満足といった感じだったが、ふと『自分は何が面白くてフットサルを見てるんだっけ』というのをなんだか考えてさせられてしまった。


・・・自分が試合を見るポイントは主に4つ。

①プレスラインの設定とプレス回避
②トランジションの強度
③練度とキャラクターのある2セット
④キックイン、フリーキック、パワープレーなどのデザインプレーの攻守

①②は連動していて、プレスラインが高ければボールを奪った時に相手のゴールの近くで攻守が交代するため得点が生まれやすい。
自陣ハーフラインまで引いて守る場合は相手ゴールまで遠いけれどスペースは埋めやすい。
攻守とも主導権を奪って試合をコントロールするのか、カウンターをチラつかせて相手を疑心暗鬼にさせるのか。
いずれにしろどこかでチャレンジする場面は出てくるので、はじめにボールホルダーにアタックする選手の位置でその試合のゲームプランが見えてくるし、疲労、集中力の欠如、直近のプレーから生まれる迷いなど、40分間の中で攻守の切り替えの早さに遅れが出だしたところが勝負の分水嶺だ。

次は③のセット構成。
1st、2ndで同じやり方のチームももちろんあるが、ピヴォ当てとクアトロで分けていたりもするし、軸になる選手を1、2人決めてあとは調子や相手との相性を見て臨機応変にというのもあるだろう。
攻撃的、守備的、若手育成、勝負の際をベテランで締めたいなど状況に応じた色が必ずあるので、このセットは何を目的にしているのか、というのを考える。
前半は同じメンバーでの2セットでの交代が続いたとしても、後半10分過ぎあたりからはコンディションとスタミナと相談しながら、徐々に枠が崩れてこのチームで一番頼りにされているのかは誰かが見えてくる。
勝っても負けても1点差で最後にフロアに立ってる気持は選手にとってなんとも言えないものがあるだろう。

④は一発逆転のカード。
キックイン、フリーキックはキッカーに1人が割かれ、3人対4人の勝負になるため誰がフィニッシュのシュートを打つのかが焦点になる。
単純なチョンドンだけでも多くのバリエーションがあるし、チョンドンを見せて前に食いつかせておいてファーでプッシュなど、伏線が後々効いてきたりもする。
パワープレーも含め、確実に相手の先を取れるデザインプレーは決して軽々しく扱えない。
総じてここのバリエーションが豊富なチームは左右のキッカーを揃えていたり、練習時間が十分であったり、兼任であれ選任であれスカウティングに優秀な人材がいたりするのでチームの体制を図るひとつのバロメーターだ。

そんなことをベースに踏まえたうえで、

A.得点差
B.残り時間
C.ファウルカウント

に応じてバリエーションが生まれていく。

前プレが強力なチームでも1点勝っていて残り時間が2分なら心理的にもプレスラインは自ずと自陣寄りになるし、前半終了間際でビハインドの状態でもファウルカウントが5つなら無理に攻めずに後半で勝負という選択肢も出てくる。

ただ、第2PKに絶対の自信を持つゴレイロがいればファウルカウントにお構いなくプレスに行けるし、猟犬のようなガツガツしたメンタルや、意思統一された練度があれば最後まで相手を追い詰めて試合を締められる。
A~Cの部分はいわゆる『お約束』の部分だが、このお約束の空気を読まずにズバッと行けるタレントや仕組み、工夫を持っているチームが往々にしてコンペティションをリードしているように思う。

上記を踏まえて40分間でレンガを積み重ねるように勝利するのが王道だが、フットサルで面白いのはこういうセオリーで説明できない瞬間が生まれることだ。

2012年タイで行われたワールドカップ決勝のスペイン対ブラジル。
攻守に盤石なスペインが2-1でリードの状態で仕掛けたブラジルのパワープレーからセオリー通りの横パスではなく左足ミドルシュートで同点ゴールを突き刺し、満員の観客にタイの伝統的なワイのポーズで応えるファルカン。

2013年全日本選手権決勝の名古屋対すみだ。
絶対王者名古屋にゾンビのように追いすがるすみだがお得意のスピーディーなキックインに半田選手と太見選手が体ごと飛び込んだ延長後半残り4秒の同点ゴール。

どちらもこのまま試合終了かと思いきや、選手であり、チームのキャラクターがセオリーを上回った顕著な場面だったと思う。

ダラダラと理屈が続いたが、最後は思い入れのある選手やチームが活躍するのを目にするのが観客にとっては一番の楽しみだろう。
シーズンはまだはじまったばかりだが今日の2試合のように、理屈よりも単純に手を叩き、声を上げて『フットサルってスゲえなぁ』と思えるシーンに沢山出会えるのを楽しみにしています。
 
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すみだ大阪戦では1,732人の観客を集めた墨田区総合体育館。
参戦3年目のすみだの集客力はお見事。
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Fリーグ各チームで活躍する大型ゴレイロの村山選手。今シーズンから所属する神戸では前節から登場。
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今シーズン、いい表情が目立つ神戸のベテランフィクソ、37歳の鈴村選手。
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試合前から気合十分の眼光を見せる神戸の岡崎チアゴ選手。
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浦安の軸を担う4枚のフィクソ、小宮山選手、荒巻選手、中島選手、深津選手。
マイルド深津選手とワイルド相井選手のマッチアップは迫力十分。
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今シーズンはアラ・ピヴォで活躍する岡崎チアゴ選手。
彼からピヴォに入る相井選手にどれだけ当てられるかも神戸の見所。
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浦安は負傷により藤原選手から税田選手に、神戸は2失点したタイミングで村山選手から小石峯選手にゴレイロがチェンジという珍しい展開。どちらも及第点の働き。
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フィクソ4枚で神戸の猛攻を凌ぎたかった浦安ベンチ。
後半残り10分からのマネージメントがこのチームの課題か。
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シュートストップ、前でのクリアと八面六臂の活躍を見せたすみだのゴレイロ大黒選手。
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大分の仁部屋選手と並んで、今Fリーグで最もインパクトを残すアラの西谷選手。
相手の重視を良く見て逆を突き、2、3人をまとめて躍らせるドリブル突破は圧巻。
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前を向いてボールを奪取してそのまま持ち上がるプレーが光った諸江選手。
審判を交えつつ展開される各チームのエースとの駆け引きも見応え満点。
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諸江選手、西谷選手、太見選手、清水選手のすみだの決めセット。
前を向いて奪う守備、素早い切り替え、深みを作るピヴォ、ドリブルでの仕掛けと首位らしい素晴らしい完成度。
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昨シーズンの大怪我から復帰した渡井選手が大阪の新ブラジル人のチアゴを抑える。
西谷選手、諸江選手、渡井選手とクオリティーの高い3枚のフィクソは垂涎の的。
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主導権を握るすみだを追いかける大阪のタイムアウト。身振り手振りを交え指示を送る木暮監督。
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締まった熱戦のハーフタイム。
MCの濁川さんとスミダイルのダンスで観客も癒しのひととき。
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今年4月の日本代表戦でも活躍した26番の加藤選手。
すみだの2人がかりのプレスを切れ味の鋭いドリブルかわしてアルトゥールのゴールを呼び込んだレフティーのあどけない笑顔。
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こちらも各チームで活躍し、今日もさすがの働きを見せた大阪のゴレイロ冨金原選手。
彼が欠場した場合に備えた質の高いセカンドゴレイロの確保も大阪の課題か。
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上位対決らしい接戦を演じたすみだの須賀監督と大阪の木暮監督。
あと2試合ある対戦でも近い順位での鍔迫り合いになるはずだ。
18 6月

2016/6/18(土) Fリーグ第2節 郷土の森府中市立総合体育館 『トップランナーの言葉』

2016/6/18(土) Fリーグ第2節 郷土の森府中市立総合体育館
府中アスレティックFC 5 - 4 バルドラール浦安

Fリーグ開幕戦となった湘南との対戦に3-1で勝利したものの、湘南のロングボールを多用したオフェンスについてFPの成長の機会を逸し、ひいては日本フットサル界の発展に繋がらないという発言をした府中の谷本監督。
賛否両論あったこの発言だが、個人的にはベテラン選手に対して弱味を見せないように神経質になってるように見えた監督が堂々と自己主張するようになったという変化に非常に感じ入るものがあった。

Fリーグ、オーシャンカップ、全日本の日本3大タイトルを獲得したことがあるFリーグの監督は、すみだの須賀監督(2009年の全日本)、町田の岡山監督(2016年の全日本)、府中の谷本監督(2015年オーシャンカップ)の3人だけであり、名古屋のペドロコスタ監督や大阪の木暮監督にもない実績を彼らは持っている。
 
フットサル界は政治やプロレスと同じく、同じメンツが定期的に離散集合する狭い世界を固定化したファンが支える構造なので、勇気がいるとは思うものの煽って煽られては定期的にだれかが発信していくべきだし、トップランナーは使命感や義務感、穿った見方をすれば自分に酔って批判されてこそだろう。


試合は昨年までの4人×2セットの固定的な回しではなく、要所で突破でアクセントを作る岡山選手や、独特のシュートセンスを持つ三井選手をフロアに送り、機動力のある関選手がボールを引き出す動きを見せるなど、ピヴォ当て一辺倒ではない攻めを見せ、前半を4-2で折り返す。

後半、流動的な崩し、フィジカルの強い深津選手へのロングボールからの一発で浦安が4-4と追いつくも、後半37分にコーナー角からの浦安のキックインをねちっこく追い込んでミスを誘い、最後は皆本選手が豪快に蹴り込んで浦安とのシーソーゲームを5-4で制した。

ワールドカップ出場権がかかった今年2月のAFC惨敗後、4月に行われたベトナム、ウズベキスタンらのアジアのライバルとの代表戦ではコーチとしてスタッフ入りし、その後スペインに留学。

何かを感じて、話す言葉が変わる。

その過程に価値があり、そういう変化はファンとして非常に面白く、変化の過程にある人がフットサルを通して何を伝えたいか、ということにとても興味がそそられる。

実力が認められるまでは周囲は無関心であり、結果を出して認知され、称賛され、その後は周囲の期待値が上がるので批判されることが増える。
 
こんなこと言っていいのかを跳ね返していくことが力になるはずで、それで飯を食えるようになってほしいし、固定化したファン層を越えて興味を持たれる言葉を発していってほしいと思う。
 
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昨年所属した大連(中国)でAFCに出場するため7月末まで離脱する渡邉選手がホームアリーナのファンに挨拶。
過去に在籍し同大会で優勝経験もある日本代表の名古屋との対戦はあるか。
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アリーナを盛り上げる府中のチア、アスレファンタジスタ。
人数も増え、キレキレの動き。
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昨年3大タイトルのオーシャンカップを制した府中の谷本監督。
ピヴォ当て、固定メンバーでのセットの昨期から、今シーズンはクアトロ、オプションを活かした選手交代を見せる。
今シーズンは年度スローガンの通り「Progress」な1年を見せるか。
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「浦安が強いと言うことは日本のフットサルが強くなると言うことだ」という素晴らしいスローガンを掲げた浦安の米川監督。
深津選手、小宮山選手、荒巻選手を軸にした組み立てで最後までシーソーゲームを演じた。 
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昨シーズン出場時間を延ばしたNo6関選手。
クアトロに取り組む府中では機動力を活かして中央に侵入する動きは貴重。
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ドリブルでの仕掛けと、独特なシュートセンスで不動のセットへの食い込みを目指すNo11岡山選手とNo18三井選手。
バランスが崩れていても強引に足を畳んでシュートに持っていく三井選手は見ていて非常にワクワクするピヴォ。
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 府中の勝利には欠かせない攻守のエース、No96クロモト選手と、No5皆本選手。 
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フィジカルを活かしてロングボールを納めて2ゴールを挙げたNo4深津選手と、今期ブレイクが期待されるNo17大橋選手。
手でシューズの底を拭うしぐさは諸先輩方の影響か。
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こちらもブレイクが期待されるピヴォ、No20野村選手。
まずはシュートの本数を伸ばすところからか。
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試合前に談笑する浦安のNo5小宮山選手と、皆本選手。
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アシスト、ゴールに繋がるパスと存在感が光ったNo7中島選手。
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ベテランの横に座って薫陶を受ける浦安の若手勢。
主力が抜けた浦安は若手の経験値アップが欠かせないものの、ベテラン勢も非常に元気。
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攻守で全力の1対1を見せるNo8加藤竜馬選手。
今後の日本代表でも期待大。
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シーズン序盤は忙しくなりそうな浦安のゴレイロ、No12藤原選手。
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セット、ファウル数、残り時間などの試合の見所をバスケットボールの引用を踏まえつつ、非常にわからいやすい解説で熱戦を盛り上げた府中のMC。熱戦を盛り上げた影のMVP。
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ホーム開幕戦を白星で飾った府中。
狭い体育館にギュッと詰まった雰囲気の良さはこのアリーナならでは。 
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