2015/12/13(日) 関東2部 第11節 東金アリーナ
アルティスタ埼玉 2 - 2 MORANGO栃木
NOVO MENTE 3 - 3 PSTCロンドリーナ
malva ibaraki fc 1 - 2 フュンフシュピーラー山梨
デルミリオーレクラウド群馬 3 - 1 O-PA
FUTURO 8 - 3 Iwatsuki Futsal Club/tzk
優勝自動昇格、準優勝入替戦の権利を巡り、毎年2~3チームで激しい優勝争いとなる関東2部。
勝てば優勝の首位O-PAと、勝てば2試合を残して優勝マジック1と逆王手になる2位のデルミリオーレが直接対決。
(試合消化数に差があり、本戦を含めてO-PAは勝点23で残り2試合。デルミリオーレは勝点20で残り3試合。同勝点の場合は直接対戦の戦績を優先)
素早い攻守の切替を活かした速攻を武器に得点を重ね、林選手、斉藤選手、奥橋選手といった20代のイキのいい若者達が得点ランク上位に名を連ねるO-PA。
リトリートした硬い守備から船山選手、チーニョ選手といったサイズのある選手にボールを預け、ジオゴ選手、チアゴ選手らがミドルシュートを狙う30代が大半を占めるデルミリオーレ。
両チームとも覇気のあるウォーミングアップと円陣から入った試合は前半5分前後にお互いがセットチェンジとなり、名古屋オーシャンズの前身、大洋薬品でも活躍したチームの中核、チアゴ選手がフロアに入る。
右膝には大きくテーピングが巻かれ、相手のボールにチャージした瞬間、185cm/80kgの巨体が不自然に揺らめく。
巨躯を駆ってヌルヌルとゴール前に進撃し、強烈なミドルシュートをブチ込む姿はそこにはなく、右膝をかばって左足でスキップするように動く様はとても首位攻防戦で通用するコンディションとは思えなかった。
前半7分。
底で受けたデルミリオーレの永宮選手が左サイドで構えるチアゴ選手にボールを出そうとした瞬間、一瞬判断が遅れ、目敏くプレスに入った林選手に奪われてO-PAが先制点を上げる。
観客席から見た限りでは、プレスのスピードとチアゴ選手のコンディションを考えればもう少し距離が離れていないとパスを出せないという永宮選手の考えと、この距離でもボールが入ればキープできるというチアゴ選手のプレービジョンの相違で生まれてしまった失点だったが、コンディションの悪い選手を起用した弊害を看過すれば穴はより広がるのではと思った。
そんな思いとは裏腹に、前半10分でベンチに下がった後、Fリーグでも活躍したチーニョ選手、若手の小林選手、永宮選手に脇を固められて、前半14分に再びチアゴ選手が登場する。
どうなることかと見守る中、後方でボールを受けたチアゴ選手が相手の背後に絶妙のスルーパスを通すと、チーニョ選手が矢のようなシュートパスをファーに送り、小林選手が突っ込んで同点に追いつき、首位攻防戦は1-1で前半が終わった。
後半。
引いて守るデルミリオーレをO-PAが押し込む。
得意のプレス、ショートカウンターではなく、相手ディフェンスの間に入ってボールを受けては散らし、後半10分までひたすらにボールを保持して試合を進め惜しいシーンを何度も作る。
O-PAの猛攻に対し防戦一方だったデルミリオーレだが、ベテラン勢が要所を抑えてゴールを割らせずに凌ぐと、ここで決めようと焦りが見えはじめたO-PAに対し、後半10分過ぎからカウンターで切り返す。
前述のチアゴ選手もドリブルで仕掛けてきた相手選手との1対1を右足でカットしカウンターの基点になるなど、気力と体力が必要になる磨り減るような神経戦はベテラン勢が集中力を発揮しだした終盤からデルミリオーレが徐々に優勢となった。
デルミリオーレが押し込む時間の増えた後半16分。
相手ディフェンスが引きすぎた隙を見逃さず、キックインから選手兼監督のジオゴが右足でズドンと突き刺して2-1と逆転し、続く後半18分にはミドルシュートのこぼれ玉をチアゴ選手がボレーで決めて3-1と突き放した。
勝利を確信し雄叫びを挙げるチアゴ選手にジオゴ選手が抱きつくも、チアゴ選手は右膝の踏ん張りが利かずにフロアに倒れこむ。
その上に選手が重なり、たっぷり喜んだ後、ひとりでは起き上がれなくなったヒーローはチームメートの小林選手に肩を担がれ、そのままお役御免となった。
試合はその後のO-PAのパワープレーを凌いだデルミリオーレが3-1で勝利したが、全4得点がチアゴ選手が出場するセットで生まれており、結果的に試合を動かす大駒であり、勝負ドコロを知る彼を信じて起用したことが勝負を分ける鍵になった。
昨年は7度目の挑戦にして関東2部に昇格し、群馬県選抜の中核として全国選抜で優勝。
関東2部準優勝で挑んだ入替戦では涙を呑んだものの、一気に勝運を引き寄せた感のあるデルミリオーレ。
2-1からベンチも肩を組んで試合を見守り、勝利の瞬間、優勝したかのように爆発的に喜ぶ。
平均年齢がゆうに30歳を越す選手が大半を占めるこのチームが、一回り下のマッチアップがあったりもする20代の若者を相手に磨り減るような神経戦をする必要はどこにもない。
それでもいい大人たちが好きなことをホンキで頑張って、結果を出して喜んでる姿を見るのはとても気持ちがいい。
個性派が揃うチームなだけに関東1部の各チームとのマッチアップは非常に面白くなるだろうが、回り道を経験したチームだけにここからのあと1勝が難しいこともよく知っているだろう。
敗れたO-PAも代名詞の速攻だけでなく、トレンドを抑えた遅攻にも光るものを持つ洗練されたチームなので今後が非常に楽しみだ。
残り2節となった関東2部。
例年この時期のこのリーグは優勝、降格を賭けるチームの対戦が重なり面白いゲームが続く。
例年この時期のこのリーグは優勝、降格を賭けるチームの対戦が重なり面白いゲームが続く。
名前の知らない好選手の登場に驚くことも度々あり、アクセスの良いアリーナでの試合が多くないのが少々残念だが、今年、または来年、ゼヒ一度足を運んでみてほしい。
JR東金駅から徒歩30分ほど、田園地帯からポッと出てくる東金アリーナ。
JR東金駅から徒歩30分ほど、田園地帯からポッと出てくる東金アリーナ。
東京近郊の方は東京駅/浜松町駅から出ている高速バスがオススメです。
試合前から入場の場面。
両チームとも大一番でのテンションの高さが目立ちました。
O-PAのゴレイロ、No3田中選手。
シュートストップだけでなく、終盤のパワープレーではそのまま上がってクインテットに入る足技を見せる個性的なゴレイロ
ほぼ出づっぱりで攻守に別格の動きを見せるFリーグの花巻、大分で活躍したNo13チーニョ。
花巻で活躍したNo1江口選手。安定したセーブが光りました。
大柄で前に強い選手が多いデルミリオーレで、スピードとドリブルでアクセントをつけるNo12関口選手。
花巻、湘南で活躍した選手兼監督のNo3岡田サントスジオゴ。
抜け目無く決めた逆転のミドルシュートはお見事。
チームの代表であるNo9小林選手(左)と、ケガを押しての活躍でチームの勝利を手繰り寄せたNo5山崎チアゴ(右)
O-PAの円陣。
20代の若手で構成され、攻守に現代的なフットサルを見せる非常に面白いチーム。
今日は苦杯を喫しましたが、今後に期待大です。
試合終盤。肩を組んで試合を見つめるデルミリオーレベンチ。
試合前から入場の場面。
両チームとも大一番でのテンションの高さが目立ちました。
O-PAのゴレイロ、No3田中選手。
シュートストップだけでなく、終盤のパワープレーではそのまま上がってクインテットに入る足技を見せる個性的なゴレイロ
ほぼ出づっぱりで攻守に別格の動きを見せるFリーグの花巻、大分で活躍したNo13チーニョ。
花巻で活躍したNo1江口選手。安定したセーブが光りました。
大柄で前に強い選手が多いデルミリオーレで、スピードとドリブルでアクセントをつけるNo12関口選手。
花巻、湘南で活躍した選手兼監督のNo3岡田サントスジオゴ。
抜け目無く決めた逆転のミドルシュートはお見事。
チームの代表であるNo9小林選手(左)と、ケガを押しての活躍でチームの勝利を手繰り寄せたNo5山崎チアゴ(右)
O-PAの円陣。
20代の若手で構成され、攻守に現代的なフットサルを見せる非常に面白いチーム。
今日は苦杯を喫しましたが、今後に期待大です。
試合終盤。肩を組んで試合を見つめるデルミリオーレベンチ。
1stセットで光った動きを見せたNo20竹井選手とNo22安川選手。
残留の懸かったアルティスタ戦では右サイドからの仕掛けで見せ場を作った。
若干18歳で日本代表にも選出されたロンドリーナのNo7植松選手。
2日前にトップチームの湘南でFリーグを戦い、今日は抜群のゴール前の落ち着きでゴレイロを寝かせて2ゴール。
能力は問題ないだけに不必要なラフプレーが気になるところ。
同じく19歳でFリーグのベンチに入るロンドリーナのゴレイロ、No12上原選手。
冷静なシュートストップと持ち上がってのシュートが持ち味。
昨年の2部降格から苦戦が続くNOVO MENTEのエース、No10次田選手。
サイズを活かしたキープ、柔らかい足技と昨年降格チームながら関東1部のベストファイブを受賞した実力は健在。
マルバを相手に参入戦に望みを繋げる勝利を挙げたフュンフ。
テクニシャン揃いのチームを引っ張る渡辺兄弟。
2009年すみだに在籍し、名古屋を降した全日本優勝の立役者のひとり、No1石井選手。
卓越した足技でマルバのゴールを守る。
首位攻防戦を含み、的確な解説で会場を沸かせた名MC。
Fを含めて抜群のレベルでした。今後ともゼヒ続けてほしいです。