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Futsal Philosophy (フットサル・フィロソフィー)

全日本選手権

19 2月

2024/2/19 F1/F2入替戦 2024年の入替戦と2008年の全日本選手権

2024/2/19 F1/F2入替戦 第2節 エスポラーダ北海道 1-4 ヴォスクオーレ仙台(2戦合計 3-7で仙台がF1昇格)

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1戦目から見え隠れしていたが、2戦目は北海道の惰性、仙台の徹底が目立った。

象徴的だったのが前半14分の仙台の先制点の場面で、右サイドのキックインを左足シューターの森村選手がセットする。
後ろから走りこんできた小野寺選手のシュートに合わせる形で森村選手が軽く前に出すと、北海道の壁に入った水上選手が小野寺選手のシュートに備えすぎたか、ベタ立ちになったところを小野寺選手が足裏で縦に運ぶドリブルをチョイス。
深くまでフリーで運んでゴール前にシュート性のゴロを送ると、今季名を挙げた北海道のフィクソの本郷選手に対し、背後を匂わせて回り込んで前に入った浅野選手が体制十分で合わせて先制点を挙げた(公式記録は北海道のオウンゴール)。

Abemaの実況で長野しながわの入替戦で当時長野に在籍していた田村佳翔選手が『人生賭けろ!!』とチームメートに激を送っていたというエピソードが紹介されていたが、田村選手と同じ熱量で試合に入っていれば、同場面で一緒にキックインの壁に入っていた室田選手が大ベテランであろうと水上選手の胸倉を叩いただろうし、ゴール前であっさり振り切られた本郷選手を関口選手は叱責したはずだ。
強く、規律のあるチームであればここでしっかりと修正し、水上選手、本郷選手はこの後の試合、もしくは最低でも前半は出場機会がないだろうが、嵯峨監督は失点後のセット替えの後に本郷選手を、後半開始からは水上選手をピッチに送っている。

北海道出身者にこだわったチーム作りをしているのは理解できるものの、鋭いカウンターを武器にFリーグデビューを果たした2009年のリーグ戦4位、参入時からのベテランと関口選手ら第2世代が融合した2014年の全日本選手権準優勝後、それぞれの最高順位を塗り替えられないところに地域限定故の選手の質、量の限界がある。
ここ数年でチームに定着し、セットの柱として育ったのは木村優太選手のみではないだろうか。

シュート数は北海道44本、仙台が24本(前半は24本対7本)と北海道の惜しいシーンが多々あり、2-3と1点ビハインドで2戦目を迎えたものの同点勝ち抜けのアドバンテージを持つ北海道が先制すれば仙台のメンタルを大いに揺さぶれたはずだが、決まらないゴールに対し危機感よりも惜しいというリアクションが続き、目の色が変わったのがパワープレーに入るキッカケとなった仙台の3点目だったのが残念だった。


対して仙台は清水監督の勝負哲学が光った。以下4点をトピックとして挙げたい。

1.ムリなプレス回避の放棄。底でハマったらシンプルに対角に蹴る→ヘッドで中央に戻して回収 or 撤退。

2.両チーム中、最高の決定力を持つ丸山の起用を前半4分、後半5分に限定。常にフレッシュな状態で出場させて相手が焦れる後半に価値ある3点目をゲット。

3.全選手の有効活用。高校生の浅野が殊勲のゴール。ベテランの金須、渡邊、井上らの必死のディフェンスが北海道の時間を削り、仙台のオフェンスセットの体力を温存させた。

4.森村への全幅の信頼。ドリブル&左足シュート一本槍から、前後半30分近く出場するゲームコントロール型のアラフィクソに変貌

戦術的には1と2。
2はF1で戦う来シーズンは丸山の起用を我慢してゲームを進められるかが逆説的だがカギになりそうだ。
逆に1はF1全節で実践するのはチーム内から不協和音が出てきそう。
ボールを保持して仕掛ける試合が全体の3~4割はないと残留は厳しいのではと思う。
リアクションを保ちつつアクションの部分を構築できるかが開幕までの宿題になるだろう。

マネジメント的には3と4。
乾坤一擲の1戦で3のベテランの頑張りは涙腺を刺激した。特に背番号11、井上のディフェンス時の姿勢の良さ、相手の正面でひたすらフェイスオフを保つ様は神々しさすらある。
4の森村選手についてはすみだ時代によく見ていたが、正直すぎるタイミングでのシュートや、ファー詰めではなく確立の劣る直接シュートに辟易する場面が多々あり、大いにヤキモキさせられた。

仙台では唯一のワールドカップ出場者であり、その経験値は群を抜いている。
おそらく清水監督が森村選手がチームに還元できることと、役割をうまく整理し伝えているのだと思うが、個よりチームに利を成すプレーが随所にあり、プレーヤーとして非常に深みが出たと思う。
さすがに全節この時間の出場は厳しく、裏セットの指揮者役の獲得をお願いしたいが、左足の強シュートで後方から睨みを利かす仙台の王様はF1でも無視できない存在になるはずだ。

最後に清水監督だが、試合終了後のインタビューが秀逸だったので触れたい。

試合終盤の北海道のパワープレーを耐える時間に何を考えていたか、という問いに対して、
『これまでの辛かった時間(仙台のライセンス剥奪、その後の東北リーグ、F2での活動)を考えていた。
(そこからあともう少しでF1というところまで来たが)相手があって初めてフットサルは成立する。
嬉しさはありつつも対戦してくれている北海道へのリスペクトは失わないよう戦おうと考えていた』
といった趣旨のことを勝利の価値が何よりも重い戦いの後に語っていて、ちょっと次元が違うなと感じた。

Fリーグ以降の清水監督の選手時代の経歴は、浦安に在籍していた2008年の全日本選手権優勝が唯一のタイトルであり、その後は参入初年度の府中、Fリーグ最終年の花巻、再び参入初年度となる仙台と勝ち星に恵まれない戦いが続く。
浦安在籍時を入れた勝率は31.7%、浦安を除けばわずかに19.7%となるが、単純な勝ち負けでないところにフットサルの魅力や、続ける価値を感じているのだと思う。

清水誠_戦績

今季の仙台は清水監督が久々に出会った勝てる可能性があるチームだ(14勝1分1敗で勝率は88%)。

強烈なフィジカルとシュート力の丸山選手は2008年に全日本選手権を制した時の稲田祐介選手にダブるものがあるし、森村選手が新境地を開拓中の左利きでゲームをコントロールするアラフィクソといえば藤井健太選手が思い当たる。
華やかなイメージのある初期の浦安だが、屋台骨を支えたのは平塚雅史選手、小宮山友祐選手、そして清水誠自身の泥臭いディフェンスだ。

自分の原型というのは苦しい時にこそ滲み出てくるのではないだろうか。
当時名古屋と真っ向勝負を演じていたクオリティにはまだ及ばないだろうが、2024年シーズンにF1を戦う仙台に、2008年の浦安を重ねながら見てみるのも面白いのではと思う。

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23 3月

2023/3/19 全日本選手権 駒沢オリンピック公園総合運動場体育館『成長とは』

2023/3/19 全日本フットサル選手権大会 決勝 湘南ベルマーレ 1-2 フウガドールすみだ
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2021年に子供が生まれ、間もなく1歳半になる。
日に日に大きくなり、言葉らしい音が増え、こちらが思いもよらない動きをする。
このまま成長してほしいと温かく見守っているが、その裏で自分は成長しているのか、大人の成長とは何なのかを考えるようになった。

2023年の全日本選手権はこの大会を得意とするすみだが3度の準優勝を挟んだ4度目の正直でチーム創設後2度目の優勝を果たした。
これですみだの全日本選手権の成績は、

2009年優勝
2013年準優勝
2014年からFリーグ加入
2017年準優勝
2021年準優勝
2023年優勝

となる。
これまでの過去3回の準優勝を振り返ることで今回の優勝が味わい深いものになると思うので、簡単にだが各年の準優勝を振り返りたい。

◆2013年
『(町田、府中(現立川)がいわゆるF1に在籍していた中)東京に3チーム目のFリーグのチームは不要では?』という謎理論でF加入を遮る勢力がF事務局内にいると言われる中で、1次リーグを2勝1分(引き分けは大阪)で勝ち上がるも、決勝はFの絶対王者である名古屋にPK戦で敗戦。
延長後半残り4秒でのクイックリスタートでゴールに雪崩込んで同点に追いついた太見選手のゴール、PKを外した諸江選手にすみだの選手が歩み寄り温かく輪を作る光景は涙無しには見れなかった。
10年後の今、2013年の涙を知る選手は諸江選手と宮崎選手だけになり、宮崎選手は今期で引退することを発表している。

◆2017年
名古屋のFリーグ10連覇を阻んだ大阪相手にハイテンションなの前プレを活かし試合開始3分で2-0とリードするも、ここで現日本代表監督である大阪木暮監督がタイムアウトを取り、文字通り仕切り直した大阪が我に返る。
前プレでボールを追う当時20歳のすみだの清水和也選手がレフリーの笛の基準を把握した大阪ブラジルトリオ(チアゴ、ヴィニシウス、アルトゥール)の誘いに不要なファウルを連発したこともあり、
前プレで攻撃力のある大阪を相手陣地に押し込んで勝負するゲームプランが崩壊して、大阪が前半で2-3と逆転に成功。
後半は33試合のリーグ戦で186得点(1試合平均5.64!!)を奪った大阪攻撃陣が2-7まで引き離して一蹴した。
1年後の2018年から2022年まで清水選手はスペインに移籍している。


◆2021年
頼みのピボのガリンシャが負傷で出場時間とプレーエリアを限定され、フィクソの渡井も出場しないコマ不足の中、後半残り3分に1-1に追いつくも、久々に表舞台に登場した岡山監督率いる機動力抜群のしながわのアラ、フィクソの質量に押され延長戦で4失点と決壊した。
この時のメンバー+清水和也、清水誠也選手のピボ2枚がフィールドプレーヤーのベースとなっているが、ゴレイロの大黒選手、石黒選手はいずれも引退し、今大会のゴールを守った岸選手はメンバー外だった。


~2023年に戻る~


2023年の決勝戦で1-1での延長突入から1-2と勝ち越しになる決勝点を挙げた清水和也選手だが、準決勝では上背のある横浜の高橋選手のガブリに、決勝では経験豊富なベテランの内村選手のインサイドワークにしぶとく抑えられ、好機を得ても強烈なシュートは呪われたようにバーを叩いた。
ようやく訪れた決勝点の場面では、前に強く、反応も抜群のフィウーザ選手を相手に正直に強シュートを打つのではなく、横に舐めて動かして相手のバランスを崩してから右足インサイドで抜く落ち着きで緊張を歓喜に変えてみせた。

3年間のスペインでの経験がここぞという場面で『剛』ではなく『柔』のチョイスを引き出したのではと思うが、このゴールシーン以上に清水和也選手の成長を感じた場面がある。
勝ち越した後にハーフラインを超えたあたりでボールを取られ、湘南のショートカウンターを浴びそうなトランジションの際で、清水和也選手は手で相手にチャージしファウルを使ってピンチの芽を未然に防いだ。
ここまでのチームファウルは3つ。
延長戦は第2ピリオドのファウル数も持ち越していることを考えると、焦れる展開を耐え、ファウルカウントを見て冷静にゲームを進めていたということであり、自身のファウルトラブルで試合を難しくしてしまった2017年からの『心』の成長を決勝点の『技』以上に感じた。

もう一人成長を感じた選手が162cmの身長ながら、決勝戦までの5試合を6失点で乗り切り、優勝に貢献したゴレイロの岸選手だ。
最近のゴレイロのトレンドとしてポゼッション時の攻撃参加がある。
それには高い足技でボールを運ぶことと、シューターとして相手のマークを引き付ける強烈なシュート力を持っていることが要求される。
また、カウンターの起点としてピタリと足裏トラップに吸い込まれるようなシュート回転のレーザービームを投げられればなおいいだろう。
できる/できないはわからないが、岸選手がそれらのテクニックを試合中に見せることはまずない。

相手選手の立ち位置に惑わされずにボールとゴールの直線距離にポジションを取り、適切な型でシュートセーブに入り、リバウンドに備えて0.001秒でも早くポジションを取り直す。
そんな愚直なゴレイロのイロハを準決勝、決勝と2試合連続延長戦となった中で切れることなくやり続ける。
当たり前といえばそれまでだが、それらは体格やセンス、地肩といった先天的に備える才能ではなく、後天的で気の遠くなるような努力の積み重ねでしか獲得できない技術だろう。

やや苦労を感じる風貌で勘違いしてしまうが、若干26歳でFリーグの試合出場が増えたのは長くチームを支えた大黒選手の存在が薄まった2021年から。
全日本が最大5試合のトーナメント形式のフォーマットになった2019年以降の優勝チームの失点数は、

2019年 名古屋 8失点
2020年 中止
2021年 柏(現しながわ) 10失点
2022年 立川府中(現立川) 6失点
2023年 すみだ 6失点

となっており、全日本での成績をベンチマークとした場合、失点が100%ゴレイロの質で決まるわけではないとはいえ岸選手のパフォーマンスは十分なものだ。

タイプ的に名古屋の篠田選手に似ており、伸びしろは十二分にあるが、前述したゴレイロのトレンドから離れた岸選手がトレンドを実現できる選手を招集している日本代表に入る見込みは低いと思っている。
ただ、トレンドはあくまでトレンドで、ゴレイロの根幹は『失点を防ぐ』ことでありこの根幹が変わることは絶対にない。

実質2シーズンでの全日本優勝は大いに誇れるものであり、地道な積み重ねの対価として最高だろう。
残りの対価もそんな『積み重ね』がもたらす成長の先に絶対にあるはずだ。


成長は自分の過ちや弱さを認識するところから始まり、工夫や努力を続けることでしか獲得できない。
3度の準優勝を越え、4度目の正直を掴んだすみだの優勝は、それぞれが掴んだ確かな成長にあったのではと思う。

9 3月

2018/3/9~3/11 全日本選手権 駒沢オリンピック公園総合運動場体育館『5つのF』

2018/3/9~3/11 全日本選手権 駒沢オリンピック公園総合運動場体育館『5つのF』
◆準々決勝
バルドラール浦安 9 - 1 フウガドールすみだバッファローズ
フウガドールすみだ 4 - 5 湘南ベルマーレ
シュライカー大阪 3 - 2 ペスカドーラ町田
府中アスレティックFC 2 - 4 名古屋オーシャンズ
◆準決勝
バルドラール浦安 3 - 3(PK:3-4) シュライカー大阪
湘南ベルマーレ 4 - 5 名古屋オーシャンズ
◆3位決定戦
バルドラール浦安 0 - 1 湘南ベルマーレ
◆決勝
シュライカー大阪 1 - 2 名古屋オーシャンズ

Fリーグの理念をご存知だろうか?

公式サイトからリンクをたどるのも面倒だが『TOPページ』→『リーグ概要』→『日本フットサルリーグについて』とポチポチしていくと以下の画面が現れる。


なぜこれでOKを出したかは不明だがこのコンテンツでは説明が不十分で、実際には『FUTSAL』の頭文字である『F』と競技人数の『5人』から5つの英単語をかけたキャッチーなコピーが充てられており以下がその全項になる。

①FAIR PLAY→フェアで公正なリーグに
②FIGHT→日本最高峰の戦いを見せるリーグに
③FUN→フットサルの楽しさを創造するリーグに
④FRIEND→仲間と喜びを分かち合えるリーグに
⑤FUTURE→未来を作るリーグ

偶然にも全日本選手権の決勝トーナメント初日の会場にこの理念がプリントされたTシャツを着ている方が自分の前に座っていて、改めてFリーグは非常に立派なリーグで、素晴らしい理念の元に発足、運営されていることを再認識させられた(ホントかな?)。
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文中の5FのTシャツ。驚くべきことにこれを着ていたのは外国人の方。
こんな珍品をどこで買ったんですか...。


今年のFリーグでポジティブなトピックを探すなら間違いなく湘南ベルマーレの躍進だろう。

2010年の全日本選手権準優勝以外に目立った戦績はない弱小チームが奥村監督と横澤コーチという絵になる指導者の元、潜在能力が開花。
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ロドリゴとフィウーザという強固な攻守の軸が固まり、内村/植松/刈込/鍛代選手といったアラ勢が一気に成長。
フィジカルを活かしてピヴォを張るサッカーから転向1年生の小門選手には大きな可能性を感じる。

スポーツではチームの競技力と集客は必ずしもリンクしないと言われているが、リーグでは前半戦から上位争いを演じ、10/7(土)に同敷地内で行われたJリーグ湘南水戸戦後のシュライカー大阪戦では1,600人の超満員の観客の中、昨季王者にドラマチックな逆転勝ちを収め、会場は熱気に包まれた。

プレーオフでは町田に、全日本でも名古屋に敗れて3位に甘んじたが、攻守の1対1に強いデュエリストが揃ったチームに魅せられて試合ごとに数を増やしたサポーターの応援と、彼らが作り出す雰囲気は過去11年間Fリーグになかったものだろう。
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競技面ではロドリゴの出場時間が飛び抜けており、彼への戦術依存度が高いのは明白で何らかのトラブルが発生した場合は一気に瓦解する可能性もある。
ただ、そういった細かいことは抜きにして、競技力の向上と集客努力が現場の熱を生み、相乗効果としてフットサルを楽しんでくれる人たちが少しづつ集まってくれたということは心底喜ぶべきことだ。

また、湘南はFリーグと全日本でフェアプレー賞も受賞している。
今年Fリーグが掲げる5つの理念を最も体現したチームであることは疑う余地がなく、ゼヒ来年も素晴らしいシーズンを送ってほしい。
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内村/植松/刈込/鍛代ら1vs1に強い湘南のアラ勢。
鍛代選手はピヴォに入っても優秀でシーズン16ゴールをマーク。
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肩から臀部までのアーチが素晴らしい日本人離れしたナイスバディの小門選手。
フェラオ(バルセロナで活躍する大型ピヴォ/ブラジル代表)のようなゴールが度々飛び出るスケールの大きなピヴォは体を活かした型稽古をトコトンやったら一気に化けそう。


次点はフウガドールすみだのサテライトチームであるフウガドールすみだバッファローズの全日本決勝トーナメント進出を挙げたい。

残念ながら決勝トーナメントではリーグ7位の浦安のチームクオリティの前に9-1とあっさり片付けられてしまったが、予選ラウンドではリーグ最下位の大分と8位の浜松に2連勝し決勝トーナメント進出1番乗りを決め、確実に日本フットサル界のベースアップがなされていることを証明してみせた。

すみだ自体は2007年のFリーグ開幕時には参入希望の表明をしておらず、名古屋との決勝を制して優勝した2009年の全日本後からFリーグの参入を目指して活動を開始。

参入を希望するようになった理由を『僕たちが頑張る姿をひとりでも多くの人に知ってもらい、応援してほしくなった』と当時の須賀監督は語っており(記憶が曖昧なためデフォルメしたが実際は彼特有の詞的で機知に富んだ言葉で語られている)、その後、2012年にF準加盟リーグ参戦が認められ、2013年に地域リーグとして全日本選手権準優勝を遂げるなど、継続して運営力、競技力を示したことにより2014年から彼らの夢が実現することになる。

設立当初のバッファローズは育成を目的としたジュニアチームというよりも、実力的にメンバー外となる選手の試合経験の確保や、仕事や家庭などの環境面でトップチームでの活動が不可能な選手の受け皿という意味合いが強かったが、今回のチームは18歳~22歳までの選手が大半を占めており、彼らがFリーグのチームを倒したということに意味がある。

来年、2部制が施行されるFリーグだが、本気になれば9年間でこれだけの組織を構築でき、結果を出せる未来が待っているというのは、これから挑戦を控える各チームにとって勇気を貰えるマイルストーンとなるだろう。

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162cmながらキビキビとした動きとよく通る声でバッファローズの躍進を支えた岸選手。
浦安戦では1カテゴリー上のロングシュートの対応で後れを取ったが、これは先輩方の昇格初年度にも出た課題。リベンジはトップチームでか。
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試合前にサポーターの声援に応える清水誠也選手は日本代表でも活躍する和也選手の兄。
今季はFリーグでイゴールからもゴールを挙げており、183cmの大型ピヴォは虎視眈々とトップ定着を狙う。
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若干19歳ながらフィクソとして堂々のゲームメイクを見せた垂井選手。
ドリブルでボールを運べる確かな技術と戦術眼はトップの諸江選手を彷彿とさせる。
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1試合目で敗れたバッファローズの選手たちが2試合目に湘南と対戦するトップチームの応援に参戦。
すみだFamilyの一体感を感じるヒトコマ。


もちろんネガティブなニュースもある。
これには府中アスレティックのホームアリーナ使用禁止デウソン神戸の自主降格を挙げたい。

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コートサイズが縦に数メートル満たないが、将来的な改修や移転を条件として暫定的に参入を認めたという経緯があったが、コンスタントに1,000人を超す安定した動員を見せていた会場の使用を運営委員会が突然禁止するというのはファン目線では絶対にありえないだろう。


デウソン神戸の自主降格について最終的な意思決定をした上永吉GMを責めるのは簡単だ。
だが、いつまでたってもブレイクしないマイナースポーツの運営を10年続けていればイヤにもなることもあるだろうとちょっと同情してしまう。

数年前のフットサルナビでは選手にプロ意識を持たせるために少額であれサラリーを払っているという志の高い記事が出ていたが、ここ数年はホームゲームでも物販がなかったり、空調が効いていなかったり(グリーンアリーナ神戸の空調は1時間5万円の使用量が必要)ということがSNSの書き込みで散見された。

どんなに愛着を持った競技であれ『いつかビックになるから』という夢だけで身銭を切るのは限界があるし、政治的、経済的、人的な努力と資源が必要であり、それらをベースに拡大していくことをマイナースポーツであるフットサルを通して継続するのは並大抵のことではない。

熱意のある人たちの愛情や熱量で組織が維持されており、自分の気持ちを日々試されるような環境で踏ん張っているのなら張り詰めるものが切れることもあるだろうし、それを責める気にはとてもなれない。

過去の類似事例を紐解くと、2012年にはそれまでの負債と東日本大震災によりステラミーゴ花巻が脱退し、花巻と入れ替わりで参入したアグレミーナ浜松は2015年に諸事情による運営母体の変更がされており、F1、F2とも同じような苦労をするチームは確実にでてくる(あるいはすでにある)だろう。
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F2自主降格のアナウンス後におよそ15人が退団/引退を表明した神戸。
引退する選手の中にはサテライトからトップに昇格した20代前半の若手の姿もあり、チームを後継者に託してF1に存続させられなかったのかが悔やまれる。


観客数減少や自主降格(フィージビリティはともかくとして2部制を施行するだけのチームが潜在化にあったことは非常に喜ばしい)、若年齢での引退など、ネガティブなニュースばかりが大きく取り上げられるが、前述のベルマーレ湘南とフウガドールすみだバッファローズの事例は、5Fの理念が体現された素晴らしいものだ。

貧すれば窮ずを地で行くジリ貧なマイナースポーツだが、それでも会場に来てくれるファンの目線が温かいことが救いだ。
しかし、そんな温かさを尻目に若干KYな組織運営が散見されるフットサル界には個人的に5つのFの問いかけをしたい。

⑪Face to Face⇒決定事項にファン目線はあるか?
②Faith⇒ファンが信頼、信用してくれるか?
③Fuel⇒燃料に適したリーグ運営がされているか?
④Figure⇒形式にこだわりすぎていないか?
⑤Feasible⇒それらは実現可能か?

11年目が終わり間もなく12年目を迎えるFリーグだが、カリスマCEOが来る気配も大富豪が支援する気配もない。

ブレイクする可能性を探るよりも、細く長く続ける道を探す方が現実的で、そのためにどうするかを模索するのが今の成長戦略としては妥当だろう。
800~1,200人がコンスタントに来場し、グッズがそこそこ売れ、試合も盛り上がり、現状を悲観してフットサル界を離れるスタッフ、選手が出ない。

現状を鑑みるとそれすらハードルが高い気もするが、2018年はそんな成功を掴むチームが少しでも多く出てほしい。

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今シーズンでの引退を発表した42歳の岩本選手と、退団が発表された38歳の小野選手。
ふたりにとって最後の勝利となったバッファローズ戦後の似ているけど少し違う笑顔。
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同じく今シーズンで引退の佐藤選手は名古屋との決勝戦で得点後に雄叫び&チームメートと歓喜の輪。
引退にあたって今後のフットサルとの関わり方を『選手以外の立場でフットサルを盛り上げたい』と語っている。
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レギュラーシーズンでは森岡選手との縦の入れ替わりで攻守に活躍したダニエルサカイは、ベスト5候補にも選出された充実の1年を意味不明なラフプレーによる退場で終えた。
イマイチ評価の定まらない選手だが今のところ引退、退団の発表はない。
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去るものあれば来るものあり。
175cm/75kg、22歳の丸山選手は府中期待のピヴォ。
準々決勝の名古屋戦では期待値以上の活躍で前線のクサビとして時間とスペースを作った。
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今期一気に逞しさを増した名古屋のキャプテン星選手。
AFCで足りなかった肉体派フィクソの第一候補は攻撃面でもアピールを見せた。
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同じく肉体派フィクソの田村選手。
オール5フィクソのアルトゥールを目の前で見れるのは非常にいい環境。
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準決勝では鋭いプレスでフィクソからドリブルで仕掛けるロドリゴを抑え、湘南の主戦術を封じた吉川選手。
2月のAFCで最多出場時間を記録するベースになった平均点の高さと献身さはすべての日本人アラのお手本。
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日本代表の仕掛けのアラ対決。
右利きの室田選手に左利きの加藤選手が揺さぶりをかける。2020年ではこのふたりがサイドの両翼か。
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不遜なまでに自己肯定感に満ちた昨年の2冠の立役者。
今シーズン精彩を欠いたアルトゥールとチアゴは来期に向けて闘志の充電が必要そう。
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シュートのタイミングやセンスに長け、日本に帰化したヴィニシウスはAFCを狙うアジアのクラブチームからも引き合いがありそうな予感。
ピンと来ないかもしれないがまだ31歳。
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名古屋からサテライトの選手たちが応援に駆け付けた名古屋サポーター席。
お金かかっているなぁ...、というのが感想だがアリーナの盛り上げには大きく貢献。
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久々に『当たり』の外国人が3人揃った名古屋。
ブラジルトリオで一番地味だったヴァルチーニョは中央、サイドを縦横に走り回り、虚々実々の駆け引きで3冠に貢献。
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モデルのようなスタイルの良さでボールを操るルイジーニョ。
長身を活かした左利きのアラは鋭いカットインでゴールを量産。
決勝戦後にチームメイトから胴上げされており退団が濃厚。
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360度の視野でインプットした情報から最適のアイディアを選択し、それを具現化するテクニックを持つFリーグMVPのラファは、決勝戦で右膝前十字靭帯断裂/内側側副靱帯部分断裂/内側半月板損傷と右膝三重奏の全治1年の重傷を負った。

20 3月

2017/3/20(月・祝)第22回全日本フットサル選手権大会 国立代々木競技場第一体育館『王者の自己肯定感』

2017/3/20(月・祝)第22回全日本フットサル選手権大会 国立代々木競技場第一体育館
◆3位決定戦
府中アスレティックFC 1 - 0 デウソン神戸
◆決勝
フウガドールすみだ 2 - 7 シュライカー大阪

古い話題だが2007年に賞金女王に輝いた上田桃子選手がTVのドキュメンタリー番組でプロとしてお金を稼げないスポーツを選択することを不思議だと発言したことがある。
 
人気も実績もない選手でなければ大した話題にもならないだろうが、当時の若手女子ゴルファーブーム真っ只中で年間1億6千万円を稼いだ若干21歳の賞金女王の発言として非常にヘイトを集め有体に言って炎上した。

他者と競い、結果に応じた報酬を得ることはごく普通なことで、成り上がりの波に乗る野心的な若者の発言として至極もっともだと思ったが、こういった発言は理屈よりも受け手の感情が優先される。
彼女が言うところの稼げないスポーツを愛好する人達からのやっかみや、ゴルフを稼げるスポーツとした先人へのリスペクトが欠けているというのが当時の論調だったと思うが、要するに『勝者として空気を読め』ということだろう。

貧すれば鈍する(貧しさによる生活苦が才気や高潔さを奪う)という言葉がある。
スポットライトが当たる前の下積みは誰にでもあるが、美談としてそこにフォーカスが当たるのは成功した後だ。
スポーツに限らず不安で暗い鍛錬の時期を越えた勝者が賞賛や利益を得るのはむしろあってほしいことで、トップランナーは後進の励みのためにも頂点に立った自己肯定感を大いに表現してほしいと思う。


22回を迎えたプロ・アマ混合トーナメントの全日本選手権はシュライカー大阪の優勝で終わった。

決勝トーナメントの8試合中、大阪以外の試合はどれも1点差のゲームで今期中盤からの大阪のクオリティーはズバ抜けていたと思う。
 
開幕以来9連覇中の唯一のプロチームである名古屋が敗れたものの、大阪の構成も名古屋と同じく違いを作れる外国人選手+脇を締める代表クラスの日本人選手という構成で、歴史が変わったと表現される今期の王位継承劇だったがプロセスは木暮監督自身が選手時代に名古屋で体験したメソッドに沿ったもので、これが日本のトップリーグで優勝するチームのモデルケースなのかなというのがシーズンを振り返ってみての印象だ(実際に引退を宣言した最後の全日本決勝トーナメントの3試合で木暮監督は出場機会を与えられていない)。

2013年の全日本決勝(すみだ4-4(PK3-4)名古屋)ではPK戦でゴールを決めた後に名古屋のリカルジーニョがすみだのサポーター席に挑発的に拳を突き立て、今年は2-0から同点になる第2PKを決めたアルトゥールがすみだのベンチの前で派手なガッツポーズを見せた。

どちらも憎々しげな行為だが、地力は劣るもののゾンビのようなしつこさや異様なテンションで会場の雰囲気をがっちりすみだに掴まれた苦しい展開の裏返しでもあり、ワールドクラスの相手をここまでいきり立たせたのは大したものだろう。

特にアルトゥールとチアゴの活躍が光った決勝戦だったが、彼らを越えるためにどうすればいいかを対戦相手もチームメイトも考えることに意義がある。
来シーズンも文字通り日本フットサル界のドデカイ目標になれる選手が日本に来てくれたことにありがとうと言いたい。

大会の前後に選手の退団・引退のリリースがあり、勝っても負けてもセンチメンタルな雰囲気が漂う全日本。

甲斐選手、鈴村選手、小宮山選手らの記憶にも記録にも残る黎明期からトップランナーでありつづけたベテラン達のカーテンコールは惜しむらくも祝福する気持ちにもなるが、若干21歳、大学3年生でFリーグ、全日本優勝の2冠を飾った大阪に所属する水上洋人選手の引退は衝撃だった。

2015年のプレーオフで加藤未渚実選手、田村友貴選手と共に頭角を現し、今シーズンは日本代表候補にノミネートされた前述のふたりと水をあけられた感はあるが、技術が高く冷静で真面目な大阪らしいアラとして非常にポテンシャルを感じる若手で、来期の契約のオファーもあったという。

こちらは木暮監督と水上選手のインタビューだが、トップリーグでの競技生活から一線を引いた後は大学4年生として就職活動を行うということで、ケガでも能力的な壁でも燃えつきでもなく、キャリアのピークを今後迎えるであろうアスリートが安定した生活のために下した決断は正直言葉に詰まるものがあるし、フットサル黎明期からジャンルのアイコンだった木暮監督が『このスポーツにかける思いがないとまずはスタートラインには立てない』と語るようにマイナースポーツであるフットサルを取り巻く環境は22年前と本質はほとんど変わっていないのではと思ってしまった。

スポーツは麻薬だ。

キツイ練習に耐え、タフなチームメイトと競って出場枠を掴み、同じ過程を越えてきたであろう対戦相手とシノギを削る。
そんな中、自分を応援してくれる人達の前であげるゴールや勝利は格別だろう。

そんな快感にズブズブと嵌ってマイナースポーツ故の狭いムラ社会の中で苦心するよりは、普通の会社に就職して趣味でフットサルをするほうが賢い付き合い方かもしれないし、普通の会社勤めをして土日と周りの顔色を伺いつつ有給休暇を使ってフットサル観戦をしている自分にも現場の温度感はなんとなくだがわかるものはある。

来シーズンのFリーグはセントラルの代替として6チームを1会場に集めて2日間連続の大会方式を何節か入れるという発表があった。
宿泊費と移動費の負担が全国リーグで最も大きな費用になるが、大幅な収入増を見込めない以上、支出を減らすのは理に適った施策でこういうアイディアはどんどん実践してほしい。

運営は費用を極力減らす。
ファンは行ける範囲で会場に足を運ぶ。

入場料(グッズ収入を含む)、放映権料、スポンサー収入が主な財源となるプロスポーツだが、後者の2つが大きく見込めない以上、ファンができることは会場に足を運んで、よさそうなグッズがあったら買うことぐらいだろうし、もちろん自分もそうする。
ごくごく小さいことだが自分が落したお金が選手や関係者の環境の改善になってくれたらこれ以上に嬉しいことはない。

何度か『Fリーグを目指したいけどどうしようか迷っている』という相談を受けたことがある。

地域リーグを含めた選手のインタビュー記事などを紹介し、いくつかのモデルケースを説明したがみな普通に就職した。
いい選択なのではと思う。

同じ顔ぶれの選手たちが時にチームを変えつつ活躍してきたFリーグ。
黎明期のアイコン達が去ったものの、次のチームの顔と呼べる選手は育っていないのではないだろうか。

マイナースポーツのトップリーグが『憧れだけど現実的に目指すにはリスクが高いもの』というのはありがちだ。
否定はできないし、そんな世界が魅力的かどうかは人それぞれだし、各自が考える価値感を100%尊重する。

大会の前後に選手の退団・引退のリリースがあり、勝っても負けてもセンチメンタルな雰囲気が漂う全日本。

トップリーグに所属し、最強のチームでベンチ入りの枠を掴み、ビックタイトルを獲得する。
 
競技者として最高の自己肯定感を得られるシチュエーションで、競技者として本意でないであろう引退の涙を流す若者の姿を見るのはとても切なく、胸にくるものがあった。
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今期で引退を表明した神戸の闘将鈴村選手と、献身的なアラとして出場時間を延ばした若手の川那部選手。
準々決勝の浦安戦では貴重な3点目をゲットしベスト4に貢献。
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出場時間に恵まれなかった府中の若手、岡山選手と水田選手は全日本でブレイク。
大分戦での右サイドからのダブルタッチ→トゥーでの強烈な一撃がインパクト絶大な水田選手は移籍先でコンスタントな活躍を狙う。
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3位に輝いた府中。
キャプテン皆本がメガホンを手に締めの一言。
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決勝に進んだ大阪とすみだ。
久々に見たすみだの円陣。Fリーグでもまたやってほしい。
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開始早々に大阪から2点を奪った諸江/宮崎/清水/西谷のすみだの1stセット。
素早い揺さぶりと果敢なプレスで先制パンチを浴びせるも、後半は地力のある大阪になすすべなし。
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大阪の強力な縦のライン。
半径2メートル以内は俺の制空権と言わんばかりの存在感のアルトゥールと、縦パスをことごとく収めてゴールに突進するピヴォのチアゴ。
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試合前、試合後の水上選手。
才能のある選手が挑戦しがいのある舞台であるか、という問いかけに答えが出ない。
12 3月

2017/03/18(土)~20(月・祝)『全日本フットサル選手権、AbemaTVでネット配信するってよ』

2017/03/18(土)~20(月・祝)『全日本フットサル選手権、AbemaTVでネット配信するってよ』

今年の全日本選手権の決勝トーナメントはPC・スマートフォン向けのインターネットテレビ、AbemaTVで生中継されます。
ここ数年3日間とも会場で観戦してましたが、DAZNや応援.COMでトラブルが多発してることもあり、今年はネタ作りに初日の準々決勝はAbemaTVで観るつもりです。

以下は観戦にあたっての個人的なまとめです。
すでに視聴を検討していた方、フットサルに興味ないけどどういう訳かここまで辿りついた方(できればこの層に見てほしいっす)よければご参考まで...。


①視聴環境の準備
・PCの場合
以下のAbemaTVのサイトにアクセスすればOKです(無料です)。

・スマートフォンの場合
Android、iOSでそれぞれアプリが用意されているので各アプリストアからインストールしましょう(こちらも無料です)。

②視聴方法
・視聴予約
PC、アプリとも視聴予約が可能です(録画ではなく単なるリマインダなので注意)。

・チャンネル変更
PCの場合はトップページから任意のチャンネルをクリック、スマートフォンの場合は画面下部のチャンネル欄をスワイプしてチャンネルを合わせます。超簡単です。
どうでもいいですが『チャンネルを回す』という表現は徐々になくなっていくんだろうなぁ(昭和臭...)。


③TV画面へのキャスト
動画配信系ではお馴染みになってきたサービスですが、AbemaTVもPC、スマートフォンで表示しているコンテンツをTV画面に出力することができます。
楽な姿勢で視聴できて初期投資も5,000円程度なので非常にオススメ。

※AbemaTVでキャスト対応しているのは以下(2017年3月時点)

Chromecast
Amazon Fire TV
Apple TV(第4世代)
Android TV

Amazon Fire TVは現在品切れのようなのでChromecastが入手のしやすさ的にも◎。
取り付けはTVのHDMI端子にChromecastを繋いでWi-FIのID/パスワードを入力するだけです。
(Androidスマートフォン×ChromecastでTV出力して昨年10月のFリーグオールスターを見ましたが快適でした)

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写真はChromecastの外箱。

④放送のクオリティ
昨年10月のFリーグオールスターでは試合映像をカメラで追うだけでなく、前説VTRあり、ゴールや好プレーのリプレイあり、実況解説ありと充実しな内容でした(こんな当たり前の事に感動してしまうのがクヤシイ)。
今回も期待大。

来シーズンからはFリーグの試合についてもAbemaTVで放送するとの情報も出ておりFリーグオールスター→全日本選手権はそこに向けての試金石。
フットサルの放送実績のあるテレビ朝日と、ネットビジネスに長けたサイバーエージェントのタッグなので問題なさそうですが、試合の行方と合わせて放送のクオリティにも注目してます。

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写真は昨年10月のFリーグオールスターをChromecastでTV出力し、スマホのカメラで撮影したもの。
PCに詳しい=マニアックというイメージのあった2000年代。
ドヤ風味でこういう話題を紹介できる時代になったことに歓喜(昭和クセー!!)。

27 11月

2016/11/3~11/27 全日本選手権東京都大会 『ベテラン達の原点回帰』

2016/11/3(祝・木) 全日本選手権東京都大会プレーオフ Aグループ決勝 滝野川体育館
闘魂 3(2PK0)3 世田谷フットサルクラブ
 
2016/11/5(土) 全日本選手権東京都大会 1回戦 葛飾区水元スポーツセンター
闘魂 4-3 BRBタランタスFC

2016/11/27(日) 全日本選手権東京都大会 準決勝 葛飾区総合スポーツセンター
ASVペスカドーラ町田アスピランチ 1-10 闘魂

フットサル秋の風物詩になった感のある、全日本予選闘魂劇場。

民間施設を舞台にした4試合の予選を勝ち抜き、東京都予選への出場を賭けたプレーオフに進出。

プレーオフ1回戦ではカウンターから20メートルを迫力のあるドリブルで運んだ稲田選手のシュートパスを川股選手が押し込んだゴールを守り抜き美少年倶楽部(東京都1部)を0-1で退ける。

2回戦では世田谷フットサルクラブ(東京都1部)を相手に1-3と窮地に立たされるも、終盤に敢行したパワープレーの右角に入った岩田選手の好判断から得点を重ねて3-3に追いつき、PK戦では石渡選手がイランチーム相手の関口選手もかくやという神がかった活躍で2本連続でストップ。
闘魂は会田選手、岩田選手が連続して成功させ、見事東京都予選本戦に進出した。

本戦の初戦は昨年の東京都予選プレーオフで敗れたBRB(関東2部)。
こちらはBRBが先行して闘魂が追いつくシーソーゲーム。

終盤に2-3とリードを奪われるも、相手が時間を削りにきたクアトロの位置が高くなったところを北選手がいい体制でカット。
北選手のパスを稲田選手が強気のトラップで一気に前に持ち出してゴレイロとの1対1に持ち込むと、これを鬼ががかったコントロールショットで沈めて3-3の同点に追いつくと闘魂が完全にイケイケ。
勢いに乗った縦への攻めでBRBを押し込み、エリア外で手を使ってゴレイロが退場になって得たフリーキックを川股選手が豪快に決めて奇跡的な快進撃となった昨年の結果を今年はひとつ更新して見せた。

あと一勝で来年1月の関東予選出場となった町田アスピランチ(東京都1部/Fリーグ町田のサテライトチーム)戦はチームの座長の難波田選手がケガにより欠場。
大黒柱を欠いたチームは抜群の練度と機敏なステップワークを持つ町田クアトロ青年団の対応に四苦八苦することになる。

体と頭を疲れさせたところにセットプレーやマークのズレなど注意力を欠いたミスを突かれて前半を0-2で終え、後半0-4とされると10分以上を残してパワープレーにチャレンジ。

快進撃を見せたオヤジ達の実力を現役時代を知る小川監督から口を酸っぱく説かれたであろう若者たちが最後まで刀を止めずに、終わってみればパワープレー返しを連続で成功させ1-10までスコアが進む。
スコア的にも内容的にも、かつてフットサル黎明期の主役となったベテラン達が次代の主役候補達からオヤジ狩りをされた格好になったが、フットサルに未来を夢見るかつての自分たちを想起させる若者たちに介錯されるなら彼らも本望だろう。


東京都3部というカテゴリーながら破格の存在感を見せるゴレイロの石渡選手がゴールに鍵を掛け、稲田選手、川股選手らの強力なフィジカルを持つピヴォへスローで預けて前線で起点を作る。
プレス回避や4人の組織的なムーブによる押し上げというものを破棄し、後方からのロングボールを巧みなトラップで収め、落としや豪快な振り向きシュートでゴールに迫るスタイルは迫力十分で、唯一無二の決戦兵器として相手チームをヒヤヒヤさせ抜群の結果も残した。

・直近のAFCを2連覇。
アジア最高峰の『フットサル』の完成度を持ち、史上最強と謳われた日本代表がハーフからのマンツーマンとカウンターという愚直な武器に賭けたベトナム代表にノックアウトされた。
・バーモントカップでは決勝戦でロングボールを多用して優勝したセンアーノ神戸Jrの戦い方に警鐘を鳴らす声が溢れた。
・168cmの小さな大ゴレイロ、サルミエントを擁し、個の守備力と攻守の切り替えの速さ、手数をかけずにゴールへ迫る意識の高い攻めで、フットサルとしての完成度の高いロシアを撃破しフットサルワールドカップを制したアルゼンチン。

理想や各年代に適したスタイルというものは勿論あるし、日本は正しいプロセスを踏んだかというところに傾倒しがちだが、勝負の世界で最重要とすべきは結果なのではないだろうか。

闘魂を簡単に紹介するなら元日本代表、Fリーガーが休日に集まり、練習なしのブツけ本番で試合に臨むという破天荒な集団だ。
 
練習をしないチームに各競技系チームが負けることがふがいないという見方もあるが、フットサルでのゴレイロの重要さとピヴォにボールが収まることの優位性(相手がサンドに来ることでのマークのズレ/相手が後ろ向きに対応し、自チームが前向きでプレーできるようになる)など、誰もが初めに教えられるが『フットサルらしさ』を追求するうちに忘れてしまいがちなものの重要さを一番表現していたチームだろう。

1-3/0-4/2-2/1-1-2といったフォーメーションや、ピヴォ、クアトロなどのオフェンスの基本形。
その他、2人、3人の関係でのプレーにはスペイン語やポルトガル語の名称が付けられ、勿体ぶって語られるものの、本質はずっとシンプルでフットサルは5人対5人で相手のゴールにボールを入れた方が勝つという単純明快なスポーツであることを忘れてはいけない。

町田戦ではパワープレーが実らず点差が開いていく展開に業を煮やした稲田選手が相手のパワープレー返しのロングシュートを両手で払って退場になる。
現役時代は喜怒哀楽の『怒』を前面に出したフットサル界の元祖闘将である難波田選手が、その光景を見て笑顔を浮かべて稲田選手を迎えるという場面があった。

競技を知るほど数センチのズレや体の向きにこだわり、効率や正統性を証明し、表現することに重きを置きがちだが、ワンプレーに喜怒哀楽を表現できるのはプレイヤーの特権だろう。
退場の場面では(フェアプレー云々はさておき)大勢が決まった試合で日本代表として、Fリーガーとして国内外の強敵とシノギを削りつつも、半ばリタイヤしている名選手がひとまわり下の選手を相手にムキになれるということに少々感動してしまったし、おそらく難波田選手もそんな気持ちだったのではないだろうか。

・1対1の激しさ/強さ
・ゴレイロとピヴォの重要性
・個々人の喜怒哀楽を含めたチームワーク

今年のワールドカップでスペインやロシアに欠けていて、なんとなくイメージしていた『フットサル』ではなかったものの優勝したアルゼンチンに備わっていた(強烈なピヴォは不在だったが)のは上記の3つだろう。
皮肉だがAFCで敗れた日本代表を含め、競技のレベルが上がり、戦術や再現度の高い連動性で相手を崩すことに習熟した『チーム』になるにつれ薄れていってしまうものなのではとも思う。

やれることが増えたから勝てるわけでもなく、武器が少なくても結果は出せ、勝負の世界であれば結果を出した者が一番偉い。
そして結果の前ではプロセスの論争は陳腐だ。

そんな痛快で当たり前のことを教えてくれた風物詩は関東大会目前で幕となったが、一線を退いたベテランたちが示した原点回帰に心から拍手を送りたい。

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フィクソが揃って良かったぜー!!
という声が聞こえてきそうなチームのバランサー、キャプテンマークを巻く会田選手。
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180cmのサイズを活かしロングボールをことごとく胸トラップで収める驚異のピヴォとして闘魂のオフェンスを牽引。
浦安で活躍した川股選手。
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攻守に光ったいぶし銀。
損益分岐点を抑え、BRB戦でお見事な活躍を見せた北選手。
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1-3から同点に追いついた世田谷フットサル戦で光った好判断。
パワープレーでポジションを取る右奥から抜群の機転で2得点を呼び込んだ岩田選手。 
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貴重なドリブラーのアラ、Fリーグで活躍した橋本選手。
吸いつくようなドリブルと食いついてから一瞬で相手と入れ替わるダブルタッチは健在。 
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動けないチームなだけに各自の意思疎通が大事とばかりに、ハーフタイム、タイムアウト、出番を待つ間にボードを手にコミュニケーション。
省エネが勝利の必須要件のベテランチームの生命線。
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パワープレーの場面ではゴレイロを石渡選手から坂口選手へチェンジ。
難波田選手もゴレイロユニフォームに着替えてのスリーショット。
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PK職人石渡選手を中心に歓喜の舞い。
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左右両足を起用に使い、高いフットサルIQと意表を突くプレーで闘魂を追い詰めた世田谷フットサルの菅原選手。
各カテゴリーで異彩を放つタレントを見れることも全日本予選の楽しみのひとつ。
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町田アスピランチ期待の新人。
若干18歳にして抜群のテクニックとパンチ力のあるシュートを持ち、U19代表にも選出される中村選手。
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闘魂戦で先制点を挙げた19歳の伊藤選手。
タイランド5で日本代表として3戦を戦い、プレスからのシュートでも存在感を発揮。
その後も継続して選ばれておりトップカテゴリーでも期待大。
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168cm/95kgでニックネームは長州。
ファニーなプロフィールながら俊敏な飛び出しも見せ、抜群の肩で前線にスローを投げ込む水谷選手。
見るほどにレベルの高さがうかがえる好タレント。
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東京都1部らしからぬ完成度を見せるクアトロと、よくコントロールされた攻守。
結果と若手育成両面でチームに貢献する名伯楽、町田アスピランチを率いる小川監督。

22 10月

2016/10/22(土) 全日本選手権東京都大会プレーオフ 立川泉体育館 『よーやく試合が終わったぜ!!』

2016/10/22(土) 全日本選手権東京都大会プレーオフ 立川泉体育館
 
美少年倶楽部 0-1 闘魂
世田谷フットサル 3-3 (PK3-2) ディアボロSPFC
フウガドールすみだバッファローズ 4-0 アトレチコ新宿
AOKING 4-5 ペスカドーラ町田アスピランチ

毎年3月の第2日曜日が決勝戦となる全日本選手権だが、サッカーの天皇杯に近いオープントーナメントであるこの大会は初夏から各都道府県の予選が始まる。
東京都予選の結果をチェックしていると、昨年に引き続き2000年代のフットサル黎明期のメインキャストが揃う闘魂(東京都リーグ3部)が昨年同様東京都予選プレーオフに進出していた。


8チームで争うプレーオフトーナメントは3位までが次ラウンドの本戦に進出。
今日の美少年倶楽部(東京都リーグ1部)に勝利すればあと2回のチャンスを得るということでこの試合の価値は非常に大きい。

フットサルはお互いがゴールに入れた回数を競う非常にシンプルなスポーツで、2カテゴリー上だろうと日本代表経験のあるゴレイロの石渡選手とピヴォの稲田選手、チームリーダーの難波田選手が揃うセンターラインを攻略するのは並みのことではない、と思いきやこの日は肝心要の難波田選手が欠席。
加えて北選手、岩田選手といったFリーグ、日本代表でも活躍したクオリティの高い3枚のフィクソが全員不在で、稲田選手、横山選手、川股選手とピヴォが3枚にフィクソが0枚というなかなかにエッジの効いた構成となった。

そんなチーム事情から普段はバランサーのアラである会田選手がフィクソを務める形で試合開始。

ベテランチームらしく自陣に引いてのディフェンスから、奪ってもカウンターではなく繋いで押し上げる遅攻と、Fリーグの浦安で活躍した新加入の長身ピヴォ、川股選手へシンプルにロングボールをつけて試合を進める。
緊張感のあるマッタリ運転が続いた前半半ばに自陣中央付近で稲田選手がボールをカットすると、意表をついたドリブルで一気に持ち出して川股選手にシュートパス。
これをファーへ走り込んだ川股選手がキッチリ決めて闘魂が狙い通りに1-0とリードし前半を折り返した。

後半も同じ展開が続くものの、体力が衰え出し、簡単に裏を取られることが多くなった味方の拙守のカバーに奔走する会田選手の疲労の色が濃くなる。
 
普段は冷静に損益分岐点を抑え、失策の少ないそつのないプレイヤーだが疲労からかなんでもないパスをミスし、ポイントがずれたトラップ、ドリブルを相手にアタックされる場面が続くものの、交代要員がいないこともありヘロヘロになりながらおおよそ16分(前半は約15分ほどで計31分)出ずっぱりでフロアに立つ。
そんな会田選手の認知範囲の広いディフェンスと、この試合でもゴールにしっかりと鍵をかけたゴレイロの石渡選手の好守、好連携もあり、見事重要なトーナメントのヤグラを一歩進めた。


以前、フットサルの面白さは何かというのを書いたことがある。


文中には、

①プレスラインの設定とプレス回避
②トランジションの強度
③練度とキャラクターのある2セット
④キックイン、フリーキック、パワープレーなどのデザインプレーの攻守

がフットサルの面白さであるとしたものの、闘魂の試合はベテラン勢(というよりベテランしかいない)の体力温存のためプレスラインは低く、トランジションはほぼない。
メンバーがバランスよく揃っているわけでもないので戦略的なセットチェンジもないし、強力なキッカーのズドンはあるものの、ベテラン故の共通知を活かしたセオリー以外のデザインプレーは皆無だ。

ただ、王道の面白味からは大きく外れているが、毎試合個性的な面々が主役を張るハラハラドキドキの連続で観ていてとても面白い。
今日の試合は普段はクールに試合を締める会田選手の青色吐息の表情とヘロヘロにボールを追ってのミスになんとも訴えかけるものがあり、試合終盤の美少年倶楽部の猛攻には『会田選手のためにみんな守ってくれ!!』と拳を握りしめてしまった。

前述の4つの要素は音楽で言うなら音程やメロディーラインといった学問的な部分と、その時々でフォーカスされるトレンドの部分であり、音楽的に『正しい』かどうかというものだろう。
 
大きな矛盾ではあるものの、正しさを追求した成果物は面白味に欠けるものが多々ある。
理論は非常に重要ではあるものの、感動を生むのは理屈ではなく感情を揺さぶられるかどうかにあり、詰将棋のように持ちカードを切る試合展開よりも不恰好でガムシャラな頑張りが胸を打つ一戦だった。

10/8に仙台で行われたオールスターは動きの多い試合展開の中、妙技を連発したボラ選手が喝采を集め見事MVPをさらった。
ブラジル仕込みのテクニックやイマジネーションももちろんだが、ボラ選手の試合をトコトン楽しんでるであろう笑顔は停滞感のあるFリーグの試合で欠けているものだったろうし、プレーもさることながら彼の無邪気な表情に魅力を感じた人も多いだろう。

プレーを通して喜怒哀楽を表現できるのはプレイヤーの特権だ。
 
笑顔もしかめ面も大いに見せてほしいし、よーやく試合が終わったぜっていう安堵の笑顔に、そういえばタフな残業や夜勤の後はあんな顔でビール買って帰ったな・・・、とどうしようもないことを思い出して共感する観客も少なくないはずだ。

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40分プレーイングタイムにも徐々に慣れ出した闘魂。
昨年は『疲れるから』という理由でやらなかった試合前のウォーミングアップを披露。
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J2の岡山→Fリーグの浦安のキャリアを持つ180cmの大型ピヴォの川股選手。
相手にサンドされた時に詰まる場面が多いので、早目に撃つ、はたくができれば大きな脅威。
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闘魂の看板ピヴォの横山選手と稲田選手。
この日は横山選手は川股選手をサポートするアラ、稲田選手はフィクソが主戦場。
稲田選手は意表を突いたスピードアップから迫力のある突破で川股選手の得点をアシスト。
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代名詞のダブルタッチでサイドを切り裂いた橋本選手。
個性的なダブルタッチの動画はこちら。
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膝を折り、味方の股の間からボールを追う石渡選手。
この試合では3vs1の場面でダブルニー(上体を起こして両膝立ちで床を滑る)でセーブするFリーグでもなかなかないプレーを披露し1-0の勝利に貢献。
毎試合、今が全盛期かと思わせる妙技を披露。
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闘魂の守備のダブルA面。
後半、ゴール前の接触プレーで『よっこらしょ』とばかりに立ち上がる石渡選手と会田選手。
フットサル界でリポビタンDのCMを撮るならこのふたりか。
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『ようやく終わったぜー!!』真っ白に燃え尽きたイイ表情の会田選手。
次戦は11/3(祝)。次回はフィクソが揃うか。
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勝者が闘魂と対戦することになる世田谷フットサルとディアボロSPFC。
ディアボロは26番の立花選手がボールを引いてからアウトで持ち出すドリブル突破で再三好機を作ったが、惜しくもPK戦で敗戦。
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左右両足を起用に使い、意表を突くプレーも光った世田谷フットサルの菅原選手。
フットサルIQの高いこの選手が引いた闘魂をどう崩すかも非常に楽しみ。
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トップチームでも出場経験のあるすみだバッファローズ(フウガドールすみだの下部組織)のNo32宗像選手とNo38三笠選手。
宗像選手は柔らかいテクニックと機動力、三笠選手はサイズとフィジカルに優れるフィクソ。
豊富な物量を持ち3セットで回すチームでそれぞれピッチ上の監督役を務める。
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こちらは163cmのゴレイロ、岸選手。
声がよく出る明るいキャラクターで小柄ながら止めまくった内山コーチの薫陶を感じさせる好素材。
トップデビューが非常に楽しみ。
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183cmの大型ピヴォ、日本代表にも定着しつつある清水和也選手の兄、清水誠也選手。
兄弟ダブルピヴォでのプレーも観たいところ。
13 3月

2016/3/13(日) 第21回全日本フットサル選手権 決勝トーナメント3日目 国立代々木競技場 第一体育館 『日本フットサル界の意地』

2016/3/13(日) 第21回全日本フットサル選手権 決勝トーナメント3日目 国立代々木競技場 第一体育館
◆3位決定戦
府中アスレティックFC 2 - 3 バルドラール浦安
◆決勝戦
ペスカドーラ町田 5 - 3 名古屋オーシャンズ

3/11(金)、12(土)、13(日)と3日間で行われる全日本決勝トーナメント。
準々決勝が行われた3/11(金)にミゲル・ロドリゴ日本代表監督の退任会見が行われた。
 
全文記事を読んだだけなので言外のニュアンスはわからないが、会見の冒頭に日本サッカー協会フットサル部門の責任者である松崎康弘氏が、W杯予選を兼ねたAFCでの敗退の理由をミゲル監督は今でもよくわからないと言っていると語ったが、組織のトップが部下の失敗の分析を『よくわからない』の一言で済まさせ、その理由を事象の発生から3週間後に初めて開かれた公式会見の場で発言する感覚は一般企業であればまずありえない。

在任時、ミゲル元日本代表監督はフットサルを『赤ちゃん』に例え、大事に育てていかなければ大人になれないということを度々口にしていた。
 
日本サッカー協会、ミゲル元日本代表監督とも『退任』の記者会見の場で『検証』や『本音』を語る必要はまったくなく、可能性は低そうだが裏でキチンと整理されているのであれば何も問題はないが、上記のくだりがお互いのコミュニケーションの全てであったのなら、競技レベル云々の前に、日本フットサル界のトップがフットサル先進国から来た指導者に対する姿勢が赤ちゃんであったこととの証左でしかなく、成功よりも役立つ失敗の経験が蓄積できたのかがわからないのがなんとも歯痒い。

2月のAFCでの敗退から紋切り型の退任会見と爪を噛むようなフラストレーションが溜まるトップカテゴリーだったが、2015/2016シーズンを締めくくる全日本選手権の3位決定戦、決勝戦は素晴らしかった。

リーグ戦の終盤ではプレーオフを賭けた7チームのデッドヒートから振り落とされた浦安だったが、全日本では若手、ベテランがチームとして見事にまとまる。
 
機を見てゴール前に侵入しての繊細なタッチで名古屋から2ゴールを上げた大橋選手をはじめ、三木選手、加藤選手が前からガッツリ追い回し、コンディションを回復させた星選手が捲土重来の活躍を見せる。

特に印象に残ったのがフロアに出ている選手がタイムアウトで戻ってくる際に、ベテランの小宮山選手がひとりひとりと握手をしながらベンチに迎えたていたことだ。
Fリーグの終盤では失点後に淡白なリアクションを示す印象があった浦安だが、フットサルに対する想いをリフレッシュし、ワンプレーに一喜一憂し、穿った見方をすれば消化試合の向きもある3位決定戦の勝利を全員で心底喜び、今期で引退を決めている面々が笑顔で肩を抱き合う姿がとても清々しかった。

Fリーグの1位名古屋、2位町田が舞台を全日本に変えて激突した決勝戦では、名古屋の強烈な個のチカラと、町田が1年をかけて熟成した練度の高いクアトロが激突。
 
中井選手、金山選手、篠崎選手が前から圧力をかけて押し込んでリードを奪うも、名古屋が毎試合恒例となったいけるかもという相手のムードに冷や水を浴びせる。

獲って獲られての最強決定戦は3-3から風貌に似合ったタイトなディフェンスと、風貌に似合わない華麗なドリブルシュートと優しいパスで金山選手、ボラ選手へのアシストを決めた森谷選手の活躍で後半33分に町田が5-3とリードを奪い、名古屋がパワープレーを開始する。

町田の5点目のゴールに繋がったカウンターの前のプレーで負傷した森岡選手がベンチに座り、今シーズンでの引退を表明している北原選手とペドロコスタ選手をフロアに送ってのパワープレーを町田が凌ぎきり、町田がFリーグ開幕後、初のタイトルを獲得した。

町田の選手達が狂喜乱舞の後にユニフォームで瞼を覆い、名古屋の選手はガックリとうなだれる。
周りに座る観客たちはいいものを見れたっていうキラキラした目をしていて、悪いニュースで終わりそうだった2015/2016シーズン最後の最後の大熱戦にフットサルも捨てたものじゃないなと思ったのは私だけではないはずだ。

これまでFリーグ9連覇と3年連続の3冠を達成していた日本唯一のプロチームである名古屋はその環境でフットサルへの愛情を示し、その名古屋を環境では劣る各チームが工夫や熱や意地でなんとか越えようと凌ぎを削る日本フットサル界。
 
今年は2012年(全日本で名古屋がバサジィ大分に敗退、シュライカー大阪が優勝)以来、3期振りに名古屋が国内3大タイトルを落とし、府中がオーシャンカップ、町田が全日本選手権のチャンピオンとして迎えることになる6/11(土)からの2016/2017シーズンの開幕が今から楽しみになってしまった。

だが、その前。

約1ヶ月後の4月22日(金)、24日(日)には日本が敗退したAFCを勝ち抜き、ワールドカップのチケットを手にしたベトナム代表、ウズベキスタン代表との親善試合が待っている。
ミゲル元日本代表監督はこれまでの路線を踏襲し、スペイン人の監督を後任に推しているそうだが、4月の2戦はシュライカー大阪を指揮する木暮監督が暫定的に指揮を執ることが濃厚との話もある。

ミゲル元日本代表監督の意向は否定しないが、紋切り型の退任会見とスペイン人の監督を後任にという話を聞いた後に、日本フットサル界の意地を結集したような大熱戦を見て、個人的には非常に燃えるものがあった。

オーシャンカップ、全日本選手権の決勝戦が象徴するように絶対王者名古屋を越えるために、各チームのスタッフや選手がスカウティングやその戦術の遂行に躍起になり、現在進行形で切磋琢磨をしている。
その経験は間違いなく選手の強化に繋がっているはずで、それは日本で選手として最も大成した木暮監督が誰よりも理解しているはずだ。

興行的な魅力に乏しく、結果を出したところで空しく映るかもしれない相手だが、もう一度、日本のフットサルここにありを示し、2月から続いた競技、組織、世間の関心など諸々のフラストレーションを一気にぶつけてほしい。
 
どういう経緯でこの2チームを選んだのかは決定事項のみしかリリースしないフットサル界ではまったくわからないが、ベトナム、ウズベキスタンは関係者、選手、ファン、すべてにとってそういう相手のはずだ。

とにかく素晴らしかった全日本選手権の決勝戦。
でも今シーズンはこれで終わりじゃない。

この高揚感を駆って木暮監督と彼が選んだ14人にまだ拭えない胸に残っているしこりを払ってほしい。


日本人チームを躍動させる 決断力の磨き方
ミゲル・ロドリゴ(フットサル日本代表監督)
カンゼン
2014-05-14

世界一わかりやすい! フットサルの授業
ミゲル・ロドリゴ(フットサル日本代表監督)
カンゼン
2012-09-24

 

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3連戦最終日の国立代々木競技場 第一体育館。
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「WORLD COMES 2020」
入口に設けられた2020年フットサルワールドカップ愛知招致のフラッグ
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リーグ終盤のチグハグさから一転、ギュッとひとつにチームがまとまった浦安。
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安定したセーブと、機を見てドリブルで持ち上がる足技。
独特なセンスで会場を沸かせた府中のゴレイロNo96クロモト選手。
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3日間を通じ、好セーブで名勝負を演出した浦安のゴレイロNo12藤原選手。
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浦安の小兵コンビ、No8加藤選手(左)とNo16三木選手。
加藤選手のアシストで三木選手がゴールを決めた後のベンチ。
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準決勝での名古屋戦ではスッとゴール前に入っての繊細なタッチでの2ゴール。
来シーズンのブレイク候補、No17大橋選手。
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危機迫る迫力を感じたNo9星選手。
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ベンチから試合を見つめる小宮山選手。
チームを盛り上げ、ひとつにまとめようとするベテランの姿勢はお見事でした。
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試合終了後に感極まる今シーズンで引退を表明しているNo2出浦選手、No16三木選手、No19高橋選手。
やりきった涙に胸が熱くなりました。
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名古屋対町田。Fリーグ1位、2位の対決。
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攻守にハッスルしたプレーが目立った名古屋のNo3北原選手と、町田のNo7金山選手。
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日本のエース、森岡選手のマークにつく若干21歳のNo20原選手。
シーズンを通して継続していた戦術の熟成と若手の起用がビックマッチの結果への伏線になりました。
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ベンチでコミュニケーションを取る名古屋のピヴォ、森岡選手とシンビーニャ選手。
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試合を彩った個性的なブラジリアン。
堅守を見せたイゴール選手、いやらしいドリブルで町田のゴールに迫ったセルジーニョ選手、ゴール前での決めの強さが光ったボラ選手。
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準決勝でのプレスで奪われての失点、決勝でのオウンゴールなど貧乏クジを引いた感のある名古屋のフィクソ、No5星選手。
守備力の高いフィクソとして日本代表での活躍も期待したいところ。
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新旧日本代表のフィクソ。北原選手と滝田選手。
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攻守に渡って1対1の強さを発揮し、試合を決める活躍を見せたNo3森谷選手。
日本で最も過小評価されている選手のひとり。
ゼヒ日本代表で見てみたい。
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試合終了後。勝って喜びを爆発させる町田と、肩を落とす名古屋。
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準優勝の名古屋。
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決勝点を挙げMVPに輝いた38歳の大ベテラン、金山選手。
年齢を感じさせない鬼プレスと無駄かもしれないファー詰めを繰り返し、観客を魅了し続けた気持ちの入ったプレーは感動の一言。
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並び順的に賞金目録を受け取ることになったNo2日根野谷選手。
我慢強く相手を抑える地味な役回りを果たしてのイイ笑顔に会場はホンワカした雰囲気になりました。
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優勝杯を受け取る森谷選手。素晴らしい活躍でした。
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