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Futsal Philosophy (フットサル・フィロソフィー)

全日本選手権

20 3月

2017/3/20(月・祝)第22回全日本フットサル選手権大会 国立代々木競技場第一体育館『王者の自己肯定感』

2017/3/20(月・祝)第22回全日本フットサル選手権大会 国立代々木競技場第一体育館
◆3位決定戦
府中アスレティックFC 1 - 0 デウソン神戸
◆決勝
フウガドールすみだ 2 - 7 シュライカー大阪

古い話題だが2007年に賞金女王に輝いた上田桃子選手がTVのドキュメンタリー番組でプロとしてお金を稼げないスポーツを選択することを不思議だと発言したことがある。
 
人気も実績もない選手でなければ大した話題にもならないだろうが、当時の若手女子ゴルファーブーム真っ只中で年間1億6千万円を稼いだ若干21歳の賞金女王の発言として非常にヘイトを集め有体に言って炎上した。

他者と競い、結果に応じた報酬を得ることはごく普通なことで、成り上がりの波に乗る野心的な若者の発言として至極もっともだと思ったが、こういった発言は理屈よりも受け手の感情が優先される。
彼女が言うところの稼げないスポーツを愛好する人達からのやっかみや、ゴルフを稼げるスポーツとした先人へのリスペクトが欠けているというのが当時の論調だったと思うが、要するに『勝者として空気を読め』ということだろう。

貧すれば鈍する(貧しさによる生活苦が才気や高潔さを奪う)という言葉がある。
スポットライトが当たる前の下積みは誰にでもあるが、美談としてそこにフォーカスが当たるのは成功した後だ。
スポーツに限らず不安で暗い鍛錬の時期を越えた勝者が賞賛や利益を得るのはむしろあってほしいことで、トップランナーは後進の励みのためにも頂点に立った自己肯定感を大いに表現してほしいと思う。


22回を迎えたプロ・アマ混合トーナメントの全日本選手権はシュライカー大阪の優勝で終わった。

決勝トーナメントの8試合中、大阪以外の試合はどれも1点差のゲームで今期中盤からの大阪のクオリティーはズバ抜けていたと思う。
 
開幕以来9連覇中の唯一のプロチームである名古屋が敗れたものの、大阪の構成も名古屋と同じく違いを作れる外国人選手+脇を締める代表クラスの日本人選手という構成で、歴史が変わったと表現される今期の王位継承劇だったがプロセスは木暮監督自身が選手時代に名古屋で体験したメソッドに沿ったもので、これが日本のトップリーグで優勝するチームのモデルケースなのかなというのがシーズンを振り返ってみての印象だ(実際に引退を宣言した最後の全日本決勝トーナメントの3試合で木暮監督は出場機会を与えられていない)。

2013年の全日本決勝(すみだ4-4(PK3-4)名古屋)ではPK戦でゴールを決めた後に名古屋のリカルジーニョがすみだのサポーター席に挑発的に拳を突き立て、今年は2-0から同点になる第2PKを決めたアルトゥールがすみだのベンチの前で派手なガッツポーズを見せた。

どちらも憎々しげな行為だが、地力は劣るもののゾンビのようなしつこさや異様なテンションで会場の雰囲気をがっちりすみだに掴まれた苦しい展開の裏返しでもあり、ワールドクラスの相手をここまでいきり立たせたのは大したものだろう。

特にアルトゥールとチアゴの活躍が光った決勝戦だったが、彼らを越えるためにどうすればいいかを対戦相手もチームメイトも考えることに意義がある。
来シーズンも文字通り日本フットサル界のドデカイ目標になれる選手が日本に来てくれたことにありがとうと言いたい。

大会の前後に選手の退団・引退のリリースがあり、勝っても負けてもセンチメンタルな雰囲気が漂う全日本。

甲斐選手、鈴村選手、小宮山選手らの記憶にも記録にも残る黎明期からトップランナーでありつづけたベテラン達のカーテンコールは惜しむらくも祝福する気持ちにもなるが、若干21歳、大学3年生でFリーグ、全日本優勝の2冠を飾った大阪に所属する水上洋人選手の引退は衝撃だった。

2015年のプレーオフで加藤未渚実選手、田村友貴選手と共に頭角を現し、今シーズンは日本代表候補にノミネートされた前述のふたりと水をあけられた感はあるが、技術が高く冷静で真面目な大阪らしいアラとして非常にポテンシャルを感じる若手で、来期の契約のオファーもあったという。

こちらは木暮監督と水上選手のインタビューだが、トップリーグでの競技生活から一線を引いた後は大学4年生として就職活動を行うということで、ケガでも能力的な壁でも燃えつきでもなく、キャリアのピークを今後迎えるであろうアスリートが安定した生活のために下した決断は正直言葉に詰まるものがあるし、フットサル黎明期からジャンルのアイコンだった木暮監督が『このスポーツにかける思いがないとまずはスタートラインには立てない』と語るようにマイナースポーツであるフットサルを取り巻く環境は22年前と本質はほとんど変わっていないのではと思ってしまった。

スポーツは麻薬だ。

キツイ練習に耐え、タフなチームメイトと競って出場枠を掴み、同じ過程を越えてきたであろう対戦相手とシノギを削る。
そんな中、自分を応援してくれる人達の前であげるゴールや勝利は格別だろう。

そんな快感にズブズブと嵌ってマイナースポーツ故の狭いムラ社会の中で苦心するよりは、普通の会社に就職して趣味でフットサルをするほうが賢い付き合い方かもしれないし、普通の会社勤めをして土日と周りの顔色を伺いつつ有給休暇を使ってフットサル観戦をしている自分にも現場の温度感はなんとなくだがわかるものはある。

来シーズンのFリーグはセントラルの代替として6チームを1会場に集めて2日間連続の大会方式を何節か入れるという発表があった。
宿泊費と移動費の負担が全国リーグで最も大きな費用になるが、大幅な収入増を見込めない以上、支出を減らすのは理に適った施策でこういうアイディアはどんどん実践してほしい。

運営は費用を極力減らす。
ファンは行ける範囲で会場に足を運ぶ。

入場料(グッズ収入を含む)、放映権料、スポンサー収入が主な財源となるプロスポーツだが、後者の2つが大きく見込めない以上、ファンができることは会場に足を運んで、よさそうなグッズがあったら買うことぐらいだろうし、もちろん自分もそうする。
ごくごく小さいことだが自分が落したお金が選手や関係者の環境の改善になってくれたらこれ以上に嬉しいことはない。

何度か『Fリーグを目指したいけどどうしようか迷っている』という相談を受けたことがある。

地域リーグを含めた選手のインタビュー記事などを紹介し、いくつかのモデルケースを説明したがみな普通に就職した。
いい選択なのではと思う。

同じ顔ぶれの選手たちが時にチームを変えつつ活躍してきたFリーグ。
黎明期のアイコン達が去ったものの、次のチームの顔と呼べる選手は育っていないのではないだろうか。

マイナースポーツのトップリーグが『憧れだけど現実的に目指すにはリスクが高いもの』というのはありがちだ。
否定はできないし、そんな世界が魅力的かどうかは人それぞれだし、各自が考える価値感を100%尊重する。

大会の前後に選手の退団・引退のリリースがあり、勝っても負けてもセンチメンタルな雰囲気が漂う全日本。

トップリーグに所属し、最強のチームでベンチ入りの枠を掴み、ビックタイトルを獲得する。
 
競技者として最高の自己肯定感を得られるシチュエーションで、競技者として本意でないであろう引退の涙を流す若者の姿を見るのはとても切なく、胸にくるものがあった。
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今期で引退を表明した神戸の闘将鈴村選手と、献身的なアラとして出場時間を延ばした若手の川那部選手。
準々決勝の浦安戦では貴重な3点目をゲットしベスト4に貢献。
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出場時間に恵まれなかった府中の若手、岡山選手と水田選手は全日本でブレイク。
大分戦での右サイドからのダブルタッチ→トゥーでの強烈な一撃がインパクト絶大な水田選手は移籍先でコンスタントな活躍を狙う。
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3位に輝いた府中。
キャプテン皆本がメガホンを手に締めの一言。
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決勝に進んだ大阪とすみだ。
久々に見たすみだの円陣。Fリーグでもまたやってほしい。
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開始早々に大阪から2点を奪った諸江/宮崎/清水/西谷のすみだの1stセット。
素早い揺さぶりと果敢なプレスで先制パンチを浴びせるも、後半は地力のある大阪になすすべなし。
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大阪の強力な縦のライン。
半径2メートル以内は俺の制空権と言わんばかりの存在感のアルトゥールと、縦パスをことごとく収めてゴールに突進するピヴォのチアゴ。
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試合前、試合後の水上選手。
才能のある選手が挑戦しがいのある舞台であるか、という問いかけに答えが出ない。
12 3月

2017/03/18(土)~20(月・祝)『全日本フットサル選手権、AbemaTVでネット配信するってよ』

2017/03/18(土)~20(月・祝)『全日本フットサル選手権、AbemaTVでネット配信するってよ』

今年の全日本選手権の決勝トーナメントはPC・スマートフォン向けのインターネットテレビ、AbemaTVで生中継されます。
ここ数年3日間とも会場で観戦してましたが、DAZNや応援.COMでトラブルが多発してることもあり、今年はネタ作りに初日の準々決勝はAbemaTVで観るつもりです。

以下は観戦にあたっての個人的なまとめです。
すでに視聴を検討していた方、フットサルに興味ないけどどういう訳かここまで辿りついた方(できればこの層に見てほしいっす)よければご参考まで...。


①視聴環境の準備
・PCの場合
以下のAbemaTVのサイトにアクセスすればOKです(無料です)。

・スマートフォンの場合
Android、iOSでそれぞれアプリが用意されているので各アプリストアからインストールしましょう(こちらも無料です)。

②視聴方法
・視聴予約
PC、アプリとも視聴予約が可能です(録画ではなく単なるリマインダなので注意)。

・チャンネル変更
PCの場合はトップページから任意のチャンネルをクリック、スマートフォンの場合は画面下部のチャンネル欄をスワイプしてチャンネルを合わせます。超簡単です。
どうでもいいですが『チャンネルを回す』という表現は徐々になくなっていくんだろうなぁ(昭和臭...)。


③TV画面へのキャスト
動画配信系ではお馴染みになってきたサービスですが、AbemaTVもPC、スマートフォンで表示しているコンテンツをTV画面に出力することができます。
楽な姿勢で視聴できて初期投資も5,000円程度なので非常にオススメ。

※AbemaTVでキャスト対応しているのは以下(2017年3月時点)

Chromecast
Amazon Fire TV
Apple TV(第4世代)
Android TV

Amazon Fire TVは現在品切れのようなのでChromecastが入手のしやすさ的にも◎。
取り付けはTVのHDMI端子にChromecastを繋いでWi-FIのID/パスワードを入力するだけです。
(Androidスマートフォン×ChromecastでTV出力して昨年10月のFリーグオールスターを見ましたが快適でした)

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写真はChromecastの外箱。

④放送のクオリティ
昨年10月のFリーグオールスターでは試合映像をカメラで追うだけでなく、前説VTRあり、ゴールや好プレーのリプレイあり、実況解説ありと充実しな内容でした(こんな当たり前の事に感動してしまうのがクヤシイ)。
今回も期待大。

来シーズンからはFリーグの試合についてもAbemaTVで放送するとの情報も出ておりFリーグオールスター→全日本選手権はそこに向けての試金石。
フットサルの放送実績のあるテレビ朝日と、ネットビジネスに長けたサイバーエージェントのタッグなので問題なさそうですが、試合の行方と合わせて放送のクオリティにも注目してます。

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写真は昨年10月のFリーグオールスターをChromecastでTV出力し、スマホのカメラで撮影したもの。
PCに詳しい=マニアックというイメージのあった2000年代。
ドヤ風味でこういう話題を紹介できる時代になったことに歓喜(昭和クセー!!)。

27 11月

2016/11/3~11/27 全日本選手権東京都大会 『ベテラン達の原点回帰』

2016/11/3(祝・木) 全日本選手権東京都大会プレーオフ Aグループ決勝 滝野川体育館
闘魂 3(2PK0)3 世田谷フットサルクラブ
 
2016/11/5(土) 全日本選手権東京都大会 1回戦 葛飾区水元スポーツセンター
闘魂 4-3 BRBタランタスFC

2016/11/27(日) 全日本選手権東京都大会 準決勝 葛飾区総合スポーツセンター
ASVペスカドーラ町田アスピランチ 1-10 闘魂

フットサル秋の風物詩になった感のある、全日本予選闘魂劇場。

民間施設を舞台にした4試合の予選を勝ち抜き、東京都予選への出場を賭けたプレーオフに進出。

プレーオフ1回戦ではカウンターから20メートルを迫力のあるドリブルで運んだ稲田選手のシュートパスを川股選手が押し込んだゴールを守り抜き美少年倶楽部(東京都1部)を0-1で退ける。

2回戦では世田谷フットサルクラブ(東京都1部)を相手に1-3と窮地に立たされるも、終盤に敢行したパワープレーの右角に入った岩田選手の好判断から得点を重ねて3-3に追いつき、PK戦では石渡選手がイランチーム相手の関口選手もかくやという神がかった活躍で2本連続でストップ。
闘魂は会田選手、岩田選手が連続して成功させ、見事東京都予選本戦に進出した。

本戦の初戦は昨年の東京都予選プレーオフで敗れたBRB(関東2部)。
こちらはBRBが先行して闘魂が追いつくシーソーゲーム。

終盤に2-3とリードを奪われるも、相手が時間を削りにきたクアトロの位置が高くなったところを北選手がいい体制でカット。
北選手のパスを稲田選手が強気のトラップで一気に前に持ち出してゴレイロとの1対1に持ち込むと、これを鬼ががかったコントロールショットで沈めて3-3の同点に追いつくと闘魂が完全にイケイケ。
勢いに乗った縦への攻めでBRBを押し込み、エリア外で手を使ってゴレイロが退場になって得たフリーキックを川股選手が豪快に決めて奇跡的な快進撃となった昨年の結果を今年はひとつ更新して見せた。

あと一勝で来年1月の関東予選出場となった町田アスピランチ(東京都1部/Fリーグ町田のサテライトチーム)戦はチームの座長の難波田選手がケガにより欠場。
大黒柱を欠いたチームは抜群の練度と機敏なステップワークを持つ町田クアトロ青年団の対応に四苦八苦することになる。

体と頭を疲れさせたところにセットプレーやマークのズレなど注意力を欠いたミスを突かれて前半を0-2で終え、後半0-4とされると10分以上を残してパワープレーにチャレンジ。

快進撃を見せたオヤジ達の実力を現役時代を知る小川監督から口を酸っぱく説かれたであろう若者たちが最後まで刀を止めずに、終わってみればパワープレー返しを連続で成功させ1-10までスコアが進む。
スコア的にも内容的にも、かつてフットサル黎明期の主役となったベテラン達が次代の主役候補達からオヤジ狩りをされた格好になったが、フットサルに未来を夢見るかつての自分たちを想起させる若者たちに介錯されるなら彼らも本望だろう。


東京都3部というカテゴリーながら破格の存在感を見せるゴレイロの石渡選手がゴールに鍵を掛け、稲田選手、川股選手らの強力なフィジカルを持つピヴォへスローで預けて前線で起点を作る。
プレス回避や4人の組織的なムーブによる押し上げというものを破棄し、後方からのロングボールを巧みなトラップで収め、落としや豪快な振り向きシュートでゴールに迫るスタイルは迫力十分で、唯一無二の決戦兵器として相手チームをヒヤヒヤさせ抜群の結果も残した。

・直近のAFCを2連覇。
アジア最高峰の『フットサル』の完成度を持ち、史上最強と謳われた日本代表がハーフからのマンツーマンとカウンターという愚直な武器に賭けたベトナム代表にノックアウトされた。
・バーモントカップでは決勝戦でロングボールを多用して優勝したセンアーノ神戸Jrの戦い方に警鐘を鳴らす声が溢れた。
・168cmの小さな大ゴレイロ、サルミエントを擁し、個の守備力と攻守の切り替えの速さ、手数をかけずにゴールへ迫る意識の高い攻めで、フットサルとしての完成度の高いロシアを撃破しフットサルワールドカップを制したアルゼンチン。

理想や各年代に適したスタイルというものは勿論あるし、日本は正しいプロセスを踏んだかというところに傾倒しがちだが、勝負の世界で最重要とすべきは結果なのではないだろうか。

闘魂を簡単に紹介するなら元日本代表、Fリーガーが休日に集まり、練習なしのブツけ本番で試合に臨むという破天荒な集団だ。
 
練習をしないチームに各競技系チームが負けることがふがいないという見方もあるが、フットサルでのゴレイロの重要さとピヴォにボールが収まることの優位性(相手がサンドに来ることでのマークのズレ/相手が後ろ向きに対応し、自チームが前向きでプレーできるようになる)など、誰もが初めに教えられるが『フットサルらしさ』を追求するうちに忘れてしまいがちなものの重要さを一番表現していたチームだろう。

1-3/0-4/2-2/1-1-2といったフォーメーションや、ピヴォ、クアトロなどのオフェンスの基本形。
その他、2人、3人の関係でのプレーにはスペイン語やポルトガル語の名称が付けられ、勿体ぶって語られるものの、本質はずっとシンプルでフットサルは5人対5人で相手のゴールにボールを入れた方が勝つという単純明快なスポーツであることを忘れてはいけない。

町田戦ではパワープレーが実らず点差が開いていく展開に業を煮やした稲田選手が相手のパワープレー返しのロングシュートを両手で払って退場になる。
現役時代は喜怒哀楽の『怒』を前面に出したフットサル界の元祖闘将である難波田選手が、その光景を見て笑顔を浮かべて稲田選手を迎えるという場面があった。

競技を知るほど数センチのズレや体の向きにこだわり、効率や正統性を証明し、表現することに重きを置きがちだが、ワンプレーに喜怒哀楽を表現できるのはプレイヤーの特権だろう。
退場の場面では(フェアプレー云々はさておき)大勢が決まった試合で日本代表として、Fリーガーとして国内外の強敵とシノギを削りつつも、半ばリタイヤしている名選手がひとまわり下の選手を相手にムキになれるということに少々感動してしまったし、おそらく難波田選手もそんな気持ちだったのではないだろうか。

・1対1の激しさ/強さ
・ゴレイロとピヴォの重要性
・個々人の喜怒哀楽を含めたチームワーク

今年のワールドカップでスペインやロシアに欠けていて、なんとなくイメージしていた『フットサル』ではなかったものの優勝したアルゼンチンに備わっていた(強烈なピヴォは不在だったが)のは上記の3つだろう。
皮肉だがAFCで敗れた日本代表を含め、競技のレベルが上がり、戦術や再現度の高い連動性で相手を崩すことに習熟した『チーム』になるにつれ薄れていってしまうものなのではとも思う。

やれることが増えたから勝てるわけでもなく、武器が少なくても結果は出せ、勝負の世界であれば結果を出した者が一番偉い。
そして結果の前ではプロセスの論争は陳腐だ。

そんな痛快で当たり前のことを教えてくれた風物詩は関東大会目前で幕となったが、一線を退いたベテランたちが示した原点回帰に心から拍手を送りたい。

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フィクソが揃って良かったぜー!!
という声が聞こえてきそうなチームのバランサー、キャプテンマークを巻く会田選手。
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180cmのサイズを活かしロングボールをことごとく胸トラップで収める驚異のピヴォとして闘魂のオフェンスを牽引。
浦安で活躍した川股選手。
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攻守に光ったいぶし銀。
損益分岐点を抑え、BRB戦でお見事な活躍を見せた北選手。
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1-3から同点に追いついた世田谷フットサル戦で光った好判断。
パワープレーでポジションを取る右奥から抜群の機転で2得点を呼び込んだ岩田選手。 
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貴重なドリブラーのアラ、Fリーグで活躍した橋本選手。
吸いつくようなドリブルと食いついてから一瞬で相手と入れ替わるダブルタッチは健在。 
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動けないチームなだけに各自の意思疎通が大事とばかりに、ハーフタイム、タイムアウト、出番を待つ間にボードを手にコミュニケーション。
省エネが勝利の必須要件のベテランチームの生命線。
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パワープレーの場面ではゴレイロを石渡選手から坂口選手へチェンジ。
難波田選手もゴレイロユニフォームに着替えてのスリーショット。
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PK職人石渡選手を中心に歓喜の舞い。
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左右両足を起用に使い、高いフットサルIQと意表を突くプレーで闘魂を追い詰めた世田谷フットサルの菅原選手。
各カテゴリーで異彩を放つタレントを見れることも全日本予選の楽しみのひとつ。
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町田アスピランチ期待の新人。
若干18歳にして抜群のテクニックとパンチ力のあるシュートを持ち、U19代表にも選出される中村選手。
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闘魂戦で先制点を挙げた19歳の伊藤選手。
タイランド5で日本代表として3戦を戦い、プレスからのシュートでも存在感を発揮。
その後も継続して選ばれておりトップカテゴリーでも期待大。
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168cm/95kgでニックネームは長州。
ファニーなプロフィールながら俊敏な飛び出しも見せ、抜群の肩で前線にスローを投げ込む水谷選手。
見るほどにレベルの高さがうかがえる好タレント。
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東京都1部らしからぬ完成度を見せるクアトロと、よくコントロールされた攻守。
結果と若手育成両面でチームに貢献する名伯楽、町田アスピランチを率いる小川監督。

22 10月

2016/10/22(土) 全日本選手権東京都大会プレーオフ 立川泉体育館 『よーやく試合が終わったぜ!!』

2016/10/22(土) 全日本選手権東京都大会プレーオフ 立川泉体育館
 
美少年倶楽部 0-1 闘魂
世田谷フットサル 3-3 (PK3-2) ディアボロSPFC
フウガドールすみだバッファローズ 4-0 アトレチコ新宿
AOKING 4-5 ペスカドーラ町田アスピランチ

毎年3月の第2日曜日が決勝戦となる全日本選手権だが、サッカーの天皇杯に近いオープントーナメントであるこの大会は初夏から各都道府県の予選が始まる。
東京都予選の結果をチェックしていると、昨年に引き続き2000年代のフットサル黎明期のメインキャストが揃う闘魂(東京都リーグ3部)が昨年同様東京都予選プレーオフに進出していた。


8チームで争うプレーオフトーナメントは3位までが次ラウンドの本戦に進出。
今日の美少年倶楽部(東京都リーグ1部)に勝利すればあと2回のチャンスを得るということでこの試合の価値は非常に大きい。

フットサルはお互いがゴールに入れた回数を競う非常にシンプルなスポーツで、2カテゴリー上だろうと日本代表経験のあるゴレイロの石渡選手とピヴォの稲田選手、チームリーダーの難波田選手が揃うセンターラインを攻略するのは並みのことではない、と思いきやこの日は肝心要の難波田選手が欠席。
加えて北選手、岩田選手といったFリーグ、日本代表でも活躍したクオリティの高い3枚のフィクソが全員不在で、稲田選手、横山選手、川股選手とピヴォが3枚にフィクソが0枚というなかなかにエッジの効いた構成となった。

そんなチーム事情から普段はバランサーのアラである会田選手がフィクソを務める形で試合開始。

ベテランチームらしく自陣に引いてのディフェンスから、奪ってもカウンターではなく繋いで押し上げる遅攻と、Fリーグの浦安で活躍した新加入の長身ピヴォ、川股選手へシンプルにロングボールをつけて試合を進める。
緊張感のあるマッタリ運転が続いた前半半ばに自陣中央付近で稲田選手がボールをカットすると、意表をついたドリブルで一気に持ち出して川股選手にシュートパス。
これをファーへ走り込んだ川股選手がキッチリ決めて闘魂が狙い通りに1-0とリードし前半を折り返した。

後半も同じ展開が続くものの、体力が衰え出し、簡単に裏を取られることが多くなった味方の拙守のカバーに奔走する会田選手の疲労の色が濃くなる。
 
普段は冷静に損益分岐点を抑え、失策の少ないそつのないプレイヤーだが疲労からかなんでもないパスをミスし、ポイントがずれたトラップ、ドリブルを相手にアタックされる場面が続くものの、交代要員がいないこともありヘロヘロになりながらおおよそ16分(前半は約15分ほどで計31分)出ずっぱりでフロアに立つ。
そんな会田選手の認知範囲の広いディフェンスと、この試合でもゴールにしっかりと鍵をかけたゴレイロの石渡選手の好守、好連携もあり、見事重要なトーナメントのヤグラを一歩進めた。


以前、フットサルの面白さは何かというのを書いたことがある。


文中には、

①プレスラインの設定とプレス回避
②トランジションの強度
③練度とキャラクターのある2セット
④キックイン、フリーキック、パワープレーなどのデザインプレーの攻守

がフットサルの面白さであるとしたものの、闘魂の試合はベテラン勢(というよりベテランしかいない)の体力温存のためプレスラインは低く、トランジションはほぼない。
メンバーがバランスよく揃っているわけでもないので戦略的なセットチェンジもないし、強力なキッカーのズドンはあるものの、ベテラン故の共通知を活かしたセオリー以外のデザインプレーは皆無だ。

ただ、王道の面白味からは大きく外れているが、毎試合個性的な面々が主役を張るハラハラドキドキの連続で観ていてとても面白い。
今日の試合は普段はクールに試合を締める会田選手の青色吐息の表情とヘロヘロにボールを追ってのミスになんとも訴えかけるものがあり、試合終盤の美少年倶楽部の猛攻には『会田選手のためにみんな守ってくれ!!』と拳を握りしめてしまった。

前述の4つの要素は音楽で言うなら音程やメロディーラインといった学問的な部分と、その時々でフォーカスされるトレンドの部分であり、音楽的に『正しい』かどうかというものだろう。
 
大きな矛盾ではあるものの、正しさを追求した成果物は面白味に欠けるものが多々ある。
理論は非常に重要ではあるものの、感動を生むのは理屈ではなく感情を揺さぶられるかどうかにあり、詰将棋のように持ちカードを切る試合展開よりも不恰好でガムシャラな頑張りが胸を打つ一戦だった。

10/8に仙台で行われたオールスターは動きの多い試合展開の中、妙技を連発したボラ選手が喝采を集め見事MVPをさらった。
ブラジル仕込みのテクニックやイマジネーションももちろんだが、ボラ選手の試合をトコトン楽しんでるであろう笑顔は停滞感のあるFリーグの試合で欠けているものだったろうし、プレーもさることながら彼の無邪気な表情に魅力を感じた人も多いだろう。

プレーを通して喜怒哀楽を表現できるのはプレイヤーの特権だ。
 
笑顔もしかめ面も大いに見せてほしいし、よーやく試合が終わったぜっていう安堵の笑顔に、そういえばタフな残業や夜勤の後はあんな顔でビール買って帰ったな・・・、とどうしようもないことを思い出して共感する観客も少なくないはずだ。

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40分プレーイングタイムにも徐々に慣れ出した闘魂。
昨年は『疲れるから』という理由でやらなかった試合前のウォーミングアップを披露。
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J2の岡山→Fリーグの浦安のキャリアを持つ180cmの大型ピヴォの川股選手。
相手にサンドされた時に詰まる場面が多いので、早目に撃つ、はたくができれば大きな脅威。
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闘魂の看板ピヴォの横山選手と稲田選手。
この日は横山選手は川股選手をサポートするアラ、稲田選手はフィクソが主戦場。
稲田選手は意表を突いたスピードアップから迫力のある突破で川股選手の得点をアシスト。
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代名詞のダブルタッチでサイドを切り裂いた橋本選手。
個性的なダブルタッチの動画はこちら。
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膝を折り、味方の股の間からボールを追う石渡選手。
この試合では3vs1の場面でダブルニー(上体を起こして両膝立ちで床を滑る)でセーブするFリーグでもなかなかないプレーを披露し1-0の勝利に貢献。
毎試合、今が全盛期かと思わせる妙技を披露。
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闘魂の守備のダブルA面。
後半、ゴール前の接触プレーで『よっこらしょ』とばかりに立ち上がる石渡選手と会田選手。
フットサル界でリポビタンDのCMを撮るならこのふたりか。
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『ようやく終わったぜー!!』真っ白に燃え尽きたイイ表情の会田選手。
次戦は11/3(祝)。次回はフィクソが揃うか。
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勝者が闘魂と対戦することになる世田谷フットサルとディアボロSPFC。
ディアボロは26番の立花選手がボールを引いてからアウトで持ち出すドリブル突破で再三好機を作ったが、惜しくもPK戦で敗戦。
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左右両足を起用に使い、意表を突くプレーも光った世田谷フットサルの菅原選手。
フットサルIQの高いこの選手が引いた闘魂をどう崩すかも非常に楽しみ。
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トップチームでも出場経験のあるすみだバッファローズ(フウガドールすみだの下部組織)のNo32宗像選手とNo38三笠選手。
宗像選手は柔らかいテクニックと機動力、三笠選手はサイズとフィジカルに優れるフィクソ。
豊富な物量を持ち3セットで回すチームでそれぞれピッチ上の監督役を務める。
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こちらは163cmのゴレイロ、岸選手。
声がよく出る明るいキャラクターで小柄ながら止めまくった内山コーチの薫陶を感じさせる好素材。
トップデビューが非常に楽しみ。
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183cmの大型ピヴォ、日本代表にも定着しつつある清水和也選手の兄、清水誠也選手。
兄弟ダブルピヴォでのプレーも観たいところ。
13 3月

2016/3/13(日) 第21回全日本フットサル選手権 決勝トーナメント3日目 国立代々木競技場 第一体育館 『日本フットサル界の意地』

2016/3/13(日) 第21回全日本フットサル選手権 決勝トーナメント3日目 国立代々木競技場 第一体育館
◆3位決定戦
府中アスレティックFC 2 - 3 バルドラール浦安
◆決勝戦
ペスカドーラ町田 5 - 3 名古屋オーシャンズ

3/11(金)、12(土)、13(日)と3日間で行われる全日本決勝トーナメント。
準々決勝が行われた3/11(金)にミゲル・ロドリゴ日本代表監督の退任会見が行われた。
 
全文記事を読んだだけなので言外のニュアンスはわからないが、会見の冒頭に日本サッカー協会フットサル部門の責任者である松崎康弘氏が、W杯予選を兼ねたAFCでの敗退の理由をミゲル監督は今でもよくわからないと言っていると語ったが、組織のトップが部下の失敗の分析を『よくわからない』の一言で済まさせ、その理由を事象の発生から3週間後に初めて開かれた公式会見の場で発言する感覚は一般企業であればまずありえない。

在任時、ミゲル元日本代表監督はフットサルを『赤ちゃん』に例え、大事に育てていかなければ大人になれないということを度々口にしていた。
 
日本サッカー協会、ミゲル元日本代表監督とも『退任』の記者会見の場で『検証』や『本音』を語る必要はまったくなく、可能性は低そうだが裏でキチンと整理されているのであれば何も問題はないが、上記のくだりがお互いのコミュニケーションの全てであったのなら、競技レベル云々の前に、日本フットサル界のトップがフットサル先進国から来た指導者に対する姿勢が赤ちゃんであったこととの証左でしかなく、成功よりも役立つ失敗の経験が蓄積できたのかがわからないのがなんとも歯痒い。

2月のAFCでの敗退から紋切り型の退任会見と爪を噛むようなフラストレーションが溜まるトップカテゴリーだったが、2015/2016シーズンを締めくくる全日本選手権の3位決定戦、決勝戦は素晴らしかった。

リーグ戦の終盤ではプレーオフを賭けた7チームのデッドヒートから振り落とされた浦安だったが、全日本では若手、ベテランがチームとして見事にまとまる。
 
機を見てゴール前に侵入しての繊細なタッチで名古屋から2ゴールを上げた大橋選手をはじめ、三木選手、加藤選手が前からガッツリ追い回し、コンディションを回復させた星選手が捲土重来の活躍を見せる。

特に印象に残ったのがフロアに出ている選手がタイムアウトで戻ってくる際に、ベテランの小宮山選手がひとりひとりと握手をしながらベンチに迎えたていたことだ。
Fリーグの終盤では失点後に淡白なリアクションを示す印象があった浦安だが、フットサルに対する想いをリフレッシュし、ワンプレーに一喜一憂し、穿った見方をすれば消化試合の向きもある3位決定戦の勝利を全員で心底喜び、今期で引退を決めている面々が笑顔で肩を抱き合う姿がとても清々しかった。

Fリーグの1位名古屋、2位町田が舞台を全日本に変えて激突した決勝戦では、名古屋の強烈な個のチカラと、町田が1年をかけて熟成した練度の高いクアトロが激突。
 
中井選手、金山選手、篠崎選手が前から圧力をかけて押し込んでリードを奪うも、名古屋が毎試合恒例となったいけるかもという相手のムードに冷や水を浴びせる。

獲って獲られての最強決定戦は3-3から風貌に似合ったタイトなディフェンスと、風貌に似合わない華麗なドリブルシュートと優しいパスで金山選手、ボラ選手へのアシストを決めた森谷選手の活躍で後半33分に町田が5-3とリードを奪い、名古屋がパワープレーを開始する。

町田の5点目のゴールに繋がったカウンターの前のプレーで負傷した森岡選手がベンチに座り、今シーズンでの引退を表明している北原選手とペドロコスタ選手をフロアに送ってのパワープレーを町田が凌ぎきり、町田がFリーグ開幕後、初のタイトルを獲得した。

町田の選手達が狂喜乱舞の後にユニフォームで瞼を覆い、名古屋の選手はガックリとうなだれる。
周りに座る観客たちはいいものを見れたっていうキラキラした目をしていて、悪いニュースで終わりそうだった2015/2016シーズン最後の最後の大熱戦にフットサルも捨てたものじゃないなと思ったのは私だけではないはずだ。

これまでFリーグ9連覇と3年連続の3冠を達成していた日本唯一のプロチームである名古屋はその環境でフットサルへの愛情を示し、その名古屋を環境では劣る各チームが工夫や熱や意地でなんとか越えようと凌ぎを削る日本フットサル界。
 
今年は2012年(全日本で名古屋がバサジィ大分に敗退、シュライカー大阪が優勝)以来、3期振りに名古屋が国内3大タイトルを落とし、府中がオーシャンカップ、町田が全日本選手権のチャンピオンとして迎えることになる6/11(土)からの2016/2017シーズンの開幕が今から楽しみになってしまった。

だが、その前。

約1ヶ月後の4月22日(金)、24日(日)には日本が敗退したAFCを勝ち抜き、ワールドカップのチケットを手にしたベトナム代表、ウズベキスタン代表との親善試合が待っている。
ミゲル元日本代表監督はこれまでの路線を踏襲し、スペイン人の監督を後任に推しているそうだが、4月の2戦はシュライカー大阪を指揮する木暮監督が暫定的に指揮を執ることが濃厚との話もある。

ミゲル元日本代表監督の意向は否定しないが、紋切り型の退任会見とスペイン人の監督を後任にという話を聞いた後に、日本フットサル界の意地を結集したような大熱戦を見て、個人的には非常に燃えるものがあった。

オーシャンカップ、全日本選手権の決勝戦が象徴するように絶対王者名古屋を越えるために、各チームのスタッフや選手がスカウティングやその戦術の遂行に躍起になり、現在進行形で切磋琢磨をしている。
その経験は間違いなく選手の強化に繋がっているはずで、それは日本で選手として最も大成した木暮監督が誰よりも理解しているはずだ。

興行的な魅力に乏しく、結果を出したところで空しく映るかもしれない相手だが、もう一度、日本のフットサルここにありを示し、2月から続いた競技、組織、世間の関心など諸々のフラストレーションを一気にぶつけてほしい。
 
どういう経緯でこの2チームを選んだのかは決定事項のみしかリリースしないフットサル界ではまったくわからないが、ベトナム、ウズベキスタンは関係者、選手、ファン、すべてにとってそういう相手のはずだ。

とにかく素晴らしかった全日本選手権の決勝戦。
でも今シーズンはこれで終わりじゃない。

この高揚感を駆って木暮監督と彼が選んだ14人にまだ拭えない胸に残っているしこりを払ってほしい。


日本人チームを躍動させる 決断力の磨き方
ミゲル・ロドリゴ(フットサル日本代表監督)
カンゼン
2014-05-14

世界一わかりやすい! フットサルの授業
ミゲル・ロドリゴ(フットサル日本代表監督)
カンゼン
2012-09-24

 

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3連戦最終日の国立代々木競技場 第一体育館。
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「WORLD COMES 2020」
入口に設けられた2020年フットサルワールドカップ愛知招致のフラッグ
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リーグ終盤のチグハグさから一転、ギュッとひとつにチームがまとまった浦安。
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安定したセーブと、機を見てドリブルで持ち上がる足技。
独特なセンスで会場を沸かせた府中のゴレイロNo96クロモト選手。
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3日間を通じ、好セーブで名勝負を演出した浦安のゴレイロNo12藤原選手。
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浦安の小兵コンビ、No8加藤選手(左)とNo16三木選手。
加藤選手のアシストで三木選手がゴールを決めた後のベンチ。
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準決勝での名古屋戦ではスッとゴール前に入っての繊細なタッチでの2ゴール。
来シーズンのブレイク候補、No17大橋選手。
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危機迫る迫力を感じたNo9星選手。
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ベンチから試合を見つめる小宮山選手。
チームを盛り上げ、ひとつにまとめようとするベテランの姿勢はお見事でした。
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試合終了後に感極まる今シーズンで引退を表明しているNo2出浦選手、No16三木選手、No19高橋選手。
やりきった涙に胸が熱くなりました。
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名古屋対町田。Fリーグ1位、2位の対決。
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攻守にハッスルしたプレーが目立った名古屋のNo3北原選手と、町田のNo7金山選手。
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日本のエース、森岡選手のマークにつく若干21歳のNo20原選手。
シーズンを通して継続していた戦術の熟成と若手の起用がビックマッチの結果への伏線になりました。
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ベンチでコミュニケーションを取る名古屋のピヴォ、森岡選手とシンビーニャ選手。
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試合を彩った個性的なブラジリアン。
堅守を見せたイゴール選手、いやらしいドリブルで町田のゴールに迫ったセルジーニョ選手、ゴール前での決めの強さが光ったボラ選手。
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準決勝でのプレスで奪われての失点、決勝でのオウンゴールなど貧乏クジを引いた感のある名古屋のフィクソ、No5星選手。
守備力の高いフィクソとして日本代表での活躍も期待したいところ。
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新旧日本代表のフィクソ。北原選手と滝田選手。
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攻守に渡って1対1の強さを発揮し、試合を決める活躍を見せたNo3森谷選手。
日本で最も過小評価されている選手のひとり。
ゼヒ日本代表で見てみたい。
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試合終了後。勝って喜びを爆発させる町田と、肩を落とす名古屋。
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準優勝の名古屋。
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決勝点を挙げMVPに輝いた38歳の大ベテラン、金山選手。
年齢を感じさせない鬼プレスと無駄かもしれないファー詰めを繰り返し、観客を魅了し続けた気持ちの入ったプレーは感動の一言。
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並び順的に賞金目録を受け取ることになったNo2日根野谷選手。
我慢強く相手を抑える地味な役回りを果たしてのイイ笑顔に会場はホンワカした雰囲気になりました。
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優勝杯を受け取る森谷選手。素晴らしい活躍でした。
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11 3月

2016/3/11(金) 第21回全日本フットサル選手権 決勝トーナメント1日目 国立代々木競技場 第一体育館 『2011年、2016年、2022年の3月11日』

2016/3/11(金) 第21回全日本フットサル選手権 決勝トーナメント1日目 国立代々木競技場 第一体育館
府中アスレティックFC 3 - 2 シュライカー大阪
バルドラール浦安 2 - 1 デウソン神戸
フウガドールすみだ 1 - 3 ペスカドーラ町田
エスポラーダ北海道 3 - 4 名古屋オーシャンズ

2011年3月11日。
第16回全日本フットサル選手権 決勝トーナメント1日目 代々木第一体育館。

第2試合が終わり、第3試合の花巻VS湘南戦のアップ時間。
はじめは僅かに揺れを感じる程度の違和感だった。
どこからかシンシンという音が聞こえ、その後、徐々に音が大きくなる。

天井を見上げると天井についているファン状の板が大きく揺れていて、音の正体は板同士が激しく強くぶつかりあうものだった。
シャンシャンという無機質で大きな音を聞きながら、各自が天井を見上げ、不安げな表情で顔を見合わせる。
事態の異常さに気付いた瞬間、席を立ち、出口に向かって走った。
床が大きく揺れて、壁から異音がして、静止の声を挙げる係員にも出口に向かうよう叫びながら、ぐらつく床を無心で蹴る。
転がるように会場を出て、代々木第一体育館を見上げると、初春の空は変わらずに澄んでいた。

毎年3月の第2金曜日に国立代々木競技場 第一体育館で開催される全日本フットサル選手権決勝トーナメント1日目。
この日はなんとなく天井を見上げてしまう。
ファン状の板と、中央にある立方体は、私にとって突然現れる得体の知れない恐怖と、なんとなく続く日常の価値の象徴だ。

震災から5年が経ち、5年前と同じ金曜日の3月11日。
席に座りぼんやりと会場を眺める。
選手は熱い試合をしていて、客足はまばらで、ある種牧歌的な決勝ラウンド1日目は続いて行く。

次に3月11日が金曜日になるのは2022年。
全日本選手権のスケジュールがこのままなのかも、自分がフットサルに興味を持ち続けているかもわからないし、自然に対して自分ができることはまったくない。
 
それでも毎年、3月の第2金曜日に代々木体育館の天井を見つめて、2011年3月11日に起きたことを思い出し、関心を持ち続けるキッカケにし続けることは続けたいと思う。

フットサルのことは少し忘れて、今、何気なく過ごしている日常を考える。
全日本決勝トーナメント1日目は私にとってそんな1日になっています。
 









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文中の天井の板と立方体。
この板が左右に大きく揺れ、シャンシャンという音を立てていました。
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4月に行われる日本代表戦を指揮すると噂される大阪の木暮監督。
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木暮チルドレンとも言うべきタイプの異なる個性的な若手達。
独特なリズムのドリブルが持ち味のNo26加藤選手と、攻守に堅実なNo18田村選手
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機械仕掛けのパス&ムーブから試合を決める大駒。
2016年のFリーグ得点王・MVPのNo10ヴィニシウスと、No5アウトゥール。
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定石、奇策と変化に富んだ木暮采配を象徴するゴレイロNo1宮竹選手。
ケガをした左手をかばうために左手のみにグローブを装着する姿に初期のUFCを思い出したのは私だけでしょうか。
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終了2秒前に勝ち越しのパワープレー返しを決めた府中のゴレイロNo96クロモトと、今期で引退を表明している宮竹選手の抱擁。
残酷で、美しい勝負の世界のコントラストに胸が熱くなる。
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第2試合のキックオフ前。
2011年3月11日 14時46分に起きた東日本大震災に向けての黙祷。
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今期限りでの引退を表明しているNo19高橋選手。
出場時間は短いながら正確なプレーはさすがの一言。
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前半のハイ・トランジションな流れを活かせなかったすみだ。
同じく今期で引退を表明している明るく、溌剌としたすみだの象徴、No3金川選手。
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前半4分、6分に連続ゴールを上げたNo9十川 祐樹。同じく同一セットで出場するNo室田 祐希。
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前に出る判断と好セーブ、感情が高まった場面での地団太に好感が持てるNo1関口選手。
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今期引退を表明しているNo3北原選手、No14ペドロコスタ選手(来シーズンから名古屋の監督就任が決定)、今期で契約終了となるNo9森岡選手
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2点のビハインドから個の力でAFCでの失地回復の2得点を上げた森岡選手。
28 11月

2015/11/28(土) 全日本選手権 東京都決勝大会 葛飾総合スポーツセンター 『いつ終わってもいい夢みたいなもの』

2015/11/28(土) 全日本選手権 東京都決勝大会 葛飾総合スポーツセンター 
ゾット早稲田 3 - 1 闘魂
BRB 5 ー 5(PK 4 - 5) FUTURO
ファイルフォックス府中 4 - 3 府中AFCサテライト
町田アスピランチ 7 - 4 カフリンガ東久留米

2013年4月の引退宣言から2年半。
晴天の霹靂のように突如再登場したディベルティード八王子戦を見てからの2ヶ月弱、難波田選手本人が語った『いつ終わってもいい夢みたいなもの』になんだか熱くなった。

◆2015/10/10(土) 第21回全日本フットサル選手権 東京都大会 『希代のロックスター』

◆2015/11/3(火・祝) 第21回全日本フットサル選手権 東京都大会 『夢中の価値』

口ではいつ終わってもいいと言いつつも、やる前から負けるなんてことは微塵も考えず、結果を出すために全員が行動する。
そんなベテラン達の今日の対戦相手は実質5カテゴリー上になる関東1部のゾット早稲田で、ここを突破すれば全日本関東予選進出という大快挙だ。

総力戦を避け、ゴレイロの石渡選手を中心とした堅守で守り、体力を温存しての遅攻から難波田選手のミドルシュートや、稲田選手のピヴォ当てといった局地戦に活路を見出すこれまでの3試合のゲームプランに反し、会田選手、一木選手が縦に推進するアクティブなフットサルを見せると、前半9分にファイルフォックスで活躍した佐藤選手がエリア内で倒されて得たPKを、日本代表経験のある岩田選手がズバリと決めて闘魂が先制する。

観客席からアップセットを予感させるざわめきが沸き起こるものの、すぐさま左キックインからニアの選手が絡んで流したところを関東リーグを代表するエースの1人、米谷選手がアウトサイドで冷静に引っ掛けて名ゴレイロ石渡選手のタイミングを外して同点に追いつき、このまま終了と思われた前半終了間際、コーナーキックをニアで受けた選手が、フリーの選手をチョイスして中に落とすデザインプレーから武内選手がプッシュ。

ゾットが得意のセットプレーで逆転し、前半は2-1で終了した。

後半5分。
闘魂石渡選手、ゾット渡邊選手の両ゴレイロが締まった1点差ゲームを演出する美技の競演を見せるものの、ベテラン故にスピードに弱い闘魂ディフェンスを加藤選手が高速ドリブルで振り切ってのシュートパスを松田選手がファーで合わせて3-1とすると、闘魂は後半11分からパワープレーを開始する。

東京都のオープンリーグ(競技系チームで最下層のカテゴリー。実質東京都4部に該当)で活躍する闘魂が、20分プレイングタイムかつ屋内フロアコートで試合をすることはまずない。

今日、観客が入る葛飾スポーツセンターで試合をしているのは、玉石混合のオープントーナメントをひたすらに勝ち抜き、勝ち抜けばどのチームにもチャンスがある全日本だからこその光景であり、リーグとしては東京都2部までは観客席のある会場で試合が行われることはないだろう(年度ごとに1カテゴリーずつの昇格となるため東京都2部でのリーグ参戦は最低でも2017年)。
 
これで負ければ奇跡のような快進撃を続けた闘魂劇場は終了するという刹那感の中『いつ終わってもいい夢みたいなもの』という言葉を思い出す。
それは試合を見つめる観客にとっても同じことで、いい年のオジサン達が夢のために全力を出す姿を見るのはとても気持ちがよかった。

終盤、試合は接触プレイを巡って荒れ模様になり、老獪な闘魂相手に冷静にゲームを進めていたゾットも熱くなる。
 
普段はテクニシャンながら適切な球離れの判断をする米谷選手が止めを刺さんとばかりの執拗なドリブルから4点目を狙いに行き、終盤は指揮に専念した清野選手兼監督が、判定で一悶着あった後にイラつきを隠さず憮然とした表情で試合を見つめる一幕があった。
 
良くも悪くも爽やかな若者たちで構成され、喉越しや読後感の良さが目立つようになった関東リーグ。

試合展開を読んでの局地戦や、審判を巻き込んでの老獪な駆け引きを見せる闘魂は、かつて難波田選手が抜群の存在感で牽引していた、勝ちたがりで個のアクが強いファイルフォックスと対戦する各チームとのヒトコマを彷彿させるものがあり、なんだか微笑ましかった。

観客にも対戦相手にも普段と異なる緊張感とテンションを要求した一戦は、このまま3-1で終了し、闘魂の快進撃はこれで打ち止めとなる。
もっと見てみたいという想いは残ったものの、闘魂の面々も素直に夢の終わりを受け入れ、彼らの夢を介錯したゾットもどこかホッとした表情だったのがとても印象的だ。

闘魂の面々は黎明期にこそFリーグで活躍したものの、競技者の旬としては不幸にもややはずれた選手たちだ。
それでも観客たちの視線を釘付けにし、フットサルファンの話題に上る。
あの時熱中したあの選手をもう一度見るのは誰にとっても嬉しいことだったろうし、嬉しいのはその選手のこれまでを知っているからであり、その『これまで』は決して恵まれているとは言えないフットサル界をひとりひとりが少しずつ広げながら駆け抜けてきてくれたからだ。

普段はどこか俯瞰だったり一歩引いて試合を見ているが、この試合にとても感情移入し、熱くなり、試合終了間際、気がつけば痛くなるほどに右手を握っていることに気づく。

Fリーグが開幕して8年が経ち、9年目も終盤に差し掛かるものの、未だブレイクの兆しは見えない。
それでも続けることに価値があるはずだし、熱くなる姿を必ず誰かは応援してくれている。
それだけは確実に言えることだ。

かつて『闘将』と呼ばれ、今はフットサル界の問題点を鋭くコメンテイトし『フットサル界のセルジオ越後』と呼ばれたりもする難波田選手。
喜怒哀楽の塊のようだった現役時代からいくらか『怒』は削ぎ落とされ、フロアの上を歩く姿を追うと髪にもどこか白いものが見える。

彼が座長となって率い、突如としてフットサル界にムーブメントを巻き起こした闘魂劇場は3日、4公演で幕を閉じた。
一度はそれぞれの理由でケジメをつけたフットサルに、それぞれの立場でもう一度向き合ってくれた彼らの夢に心からありがとうと言いたい。

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闘魂と対戦するのは5日前に13-2で敗れたブラックショーツを10-2で破り意地のリベンジを果たしたゾット。
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今日はベンチからのスタートとなった闘魂の発起人、日本フットサル界のアイコンの1人、難波田選手
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闘魂のゴレイロNo12石渡選手と、ゾットのゴレイロNo1渡邊選手。
Fリーグ、関東リーグでも凌ぎを削った間柄。
安定感のあるセーブで締まった試合を演出しました。
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前半一気に押し込み先制点に繋げた闘魂。
縦への推進力を作ったNo8会田選手、No15一木選手。
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ゴール前で脅威になり続けたNo11稲田選手と、殊勲のPKを獲得したNo3佐藤選手(写真下・右)
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闘魂の先制PKの場面。キッカーは日本代表、湘南、ファイルフォックスで活躍したNo7岩田選手。
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2-1で迎えたハーフタイム。
集中して話を聞く闘魂メンバーとゲームプランを説明する難波田選手。
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同点ゴールを決め、終盤意地をむき出しにしてトドメの4点目を狙いに行ったゾットNo22米谷選手と、稲田選手をはじめとした闘魂のピヴォを抑えたNo5丸山選手。
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3-1。残り9分からNo10難波田選手をゴレイロにしての闘魂のパワープレー。
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パワープレー中の接触プレーから一触即発の事態に発展した終盤。
ここ数年の関東リーグでは見られなくなったこういう雰囲気をなんだか懐かしく感じてしまった。
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試合終了後、観客席に挨拶をする競技系チームのゾットと、記念写真を撮るサークル活動の闘魂。
今のフットサルとの関わり方が現れたリアルな一幕。
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こちらもレジェンドの1人、40歳で関東2部を戦うフトゥーロNo5上村選手。
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BRB躍進の立役者、No11直江選手とNo99佐藤選手。
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府中サテライトで光る動きを見せたNo5日永田選手。
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難波田選手引退後のファイルフォックスを引っ張り、関東リーグを制覇。
選手兼監督としてFリーグに数々の選手を送り込む名伯楽。
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昨年、ファイルフォックスで関東リーグを制し、今年は再度Fリーグに挑戦する瀬戸選手。
アスピランチで存在感のある活躍を見せています。
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昨年、全日本で準優勝をした神戸からアスピランチの監督に就任し、今年多くの選手をトップチームに昇格させた小川監督。
今日の試合でもトップの岡山監督が見に来るなど、トップ、サテライトの連携、雰囲気の良さが伺えます。 
3 11月

2015/11/3(火・祝) 第21回全日本フットサル選手権 東京都大会 『夢中の価値』

2015/11/3(火・祝) 第21回全日本フットサル選手権 東京都大会
◆準々決勝
BRB(東京都1部) 3 - 0 闘魂(東京都オープンリーグ)
十条FC(東京都2部) 0 - 9 ペスカドーラ町田アスピランチ(東京都1部)
◆3位決定戦
闘魂 4 - 1 十条FC

4チーム負け残り、1勝勝ち抜けのトーナメントで争われる全日本選手権東京都決勝大会プレーオフ。

9人で試合に臨んだ闘魂は開始から3カテゴリー上のBRBを相手に、開始早々から難波田選手をゴレイロに置いたパワープレーを仕掛け、長らく女子フットサル界を牽引してきた宇津木選手を起用するというトコトンエッジの効いた試合を見せた。
 
試合は前半を1-0で折り返し、ロースコアの接線に持ち込むも、後半17分に佐藤選手が3-0となるパワープレー返しを決める。
おそらく初戦に疲労を残さず、2戦目での勝ち抜けを狙っていたであろう闘魂。
カウンターの場面でも前に出ず、パワープレーでの遅攻で省エネに徹していた彼らだが、ここからの3分間、意地になって前から詰める姿を見せる。

結果的には質量ともに十分な12人を揃えたBRBが闘魂をシャットアウトしたものの、経験豊富なベテラン達が燃費計算だけではないギラついたものを見せる姿に私も思わず前のめりになった。

トーナメント別山の十条FCと町田アスピランチの対戦中、以前SNSで闘魂の記事をシェアしていただいたこともあり、難波田選手にご挨拶をさせていただいた。
40分間続けたパワープレーのことを指してつまらない試合をしてしまって申し訳ないという謝罪の言葉に始まり、2戦目は初戦にいなかった稲田選手、石渡選手が来るので狙いに行く、という話を聞き大いに高ぶった。
今日勝てば次は関東1部のゾット早稲田との対戦ですね、と高ぶった余勢を駆って問いかけると、なんとも闘将らしい言葉が返ってくきて、今日一日、私はこの言葉が頭の中で巡ることになる。

十条FCと町田アスピランチの対戦は7人の十条FCを12人の町田アスピランチが0-9と一蹴し、16時からの3位決定戦は闘魂と十条FCに決まり、インターバルとなった13時過ぎから15時までの間、持っていた本を読んで過ごしていると、それぞれの事情で一戦目を欠場した闘魂と十条FCのメンバーが徐々に集まりだす。

最終的に闘魂は12人(内ゴレイロ2人。宇津木選手は登録を外れる)、十条FCは9人(内ゴレイロ1人)での試合となり、試合は前半10分にハーフラインで相手のボールを奪った難波田選手が独走してのゴール&シャウト。
前半終了間際に稲田選手が右サイドの角度の無いところから豪快に反転ボレーを突き刺し、自陣第2PKあたりでルーズボールを拾うと、前に出ていた十条FCの頭上を抜く超ロングシュートを決め、闘魂が前半を3-0で折り返した。

後半5分。
不用意なファウルでのフリーキックを十条FCがクイックリスタートで沈めて3-1とすると、ここから闘魂がガクッと落ち込む。 
若い十条FCがラインの間を利用した攻めで押し込むと、前に強いベテランが後ろ向きで相手を追うことが増え、4度全日本を制した難波田選手がベンチから激を送り、長くFリーグで活躍した一木選手が苛立ちの声を上げる泥仕合になり、前回、ドラマチックな逆転劇を演じた彼らは、今日は逃げ切りに腐心することになった。

ふと難波田選手の言葉を思い出す。
「俺たちのこの大会はいつ終わってもいい夢みたいなもの」
今日勝てば次は関東1部のゾット早稲田との対戦ですね、という私の問いかけにこう返し、その後、
「(競技レベルとして)価値のないものかもしれないけれど(3位決定戦も見てみてほしい)」
と続けた(カッコ内は私の解釈で行間を補完したもの)。

第1試合では長らく女子のトップカテゴリーで活躍した宇津木選手が試合に登場し、ゴレイロスロー見事に収めて起点になったかと思えば、サイドの攻防ではスライディング2連発で相手のシュートをブロックし会場の喝采をさらう。
腕に障害を持つ十条FCの屋宮選手は、肩と額を上手く使って背中で押してくるピヴォに対応する。

そんな姿を目にし、思い浮かべ、ふと自分にとっての夢とは何だろうと考える。
1ヶ月、2ヶ月先の締め切りや、年度目標の達成を目指すことはあっても、今自分に明確な夢というものはない。
誰かが言った目標とすり替えたものを夢とは言わないし、明確に思い続けなければ夢を意識することもなくなるのだろう。

夢中というものは特権だ。
いつ終わってもいい夢に夢中になり、その価値を自分自身で決めている彼らがとても羨ましくなった。

活きのいい十条FCの若者たちの食いつきに肝を冷やした闘魂は、一木選手、横山選手、稲田選手、難波田選手のセットで建て直しにかかる。
隅に選手を配して相手のプレスをいなし、最後は難波田選手の縦パスを横山選手が軸足裏を通すバックヒールでゴールに流し込んで4-1とすると闘魂ベンチは息を吹き返したように一気に盛り上がり、残り5分で再び3点差となった十条FCも意地の追い上げを見せるものの試合は4-1のまま終わった。

わかりやすい逆転劇ではなく、ハラハラする撤退戦という演目で今日も会場を沸かせた闘魂劇場。
今年の全日本選手権の関東予選は東京で行われるため、次の試合に勝てば関東予選進出が決まり、関東予選で3勝を上げれば全国大会出場が決まる。
さすがにそこまで夢が続くかはわからないが、いい夢ならわざわざ覚める必要もないだろう。

夢中というものは特権だ。

Fリーグで、日本代表で活躍したものの一線を退いた選手で構成された闘魂。
トップカテゴリーではあるものの、実業団でもプロリーグでもないマイナースポーツであるフットサルの引退の理由はきっと様々で、競技レベルの衰えというスポーツ界での一般的な理由よりも、経済面、モチベーション、生活の安定ということのほうが多いのではと思う。
一度はそれぞれの理由でケジメをつけたフットサルにもう一度向き合う彼らのフットサルへの想いはとてもフレッシュで、いい年のオッサンたちがそれぞれの立場でもう一度夢と向き合う姿を見るのはとても清々しい。

ステージを纏める難波田座長が発した言葉を思い出す。
夢のために頑張る姿はいつだって観客の心を打つものだ。

かつて『闘将』と呼ばれ、今はフットサル界の問題点を鋭くコメンテイトし『フットサル界のセルジオ越後』と呼ばれたりもする難波田選手。
今のフットサル界に閉塞感を感じている選手や関係者、物足りなさを感じているファンはぜひ彼と闘魂劇場を見に来てほしい。
 
そこには人を動かす感情があり、忘れてしまっているかもしれない熱を、夢を思い出させるものが確かにある。

※東京都決勝大会は11/28(土)葛飾スポーツセンターで開催されます。

※同大会準決勝の闘魂について
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上中里駅から徒歩5分ほどにあるフットサル界の古刹、滝野川体育館。
道中は四季で景色が変わる風情のある坂道。
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BRB(赤)対闘魂(白)
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試合開始前の時間でゴレイロユニフォームを手に持ってゴレイロのアップをする、No10難波田選手。
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ファイルフォックス、カフリンガで活躍したNo99佐藤選手。
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見事なカットインシュートで先制点を挙げるも、自らのシュートのブロックが額を直撃し、退場した直江選手。
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気の利いた繋ぎと仕掛けを見せたNo4中沢選手。
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パワープレーでは主に左右の角に入り、折り返し、ファー詰めを狙ったNo6宇津木選手。
要所を見極めて攻守に光ったプレイを見せていました。
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東京都選抜でも活躍した町田のNo5瀬戸選手と、No15宮崎選手
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町田の横断幕のセンスは毎回お見事です
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7人のメンバーで町田戦を戦った十条FC
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文中に登場する十条FC、No12の屋宮選手。
スキルも高く、非常に印象に残る選手でした。
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2戦目から登場の大阪、すみだで活躍したNo15一木選手と浦安等で活躍した11番稲田選手、No18平塚選手。
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フィールドプレイヤーのユニフォームを着るNo10難波田選手。
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守りの要、No5北選手。
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本日の防球柵(?)
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3-1となった後、リズムの建て直しに一度はパワープレーを選択するも、その後4人での展開をチョイス。
ここでの凌ぎ方が勝敗を分けました。
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勝利後の闘魂ポーズ。
各メンバーの温度差が微笑ましいです
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