5/25(金)のオーシャンカップから2018年シーズンが開幕ということで、ざっくりとリーグ戦の順位予想をやってみました。
(予想はプレーオフによる入れ替えを加味しないリーグ戦33試合の順位)
1位:名古屋(±0)※()は昨シーズンの順位との比較。文中敬称略
何の面白味もないが1位予想は名古屋。
質量ともに十分な日本人選手に個で差を生む外国人選手が決定的な仕事を40分継続できるのはこのチームだけ。
長所:昨年5月に重傷を負ったペピータが戦線復帰し、駆け引き上手のピヴォのヴァルチーニョと、左利きのドリブル系アラのルイジーニョの当たり外国人は今季も健在。
外国人3人+篠田/関口/酒井/星龍太/安藤/星翔太/西谷/吉川/八木/齋藤/橋本ら日本代表経験者11人でメンバー入り争いできることが名古屋の競争力の源泉。
短所:引いた相手を崩すための視野や緩急、意外性に長けたラファが離脱(全治1年の大怪我)。引き分け試合が少々増えそう(昨季は27勝1分5敗)。
AFCではチームで最も長い時間ピッチに立ち、全日本では準決勝の湘南戦でロドリゴを封じたディフェンスでのステップワークが光った。
地味なミッションを遂行する仕事人だがシーズン15ゴールは欲しいところ。
AFCも控える今季、常勝名古屋の監督には結果と得点の取れる日本人選手の育成をお願いしたい。
2位:町田(±0)
2016年の全日本優勝、2016、2017年のFリーグ準優勝が示す通り、競争力、若手の出場時間、観客動員数、スポンサー数を着々と伸ばしてきた町田はFリーグの健康優良児。
F最高練度の美しいクアトロを誇る町田だが、ゴール後に看板を蹴る中井選手、突然プッツンするダニエルサカイ、試合中のお口が過ぎる室田選手や日根野谷選手らのオラつき具合も少々目につく。
勝って注目されることが選手の自覚も促すはずで、今季の町田は結果と合わせてピッチでの振る舞いにも注目だ。
長所:補強が的確。
左利きが2人入るのが理想とされるクアトロを採用する町田でFリーグ通算235ゴールのヴィニシウスとブラジル人助っ人のアウグストという2人の左利きの獲得は理想的。
左利きが2人入るのが理想とされるクアトロを採用する町田でFリーグ通算235ゴールのヴィニシウスとブラジル人助っ人のアウグストという2人の左利きの獲得は理想的。
短所:ケガが増えてきた森岡やイゴールら実力上位のベテランの出場時間のコントロール。
活きのイイ若手を活かしたハイプレスでボール奪取して先制→クアトロでゲームをコントロールという試合を多く作れるかがカギ。
ボールへの執着心やゴレイロをギリギリまで見てシュートを打つ落ち着きなど、スピードだけでない異能のアラとして存在感を放つ中井。
メンバー争いが激しくなりそうな今季は出場時間とゴールを稼ぎ、日本代表の出場キャップを得たいところだ。
3位:湘南(±0)
ビジュアルにエッジの効いた奥村監督、監督から41歳でコーチ兼任で現役復帰を果たした横澤アナリストプレーヤー、日本代表でもシェアを伸ばした個性豊かな選手たち、熱いサポーターが繰り広げた少年マンガのような快進撃は暗い話も多かったFリーグ11年目に生まれた清涼剤。
例年調子の波が激しい印象だったが昨年は、
第1クール:8勝0分3敗(勝点24)
第2クール:7勝0分4敗(勝点21)
第3クール:8勝1分2敗(勝点25)
と安定した成績を残しており、相模湾から発生し、Fリーグのメインステージに上陸した湘南の高気圧は今季も勢力維持と見ていいだろう。
長所:個で差を生む外国人&質量ともに十分な日本人の布陣は東の名古屋。
小門、植松、佐藤ら若手の伸び代も◎。
小門、植松、佐藤ら若手の伸び代も◎。
短所:ロドリゴ、フィウーザらが欠場した際の決め手に不安あり。
ロドリゴがいないセットの練度やテーマ作りが今年と同様、次のステージへの課題か。
わかっていても止められない初速と強烈な右足シュートで決定的な仕事をするロドリゴは、リカルジーニョ以来の組織や戦術を個で破壊する1.5倍速プレーヤー。
彼のガッツポーズの回数がそのまま湘南の勝ち点に直結する。日本代表に定着しそうな小門のボンキュボンとした背中→腰→尻のラインはフットサル界のグラビアキング。
腰&尻のボリュームを活かしてキープ→シュートの型稽古をガンガンやって自分のフィニッシュホールドを身に着けてほしい。
4位:大阪(+1)
昨季は2016年に猛威を振るったアルトゥールのフィジカル/メンタル両面での燃え尽き感が非常に目についた。
おそらく今季が契約最終年のはずで、チーム1の影響力をもつ彼を比嘉リカルド監督が懐柔できるかが順位に直結しそう。
若手育成、結果の両面で確かな成果を残した木暮監督からチームを引き継いだ比嘉リカルド監督は選手から露骨に比較されることになるはずで、結果が出なくなった時に監督以上の実績を持つ選手たちをどう御するかに彼の真価が問われることになりそうだ。
若手育成、結果の両面で確かな成果を残した木暮監督からチームを引き継いだ比嘉リカルド監督は選手から露骨に比較されることになるはずで、結果が出なくなった時に監督以上の実績を持つ選手たちをどう御するかに彼の真価が問われることになりそうだ。
長所:ピヴォにチアゴ/相井/芝野、アラに加藤未/小曽戸/稲田/堀米、フィクソにアルトゥール/田村らの大駒が揃っており、ベストマッチを見つければ通算235ゴールを挙げたヴィニシウスの穴も気にならない破壊力がある。
短所:上位陣ではレベルの落ちるゴレイロ。
大阪の暴君、アルトゥール。
パワーに目がいきがちだが、正確で超スピードのインサイドと、振りが極小の低空トゥーをシチュエーションごとに使いこなすキックの達人でもある。
ド派手なゴールシーンと合わせて、なぜこのキックを選択したのかに注目してみてほしい。
5位:すみだ(-1)
毎年走力に富んだキビキビとした若手が登場するすみだ。
F昇格4年目でそろそろタイトルが欲しいところだ。
長所:チームで利用できるすみだフットサルアリーナという箱モノが完成したことによる、夜→朝練習への転換。
1~4位に挙げたのはいずれも朝練習がメインのチームで通年の疲労度には大きな差が出る。
2016年、ワールドカップ中断前まで優勝争いを繰り広げるも失速した原因には疲労があったという声もあり、目立った補強はないものの環境の変化によるコンディションの安定は大きな武器になるだろう。
短所:トランジション攻撃以外の選択肢の少なさ。
典型的な先行逃げ切りのチームで、先行されて守備を固める相手を崩す定位置攻撃の型や精度は3年間改善できていない。
清水、大園らの若い強シューターを囮に、トリッキーなゴールを量産したいところだ。
6位:府中(±0)
リーグ初のホームアリーナ使用禁止という憂き目にあった府中は、新天地に駅チカ、大規模商業施設チカという好立地の立川立飛アリーナを確保。
新スポンサーに株式会社立飛ホールディングスを加えた体制面の強化は長期視点では利ありで、新たなフットサルファンの獲得に期待したい。
長所:昨年ブレイクした内田に加え、昇格の丸山、湘南から上村、北海道から酒井らが加入。人材流動性が低く、高齢化が続いていたトップチームの陣容が一気に若返り。
これまでの大型選手を揃えてサイズで競技力を担保するチームカラーは一区切りで、新スタイルへの転換を計るには十分な役者が揃った。
短所:駅から徒歩15分の昭和的なアリーナに毎試合1,000人以上集まっていた観客が立川立飛まで来てくれるか。
地域密着型の色が濃いチームとアリーナだっただけに新天地での集客営業は必須(もちろん新規取込のチャンスではある)。
左サイドでアイソレーションを作ってからの仕掛けはスコアメークの生命線。
振り向き、ミドル、1vs1と多彩なゴールパターンを披露したが、一番の成長はゴレイロが動くまで見れる&待てるようになったこと。
そこから生まれた隙間に流し込む技術とセンスはピカイチ。
そこから生まれた隙間に流し込む技術とセンスはピカイチ。
全日本準々決勝の名古屋戦で、星、安藤といったフィジカル自慢相手に堂々と渡り合ったピヴォの丸山。
体とプレーのスケールが大きい選手でなぜこの選手が埋もれていたかが不思議。
来期のブレイク候補。
7位:大分(+5)
名古屋を首の皮1枚まで追い詰めた2013年シーズンを境に順位を落とし続けたチームは昨年ついに最下位へ。
絶対エースの仁部屋が離脱したが、府中、大分でチームをプレーオフに導いた熱血漢の伊藤監督が就任。選手のネームバリューに反して結果の出ない状況が続いているチームの建て直しに期待大。
長所:シンプルな戦術を遂行させるのに長け、Fでも数少ない選手をシメれる伊藤監督の就任でチームの雰囲気は一気に変わりそう。
昨シーズン目立ったピッチ上で迷子になる選手がいなくなれば躍進の目は十分で、今シーズンのジャンプアップ候補。
短所:名古屋に次ぐ資金力があると言われている割にはもう一声欲しいような補強が続いている。
今オフは名古屋のルイジーニョの獲得が噂されていた(全日本優勝後にルイジーニョが胴上げされていることから退団→移籍が濃厚だった)がその後、名古屋に残留が決定。
金銭とプラスして『大分でフットサルをしたい』と思わせるような魅力の創出を継続的に取り組みたい。
ワールドカップに縁のない悲運の天才ドリブラーの復帰を静かに待ちたい。
8位:浜松(±0)
昨シーズン8位と健闘した浜松。
フィネオとジョンレノンの外国人が退団となったが貢献度はそこまで高くない、ベテランと若手のバランスの良さ、昨年7勝したことによる勝グセは今季も継続と考えてこの評価。
長所:常勝名古屋から加入した中村、前鈍内の経験により、浜松の悪癖だった悪い時間の耐え方が大きく改善。
我慢負けでフイにしていた細かい勝ち点の回収が躍進の原動力。
短所:ピヴォの不在。テクニックのあるアラが多いため、軸になるピヴォがいればよりアラが活きる相乗効果が見込める。前線でチームに時間を与えられるピヴォの獲得を急ぎたい。
常勝名古屋から加入した前鈍内と中村は結果よりも楽しさに傾倒しがちな浜松愚連隊の模倣フットサラー。
ふたりのコンピテンシーの波及がこれまで浜松になかったフォアザチームのベースになるはずだ。
9位:浦安(-2)
中島、荒巻、星、岩本らのベテランが一気に抜け、スペイン代表としてW杯、欧州杯で優勝経験のあるリケル監督が就任した新生浦安。
20代中盤~後半の中堅組が思ったほど出場時間を伸ばせていなかったこともあり、かつての強豪チームもまずは中位確保が現実的な目標になるだろう。
長所:半強制的に若手にシフト。現時点で30歳以上のフィールドプレーヤーはディドゥダのみ。
中島、荒巻、星らが占有していた勝負際での経験に不安はあるが、チームの勝敗を任せられることになった選手たちのモチベーションは高いはず。
短所:平日の練習時間帯が夜間であること。夜練習で年間33試合、長丁場のリーグで上位に食い込むのはコンディション維持の面で難しいことはリーグの順位表が証明している。
若手を引っ張る鬼教師役が濃厚なディドゥダ。
33節終了後の浦安スクールウォーズ最終回は生徒たちと笑顔の大団円を迎えたい。
10位:仙台(-1)
これまで不在だったチームの軸になる外国人トリオを獲得し、彼らの活躍で勝ち星を伸ばした昨シーズン。
外国人は地味アラのマルロンを残して退団となったがが今季はどうなるか。
長所:ホセ・フェルナンデス監督のニーズに応えられそうな、荒巻、関らスペインフットサルのエッセンスを知る選手の加入。
ピヴォの堀内選手の日本代表選出など、他チームではチャンスの少ない選手が出場時間を与えられることで成長する弱いチームならではの伸び代に期待。
短所:トップリーグでの競争力のあるメンバーは1.5セット分。
助っ人外国人を呼ぶ余力があるなら早めに獲得したい。
セーフティなパスラインの確保や、ライン間での選択肢作りと府中でシブい動きを見せていた関。
出場時間が伸びそうな仙台では意外にも強力なミドルシュートでゴールを狙う機会が増えそう。
11位:Fリーグ選抜(-)
自主降格を選んだ神戸と入れ替わる形でアラ・トウー世代の有望株がF1に突如参入。
『Fリーグに出場する』から『Fリーグで活躍する』に目標が変わった14人の若者たちは33試合で確かな自信を掴めるか。
長所:体制面の充実。
オーシャンアリーナという練習環境が確保されており、定期的に名古屋トップ、サテライト、東海リーグの強豪との練習試合も多々あるはずで、監督も名古屋のバックアップを持つ高橋優介氏と他のFクラブと比べても環境はトップクラス。
1芸に秀でた選手が多く、モチベーションも高いはずで、ディフェンス戦術が整備されていないチーム相手には結構やれそう。
短所:フットサルに占めるフィジカルの要素は決して低くない。
年齢的にも線の細い選手も多く、球際の攻防で押し込まれてジリ貧という時間帯は必ず出るだろう。
チームの存在理由としてやむを得ないが、経験が最重要なゴレイロが20歳というのは大きなハンデ。
町田らしいテクニックとインテリジェンスに溢れるアラの伊藤は2016年に日本代表としてカザフスタン、タイ、イランとの対戦経験を持つ20歳。
竹内涼真似の甘いヴィジュアルはスター性十分。
2016年シーズン終盤、加藤未離脱後に大阪で立派に代役を果たした仁井。
昨シーズン伸び悩んだ163cmの小柄なドリブラーは同世代との切磋琢磨で復調を目指す。
12位:北海道(-2)
毎シーズン入れ替わりの激しい北海道は今季も小柄でイキの良さそうな道産子フットサラーが加入。
毎試合1~2,000人を集める優良チームとしての意地を結果で見せたい。
長所:観客動員や体制面の充実。『やりがい』という観点ではFリーグ1では。
短所:監督10年目を迎えた小野寺監督の引き出し。代名詞の3人カウンターの精度は悪くないが、変化に乏しく対戦チームとしては組しやすい相手。
ディベルティード旭川(北海道1部)→エスポラーダ北海道という近年の道産子フットサラーのエリートコースを疾走中の木村は小柄ながら確かなテクニックを持つ好フィクソ。
フィジカルとスピードに慣れだしたシーズン終盤が非常に楽しみ。
振り返ると、
①上位の勢力図は昨季から無風
②監督交代の大分の復調
③Fリーグ選抜vs北海道の最下位争い
が総括になる。
各チームの監督、選手、関係者の努力や想いを無視したものが順位予想だが、ひとつも当たらないくらいの裏切られるリーグになってくれるのがファンとしては一番嬉しい。
シーズン開幕を楽しみにしています。