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Futsal Philosophy (フットサル・フィロソフィー)

全国選抜

22 5月

2016/5/21(土)、22(日) 第32回 全国選抜フットサル大会関東大会 栃木県県南体育館『トレンドとオールドファッション』

2016/5/21(土)、22(日)  第32回 全国選抜フットサル大会関東大会 栃木県県南体育館
5/21(土) 
<準々決勝>
茨城県選抜 1-2 栃木県選抜
千葉県選抜 6-2 東京都選抜
埼玉県選抜 2-4 神奈川県選抜
山梨県選抜 1-10 群馬県選抜

5/22(日) 
<準決勝>
栃木選抜 1-7 千葉選抜
神奈川選抜 3-4 群馬選抜
<決勝>
千葉選抜 6-3 群馬選抜

昨年神奈川県が全国優勝したことにより、関東に2枠割り当てられることになった第32回全国選抜フットサル大会、関東予選。

結果はここ数大会存在感の薄かった千葉が昨年の全国ベスト4の東京を降し、一昨年全国優勝するも昨年は関東予選1回戦敗退となった群馬が昨年全国優勝の神奈川をノックアウトした。

千葉対東京はお互いがクオリティの高い3セットを、3分で交代していく鍔競り合いで試合がスタート。

前半2分。
千葉がゴールまで15メートルほどの右サイドでのキックインのボールをセットするのに合わせて、右サイドの馬場選手が弧を描くようにスルスルと右サイドに移動する。
キックの助走に十分な距離に近づいたのに合わせてキッカーがタッチしたボールを右足で振り抜くと、シュートはゴールバーを激しく叩き、フロアを勢い良くバウンドしてネットに突き刺さった。

このゴールを皮切りにとして東京も昨年Fリーグで出場時間を伸ばしたペスカドーラ町田の下部組織に在籍する服部選手が取り返すと、千葉も負けじと終盤に2点を追加して3-1で前半が終了。

後半。
千葉が動き、前半の2ndと3rdセットのメンバーを1名入れ替え、セットを出す順番も3rd、2nd、1stに変更して、セット間のギャップとズレを狙う。

Fリーグ経験者を4名揃えた東京だったが、馬場選手のように初見では対応できない別格のタレントの不在と、以外にも少なかった攻め手のバリエーションが響き、前に強いプレスとカウンター、下剋上上等な思い切りのいいシュートと決定力の高さを持つ千葉の無名の若者たちが東京を圧倒しだす。

ベンチも東京が選手交代した後、それに合わせてすぐにフレッシュなセットを投入するなど、勘所を抑えたベンチワークで東京を封じ込め、終わってみれば終始イキイキとフロアを走り回った千葉が1stで3点、2ndで1点、3rdで2点と全員が躍動し6-2で押し切ってみせた。
馬場選手をはじめとした千葉のタレント勢の活躍もお見事だったが、このゲームは大方の予想に反した大勝を呼び込んだ千葉県選抜の二見監督の緻密な采配をここは褒めるべきだろう。

群馬対神奈川は前年の優勝メンバーから一気に若手主体へメンバーが変わったものの、若さを活かした切り替えの早さを武器にする神奈川が開始3分までに2点を先取。
このまま試合をリードするかと思いきや、抜け目のないピヴォを揃える群馬がコーナーキックから油井選手の強烈な左足ミドルと、油井選手からのピヴォ当てを受けた岩尾選手が決めて前半終盤に同点に追いつく。

テクニックを見れば圧倒的に神奈川に分があり、群馬は一昨年の優勝を支えた名ゴレイロの山田選手の好セーブと素晴らしいコーチングでゴールを固め、奪ってからは強肩のレーザービームをピヴォの杉村オスカル選手、岩男選手へ一気に配球。
 
フットサルとして美しく、洗練されていたのは神奈川だったが、彼我戦力差を見極め、出来ることにこだわった群馬はフットサルのうまさとしたたかさが光る。
 
前プレからのカウンター、後方からのつなぎなど神奈川の今風なスタイルには付き合わず、このシンプルな攻守でプレスを回避してリズムを狂わせ、後半早々に坂口選手が混戦からプッシュして勝ち越すと、焦った神奈川を相手に杉村オスカル選手がカウンターからダメ押し弾を決めて3-4で神奈川を退けた。

前プレ&ショートカウンター、攻守の切り替え、3セット。
ロングボールでのプレス回避、ピヴォ当て。
 
トレンドとオールドファッションで結果を掴んだ両チームの決勝戦は試合間隔の短い群馬を千葉が終盤のラッシュで押し切って優勝を決めたが、練習時間の短い選抜チームで結果を出した両チームともストロングポイントを有効活用するのに長けており、どちらの監督もそれを最大限活かすための工夫が随所に見られた。

エースの馬場選手を中心にしたレベルの高い3セットと切り替えのスピードを活かして攻守に迫力のあるスタイリッシュな千葉と、泥臭くもはっきりした武器を活かしてのゲリラ戦に長けた群馬。

正解がないから面白いし、異なるスタイルを見るのが楽しい選抜大会。
今年は9/30(金)~10/2(日)、この大会にしては珍しくアクセスのいい大阪で全12スタイルの全国大会が開催される。
地域リーグでは後塵を拝している関東から180度キャラクターの異なるチームが全国大会に出場するのは非常に楽しみだ。


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このカテゴリーでは別格の存在感を見せつける千葉県選抜の1stセット、馬場選手。
静止状態からのチョロQのような加速、アンチマテリアルライフルを彷彿とさせる右足シュートを武器にリカルジーニョを彷彿とさせる無双っぷり。
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昨年関東2部昇格初年度で1部へあとわずかまで迫ったO-PA所属の林選手。
千葉県選抜でもスピードと左足シュートで2ndセットで気を吐いた。
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大学フットサルの名門順天堂大学/GAZIL所属の小川選手。
切り替えの早い攻守で東京都選抜戦では3rdセットに入り2ゴールと大活躍。
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千葉県選抜のゴレイロ。
安定した好守を見せるNo1の小島選手と、足技とフットサルセンスが光る個性派のNo12田中選手。
今大会は小島選手が長時間出場したがどちらも甲乙つけがたい好ゴレイロ。
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千葉県選抜を率いた二見監督。
じわじわとペースを引き寄せた東京都戦でのベンチワークはお見事の一言。
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Fリーグ参戦前の2013年以来の東京都選抜復帰の金川選手。
朗らかな声で会場への挨拶の号令をかけるなど明るいキャラクターは健在。
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今期、仙台からファイルフォックスに復帰。東京都選抜の藤本選手。
得意のドリブルからのシュートは見せられず。
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軽快な動きを見せたすみだの下部組織に所属する上村選手。
若手の育成に定評にあるクラブのホープとして今後に期待大。
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2日で3試合のレギュレーションで試合途中にゴレイロを交代する奇策を見せた群馬県選抜。
No1の新井選手は小柄ながら軽快な足技、No14の山田選手は長身を活かした存在感と強烈なシュート、レーザービームとそれぞれ異なる個性で試合の流れを引き寄せる。
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泥臭く結果を出した群馬県選抜の面々。
No10の杉村オスカル選手は相手が強いほど実力を発揮するピヴォ。
もう一枚のピヴォ、No13岩尾選手は相手の急所にスッと入る動きが光る。
No8の油井選手は小柄ながら左足シュートは破壊力十分。
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惜しくも敗れた神奈川県選抜。
初日のみ登場したYSCCフットサルクラブ所属のNo1山口選手の超高速で正確なパントキックは一見の価値あり。
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小山には度々来ているものの初参拝となる須賀神社。
立派な参道と静謐な雰囲気は必勝祈願にもよいのでは。
4 10月

2015/10/4(日)第31回全国選抜フットサル大会 いしかわ総合スポーツセンター 準決勝/決勝『一緒の気持ち』

2015/10/4(日)第31回全国選抜フットサル大会 いしかわ総合スポーツセンター 準決勝/決勝
◆準決勝
神奈川県選抜 3 - 3 (PK2 - 1) 滋賀県選抜
東京都選抜 2 - 2 (PK1 - 3) 三重県選抜

◆決勝
神奈川県選抜 6 - 1 三重県選抜

クアトロとピヴォを使い分け、レベルの高い3セット揃えた大会最高のチーム力を誇る東京都選抜。
言葉は悪いがのらりくらりと相手をかわしてゴール前に侵入する三重県選抜。

昨日の2試合を欠場した大谷選手が戻った三重を相手に、前半9分、10分に坂本選手、加藤選手が得点し早々に東京が2-0とリードを奪う。

一昨日、昨日の2日間3試合。
3セットを組み、選手を休ませながら出場時間のマネジメントを見せた東京と、主力を固定し、ほぼ2セットで試合に臨んだ三重。

物量。疲労度。

普通に考えれば東京に分があるこの一戦。
三重は昨日の神奈川県選抜戦と同様、森下選手と大谷選手をピヴォに置き、ボールを前に預ける。
ゴレイロからのスロー、底からの長い距離の縦パス、相手を足先分ずらしてしゃくりの浮き球、角をえぐっての落とし。
底の3枚とピヴォの距離を大事にし、ピヴォが受けるとグッと寄って落としからのシュートに絡むアコーディオンのような攻めを愚直に繰り返す。

前半19分。
大谷選手にボールが入る。
東京のディフェンスが集中し、その周りを衛星のように三重の選手が行き来する。
前半何度となく見られた攻防から、ゴール前にこぼれたボールを日下選手がゴール上段に突き刺して三重が1点差に迫った。

普段関東リーグやFリーグを主に観戦している私は、出足の良い前プレからの鋭いカウンターというキビキビとしたフットサルを王道として評価しがちだ。
 
ボールを晒し、食いつかせて隙を作り、局所的なスピードアップから急所にスポっとボールを放り込む。
受けたピヴォは身体能力ではなく、機転とテクニックでゴールの臭いのする場所にボールを落とし、時に非常にコントロールされたシュートでゴールの4隅を射抜く。
この3日間、異才が局所戦に活路を見出す普段見慣れないスタイルで、普段見慣れた神奈川、東京を苦しめる三重県選抜に大いに魅了された。

後半31分。
三重が2対1のカウンターの場面を迎え、左サイドからフィクソを外した斜めのパスが大谷選手の足元に入る。
33歳の東京のゴレイロ渡邊選手と対峙する34歳の大谷選手。
両ベテランの視線が交錯する。
一瞬の間を取って大谷選手が右足を振り抜くと、強烈なシュートがニアハイに決まった。

同点になったこの後は、東京が5ファウルになったこともあり、物量を利かせた積極的な攻守が緩む。
ここから勝負セットを決めてギアを上げられなかったことが東京としてはもったいなかったが、試合を見させた三重の試合巧者っぷりを褒めるところかもしれない。
それでもお互いに決められそうな時間はあったものの、試合はこのまま終了し、最後はPK戦で大会最高のチーム力を誇る東京が涙を呑んだ。


およそ1時間後に行われた決勝。
残り3分で滋賀に逆転され、残り4秒でパワープレーから同点に追いつき、PKに勝利するという劇的な準決勝を飾った神奈川が、グループリーグでの授業料ののしをつけて6-1と三重を降したが、三重も前半6分に池山選手が先制点を挙げて前半を2-1で折り返し、存在感を示している。

東京、神奈川のクオリティは非常に高く、プレス、カウンター、崩し、セットプレイとフットサルとして洗練され、完成度は群を抜いていたように思う。
それでも準決勝2試合ともPK戦で決まったように拮抗した試合になったのは、この相手に勝ちたいという意地だったり、この仲間と優勝したいという気持ちが大きかったのではないだろうか。

優勝候補筆頭である東京とのPK戦後、三重の選手、スタッフは目に涙を浮かべ、一度は煮え湯を飲まされた難敵を降して優勝を決めた瞬間、20代が大半を占める神奈川の若い選手たちがハイテンションでスタッフ陣を胴上げする。

我を通し続けた大胆な試合運びとは裏腹に、東京に勝つということに大きな達成感を感じていた三重。
東京に劣らぬ物量を誇り、実力はあるもののどこか軽さを見せていたチームが三重、滋賀という難敵との対戦を経て団結した神奈川。

観客としては普段の表情や、この人はこうという抱いていたイメージと異なるギャップを見れることが一番面白い。
 
時に勝敗に淡泊な印象のある選抜大会。
初日から続いた3日間のドラマは主演たちの生の感情が熱戦の呼び水になり、そして濃厚な余韻となって幕を閉じた。
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この3日間に来てよかった金沢。
会場で、SNS等でお声がけいただいたみなさま、選手、運営、関係者のみなさまありがとうございましたm__m
最高に楽しめた3日間でした。
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東京都選抜(白)VS三重県選抜(緑)
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東京は渡邊選手、三重は世古口選手のゴレイロでスタート
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ピヴォVSフィクソの展開になった三重VS東京。
34歳のベテラン大谷選手と23歳の宮崎選手。
Fリーグ町田の下部組織に在籍する宮崎選手は守備と攻撃を高いレベルでこなす期待の若手。
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東京を引っ張る米谷選手。
東京の2点目は彼のシュートから。
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意表を突くドリブル突破を見せるNo7小久保選手、No9石川選手。
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ピヴォとしてチームを牽引する森下選手。身長170cmはピヴォとして小柄。
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セットプレーの立ち位置を指示するNo11大谷選手。
各試合で積極的にコミュニケーションを取る姿が印象に残りました。
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東京都選抜の1点目の場面。
No9坂本選手がファーからプッシュ。
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今シーズン関東リーグでもゴールを量産するNo5丸山選手と大谷選手のマッチアップ。
読みを効かせて前でカットする対応が光りました。
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中断中に談笑する東京のゴレイロ渡邊選手、マッチアップする大谷選手と宮崎選手。
ピヴォVSフィクソというと肉弾戦のイメージがありますが、今日は随所に駆け引きが見られる頭脳戦でした。
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ベテランとして試合をコントロールするNo14木村選手。
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戦況を見守る三重森監督。
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大会3日目。3rdセットを使う時間も増えた三重。
神奈川のNo9町田選手と並ぶ個性的な髪型の三重No3里田選手。
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後半34分。三重の第2PK。これは枠を外します。
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これまでの試合、各自が思い思いの行動をすることが多かった三重ベンチ。
試合終盤、全員が同じ方向を見つめます。
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2-2からPK戦。両チームの円陣。
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PKのゴレイロは東京が杉尾選手にスイッチ。
三重は試合途中から出場した加藤選手。
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PKストップ時の三重ベンチ
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試合終了後、三重スタッフと渡邊選手。立派です。
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大会協賛のIKESPO金沢。
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決勝戦にして再戦。三重と神奈川の円陣
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日本フットサル連盟会長の小倉純二氏。
昨年も決勝戦に来場されていました。
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三重の森監督と神奈川の鈴木監督。
5試合目ということでの早めの交代、3rdセットの使い方など采配にも見所がありました
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決勝戦もピヴォVSフィクソ。
大谷選手とマッチアップする神奈川No5飯塚選手。
攻守に目立った活躍を見せ、後半早々に三重を突き放す3点目を決めています。
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試合を見つめる両ベンチ。
神奈川のNo6は得点王にも輝いた高橋選手。
滋賀県選抜戦では残り4秒で同点ゴールを挙げる勝負強さも持ち、体の強さを活かす肉体派ピヴォ。
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神奈川のゴレイロはNo1藤原選手。準決勝までは冨沢選手と交代でゴールを守っています
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2-1で前半終了後の三重。
壁に足をかけて疲労を取っています。
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強烈なシュートを持つNo11山村和士選手。
この試合でも逆転の2点目をコーナーキックからのミドルで上げています。
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神奈川のキャプテン、No14山村朋也選手。
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神奈川の若手枠、18歳のNo12上村選手。
予選3試合目の退場処分のため滋賀戦を欠場。決勝ではダメ押しの4点目を決めました。
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攻守のバランスが高い細谷選手。今シーズンは試合を決める活躍が目立ちます。
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後半32分からの三重のパワープレー。
昨日神奈川の足を止めさせたパワープレーも、今回は対策をした神奈川が守りきりました。
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37分でのタイムアウト。
大谷選手がボードを動かし、ピラミッド型から底2枚と前線をフラットに3枚の形に変更します。
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パワープレーを見つめる三重
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スタッフを胴上げする神奈川
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悔しそうな三重。
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表彰式、3位の滋賀。
(東京は閉会式を欠席)
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準優勝の三重
個性的な面々をベテランが引っ張る面白いチームでした
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優勝の神奈川。
若くて勢いのあるチームでした 
3 10月

2015/10/3(土)第31回全国選抜フットサル大会 いしかわ総合スポーツセンター 予選2日目『スゴいところ』

2015/10/3(土)第31回全国選抜フットサル大会 いしかわ総合スポーツセンター 予選2日目
◆Aブロック
宮城県選抜 8 - 0 富山県選抜
東京都選抜 7 - 1 徳島県選抜
宮城県選抜 3 - 2 徳島県選抜
東京都選抜 8 - 4 富山県選抜
◆Bブロック
長崎県選抜 4 - 8 広島県選抜
神奈川県選抜 4 - 4 三重県選抜
長崎県選抜 2 - 5 三重県選抜
神奈川県選抜 5 - 3 広島県選抜
◆Cブロック
福岡県選抜 3 - 3 石川県選抜
滋賀県選抜 4 - 2 北海道選抜
滋賀県選抜 5 - 3 石川県選抜
福岡県選抜 3 - 4 北海道選抜

予選Bブロックの大一番。
 
神奈川県選抜対三重県選抜の一戦は攻守にレベルの高いアラを多く擁する神奈川が山村朋也選手のミドル2発で2-0とリードするも、三重も池山選手から日下選手へのピヴォ当ての落としをリターンで受けた池山選手が蹴り込んで2-1で前半終了。
 
昨日ボレーシュートでハットトリックを達成した大谷選手が欠場の三重。
構成力に勝る神奈川に対し、昨日のバリエーションに富んだ組み立てを捨て、日下選手と森下選手をピヴォに置いて当ててから展開するシンプルな攻めを見せる。

縦への勢いと、対人にも強さのある神奈川に対し、要所をはぐらかしながら機を伺う三重。
体の強さが求められるポジションというイメージのあるピヴォだが、170cmそこそこの日下選手、森下選手は視野の広さとテクニックを活かしたキープ力で存在感を見せ、後半26分には森下選手が起点となって水谷選手の同点ゴールが生まれ、その3分後には繰り返したピヴォ当てではなく意表を突く縦突破から小久保選手が豪快に振り抜いて三重が逆転に成功した。

神奈川も負けじと後半34分に山村和士選手がコーナーから低空のミドルを再度突き刺して同点。
無理をするよりワイルドカード狙いかと思った同37分にショートカウンターから高橋選手が蹴り込んで神奈川が4-3と再逆転。

プレスとカウンターを主体とする『急』のフットサルに見慣れた私としては、三重の『緩』のフットサルはちょっとした驚きだった。
言葉は悪いがのらりくらりと相手をかわし、味方と極端に近い距離を取ってのパスワークでプレスを外す。
お互いの戦力、相性を分析し、この試合はほぼピヴォ当てオンリーで、カウンターのリスクを避けた勝負に徹したが、それでも三重県選抜の面々はとても個性的で面白い。

逆転ゴールを許した直後、三重はタイムアウトを取り、選抜チームにしては珍しいパワープレーを開始する。
水谷選手をゴレイロにした小久保選手、日下選手、池山選手、木村選手のパワープレーは驚くべきことに普段練習する機会のない4チーム混合でのクインデットだ。

最後の最後にどデカい隠し玉を用意していた三重。

おそらくパワープレーのディフェンスなんてやっていないであろう神奈川をピラミッドに囲い、相手をズラしにズラしてからの小久保選手のプッシュ。
東京と並ぶ優勝候補の神奈川を相手に選抜チームらしからぬパワープレーの完成度を見せつけ、残り30秒で同点に追いついて見せた。


予選リーグの3試合が終了した大会2日目。
Aブロックは充実の3セットで主力を休ませながらの横綱相撲を見せた東京。
Bブロックは三重と同勝点も得失点で上回った神奈川。
Cブロックは同タイプの北海道に競り勝った滋賀。
ワイルドカードは三重が掴み、明日の準決勝は東京VS三重、神奈川VS滋賀の組み合わせになった。

戦績を見れば3戦全勝で得失点差プラス12の東京がズバ抜けている。
選手の疲労度を見ながら3試合ごとに出場時間を管理して試合を運び、富山県選抜との一戦では相手のズバ抜けた決定力から泥仕合になったものの、遜色のない3セットを組み、精度の高いクアトロから繰り出される自在の攻めはどのチームにとっても脅威だ。
今年の地域チャンピォンズリーグでは関東勢がベスト4に進めなかったことが話題になったが、今大会での東京都選抜と神奈川県選抜の完成度は高く、この2チームの決勝戦が有力だろう。

ほぼ2セットで回し、ケガ人も抱える東京と三重の準決勝。
戦績、各選手の出場時間での疲労度など、数字で見れば明らかに東京都選抜に分があるが、それでも三重は何かをやってくれそうな雰囲気を感じさせる。

客観的な優位性を示すのが数字やデータだが、時にそれを越えるチカラを見せるのが人間のスゴいところで、そんな光景を目にしてファンは感動したりする。

大会3日目の最終日。
残すは準決勝と決勝の2試合。
まだ何か隠し玉を持ってそうな三重県選抜と、フットサルらしいフットサルを見せる滋賀県選抜のスゴいところに期待したい。

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会場のいしかわ総合スポーツセンター。
美しく広大で立派なアリーナです。
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今日から登場の東京都選抜のベテランフィクソNo8夏野選手と、徳島県選抜のNo15大西選手
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同じく今大会初出場のNo13工藤選手と、No18小原選手。
積極的なプレイが目立ちました。
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東京都選抜のゴレイロ、渡邊選手と杉本選手。
前後半でと交替しながらゴールを守ります
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第2試合の徳島県選抜戦でのNo14の丸選手、小原選手、工藤選手、夏野選手のセット。
各試合で出場時間の短い選手を組み合わせ、選手の疲労度を考えたセット組みを見せた東京都選抜。
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第2PKに合わせて、ラグビーワールドカップで話題の五郎丸ポーズを見せる東京都選抜ベンチ。
試合中、試合後の雰囲気も良く、この2日間最もうまくいっているチーム。
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チーラして吠える往年のファイルフォックススタイルを見せたNo2瀬戸選手。
試合を終えてのNo3宮崎選手と。
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ブロックの大一番、神奈川県選抜戦前の三重県選抜
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同じく神奈川県選抜の円陣
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三重のスタートゴレイロ、No1世古口選手
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同じく神奈川県選抜のゴレイロ、富沢選手
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開始から2ゴールをあげた神奈川県選抜のNo14山村朋也選手
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3-3となる同点ゴールを決めた山村和士選手
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攻撃の起点を作る三重のピヴォ、No20の森下選手(右緑)と、マークにつく神奈川のNo5飯塚選手(左青)
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ベンチで談笑する神奈川県選抜の面々。
攻守に高いクオリティを発揮するNo8細谷選手
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個性的な髪型の神奈川県選抜No9町田選手。
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パワープレーから同点ゴールを決めたNo7小久保選手
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体の強さを活かして前線に張る神奈川県選抜No6高橋選手と、ゴール前にスッと入って得点をあげる池山選手
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三重県のパワープレー。タイムアウト明けに真っ先にフロアに出るゴレイロを務めたNo4水谷選手
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北海道選抜のフィクソ、若干19歳の木村駿斗選手。
今日も底からの組み立てが光りました。
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小気味のいい仕掛けを見せた北海道選抜のNo8石井選手。
コーナーからのミドルシュートで同点となるゴールを決めています。
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滋賀県選抜のゴレイロ、No1河内選手。
オラついた見た目とは裏腹にクリーンなプレーを見せ、チームメイトからも良いいじられ方をされる好青年。
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北海道選抜のゴレイロNo12の池田選手。
好プレーで締まった試合を演出しました。
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滋賀県選抜182cmのNo11深江選手と、164cm木村選手のマッチアップ。
 
2 10月

2015/10/2(金)第31回全国選抜フットサル大会 いしかわ総合スポーツセンター 予選1日目『主役と伏線』

2015/10/2(金)第31回全国選抜フットサル大会 いしかわ総合スポーツセンター 予選1日目
宮城県選抜 0 - 2 東京都選抜
徳島県選抜 5 - 2 富山県選抜
長崎県選抜 3 - 8 神奈川県選抜
三重県選抜 4 - 2 広島県選抜
滋賀県選抜 5 - 2 福岡県選抜
石川県選抜 1 - 6 北海道選抜

宮城県選抜対東京都選抜。
物量を活かした3セットで試合開始早々から猛攻を仕掛ける東京都選抜に対し、宮城県選抜もヴォスクオーレ仙台サテライトで活躍するゴレイロ佐々木選手を中心にしたゾーンでの固いディフェンスで守る。

ジリジリとした鍔迫り合いが続く前半15分過ぎ、若干20歳と東京都選抜最年少ながら第3セットで溌剌とした仕掛けを見せる丸選手が相手のディフェンスと交錯する。
ファウルにはならなかったものの立ち上がり際に相手の足が絡み、フロア上ではちょっとした視殺戦が展開された。
 
その直後、丸選手の気合いの入った突破を起点とした仕掛けで押し込み、右45度で待ち構える岡野選手へ冷静に丁寧なパス。
これを岡野選手が蹴り込み、優勝候補筆頭チーム待望の先制点となった。
ベンチにハイタッチに向かう岡野選手の後ろを追い駆け、自分もハイタッチに加わる丸選手。
直前の鬼気迫る仕掛けとあどけない20歳の若者の姿がなんとも微笑ましかった。


三重県選抜の大谷純一選手と広島県選抜の三宅選手。
34歳と36歳のベテランが引っ張る両チームの対戦は広島県選抜が先制。

三重県選抜もフリーキックからのこぼれ球が直前のプレイで倒れ込んだ大谷選手の頭上に上がり、倒れたままのボレーシュートで同点に追いつく。
その後、コーナーキックからの浮き球を同じく大谷選手が豪快に突き刺して2点目。
後半32分に広島県選抜が20歳の大型ビヴォ、永井選手の振り向きシュートで同点にするも、その4分後に後方からのロングパスをまたも大谷選手が難易度の高いボレーでブチ込み、ボレーシュートだけでハットトリックという持ってる男らしい離れ業を演じてみせた。
(その後もう一点を手堅く流し込み、大谷選手は1試合4得点)

石川県選抜対北海道選抜
90年代生まれがズラリと並ぶヤング北海道を相手に開催地の石川県選抜が先制も、若干19歳の木村駿斗選手が左サイドでパスを受け、角度のない位置から迷わず振り抜いて同点ゴールを挙げる。

あどけない顔立ちとは裏腹に19歳とは思えない落ち着きを見せる164cmの小柄なフィクソは、ゴール直後のプレイで両足でボールの上に乗るリカルジーニョばりのムーブをやってのけ、5分後には木村丈二選手へ逆転のアシストも決め、堂々と試合を支配して見せた。

彼を筆頭に独特の感性と高いテクニックを持つ選手達がボールが跳ねるようにパスアンドムーブを繰り返す姿はとても心地がいい。


3日間で最大5試合の過酷なレギュレーション。
結果を出すチームにはラッキーボーイと象徴的なプレイがある。

直前のプレーでの感情の高ぶりをゴールへ繋げた丸選手。
ボレーシュートでハットトリックという離れ業を演じた大谷選手。
20人中12人が90年代生まれの中で鮮烈なプレイを見せた木村駿斗選手。

3日目の決勝戦が終わった後に思い出す選手とプレイは?
随所に張られた伏線が見られた1日目の6試合。
明日はベスト4が決まる大会2日目。
起から承に繋がるサスペンスドラマのような熱戦を楽しみにしています。

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金沢駅の鼓門(つづみもん)迫力があります
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堅実な繋ぎを見せた東京選抜のNo10加藤選手。
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バランスの良いプレーを見せた東京選抜のNo2瀬戸選手。
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長い距離のドリブル、浮き球を収めるのではなく叩きつけて抜こうとするなど、独創的なアイディアを高いテクニックで具現化する東京都選抜No19米谷選手。
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東京選抜No5フィクソとして守備を引き締めた丸山選手と、仕掛けが光ったNo14丸選手。
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先制点を挙げたNo11岡野選手。
Fリーグ湘南から復帰後、活躍が続いています。
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東京選抜の円陣
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東京選抜のNo9ピヴォ坂本選手と宮城県選抜のNo16ゴレイロ佐々木選手。
見応えのある攻防でした。
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高いテクニックを活かした組み立てが光った宮城県選抜のNo10奥山選手
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三重県選抜の円陣。明るく、雰囲気の良さが目立ちました
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40×20のコートが2面取れるいしかわ総合スポーツセンター。
非常に立派なアリーナです。
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三重県選抜のNo10池山選手。
独特なボールタッチと豊かな表情が印象的です。
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フリーキックの場面で味方に支持を出すNo11大谷選手。
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シュライカー大阪でも活躍した広島県選抜No11一村選手と、36歳No10三宅選手。
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ハーフタイムに同セットのNo7小久保選手、No8日下選手と話し込むNo11大谷選手。
ピッチ、ベンチ両方でのコミュニケーションが4得点という結果に繋がっているのかもしれません。
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三宅選手と大谷選手のマッチアップ。
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広島県選抜の大型ピヴォ、No15永井選手は20歳。
1日目は若手選手の活躍が目立ちました。
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試合終了間近の三重県選抜のベンチ。
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地域リーグ時代のすみだ、バルドラール浦安、SWHなどビックチームでの経験が豊富な石川県選抜No9瀬川選手
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北海道選抜を指揮する菅野監督(写真右)。
エスポラーダ北海道サテライトの監督も務めます
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北海道選抜のフィクソ、若干19歳のNo2木村駿斗選手。
あどけない表情とは裏腹な試合中の堂々とした姿にスケールの大きさを感じます。
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滋賀県選抜、赤髪のゴレイロ河内選手。
今年夏の全国大学選手県でも活躍した大学生。明日は北海道、石川県選抜と対戦。
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31 5月

2015/5/31(日) 第31回全国選抜フットサル大会 関東予選 準決勝・決勝 水海道総合体育館 『フットサルの魅力』

2015/5/31(日) 第31回全国選抜フットサル大会 関東予選 準決勝・決勝 水海道総合体育館
◆準決勝
東京都選抜 3-2 埼玉県選抜
神奈川県選抜 4-2 千葉県選抜

◆決勝
東京都選抜 3-2 神奈川県選抜

勝てば全国大会の出場権獲得。
神奈川県選抜と千葉県選抜の準決勝は立ち上がりに脆い千葉県選抜の急所を突いて神奈川県選抜が先制し、2-0のリードで試合が進む。

前半17分。
フットサルという枠を越え、試合中に発生した救急救命の事例としてTV、新聞等の一般メディアにも取り上げられた千葉県選抜の田中選手と神奈川県選抜の上村選手が同じフロアに立った。

◆試合中のシュートで心臓停止・・・。九死に一生を得た関東リーガー
http://www.futsaledge.jp/archives/5179

フットサルは間口の広いスポーツだ。
50歳以上限定の大会もあれば、男女混合でコートに女子が1人以上いること、などフェアに楽しむための工夫が沢山ある。
ワイワイボールを追ってもいいし、シリアスにワンプレーに熱くなるでもいい。
2002年の日韓ワールドカップ以降、フットサルコートは爆発的に増え、全国各地、至るところにあるコートでフットサルを一度でもやったことのある人はきっと沢山いるはずだ。

今回の事例はあくまで偶発的な事故であり、どちらに過失があったわけではない。
相手のシュートを体でブロックに行く。
シュートを打った攻撃側はもとより、ブロックした守備側から気合の雄叫びが挙がったりする、攻守が一体で相手との距離が近いフットサルの魅力が詰まったプレイだ。

キレのあるプレーを連発し、今日の2点目を挙げている神奈川県選抜の細谷選手が左サイドで前を向いてボールを持つ。
田中選手が応対するも、細かい左右の切り返しで左足のシュートコースを空けられたところでの対角への見事な一振りでスコアは3-0となり、試合の大勢は決まった。

試合終了後、2失点に絡んだ田中選手はうなだれ、前半の短い時間のみの出場になった上村選手は勝利を喜ぶも不完全燃焼そうな表情を浮かべる。
 
上手くいくこともいかないこともある。
そんな当たり前もフットサルの魅力のひとつだ。
これからも試合は続き、若い彼らには沢山の挑戦と可能性が待っている。

フットサルは決して危険なスポーツではない。
ワンプレーに熱くなり、一喜一憂し、喜怒哀楽を揺さぶる。
今日、ふたりのマッチアップはなかったけれど、いつかそんな当たり前の魅力を、彼らふたりが表現してくれることを楽しみにしています。

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18 5月

2015/5/17(日) 第31回全国選抜フットサル大会 関東予選 準々決勝 水海道総合体育館 『向き合うものは』

2015/5/17(日) 第31回全国選抜フットサル大会 関東予選 準々決勝 水海道総合体育館
群馬県選抜 2-6 東京都選抜
埼玉県選抜 6-1 山梨県選抜
神奈川県選抜 6-3 茨城県選抜
栃木県選抜 3-3(PK2-3) 千葉県選抜
 
千葉県選抜が有利の下馬評を覆し、開始早々に栃木県選抜が挙げた2得点に会場がどよめく。
悪い流れを断ち切るために1stセットをベンチに下げ、2ndセットを送り込む千葉県選抜。
 
小柄な体躯。
背中一杯に広がる『18』の背番号。
14日前に生死の境を乗り越えた田中奨選手がフロアに立った。
 
◆試合中のシュートで心臓停止 九死に一生を得た関東リーガー
http://www.futsaledge.jp/archives/5179
 
2点差を追いかけてアラの位置に入る田中選手。
 
プレス。フェイク。エントラ。パラレラ。ケプラ。
 
教則に則った質の高い動きを披露し、クイックネスを武器にビハインドを必死に追いかける。
 
彼が見るボールの形は、ピッチの景色はどんなだろう。
自分の意識を刈り取り、命を落とすかもしれなかったフットサルを再びプレーすることを彼は選んだ。
・・・怖くはないのだろうか。
彼だけが感じられる感覚と景色を想像しながら試合の行方を見守る。

試合の後半。
追い上げる千葉県選抜が抜け出し、栃木県選抜のGKとの1対1。
GKが前に出て間合いを詰めるところに、全力のシュートが打ち込まれた。
どこにでもあるGKとの1対1。
そんな当たり前の光景に今日は胸が苦しくなる。
鳩尾にシュートを受けたGKはしばらく息を詰めたものの立ち上がり定位置につく。
そんな光景をセットに入っていた田中選手はただ静かに見つめていた。

試合は3-3の同点からPK戦を制した千葉県選抜が準決勝に駒を進めた。
歓喜の輪の中で喜びの笑顔を見せる田中選手。
彼の笑顔を見る仲間たちはきっともっと嬉しいはずだ。
 
注目は時に義務や責任を連れてくる。
不意に世間の注目を集めることになった22歳の若者に気負いも恐怖もないわけがないし、奇跡や美談だけでは語れない現実を彼は生きている。
彼だけが語れる言葉と、彼だけが見せられるもの。
フットサルを続けることを選んだ彼の勇気、背負うものに耳を傾け、理解しようとする人がひとりでも多く現れてほしいと思っています。

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17 5月

2015/5/17(日) 第31回全国選抜フットサル大会 関東予選 準々決勝 水海道総合体育館 『悔しさの先に』

2015/5/17(日) 第31回全国選抜フットサル大会 関東予選 準々決勝 水海道総合体育館 『悔しさの先に』
群馬県選抜 2-6 東京都選抜
埼玉県選抜 6-1 山梨県選抜
神奈川県選抜 6-3 茨城県選抜
栃木県選抜 3-3(PK2-3) 千葉県選抜

2013年に関東を制し、全国優勝した東京都選抜。
2013年は代表者会議を欠席したため失格。そこから1年後の2014年は東京、神奈川の強豪を倒し、全国優勝まで駆け上がった群馬県選抜。
昨年は東京が試合の主導権を握るものの、2-2の同点からPK戦で群馬が粘り勝ちを収めた。

2015年。
全国制覇を果たした群馬は、当時の中心、デルミリオーレクラウド群馬勢が抜けて若手中心となり、昨年、全国制覇を経験したメンバーはわずかに3人。
東京は昨年と同じくゾット早稲田のメンバーを中心に要所を関東リーグで活躍するメンバーが固める。
初戦で激突することになった新旧全国王者の対戦は、お互いがベンチ入りしたメンバーを活かしきって3セットで回し、東京は前プレ、群馬は状況に応じてラインを細かく修正してコンパクトに当たった。

試合自体は締まった内容で進むも、抜け目のなさと個々の技術でリードを広げる東京都選抜。
米谷選手、加藤選手、坂本選手、瀬戸選手と才人が集まった1stセットは、お互いがボールを反射し合い、人とボールが幾重にも交差する美しい幾何学模様を何度も描いてみせた。
0-2と東京都選抜リードで前半を折り返した後半8分。
昨年の全国制覇の原動力になったゴレイロの山田選手の肩口を、米谷選手が鮮やかなループシュートで抜いて0-3とし、試合の大勢は決まった。

昨年の借りを返したい東京都選抜。
昨年と比べられたくない群馬県選抜。

試合開始から3/4が過ぎ、点差は離れてもお互いに自分達のスタイルを継続し、フェアに時間は進む。
相手に勝ちたいより、今の自分達の現在点を確かめるような試合は、0-5のビハインドから全国選抜の決勝でも得点を挙げた八高選手が中心となり2点を返すも、2-6の大差で試合は終わった。

歓喜に沸く東京都選抜。
悔しいからこれからを頑張れて、その先には笑顔が待っていて、もちろん敗れた群馬県選抜もそのことを知っている。
全国屈指のタレントを相手に、志のあるフットサルを貫いた群馬県選抜。
コインの裏表のような悔しさと嬉しさを知る彼らの1年後が、笑顔になることを楽しみにしています。

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15 9月

2014/9/15(月・祝)第30回全国選抜フットサル大会 きびじアリーナ 準決勝・決勝 『全盛期を決めるもの』

2014/9/15(月・祝)第30回全国選抜フットサル大会 きびじアリーナ 準決勝・決勝
◆準決勝
群馬県選抜 3 - 1 大阪府選抜
奈良県選抜 0 - 4 静岡県選抜
◆決勝
群馬県選抜 2 - 1 静岡県選抜

昨日の決勝トーナメント進出を賭けた大一番と同カードになった第30回全国選抜大会決勝戦。

デルミリオーレ勢が大半を占める群馬県選抜の中で、大会を通して安定した活躍を見せたBFC所属の八高選手からのシュートパスを志村選手がファーで詰めて群馬県選抜が先制。

リベンジを狙う静岡県選抜もゴール正面からのフリーキックを阿野選手がズバリと突き刺し同点で前半終了。
プレスとボール回しで押し込む静岡と、中央を固めてカウンターとブラインドを作ってのシュートを狙う群馬。
接触プレイ、審判の判定にピッチからもベンチからも罵声の飛ぶ荒れた展開になった昨日と変わり、自分たちの色を出し合い、ジリジリする展開にもうまくいかないことを他責に求めない好ゲームになった。

後半12分。
カウンターから右サイドでボールを受ける群馬県選抜の須崎選手。

大会を通じて何度も披露した右足裏でボールを押さえてからアウトで逆へ持ち出す足技ではなく、アウトを匂わせる一瞬の間を取ってからオーソドックスにインサイドへボールを舐めて対峙するディフェンスを寝かせ、ゴレイロを外したファーへのパスを会場全体がスローモーションのような感覚で見つめる中、ジオゴ選手が無人のゴールへ流し込んだ。
相手が自分のプレイを知っていることが利点にも弱点にもなることを熟知した、サスペンスドラマの伏線を回収するようなベテランコンビのゴールがこの3日間の大会の最後の得点になった。

初優勝に沸く群馬県選抜の平均年齢は30.9歳。

決勝点ゴールのジオゴ選手は35歳で、アシストの須崎選手は37歳だ。
全盛期を決めるのは自分自身で、夢や目標があるならいつまでだって持てばいい。
いい大人が怒鳴り、走り回り、クタクタにやり切った笑顔でカップを掲げる。
フットサル黎明期を駆け抜け、生活、競技の両立というジレンマも経験したであろう彼らの全盛期がこれまでとこれからのどこにあるかなんてもう誰にもわからない。

好きなものを追いかける気持ちに、年齢で限界の枠を作ってはめ込むのは無粋だろう。
夢や目標を持ち、挑戦し続ければいくつになっても輝けることをこの日の彼らの笑顔が雄弁に語っている。

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決勝戦の群馬県選抜VS静岡県選抜。
2面のコートを1面に早替えした運営の手際の良さがお見事でした。
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